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ガジュマルはクワ科フィカス属の植物で、育てやすいことでも知られるゴムの木の仲間です。日本では沖縄などに自生しており、中には推定樹齢150年、樹高20mを越す巨木もあるほど、丈夫で寿命も長い植物として親しまれています。
この記事では初心者にも人気のガジュマルについて、室内での育て方を中心に、より美しいガジュマルに仕立てるためのお手入れ方法をご紹介します。
ガジュマルは、初心者の方にもおすすめできる観葉植物です。ただし、基本的な育て方は簡単ですが、「置き場所」と「水やり頻度」には特に注意が必要です。
適度な日当たりと風通しのある場所に置くこと。そして幹に水分を貯めることができるので、ほかの観葉植物よりも水やりは控えめにして育てるのが、枯らさないポイントです。
初心者の場合は、ガジュマルが活発に生長する5〜10月の生育期の間に購入するのがおすすめです。ガジュマルの良い苗の選び方は、下記の点をチェックしてみてくださいね。
ガジュマルは日光を好むため、日当たりと風通しが良い置き場所で育てるのが基本です。鉢植えにして室内に置くのが一般的ですが、暖かい時期なら屋外で育てることもできます。
ただし、季節の変わり目で突然環境を変えると枯れたり弱る原因となります。気温や日当たりに急激な変化が起こらないよう、移動させるときは1週間ごとに場所をずらしてあげてください。
春 | 室内のガラス越しの日光が当たる窓際、もしくは屋外の日当たりのいい場所。 |
夏 | 室内のレースカーテン越しの窓際、もしくは屋外の明るい日陰。 |
秋 | 室内のガラス越しの日光が当たる窓際。屋外には出さない。 |
冬 | 室内のガラス越しの日光が当たる窓際、夜間は部屋の中ほどへ。屋外には出さない。 |
なお、夏も冬もエアコンの風が直接あたらないように注意してください。
ガジュマルは日陰にもある程度強い耐陰性を備えた観葉植物で、室内の日当たりの悪い部屋でも育てることができます。
しかし、その場合、枝葉がひょろひょろと伸びる徒長状態になってしまったり、場合によっては日光不足で弱ることがあります。
徒長状態になってしまったときは剪定をして適切な状態にしてあげましょう。日光不足で弱っている場合には、1週間のうち数時間程度、直射日光を避けた日当たりの良い場所で日光浴をさせてあげると良いです。
岩隈 淳樹
ガジュマルの耐寒温度は5℃ほどなので、沖縄などの温暖な地域では地植えにして育てることもできます。
気温が頻繁に氷点下にならない地域であれば、大株のガジュマルなら地植えにできる可能性もあります。ただし、その場合は鉢植えのまま数年かけて冬の寒さに慣らしていく必要があるので、購入した苗をいきなり地植えにするのは控えましょう。
岩隈 淳樹
ガジュマルを育てときは、市販の「観葉植物の培養土」を用意しましょう。
さまざまな製品がありますが、とくに室内でガジュマルを育てる場合には、虫がわきにくい「有機質不使用の培養土」を選ぶのもおすすめです。
よく培養土に配合される腐葉土は、栄養がある反面、微生物が含まれている有機質なので、夏場にコバエが湧きやすくなったり、カビも発生しやすくなります。
腐葉土のかわりに無菌のピートモスを配合している培養土だと、虫やカビも発生しにくくなるので、製品表示を確認しながら選ぶといいでしょう。
自分で土を配合する場合は、「赤玉土6:腐葉土(もしくはピートモス)3:バーミキュライト1」の割合がおすすめです。
ガジュマルを室内で育てていると、コバエが発生することがあります。コバエが発生する原因は土や肥料に有機物が含まれていることです。
そのため、使う土や肥料を変えることでコバエ対策ができます。土は先述した通り腐葉土が含まれていない培養土を使い、肥料は有機肥料ではなく化成肥料を選ぶなどしてみるといいでしょう。
岩隈 淳樹
ガジュマルはハイドロカルチャーで育てることもできます。ただしその場合は2週間に1回程度、液肥を与えてあげる必要があります。
岩隈 淳樹
ガジュマルは水を吸い上げる力が比較的強い植物なので、土が乾いたら鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりましょう。
とくに6〜9月はよく生長して水を吸い上げる力も強いので、土が乾いていれば毎日あげて良いくらいです。ただし、気温が上がる日中の水やりは、鉢の中が蒸し風呂状態になってしまうので避けて、朝か夕方に与えましょう。
ただし、水の与えすぎは根腐れの原因になるので、土が湿っているような状態では水やりは控えましょう。
ガジュマルは秋から冬にかけて生育が止まり休眠期に入るので、水を吸い上げる力が落ちていきます。そのため、秋冬は水やりの頻度を落として、乾かし気味に管理しましょう。
具体的には、気温が15℃前後となる10月以降から水やりの頻度を落としていき、11月から暖かくなる春頃までは、土が完全に乾燥してから2〜3日後に水やりをする程度で問題ありません。
ただし、冬は葉が乾燥しやすくなるので、定期的に霧吹き(葉水)で水やりするようにしましょう。
ガジュマルの肥料は、生育期中の5〜10月頃に与えます。
冬の時期の肥料やりは、根を傷める原因となりうるので控えましょう。
ただし、ガジュマルは肥料がなくてもきちんと生長していくため、必ずしも必要というわけではありません。むしろ肥料を与えすぎると、枝や葉が伸びすぎたり、枯れる原因にもなりますので、与えすぎには注意してください。
ガジュマルの肥料は、市販にある観葉植物用の緩効性肥料がおすすめです。緩効性とは肥料効果が優しく長く続く肥料のことで、製品にもよりますが、だいたい2ヶ月に1回与えれば問題ありません。
ほとんどの製品が固形ですので、土の上に置いておくだけで問題ありません。水やりのときに少しずつ溶けて肥料効果が広がります。
ガジュマルの元気がないという場合は、速効性のある液体肥料も使えます。規定量の液体肥料を水に混ぜて、水やりの代わりに与えましょう。
ガジュマルを元気に生長させたいのであれば、すでにご紹介したような日々のお手入れに加えて、1〜2年に1度、植え替えや剪定のお手入れが必要です。
どちらのお手入れも、定期的に行うことで下部全体に適切に栄養がまわるようになるので、幹(根)が太くなったり、樹高が大きくなったり、葉がよく茂って立派に成長します。
ガジュマルの健康のためとはいえ、少なからず株にダメージを与えてしまうので、ガジュマルがよく成長する5〜10月の間に作業しましょう。
植え替えとは、ガジュマルを一回り大きい鉢・新しい土に植えて、ガジュマルが成長しやすい環境を整え直す作業です。
鉢底から根が出ていたり、表土から根が飛び出している状態のとき、株の大きさと鉢の大きさがアンバランスなときは、植え替えをしてあげましょう。
正しいやり方はこちらの記事を参考にしてくださいね。
ガジュマルは病害虫に強い観葉植物ですので、ほとんど心配は入りません。ただし、風通しが悪い環境にあると、まれにカイガラムシが発生することがあります。
気づいたらすぐに薬剤を散布して駆除しましょう。木が小さい場合や、少量の発生の場合は歯ブラシなどで擦って落としても良いです。
岩隈 淳樹
ガジュマルは、気温が5℃を下回るような冬の時期に外に置いたままにすると、弱って葉が落ちることがあります。また、水やりのしすぎで根腐れを起こしているときも同様です。
ただし、気温や湿度を見直すことで、翌春に新芽をきちんと出してくれます。ガジュマルは丈夫な植物ですので、枯れてしまってもすぐに処理せず、世話を続けてみてください。
冬に葉が落ちて枯れたのなら、春までまって植え替えをしましょう。春夏の生育期間中に枯れたのであれば根腐れの可能性が高いので、すぐに植え替えて様子をみてください。
岩隈 淳樹
ガジュマルの生長速度は、ほかの観葉植物よりもやや早めです。
日当たりの良い場所で育てていると、どんどん大きくなり、鉢植えの場合でも2mほどまでに生長します。小さいまま育てたい場合は、こまめな剪定や挿し木をおこないましょう。
ガジュマルの枝葉がぐんぐんと伸びることで、日光が当たりづらくなったり、不恰好な姿になってしまいます。
そのため、こまめに剪定をして適切な状態にしてあげることで、かえって栄養が株全体に回るようになるので、健康に生長させることができます。
剪定によって切り落とされた枝は、挿し木に利用することができます。挿し木の難易度はさほど高くないため、初心者の方もぜひ挑戦してみてください。
ガジュマルの幹を太く生長させたいのであれば、植え替えのときに思い切ってこれまで露出していた幹(一番下の葉が生えている2〜3cm下)まで植えてあげると良いです。
じつは幹のように見える部分は、ガジュマルにとっては根の一部です(幹と根の違いは葉がそこから生えるかどうか)。
本来は根だった部分が根上がりして幹のように見えるだけなので、本来いた場所である地中に植えてあげると、どんどん太く大きく生長していきます。
翌年の植え替えのときに根の生長具合を確認してみて、再び露出させて地上で入り組んだ根を楽しむのも良いですし、そのまま植えて大きく生長させて楽しむこともできます。
岩隈 淳樹
ガジュマルの特徴ともいえる根っこ(気根)を太くするには、背丈が大きくなりすぎないようにする必要があります。つまり、主幹を切り落とし、縦ではなく横に生長させます。
まず太くしたい気根にラップを巻いて、その上から水を1日に2〜3回ほど吹きかけます。こうすることでラップ内が、湿度の高い状態をキープでき、生長力が高まります。その後伸びてきた気根は土に埋めてあげましょう。
こうすることで気根が太くなり、ゆくゆくは根上がりして入り組んだ幹のような姿を楽しめます。
岩隈 淳樹
ガジュマルは種まきでも増やせますが、一般的には挿し木が簡単とされています。
種があまり市場に出回らないのと、初心者には湿度温度管理が難しいため、種まきからガジュマルを育てるのは難易度が少し高いのが実際のところです。
とはいえ、種から育てた実生苗は、幹(根)が太くなりやすく、より丈夫で立派に育ちます。挿し木苗はなかなか根が太くならないので、もともとの幹が入り組んだような個性的なビジュアルにはなりにくいです。
岩隈 淳樹
ガジュマルの育て方や性質、生育のコツを紹介しました。
生命力の強い観葉植物なので、育てること自体は難しくありません。1年育てることができればその次の年も育てられる長期の生育におすすめな品種です。剪定などで出た不要な枝は、挿し木にすれば新しい株を増やすのに使用できます。
ガジュマルには風水的な意味でも有り難い効果がたくさんあります。部屋に置いているだけで運気アップにも繋がります。また、風水のためではなくても、インテリアのアクセントにも活躍してくれるのがガジュマルの魅力です。
気根という独特な形で生長するガジュマルは、ほかの観葉植物とは一線を画す存在感を持っています。
水やりのタイミングと日光に注意さえしていれば、そこまで難しくない植物なので、土の乾燥具合のチェック、葉水等を忘れずに日頃から行なうようにしましょう。
岩隈淳樹
GreenSnap編集部