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サルナシの名前は聞いたことがなくても、別名の「ミニキウイ」や「ベビーキウイ」なら知っているという人はいるのではないでしょうか。サルナシ(ベビーキウイ)は中国原産のマタタビ科の果物です。見た目はキウイフルーツに似ていますが、皮ごと食べられてる点が少し違います。栄養価も抜群、抗酸化作用もありますよ。
果物というと育てるのが難しそうな感じもしますが、サルナシは暑さにも寒さにも強いので、比較的育てやすいといわれています。今回はサルナシの育て方についてご紹介します。
サルナシは日当たりが良い場所で管理してください。つるが伸びてくるので、棚仕立てにして栽培します。また、サルナシは雌雄異株なので、果実を付けるには2本以上栽培しなければなりません。
サルナシを栽培するときは、夏の日照りによる乾燥に注意し、冬は霜にあたると収穫量が少なくなるので、寒冷紗などで覆って霜対策をしましょう。
サルナシを育てるときの水やりは、土が乾いてきたら行うようにします。地植えで栽培する場合も、夏だけは日照りによる乾燥を防ぐために水やりをします。
サルナシには、2月と10月に肥料を与えます。2月は寒肥(春の生育期の成長を促す、冬の休眠期に与える肥料)として、緩効性肥料か有機肥料を与えます。10月はお礼肥(果実の収穫が終わった植物に与える肥料)として化成液体肥料を与えます。
サルナシを育てる土壌は、水はけがよく保水性があるものを選びます。鉢植えで育てるときは、野菜用の培養土を使ってもよいでしょう。自分で土作りをするときは、赤玉土と腐葉土をブレンドします。
サルナシの植え付けと植え替え時期は、11月~翌年の2月頃の冬が適しています。
サルナシを鉢植えで育てる場合は、切り戻しをしてから植え付けをするとよいでしょう。このとき土壌の水はけがよくなるように、鉢底に鉢底石とネットを敷いてから、土を入れて植え付けます。
サルナシ地植えにするときは、耕した土に植え付けをします。伸びてきたつるがかけられるように支柱の設営もします。
植え替えは2年に一度が目安になります。株ごと一回り大きな鉢に植え替えをします。このとき、土は新しいものに入れ替えてください。
サルナシの増やし方は、「挿し木」と「種まき」が一般的です。
2月~3月頃になるとツルが伸びてくるので、先端の部分を10cmほどカットして清潔な土に植え付けを行います。根付かせるためにも、挿し木の部分を乾燥させないようにしましょう。
サルナシは、種からも育てることができます。種まき時期は4~5月頃が適期です。
サルナシ実から種を採取しておいたものを使いましょう。春になったら、水分をとって保存しておいた種を湿らせた土に撒きます。上から土は被せないようにしましょう。
剪定とは、不要になった枝を刈り取り、植物の成長を促すことをいいます。伸びすぎた枝は、見た目もよくありませんし、風通しも悪くなるので、湿気がこもりやすくなります。
サルナシの剪定は、果実の収穫を終え、葉が落ちた12月~2月にかけてつるの部分を短くします。切るときは根元の部分は残すようにしましょう。剪定をすることで、新芽が出やすくなります。
サルナシはつる性の植物なので、成長するとどんどんつるが伸びていきます。ほかの植物にからまると成長を妨げることになるので、大きくなってきたらつるがからみやすいように支柱を立てます。ブドウを栽培するときのように、棚仕立てにしてもよいでしょう。
つるの部分が伸びてきて重なる場合は、こまめにカットしてあげると通気性もよくなり、長期間育てることができます。
サルナシは病害虫に強いといわれていますが、接ぎ木をする際に枝を傷付けてしまうと傷の部分から「キウイフルーツかいよう病」に感染することがあります。道具から伝染することもあるので、剪定の時に使うハサミは、清潔な状態にしておきましょう。
また、コガネムシの仲間であるドウガネブイブイは、幼虫が葉を食い散らかします。生育期である7月頃から秋の収穫期までは、カメムシによる被害にも気をつけてください。
サルナシは、5月~6月にかけて白い花を咲かせます。この花の部分が結実すると果実になるので、食用にすることができます。
サルナシの実は生で食べるだけでなく、長期保存用として果実酒やジャムとして加工されます。
サルナシの花言葉は「誘惑」とです。
17世紀のトルコでは、恋人への贈り物として花に思いを託すという習慣がありました。これが、サルナシの花言葉のはじまりといわれています。その後、花言葉の文化がヨーロッパに伝わり、アジアでも知られるようになりました。
サルナシの属名の由来は「サルが好んで食べること」といわれています。花言葉は花というよりは、サルナシの果実が美味しいことが由来になっています。
「桃栗三年柿八年」ということわざがあります。サルナシも実が収穫できるようになるまでには3年位の時間がかかるといわれています。栽培を始めたからといってすぐに実がなるわけではありません。すぐに結果を求めるのではなく、丁寧に手をかけて、植物が成長する過程も楽しみながら育ててみてください。
※トップ画像はringoさん@GreenSnap
GreenSnap編集部