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鮮やかでおいしい、オレンジ色の実を付けるビワ。魔法の木と呼ばれ、昔から自然療法に使われてきました。無農薬で育てることができる、数少ない果樹としても知られています。
今回は、ビワの育て方や注意する害虫、花言葉についてご紹介します。
ビワはバラ科の植物で、原産地は中国南西部です。オレンジ色の実を付けることで知られていますが、種から育てた場合、初結実まで数年の年月がかかります。そのため果実の収穫を楽しみたいという方は、苗木を購入して植え付けることをおすすめします。
ビワの苗木は、2月下旬から4月にかけて植え付けます。日当たりと水はけが良い場所を選びましょう。また、植え付けるときに土を柔らかくして少し掘っておくことが重要なポイントです。
植え付け後は水を与えすぎず乾燥気味にしましょう。
ビワは地植えの場合は大きく育ち、鉢植えの場合はコンパクトなサイズに生育します。日当たりの良い場所を好みますが、日陰であっても育ちます。ただし、日陰で育った実は甘くないと言われています。
また、-3度以下の寒さには注意が必要です。
ビワは、土質は選びませんが、粘土質の土壌を好みます。水はけが悪いとすぐに弱ってしまうため注意が必要です。鉢植えの場合は、赤玉土小粒を7~8、腐葉土を2~3の割合で配合した土、もしくは市販の果樹用培養土を使用しましょう。
ビワはどちらかといえば乾燥を好みます。
地植えの場合、基本的に水やりは不要ですが、夏の暑い日には水やりが必要です。鉢植えの場合は、土の表面が乾いて白くなってきたら、たっぷりと水を与えます。
一年のうち2月頃に元肥、6月と9月に追肥をしてあげましょう。そうすることで、果実の甘みが増して実の付きが良くなります。
鉢植えの場合は、根詰まり防止のため2年に1度を目安にひとまわり大きな鉢に植え替えます。
根の部分はデリケートなため、根から殺菌が侵入しないように細心の注意が必要です。地植えの場合も鉢植えの場合も、3~4月が適期となっています。
ビワを育てる上で、最も重要な手入れの一つは「剪定」です。ビワはたくさんの新しい芽を出すため、枝の内側まで太陽の光が届くように、重なり合った枝や葉を間引きする必要があります。
また、大きく生長しすぎてしまうと、高所についた実が収穫しにくくなってしまうため、正しい時期に剪定を行いましょう。
一度でも実をつけたことのあるビワは8月下旬から9月頃に剪定をし、まだ実をつけたことのない場合は2月頃に剪定をしてあげましょう。
ビワは、種まきや接ぎ木、挿し木などで増やすことが可能です。
水平にカットした台木の幹を水平にカットし皮の内側に切り込みを入れます。そのあと、接ぎ穂を差し込みテープなどで固定しましょう。
枝野切り口を斜めにカットし、赤玉土やし鹿沼土に挿します。落ち着くまで水を与えながら管理しましょう。接ぎ木の場合も挿し木の場合も、2~3月が適しています。数年ごとに主枝を更新します。
ビワは手間を加えてあげることでよりおいしい実を収穫できます。難しい作業はないので、ぜひ取り入れてみましょう。
つぼみをいくつか摘み取って量を減らしてあげることを摘蕾と言います。摘蕾をすることで、他の実に栄養が行き渡りやすくなり、大きな果実を育てることができます。
育ったビワの実は鳥に食べられてしまったり、風で落ちてしまうことがあります。これらを防止するために、3月頃に袋がけをしてあげましょう。
ビワの収穫時期は5月から6月です。種類によって多少異なりますが、ほとんどのビワがこの時期に収穫されます。
収穫の目安は、皮の色が鮮やかなオレンジで張りがあり、ヘタがしっかりしているものが新鮮な証拠です。
ビワはアブラムシ、カメムシ、カミキリムシなどの害虫がつきやすいため、定期的にチェックをしましょう。地中に潜む害虫もいるため、早期発見が重要です。
また、ビワはがん腫病にかかりやすいことでも知られています。がん腫病とは、葉や幹、根に発生する細菌性の病気なので、病気にかかっている部分は残念ながら回復しません。葉に斑点がみられたり幹にこぶができたりしたら、切り落とす必要があります。
中国から伝わったといわれているビワは、葉や実の形が日本楽器の「琵琶」に似ていたことが名前の由来とされています。そんなビワの花言葉は「治療」や「愛の記憶」「密かな告白」など、ロマンティックな言葉が並びます。
ビワは昔から、種や葉が民間療法に使われてきました。健康食材としても知られており、それが「治療」という花言葉の由来となっています。
また、ビワの白い小さな花は、誰にも気づかれないように密かに咲くということから「密かな告白」という花言葉になったとも言われています。
ビワは他の果樹と比較すると簡単に育てることができます。あっという間に大きく育ち、想像よりもたくさんの実をつけるため、収穫を楽しむことができます。収穫したビワは、ジャムやお酒などに使うことができ、ビワの葉をお茶の葉として楽しむこともできます。
ビワは、常温保存の場合3日ほどで食べ終わらなければいけませんが、ジャムやお酒にすることで長期間保存できます。
定期的な剪定が必要ではありますが、慣れればそれほど難しいものではありません。果樹を育ててみたいという方は、ぜひチャレンジしてみてください。
七尾びび
GreenSnap編集部