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リンゴといえば農園でしか育てられない、そんなイメージが強いですが、じつはそんなことありません。リンゴは確かに厄介な病害虫が多いのですが、それさえ気をつければ家庭でも十分に栽培を楽しむことができる果樹です。
今回はそんなリンゴの育て方をご紹介していきます。
リンゴの苗木の植え付け時期は、11〜3あたりが最適です。ただし、真冬は株を傷める可能性があるため、避けましょう。地植えと鉢植えどちらで栽培できます。
リンゴを地植えにする場合は、深さ直径ともに50cmほどの穴を掘り、元肥や腐葉土などを混ぜて土づくりをします。深植えにならないように接ぎ木が地上へ出るようにして植え付け、支柱を立てたら、最後にたっぷり水やりをします。
リンゴを鉢植えにする場合は、深さが30cm以上ある7〜8号鉢を用意します。鉢底石を敷き、鉢の底から1/3〜1/2まで土を入れます。
苗を中心に置いて、その周りに土を入れていき苗を固定するように植えていきます。このとき、接ぎ木の部分が土に埋もれないように注意してください。植え付けたら、樹高を70cmくらいになるよう切り戻し、支柱を立てて固定したら、たっぷりと水やりします。
リンゴの木は、水はけと水持ちのよいものならあまり土質を選びません。鉢植えなら、市販の果樹用培養土や赤玉土小粒を7:腐葉土3の配合土で十分に育てられます。
地植えなら掘った土に対して、腐葉土3:赤玉土2を混ぜ込みましょう。
リンゴは寒さにとくに強く、生育適温は6〜14℃、最低-30℃ほどまでは耐えられる果樹です。
リンゴの有名な産地が寒い地域なため、リンゴは暑さに弱いと思われがちですが、寒さにも暑さにも、どちらも比較的強い果樹です。九州や沖縄での栽培は難しいですが、暖地でも育てることはでき、中国・四国地方あたりまで果実の色などを気にしなければ栽培ができます。
リンゴはとても日光を好む植物なので、一年中日当たりのよい場所で育てましょう。ただし、葉や実に直射日光に当たると葉焼けや果実の日焼けを起こしてしまうため、必要に応じて遮光して、やわらかい光が当たるようにしましょう。
とくに夏の暑さには弱いため、直射日光と西日の当たらない場所で育ててあげましょう。
リンゴの木の水やりは、冬の期間も乾燥がしないように注意し、とくに開花から着果までの間は土の乾燥が続かないようにしてください。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら鉢の底から少し流れ出るくらいたっぷりと与えます。
地植では、暑さの続く夏はしっかり水やりをしましょう。
リンゴの木の肥料は、植え付けの際にゆっくりと効果を出してくれる緩効性化成肥料を土に混ぜ込んでおきましょう。1株あたり200gほどが目安です。
そして、地植えの場合は1〜2月と6〜7月の年2〜3回ほど、緩効性肥料または有機質肥料を追肥します。また、リンゴはカルシウムを多く必要とするため、カルシウムを含む肥料がおすすめです。
リンゴの木はさまざまな病気にかかりやすく、主に斑点落葉病・うどんこ病・黒星病・腐らん病などに注意します。
一度病気にかかった部分の回復は見込めません。そのため、こまめに観察して、病気にかかっている部分を見つけたら、その都度切り取って処分するようにしましょう。また、事前に薬剤を散布するなどで予防しておきましょう。
害虫としてはシンクイムシというものがつきやすく、新しく生えた枝や果実の中に侵入して食害する害虫です。実に袋をかけて侵入を防ぎましょう。
リンゴの剪定は冬の1〜2月と夏の7〜8月の年2回行います。
夏剪定では不要な枝を切って、全体が三角形となるように切り戻し剪定と間引き剪定をしまて樹形を整えます。
冬剪定では枯れた枝や不要な枝のみカットし、強い剪定は避けてください。
リンゴは一本では実がならず、異なる品種を近くで栽培することで受粉して実をつけます。ただし、自然受粉よりも人工授粉の方が確実です。
リンゴの人工授粉の方法は、開花して10日以内にリンゴの花粉を筆でやさしく擦りとり、異なる品種の花につけます。
品種によって相性があるので、苗を購入する際に確認しておきましょう。
リンゴの果実の収穫時期は、9〜10月頃です。リンゴの花が咲いてからだいたい3週間ほど経つと、果実となる部分が少しずつふくらんできます。
このとき、たくさん成っていたら全部育てたい気持ちになりますが、余分な実を思い切って摘み取ります。そうすることで、残した実にしっかりと栄養が行き届くようになります。中心にある実やきれいな実以外は、思い切って摘み取ってしまいましょう。
果実がある程度成長してきたら、害虫から守るために袋をかけてあげる必要があります。実が全体的に赤くなってきたら、ハサミで切り取って収穫します。
リンゴの植え替え時期も、植え付けと同じ11〜3月の間に行います。植え替えは、根詰まりを防いだり、通気をよくすることが目的となります。
鉢の大きさや生育の具合にもよるのですが、一般的には2〜3年に一度の頻度で行う必要があります。
リンゴの増やし方は「切り継ぎ」という方法が一般的です。
リンゴの切り継ぎの時期は2〜3月のが適しています。台木には実生2年ほどのしっかりと充実した苗木を使います。
まず、つぎ穂は病虫害のない葉芽がしっかりついている枝を選んで10cmに切り、つぎ穂をつくります。そして、台木をつぎ木の部分で切ります。
切れ目を入れてつぎ穂をさしたら固定し、ビニールの袋をかけます。台木から伸びた芽はすべて取ってしまい、つぎ穂の生育に行き届くよう、うながしてあげます。
リンゴは苗から育てるのが一般的ですが、食べ終えたときの種から芽が出て育てたという方もいるようです。
しかし種から育てる際には、収穫までに大変時間がかかったり、気候の変動に弱く枯れやすいです。しっかり育てたいという方へは、苗から育てることをおすすめします。
今回は、農園でしか育てることができないというイメージの強いリンゴを家庭で楽しむための育て方についてご紹介しました。
害虫や病気などに注意したり、高温にも多少気をつけなければいけませんが、リンゴを家庭でも楽しめたらとっても素敵ですよね。ぜひとも挑戦してみてくださいね。
GreenSnap編集部