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国内では徳島県でよく庭先に植えられている果樹が「スダチ」です。焼き魚に添える柑橘類として、あるいはお酒にと日本食に馴染みがある果実ですよね。江戸時代の儒学者であり、本草学者であった貝原益軒はこの果樹を「リマン」と呼んでおり書籍にまとめていますが、起源は定かではありません。
また、スダチは育て方がそれほど難しくなく、料理にも利用できます。今回は、そんな育てる楽しみと食べる楽しみの両方を体験できるスダチの育て方についてご紹介します。
スダチを含む柑橘類は、寒さに強くないことが多いです。
ただし、スダチは柑橘類のなかでも比較的寒さに強い果樹であるといえます。それでも、最低気温がマイナス6度前後になると枝が枯れたりと影響が出てしまうので、スダチは年間の平均気温が14度以上の環境で栽培するのが適しています。
スダチを庭で育てる場合は、暖かい気候の土地で育てると問題ないでしょう。鉢植えの場合は、寒くなったら、暖かい場所へ移動させれば良いのでどの地域でも大丈夫です。
スダチの水やりは、育てる環境によって変わります。
スダチを庭に地植えしている場合は、降雨で問題ありません。ただし、一週間近く雨がふらなかったようなときは、土の状態を確認して、乾燥しているときは水やりをします。
スダチを鉢植えなどで栽培しているときは、表土が乾いたら水を与えましょう。夏場の乾燥は、果実の大きさに関与します。水分を与えないほうが実は甘みを増すと言われていますが、8月頃までは乾燥したら、水を与えるようにしましょう。
スダチは肥料が好きな果樹です。そのため、年間を通して肥料を切らさないように育てましょう。肥料を与える時期は年に4度ほどで、萌芽前、開花後、果実の成長期、収穫後と覚えておくとよいでしょう。
萌芽前に与えるのは、油かすなど有機質肥料がおすすめです。残りの3回は、化成肥料をあげます。
スダチの栽培に適しているという土壌は、弱酸性でpH6度辺りといわれています。また、みずはけのよい土を選ぶようにしましょう。
スダチの植え付け時期は、2月の末から4月の頭にかけてが適しています。
スダチを庭に地植えする場合は、苗は50cm間隔で植えます。苗の高さは50cmほど、地中も50cmほどの深さがあるとよいでしょう。
スダチを鉢植えする場合は、鉢植え一つにつき、一つの苗で、25cmほどの高さを目安に枝を切り植えます。8号鉢がおすすめです。
苗を植えたら、庭植えも鉢植えも支柱をして固定してあげます。植え替えは二年に一度です。
スダチの増やし方には、「挿し木」と「芽接ぎ」という方法があります。挿し木に適しているのは3月から5月頃で、芽接ぎは8月の中頃です。
スダチを植え付けてから二年目頃より、剪定を開始します。スダチの木の剪定時期は、2月から3月にかけてです。この頃に、蕾ができているかどうか、スダチを注意深く観察しておきましょう。
このときに蕾ができる花芽の枝を短くしてしまうと、花も果実もなりません。古い枝、込み入っている場所は、枝を切り、スッキリさせましょう。切り詰めにだけは注意しましょう。
また、スダチの収穫後に剪定をして軽く整えてあげても良いでしょう。
スダチに限らずどの柑橘類も、果実が多く実を結ぶ年と、そうでない年を交互にくりかえします。程よい大きさのスダチが欲しい場合は、葉果比に注意しましょう。
この葉果比というのは、実に対して葉を何枚ほど残すと良いのかということです。スダチは、8枚ほどといわれています。
スダチの収穫と摘果を兼ねて、7月末ごろより始めてよいでしょう。旬は9月頃で、香りが最も良いといわれます。収穫せずに10月頃まで残しておくと黄色く熟します。
香りのよいスダチは、25gほどの小さい果実ですが、体に必要なクエン酸、ビタミンCなどをたっぷりと含んでいます。
皮も料理に使えますので、収穫後2週間ほどを目安にスダチを使った料理を楽しまれると良いでしょう。
スダチの栽培ポイントは環境温度です。寒い地域の場合は鉢植えで育てましょう。鉢植えの場合だけ、2年ごとを目安に収穫後に鉢を大きいものに替えましょう。
スダチの木を育てると、かいよう病、そうか病、黒点病が発生しやすいといわれています。雨風にさらさないようにして、病気になるのを予防しましょう。地植えの場合は、果実袋を被せるなどの工夫が必要です。
害虫ならアゲハチョウに注意が必要です。葉を食べられる恐れがあります。
今回は、ミカン科カンキツ属に分類されるスダチの育て方についてご紹介をしました。みなさんが思うほど、育て方が難しい果樹ではないので、ぜひ鉢植え栽培からチャレンジしてみてください。
トップ画像はpinokoさん@GreenSnap
GreenSnap編集部