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ペチュニアは夏の花壇の女王と呼ばれるほどに、ガーデニングを彩る花として人気の高い夏の花です。
この記事ではペチュニアの植え方や基本の育て方にくわえ、雨対策・暑さ対策もご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
ペチュニアの育て方のポイントは、雨による泥の跳ね返りや高温多湿対策をすることです。とくに地植えのペチュニアは、雨ざらしになって枯れやすいので、初心者は鉢植えにして育てるのがおすすめです。
また、摘心(適芯)や花が終わった後に切り戻しをしていくと、株姿が乱れずにこんもり咲かせられますよ。
ペチュニアの苗を植える時期は、梅雨に入る前の4月下旬〜5月までです。もしくは梅雨が明けた8〜9月に植えると秋に美しい花が咲きます。
ペチュニアは蒸れてしまうと下葉が枯れてしまったり、そこから全体に広がって株自体が枯れてしまうこともあるので、梅雨の時期に植え付けるのはあまりおすすめできません。
雨対策にバークチップをまいておくといい!
ペチュニアを地植えで育てると、雨がふったときの跳ね返りの泥汚れから病気が発生して枯れやすくなります。対策のため株のまわりにバークチップ(ウッドチップ)をまいておきましょう。
土はペチュニア専用の培養土がおすすめ!
多くの草花は土壌酸度(pH)が中性の環境を好むため、一般的な草花用培養土は中性になるよう調整されています。
しかし、ペチュニアは弱酸性の土壌酸度を好むため、市販のペチュニア専用の培養土を使ってあげるといいです。もしくは一般的な草花培養土に1〜2割ほど鹿沼土を混ぜて使うと、酸性に傾いてちょうどよくなります。
摘心(適芯)とは、「ピンチ」「芯止め」とも呼ばれる、植物の茎の先端をカットする剪定のひとつです。
茎の先をカットすることで脇芽の成長につながり、カットした下の葉が分岐してペチュニアがこんもりと茂り、花付きもよくなります。
ペチュニアの摘心の時期は植え付けから2週間後が目安ですが、植え付けの時点で乱れていたら同時に摘心しておきましょう。苗が若いうちに摘心をすると、ペチュニアへの負担が軽くなり、脇芽がよく分岐するようになります。
新芽が伸びたらこまめに摘心すると、美しくこんもりと茂ります。
ペチュニアを植える場所は、日当たりと風通しのいい場所を選びましょう。また、肥沃な土壌であることも大切なので、十分に土づくりをした場所に植えてください。
プランターや鉢でペチュニアを育てるときは、室内と屋外のどちらの場合でも、日当たりのいい場所に置いて育ててください。
また、屋外で育てるときには、雨に当たらない場所に置くのがポイントです。
地植え・プランター・鉢栽培に共通して、ペチュニアの水やりは、花にはかからないように株元の土へ水やりをすることが大切です。上の写真のように、花びらに水滴が溜まったままの状態はよくありません。
ペチュニアは花びらが柔らかく、水やりの衝撃で痛むことがあります。また、花や茎の間に水滴が溜まると蒸れの原因になって病気になりやすくなるので気をつけましょう。
地植えのペチュニアの水やりは基本的には必要ありません。
ただし、夏場に何日も雨が降らず、株がくたっとしているようなら、朝の涼しい時間帯にたっぷり水やりしてください。
ペチュニアの水やりは、鉢植えであれば土が乾いているなら、鉢底から流れ出るまでたっぷりと水を与えてください。こうすることで過湿を防いで、鉢の中の空気の入れ替えをすることができます。
夏場は水分がすぐ蒸発してしまうので、朝と夕方の涼しい時に土の状態を確認して、乾燥しているときには1日に2回水やりしましょう。
ペチュニアに肥料を与える時期は3〜11月の間です。植えた後、元肥の効果が切れるころから与え始めるといいでしょう。
ペチュニアは肥料食いとも呼ばれるほど肥料を好むので、栽培中は肥料を定期的に与えましょう。とくに、開花時期の肥料を切らしてしまうと、花を咲かせなくなることがあるので注意が必要です。
肥料は栽培中、10日に1回の目安で、草花用の液体肥料を水にうすめて、水やりの代わりに与えてください。
液体肥料のほうが花つきも生育もよくなってくれます。夏場の多湿でペチュニアに元気がないときは、肥料を控えるようにしましょう。
ただし、弱っているときに肥料をあげても、ペチュニアはその肥料を十分に吸収することができないうえに、肥料をあげることが逆効果になってしまうこともあります。
秋になって涼しくなってきた頃に、元気に芽を伸ばしているなら再び肥料をあげるようにしてください。
ペチュニアは花びらが柔らかいので、雨の衝撃で弱ることがあります。また、雨水が花や葉茎にたまったままの状態だと、蒸れて「灰色かび病」がおこりやすくなります。
そのため、ペチュニアには雨対策が必須となります。
地植えのペチュニアの雨対策には、先述のとおり株周りにバークチップをまいて泥の跳ね返りを防止するほか、ひどい雨のときは傘やビニールを張って雨除けをしましょう。
プランター・鉢植えはとくに梅雨の時期にはペチュニアを雨にあたらせることがないように、軒下へと移動させたりして、雨をしのげるようにしてください。
ペチュニアは暑さに強いといえども、高温多湿の環境に置いておくとたちまち弱ってしまい、葉っぱを枯らしてしまう原因ともなってしまいます。
地植えのペチュニアには、ウッドチップが地温上昇を防いでくれるので効果的です。
プランターや鉢植えのペチュニアには、コンクリートやアスファルトの地面に直接置かないよう、レンガなどの上に置いて鉢底に空間を作ってあげるといいです。そのほか、プランターや鉢植えの周辺に打ち水をしておくと周囲の温度も下がって効果があります。
ペチュニアを育てる時に注意する病気には、葉を枯らしてしまう灰色カビ病というものがあります。
灰色カビ病は、株が清潔に管理できていなかったり、風通しの悪いところで育てていたり、アブラムシや病原菌が増殖してしまうことでなってしまいます。
予防策としては咲き終わった花びらや、弱っている葉っぱなどをすぐに取り除くことが効果的です。
放置していると、病原菌が広がってしまいます。アブラムシを見つけたときには、オルトラン薬剤を散布してアブラムシを駆除しましょう。
ペチュニアは花が終わっても、「切り戻し」という剪定をすることで、何回か開花を楽しめます。
また、切り戻しは梅雨の蒸れ対策にも効果的なので、梅雨前に切り戻しをして梅雨明けに花を咲かせられるよう、準備をしておきましょう。
切り戻しの詳しいやり方は別途記事にしていますので、そちらを参考にしてください。
なお、ペチュニアの開花時期は長くて11月ごろまでです。ペチュニアは寒さに弱いため冬越しは難しいですが、挑戦したい方は下記の記事を参考にしてくださいね。
ペチュニアの種まきをする時期は、4月から5月が一番適しています。ですが、4月の気温が低いときは屋外で種まきをするのは避けて、室内で種まきをするようにしましょう。
ペチュニアは種まきからでも簡単に育てられるので、たくさんの花を咲かせたいときは種まきから育てるのがおすすめです。
ペチュニアは切り戻した茎を使って、挿し芽(挿し木)という方法で増やせます。4〜10月の間であれば生育期なので、いつでも挿し芽で増やせますよ。
詳しいやり方はこちらの記事で紹介しています。
ペチュニアは育てやすい花ではありますが、それでも日本の夏の気候で育てる場合にはしっかりとポイントをおさえて育ててあげる必要があります。
地植えでもプランター・鉢植えでも、今回ご紹介した雨対策や高温対策が栽培成功のカギとなるので、この2つに注意して育ててみましょう。
松原真理子
GreenSnap編集部