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ヘチマ(糸瓜)の育て方|種まきや苗の栽培方法は?収穫時期はいつ?

  • ウリ科

ヘチマは、夏を代表する植物のひとつです。日本では古くから栽培されてきた伝統的な野菜で、かつては、大きくなった実をたわしに加工したり、ヘチマ水として化粧水に使われてきました。

近年では、ヘチマの性質を生かして、グリーンカーテンとして栽培されることも多くなってきました。今回は、そんなヘチマの育て方をご紹介します。

ヘチマ(糸瓜)はどんな野菜?育て方は簡単?

連作障害
あり(2〜3年空ける)
栽培期間
4月〜10月
生育適温度
25〜30℃

ヘチマは、インド原産のウリ科の野菜です。小学校の教科書に掲載されるほど、初心者でも簡単に栽培できます。生育旺盛で、つるを伸ばしてグングン生長するので、近年では夏の日除けとしてグリーンカーテンに使われることが多くなってきています。

ヘチマの幼果は食用として食べることができ、炒め物や和物、お味噌汁の具としてなど、いろいろな食べ方ができます。大きくなった実は硬くなり繊維質になるので、食用にする場合は実が若いうちに収穫しましょう。

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家庭菜園士 七尾びび
食用と謳われていない品種でも若い実は食べられます。開花から10日~15日くらいの実を食べてみてください。大きくなったら、たわしやヘチマ水として使用するのがおすすめです。

ヘチマ(糸瓜)の栽培環境

ヘチマは、暑さに強く、高温多湿の環境を好みます。太陽が大好きなので、日当たりが良く風通しの良い場所で栽培しましょう。ヘチマは実の95%が水分とされ、水持ちの良い土壌を好みますが、過湿の環境には弱いので、高畝にして育てます。

ヘチマはつるが旺盛に伸びるので、支柱やネットを使って立体栽培にして育てましょう。果実は大きく生長し、重くなるので、支柱を丈夫に作っておきましょう。

ヘチマ(糸瓜)の種まき

ヘチマの種まき時期は、4〜5月が適期です。発芽には、25度〜30度と高めの地温が必要です。育苗ポットに種まきをする場合は、種まき後は日当たりの良い場所で保温しながら苗を育てましょう。

畑やプランターに種を直播きして育てる場合は、遅霜の心配がなくなり、気温が上がりきってから種まきをします。直播の場合も、1箇所につき4〜5粒ほどの種をまき、間引きながら育てていきます。

  1. 育苗ポットに用土を入れる
  2. 深さ1センチほどのくぼみを3〜4箇所に空ける
  3. くぼみに一粒ずつ種をまく
  4. 軽く土をかけ、たっぷりと水をやる
  5. 水分が多いと種が腐るので、水やりを控えめにして、暖かい場所で管理する
  6. 本葉が2〜3枚出てきたら、生育の良い苗を1本残して間引き
  7. 本葉4〜5本で植え付け苗の完成!

ヘチマ(糸瓜)の土づくり

ヘチマは根を広く深く張ります。肥沃で水持ちと水はけの良い土壌を好みます。

地植え栽培の土づくり

地植え栽培のヘチマは、植え付けの2週間前から土壌の準備を始め、出来るだけ深く耕しておきましょう。ウリ科の野菜は連作障害があるので、過去にキュウリやかぼちゃを育てた場所は避けましょう。

  1. 植え付け2週間前:1㎡に対して苦土石灰を150gまいてよく耕す
  2. 植え付け1週間前:1㎡に対して堆肥2Kg、化成肥料100gを畑の全面にまいてよく耕す
  3. 植え付け直前:幅70cm〜80cmの畝をつくる。この時点でマルチを敷いておくと、地温が高くなり育ちやすい

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家庭菜園士 七尾びび
有機栽培にこだわっている方はたい肥と鶏ふんを元肥にして栽培してみてください。

プランター栽培の土づくり

プランター栽培のヘチマに使う用土は、市販の野菜用培養土で良いでしょう。

ヘチマ(糸瓜)を植える時期・植え方


ヘチマを植える時期は、中間地では気温の上がりきった5月中旬が適期です。苗の本葉が4〜5枚になれば、プランターや畑に植え付けましょう。

ヘチマは縦にも横にも大きく生長するので、プランターに植える場合、深さ30cm、幅60cmほどの標準的なプランターに一株植え付けるのが目安です。

  1. 株間90cm間隔で、畝に植え穴をあける
  2. 根鉢を崩さないように取り出し、浅植えにする
  3. 株元に土を寄せ、根と土をしっかり密着させる
  4. たっぷりと水をやる

ヘチマ(糸瓜)の水やり

ヘチマの水やりは、表土が乾燥したタイミングでたっぷりと水をやります。ヘチマは過湿に弱く、土がずっと湿っていると根腐れの原因になるので注意しましょう。

暑さの厳しい夏の時期は、朝夕の涼しい時間帯に毎日2回ずつ水やりを行いましょう。特にプランター栽培の場合は乾燥しやすいので、気をつけてくださいね。

ヘチマ(糸瓜)の誘引・支柱立て


ヘチマ上に向かってつるが伸びる性質があり、誘引しなくてもネットや支柱に巻きついていきます。ただし、放置していると見た目が悪くなるため、思った通りの場所に絡ませたい時には、つるを誘引して、麻紐などで支柱に軽く固定させると良いでしょう。

ヘチマの実は大きく生長するため、支柱は頑丈に立ててください。

ヘチマ(糸瓜)の摘芯

ヘチマをグリーンカーテンとして育てる場合は、本葉が5〜6枚の頃に摘芯をして子づるを伸ばしていきましょう。親づるを摘芯することで子づるの生長が促され、つるがどんどん伸びていきます。

とはいえ、へちまは生育旺盛のため、放任栽培でも十分に大きく育ちます。

ヘチマ(糸瓜)の開花時期・人工授粉


ヘチマは、ひとつの株に雄花と雌花が咲きます。風や虫が花粉を運んで実をつけますが、受粉が上手くいかないと実を付けません。

虫が少ないベランダなどで栽培している場合は、人工受粉を行いましょう。ヘチマの花は1日花と呼ばれる性質があり、朝に開花し、夜になると萎んでしまいます。

ヘチマは、7月ごろにキュウリの花に似た黄色い大きな花を咲かせます。朝〜午前中のうちに、雄花をつんで雌花に押し付けましょう。花の付け根が膨らんでいるものが雌花、膨らんでいないものが雌花です。

ヘチマ(糸瓜)の肥料・追肥

ヘチマは、肥料が足りないと生長が遅くなり、つるが伸びていきません。葉色が薄く、生長が遅い場合は、植え付けから2週間後を目処に8月ごろまで2週間に1度の頻度で追肥を行いましょう。

ひと株につきひと握り(20〜30g)の化成肥料を施し、株元の土と混ぜて土寄せを行います。8月以降は追肥は必要ありません。

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家庭菜園士 七尾びび
有機栽培の方は鶏ふんを追肥しましょう。鶏ふんはチッソ・カリ・リンがバランスよく入っているので優秀な肥料です。

ヘチマ(糸瓜)の収穫時期

ヘチマの収穫時期は7月中旬〜9月ごろです。食用として収穫する場合は、結実してから10日〜15日、実の大きさが20〜30cmの頃に収穫します。この頃はまだ実が柔らかく、煮物や汁物にして食べることができます。

成熟した果実は繊維が発達するため、タワシに加工して使用されます。エコな素材として、ボディ用のブラシとして売られていることも多いですよ。

タワシとして加工したい場合は、ヘチマの実が黄色く変色してきた9月ごろに収穫しましょう。

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家庭菜園士 七尾びび
ヘチマは沖縄では「ナーベラ―」と呼ばれています。ゴーヤチャンプルーのように、ナーべラーチャンプルとして食べるのも美味しいですよ!
ほかにも「天ぷら」「和え物」「漬物」として食べるものおすすめです。

ヘチマ(糸瓜)の病気・害虫

ヘチマは、ウリ科の野菜がかかりやすい病気に注意が必要です。つるが伸びると湿気がこもり多湿の環境になるので、カビが由来したうどん粉病、べと病になることがあります。

これらの病気を防ぐためにも、適宜ヘチマの伸びたつるを剪定をしてあげましょう。

また、害虫では、ウリハムシ、ハダニ、ハモグリバエなどの被害に注意しましょう。

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家庭菜園士 七尾びび
ウリハムシに葉を食い散らかされてしまうので、寒冷紗(かんれいしゃ)などをかけて防虫対策するのがおすすめです。

簡単に栽培できるヘチマ(糸瓜)で夏の日差しを遮ろう!


ヘチマは、とても丈夫に育てることができるつる性の野菜です。子どもでも簡単に栽培できて、観察できる野菜なので、親子で育ててみるのもおすすめですよ。

強い日差しにも負けず、つるを伸ばしてどんどん生長するので、グリーンカーテンにもぴったりです。ぜひ、栽培が簡単なヘチマを育てて、夏の日差しを遮ってみてくださいね!

この記事を監修した人

七尾びび

家庭菜園士・ベランダ菜園士。株式会社マイファーム松戸農園、松戸千駄堀農園の農園アドバイザー。 循環型の野菜栽培(コンポスト、たい肥づくり)に特化したアドバイザー。 化成肥料の栽培、完全有機栽培まで指導。日本園芸協会会員。同時に農業系、菜園系ライターとして活動中。

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ヘチマの基本情報

ジャンル
野菜
形態
一年草
学名
Luffa cylindrica
別名
糸瓜
原産地
東南アジア

ヘチマの性質

栽培難易度
易しい
耐寒性
弱い
耐暑性
強い
耐陰性

時期

種まき
3月 、4月、5月
植え付け・植え替え
4月 、5月
開花
7月 、8月、9月
収穫
7月 、8月、9月

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