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ヨーロッパやアジア北部、北アメリカ原産のワイルドストロベリーは、日本でも北海道で野生のものを見ることができます。甘酸っぱい香りが特徴的な野生のイチゴで、別名エゾヘビイチゴ、ヨーロッパクサイチゴ、ノイチゴとも呼ばれています。
ここでは、そんなワイルドストロベリーの育て方についてご紹介したいと思います。
ワイルドストロベリーは、日当たりが良くて風通しの良い、涼しい場所で育てます。日当たりが悪いと、花つきが悪くなったり、実もあまりつかなくなってしまいます。
とはいえ、ワイルドストロベリーは夏の暑さがあまり得意ではありません。そのため、夏場は風通しの良い半日陰に鉢を置きましょう。地植えの場合は遮光して半日陰をつくるなど配慮が必要です。
ワイルドストロベリーには、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。鉢植えの場合は鉢底から水が流れ出るくらいたっぷり水を与えて下さい。
乾燥が続くと葉っぱが枯れるので、水やりは忘れないようにしましょう。ただし、多湿を好むわけではないので、水はけを良くしておく必要もあります。
ワイルドストロベリーの地植えの場合は肥料は必要ありませんが、鉢植えの場合は、春と秋に月1回程度置き肥します。液体肥料を与える場合は、10日に1回程度与えます。
ワイルドストロベリーは、赤玉土7:腐葉土3の土に緩効性化成肥料を少しだけ混ぜたものなど、肥沃で水持ちも水はけも良い土を好みます。市販の草花用培養土を使ってもOKです。
ワイルドストロベリーの熟した実は、やがて茶色く乾燥します。実が完全に乾燥すると、ポロポロと崩れ、簡単に種を取ることができます。種を採取したら、種まきのシーズンまで、冷蔵庫で保管します。
種まき時期は、4月から5月頃または9月から10月頃が適しています。種まきのコツは、種をまく前に土に水を与えてしっかりと湿らせておくことです。鉢底から流れ出るくらいたっぷり水をやってOKです。
そして、土の表面に密着させるようにして種をまき、土はかぶせません。芽が出るまでに1ヶ月くらいかかりますので、乾燥しないように水やりをしながら明るい室内で発芽を待ちます。水やりの際には、種が流れないよう注意してください。
ワイルドストロベリーの植え付け時期は、春または秋頃が適期です。
ポット苗を植えるさいには、根鉢を崩さないように苗を抜いて、ポットの大きさに掘った穴にすっぽりと入れて植え付けます。
ワイルドストロベリーの根詰まりした鉢を植え替える場合には、古土を落としながら根っこをほぐして植え付けます。植え付けるときに、葉や芽が出てくる株元が土に埋まってしまわないように気をつけましょう。
仕上げに土を寄せて軽く押さえるようにし、土と根っこをくっつけるように植えたら、たっぷりと水を与えてください。
地植えの場合は植え替えなくても大丈夫ですが、鉢植えの場合はどうしても根詰まりしてしまうので、1年に1回程度、ひと回り大きい鉢に植えるか、株分けをすることになります。
なお、植え替えの時期も植え付けと同じです。
ワイルドストロベリーの増やし方には、「株分け」または「種まき」といった方法があります。種まきの方法は、前述の通りです。
株分けで増やす方法はふたつあります。まず、ランナー(つる)に葉っぱが数枚付いた子株を選び、ラン ナーから切り離してポットに植え替えるという方法です。また、掘り上げて株 を分けて植え替えることもできます。
地植えの場合は、ランナーが伸びて根っこが出ると、横へ横へとどんどん広がりながら育っていきます。これ以上広げたくないという場合には、ランナーを剪定して広がらないようにします。
ワイルドストロベリーのお手入れで最も重要なのは、枯れた下葉をこまめに切り取ることです。そのままにしておくと、病害虫の原因となってしまいます。
花が咲くころにはランナーがどんどん伸びてきますので、実や花のつかない不要なランナーは、邪魔にならないよう剪定してしまいましょう。株が蒸れないよう、収穫を兼ねて適宜葉っぱを取り除くことも大切です。
ちなみに、ワイルドストロベリーは冬になると紅葉したり、地上部が枯れる場合もありますが、春になると芽が出てきます。そのため、冬になって地上部が枯れていても慌てなくて大丈夫です。
ワイルドストロベリーを育てるうえで気をつけたいのは、灰色カビ病やハダニといった病害虫です。
灰色カビ病は、水がしみたような病斑ができますので、みつけたら切り取って処分しましょう。そのままにしておくと病斑が広がってしまい、その部分が枯れて腐り、カビが覆うように発生しますので、とにかく早めに処分するのが重症化させないポイントです。
乾燥しすぎるとハダニがつきやすいので注意しましょう。葉の裏に白い斑点が出るとハダニが付いてる可能性があります。ハダニは水に弱いので、ときどき葉水をしておくと予防できます。葉にはアブラムシもつきやすいので注意しましょう。
また、実が成り始めると、虫だけでなく鳥も狙ってきますので、注意したいものですが、鳥に食べられてしまう前に収穫したいですね。
ワイルドストロベリーは、熟したイチゴの実だけでなく、葉っぱも収穫できます。
ワイルドストロベリーの実は、4〜7月頃、9〜11月頃に収穫できます。白から赤く色づいて熟したら、実を潰さないようにそっと持ち上げて果柄から摘み取ります。
収穫した実は、生で食べることもできますが、ジャムやジュース、果実酒にするのもおいしくておすすめです。
葉っぱの収穫は、4月から9月までの間に適宜行います。これには、増えすぎた葉っぱを適宜取り除いて、風通しを良くしてあげるという役割もあります。収穫するときには、株の内側の葉っぱを切り取ってください。
収穫した葉っぱは乾燥させて、ハーブティーとして楽しみましょう。葉っぱには、収れん作用や健胃・利尿作用があるといわれています。ただし、生の葉っぱには微量ながら毒素が含まれていますので、必ず乾燥させたものを使ってください。
ワイルドストロベリーの草丈は15センチから30センチほどで、ギザギザの3枚の葉っぱが印象的です。開花時期の4~7月頃になると、可愛らしい5弁の小さな白い花を咲かせます。
花が終わると、今度は小さなイチゴの実をつけます。
ここでは、甘酸っぱい香りとかわいらしい見た目で人気の、ワイルドストロベリーの育て方についてご紹介しました。
ウェッジウッドのワイルドストロベリーシリーズの食器にデザインされていることでも知られていますよね。鉢花としてちょこんと飾っておくのもかわいいですが、ランナーで増えていく性質から、グランドカバーとしても適していますよ。
七尾びび
GreenSnap編集部