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キリンソウ(麒麟草)は、ベンケイソウ科のキリンソウ属に分類される多年草の植物です。葉っぱは肉厚で、ノコギリの歯のようにギザギザとしています。茎の先端部分に黄色い小花をたくさん咲かせます。そんなキリンソウの育て方について詳しく見ていきましょう。
キリンソウは日光を好む性質があるため、日なたでの栽培が適しています。とはいえ、半日陰でも生育すること自体はできるようです。ただし、日があまりにも当たらない場所で育ててしまうと、葉の色は悪くなりやすいです。
また、キリンソウにはいくつか品種があり、品種によっては寒さにかなり弱いタイプのものもありますので、育て方には少し注意するようにして下さい。
キリンソウは日当たりのほか、基本的には風通しの良さも大切となります。水が常に溜まってしまうような場所は避けてあげるようにします。
また、耐寒性もそこそこあるので、防寒対策なども特には必要はありません。
屋外で育てるなら、石組みの間に植えるのがおすすめです。そして小型のタイプのものなどは、ロックガーデンを作って植えるようにすると良いでしょう。
夏は成長期ではないので、水のやりすぎは禁物です。
キリンソウの夏の水やりは、鉢植えの場合には、表面の土が乾いていたらたっぷりとお水を与えてあげるようにします。
小さく盆栽仕立てのように育てたい場合には、表面の土が乾いたのを確認してから、さらに1日待ってから水やりをするようにして下さい。
キリンソウを庭に地植えする場合は、降雨任せで基本的に大丈夫です。キリンソウの葉は多肉質で、水分をある程度まで蓄えられる機能を持っています。
キリンソウの冬の水やりは、生育が鈍り、根からの吸水量も減るため、控えめで大丈夫です。特に庭や花壇などで地植えして育てる場合には、お水は控えめを心がけるようにして下さい。
キリンソウの植え替えを行うときに、窒素、リン酸、カリウムが同量の緩効性の化成肥料、もしくは配合肥料を、5号鉢にひとつまみ施すようにします。また、3〜5月頃には、草花専用の液体肥料を約1500倍まで薄めて、それを月2回を目安に与えてあげるようにします。
しかし、キリンソウは多肥の環境になると強くなるどころか、逆に軟弱な感じになって倒れてきてしまうため、肥料は控えめに施すようにするのがポイントです。
また、小さく盆栽仕立てのような感じで育てる場合には、全く肥料がなくても問題はありません。
キリンソウを鉢植えで育てる場合には、「軽石の小粒2:硬質市鹿沼土(もしくは日向土小粒)4:桐生砂の小粒(もしくは赤玉土の小粒)4」の割合で配合して作った土がおすすめです。
使用する用土は、必ず水で念入りに良く洗って、みじん(土の微粒子)を完全に取り除いてから使うようにします。また赤玉土は、しっかりとふるっておくようにして下さい。
キリンソウを小鉢に盆栽として育てる場合には、赤玉土の小粒のみでもOKです。キリンソウの性質が強い系統のものは、普通に売られている草花専用の用土の中に、赤玉土を2〜4割程度混ぜ込んだもので栽培することも可能です。
キリンソウの植え替え時期としては、休眠期間中の芽が出る前までの3〜5月頃までが適期です。
毎年植え替えを行った方が良いでしょう。やり方としては、根鉢を2/3程度削って、それから植え直しを行うようにします。このときに、もし必要ならば一緒に株分けを行うと良いでしょう。
キリンソウを小さな盆栽として育てている場合には、毎年ではなく2年毎に植え替えを行うようにします。
キリンソウの植え付けについても、同じく3〜5月、もしくは9〜10月頃でもOKです。
キリンソウの種まきはあまり行われることはありませんが、種まきで育てること自体は可能です。
種まき時期は2月下旬頃〜3月下旬頃が適期です。このとき、あらかじめ土の中に肥料を混ぜ込んでおく必要があります。
肥料というのは土に活力を与える働きがあるだけでなく、腐植酸というのが配合されているので、植物が健全に生育するのを助けてくれます。
種まきする土に混ぜ込む肥料でおすすめなのは、園芸店などで売られている粒状肥料となります。
キリンソウの増やし方には「株分け」「挿し芽」「種まき」などの方法がありますが、「株分け」や「挿し木」で増やすのが一般的です。
株分けの方法ですが、大きく生長した株を3〜4分割程度に分けます。しかし、根茎は堅いため、よく切れる園芸用のハサミを利用して切り分けるようにして下さい。
なお、株分けは生育期である春と秋以外の休眠期に必ず行うようにしましょう。
挿し芽の方法としては、初夏の5〜6月頃によく伸びて、生長している茎を10cm程度にカッターを使って切り戻しをしてから、それを清潔な用土の中に挿します。挿し穂には、茎の先端部分を使うようにして下さい。
もしくは切り口の部分を、水の中に浸けておいてもOKです。2週間程度で根が徐々に伸び始めますが、さらに4週間ほど経過したら、ポリポットなどへ植え替えるようにします。
キリンソウは、基本的には丈夫で強い植物ですので、病気は殆どありませんが、害虫に関しては、コナガ、カイガラムシ、ネジラミ、アブラムシの被害を受ける事があります。
キリンソウは、真夏の暑い時期でも生育がほとんど衰えません。また、耐寒性にも優れているので、-10℃であっても影響を受ける事がないくらい丈夫で強いです。
ですが、耐えられるというだけであって、日当たりが良くて、蒸れないような風通しが良い環境下が生育には最も適しています。多肉質の葉を持っていますので、直射日光に当てても大丈夫です。
キリンソウの花言葉は「警戒」、「警戒しながら」、「要注意」です。
今回は、黄色い小花が元気な印象を与えてくれる、キリンソウの育て方についてご紹介してきました。
とても丈夫で、初心者にも育てやすい植物ですので、鉢植えや生け垣の石組みの間、ロックガーデンを作ったりして、ぜひ日当たりと風通しの良い場所で育ててみて下さい。
GreenSnap編集部