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クワの木は、日本の山や森に古くから自生しており、近年ではマルベリーと呼ばれて親しまれています。実は食用として収穫され、生で食べるだけでなく、ジャムやゼリーなどにも加工することができます。
生育旺盛で育てやすいため、庭木として栽培するのもおすすめの果樹です。
今回は、そんな桑の木の育て方について紹介します。
クワの木は、東アジア、アメリカ、アフリカなどが原産のクワ科クワ属の落葉高木です。日本の山野には古くから自生しており、絹をつくる蚕の餌として使用されてきました。
クワの木は、特別な世話をしなくてもどんどん生長し、甘酸っぱくて美味しい実を実らせます。初心者でも育てやすく、収穫も楽しめることから、人気の高い果樹のひとつです。
クワの木は日当たりの良く肥沃な土地を好みます。日陰でもよく育ちますが、花つきが悪くなるので、実の収穫量は減ってしまいます。生育旺盛で大きく育つ性質があるので、鉢植えではなく地植えで栽培するのが適しています。
鉢植えで栽培する場合も、ある程度大きくなれば地植えに移してやりましょう。
クワの木は暑さにも寒さにも強いので、場所を気にせずに日本全国で栽培することができます。-20度まで耐えられるほど寒さに強いので、寒冷地でも収穫を楽しむことができます。
桑の木には様々な種類があり、実の色や大きさ、樹勢、結実の方法も様々です。栽培場所や目的によって好みの種類を選びましょう。
クワの木は雌雄異株のため、1本だけでは美がならない品種もあります。実の収穫を楽しみたい場合は、自家受粉ができる品種を選ぶと良いでしょう。また、クワの木は生育旺盛のため、鉢植えで育てたい場合には、園芸用に品種改良された樹勢の弱い品種を選ぶのがおすすめです。
美味しい実を収穫したい場合は、ポップベリー、ララベリー、ホワイトベリーなどがおすすめです。実の収穫を目的とせず、観賞用の葉だけがつく珍しい品種も存在します。
クワの木は基本的には水はけと水もちのバランスが取れた肥沃な土壌を好みます。ただし、土壌に適応する力が強いため、やせ地でもよく育ちます。
市販の花と野菜用の培養土などを使えば充分に育ってくれます。自分で土を配合したい人は小粒の赤玉土と腐葉土を6:4の割合で混ぜ合わせます。
クワを地植えをする際、土の水はけ具合が気になる場合は、株を植えるために掘った土に腐葉土を2割か3割程混ぜておきましょう。
クワは水を好む植物なので、適度に湿度がなければ枯れてしまいます。特に果実がつく季節に水切れを起こすと実が落ちてしまうので注意が必要です。敷きワラやマルチングをして水分の蒸発を防ぎましょう。
鉢植え栽培のクワは、表土が乾燥したらたっぷりと水をやりましょう。地植え栽培のクワは、基本的には自然の降雨のみで育ちます。水をやりすぎると、根腐れを起こすので注意しましょう。
根腐れを起こすと、土と水の隙間がなくなり、根が呼吸できなくなり酸素不足に陥ってしまいます。空気が入り込める適度な隙間をつくるためにも、適切な水やりを心がけましょう。
クワの木は、基本的に追肥の必要はありません。結実をよくしたい場合は、開花前の2月〜3月、開花後の6月に即効性のある化成肥料を施し、木が休眠期に入る12月に緩効性の有機肥料を施しましょう。
寒肥を施す時期は植物の成長がほとんど無い寒い季節ですが、土の中で肥料が植物に吸収されやすい形に変わり、成長期である春に効き目を発揮してくれます。
クワの木の剪定時期は、寒くなり樹木が休眠期に入る1月〜2月です。クワの木は樹勢が強いため、剪定して樹形を整えながら大きくするのがポイントです。
地植え栽培のクワの木は、冬場に結実した母枝を50〜60cmほど切り戻し、1年ごとに結実する枝を更新していきます。鉢植え栽培のクワの木は、主枝を4〜5本までにして、先端を切り戻して新芽を出しましょう。
鉢植え栽培のクワの木は、一文字仕立てにするとコンパクトに仕立てられ、収穫量を増やすことができます。一文字仕立ての手順は以下の通りです。
桑の木は、実がつけばつくほど株の栄養が奪われてしまいます。クワの実がつきすぎた時は、1ヶ所に2〜3個ほどの実がつくように摘果をして調節をしてください。
そうすることで、果実の味がよくなるほか、株全体の体力を残して、何年も元気に育てることができます。
ヒヨドリなどの野鳥に食べられやすいので、防鳥ネットを張って予防しておくと安心です。生でそのまま食べられる他、果実酒やジャムに加工しても美味しく食べられます。
クワの木の植え替えは、休眠期である12月〜3月の時期が適しています。基本的には、2年に一度の頻度で植え替えを行いましょう。
根を傷つけないように鉢から取り出し、ひと回り〜ふた回りほど大きな容器に植え替えます。クワの木は大きく育つので、ある程度の大きさまで育てば地植えに変更してやるのが良いでしょう。
クワの木はどちらかといえば害虫がつきにくく育てやすい樹ですが、クワキジラミの幼虫やアメリカシロヒトリの幼虫の食害には注意が必要です。
クワの木の葉裏や実から白い綿クズのようなものが出ている場合、クワキジラミの幼虫の食害を疑いましょう。葉全体が食べられてスカスカになっている場合は、アメリカシロヒトリの被害が考えられます。
上記の害虫の被害には、脱皮を防いで駆除する「IGR剤のアプロード水和剤」が効果的です。薬剤を散布して、被害が広がるのを防ぎましょう。
クワの木は、菌核病に特に注意が必要です。菌核病になると、実が熟し始める頃に白く膨らんで綿状に白いカビが生え、腐ってしまいます。
菌核病は、地面に落ちた実を介して他の実にも感染し、病気が全体に広がると、実が全滅して枯れてしまいます。菌核病になった実は、すぐに取り除き、感染が広がらないように処分しましょう。
菌核病には、殺菌剤を散布して防ぐのが効果的です。ただし、同じ種類の殺菌剤を使い続けると耐性菌が発生する場合があるので、複数の薬剤をローテーションして散布しましょう。
観賞用としても美しいクワの木を、ぜひ庭木として育ててみてくださいね。
GreenSnap編集部