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リンゴといえば農園でしか育てられない、そんなイメージが強いですが、実はそんなことありません。リンゴは確かに厄介な病害虫が多いのですが、それさえ気をつければ家庭でも十分に栽培を楽しむことができる果樹です。今回はそんなリンゴの育て方をご紹介していきます。
リンゴはとても日光を好む植物なので、一年中日当たりのよい場所で育てましょう。しかし、葉や実が直射日光に当たると葉焼けや日焼けを起こしてしまうため、葉や実は直射日光を避けるようにします。
やわらかい光の当たる場所がよいでしょう。
リンゴの有名な産地が寒い地域なため、リンゴは暑さに弱いと思われがちですが、寒さにも暑さにも、どちらも比較的強い果樹です。どちらかといえば寒さのほうが強いですが、暖地でも育てることはでき、中国・四国地方あたりまでなら栽培はできます。
大きなものなら地植え、小さいものなら鉢植えと、どちらでもかまいません。
夏のリンゴの木には、土の表面が乾いたら、鉢の底から少し流れ出るくらい、たっぷりと与えます。地植えの場合、暑さの続く夏場はしっかり水やりをしましょう。
リンゴの木への、冬の水やりはあまり必要ありません。しかし、晴天が続いて土が乾いていたら水を与えてください。
開花から着果までの間は、乾燥が続かないように注意して水やりをします。
リンゴの木を栽培するときは、初めの植え付けの時にゆっくりと効果を出してくれる緩効性化成肥料を土に混ぜ込んでおきましょう。
そして、地植えの場合は11〜2月の間と9月に、年2〜3回を目処にして植え付けの時と同じ肥料または有機質肥料を与えます。科学肥料はあまり使用せず、家庭で出る生ゴミや草などを有効的に利用するのもアリです。
リンゴの木を栽培するときは、リンゴは水はけと水持ちのよいものならあまり土質を選びません。難しい土を使わず、市販にある果樹用の培養土だけでも十分に育てられます。
少し土をブレンドする際は、鉢植えなら赤玉土小粒を7〜8割と腐葉土を2〜3割配合しましょう。地植えなら掘り出した土を5、腐葉土を3、赤玉土を2といった割合に、1株あたり200gほどの目安で粒状肥料を混ぜ込んで使いましょう。
リンゴは苗から育てるのが一般的ですが、食べ終えたときの種から芽が出て育てたという方もいるようです。
しかし種から育てる際には、収穫までに大変時間がかかったり、気候の変動に弱く育ちにくい、または枯れやすいです。しっかり育てたいという方へは、苗から育てることをおすすめします。
リンゴの苗木の植え付け時期は、11〜3月あたりが最適です。真冬は株を傷める可能性があるため、避けたほうがよいでしょう。
リンゴを地植えにする場合は、深さ直径ともに50cmほどの穴が適当です。深植えにならないように注意して、接ぎ木がちゃんと地上へ出るようにしてあげます。植え付けられたら支柱を立てて支え、最後にたっぷり水やりをします。
リンゴを鉢植えにする場合は、深さが30cm以上ある鉢を使います。大体7〜8号の鉢です。そこに、1苗を目安として植え付けます。鉢底石を敷き、鉢の底から3分の1か2分の1まで土を入れます。
苗を中心に置いて、その周りに土を入れていき苗を固定するように植えていきます。このとき、接ぎ木の部分が土に埋もれてしまうことのないよう、注意します。そして樹高を70cmくらいになるよう切り戻します。
苗の横に支柱を立て、固定できたらたっぷりと水やりをして完成です。
リンゴの植え替え時期も、植え付けと同じく11〜3月の間に行います。植え替えは、根詰まりを防いだり、通気をよくすることが目的となります。
鉢の大きさや生育の具合にもよるのですが、一般的には2〜3年に一度の頻度で行う必要があります。
リンゴの増やし方は、「切りつぎ」という方法です。適している時期は2〜3月の間です。
台木には実生2年ほどのしっかりと充実した苗木を使います。まず、つぎ穂は病虫害のない葉芽がしっかりついている枝を選んで10cmに切り、つぎ穂をつくります。
そして台木をつぎ木の部分で切ります。切れ目を入れてつぎ穂をさしたら固定し、ビニールの袋をかけます。台木から伸びた芽はすべて取ってしまい、つぎ穂の生育に行き届くよう、うながしてあげます。
リンゴの木はさまざまな病気にかかりやすく、一度病気にかかった部分の回復は見込めません。そのため、こまめに注意をして、病気にかかっているという部分を見つけたらその都度切り取って処分するようにしましょう。そして、適期的に薬剤を散布するなどで予防もします。
主な病気としては、斑点落葉病・うどんこ病・黒星病・腐らん病などです。
そのほか、害虫としてはシンクイムシというものがよくつきやすく厄介で、新しく生えた枝や果実の中に侵入して食害する害虫です。実に袋をかけて侵入を防いだり、こちらも薬剤散布で予防が必要となってきます。
リンゴは特に寒さに強く、なんとマイナス30℃前後までは耐えられる果樹です。ただし、元気に育つ条件として適切な気温は、6〜14℃といわれています。
そのため、沖縄での栽培は難しいですが、果実の色が悪いなどを問題としなければ中国・四国地方までは栽培が可能です。
なお、夏の暑さには弱いため、直射日光と西日の当たらない場所で育ててあげましょう。
リンゴの果実の収穫時期は、9〜10月頃です。リンゴの花が咲いてからだいたい3週間ほど経つと、果実となる部分が少しずつふくらんできます。
このとき、たくさん成っていたら全部育てたい気持ちになりますが、余分な実を思い切って摘み取ることで残した実にしっかりと栄養が行き届くようになります。中心にある実やきれいな実以外は、思い切って摘み取ってしまいましょう。
果実がある程度成長してきたら、害虫から守るために袋をかけてあげる必要があります。食用にしない場合は、袋ではなく殺虫剤でもよいです。実が全体的に赤くなってきたら、ハサミで切り取って収穫します。
リンゴの全般的な花言葉は「優先」、「選ばれた恋」です。木や実にも花言葉が存在しています。
今回は、農園でしか育てることができないというイメージの強いリンゴを家庭で楽しむための育て方についてご紹介しました。
害虫や病気などに注意したり、高温にも多少気をつけなければいけませんが、リンゴを家庭でも楽しめたらとっても素敵ですよね。
ぜひとも挑戦してみてください!
GreenSnap編集部