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春の代表的な花といえば桜ですよね。歴史のある花で古くから日本人に愛されてきましたが、どんな花言葉がついているのか、じつは怖い意味があるという説があるのをご存知でしょうか。
今回は桜の花言葉の意味や由来、そして怖い意味が本当にあるのかどうかについてご紹介していきます。
桜の花言葉は「精神の美」「優美な女性」「私をわすれないで」です。
「精神の美」という花言葉は、日本の国花として桜が日本人の心の清らかさや美しさを象徴することを由来としています。また、アメリカの初代大統領ジョージワシントンが、父親の大切にしていた桜の木を誤って切ってしまったときに正直に告白したというエピソードも由来の一つとされています。
「優美な女性」という花言葉は、桜の美しい花姿から例えてつけられたと言われています。
「私を忘れないで」という花言葉は、桜の花が散る儚い様子に、恋人が別れるその切なさを重ねあわせたのが由来です。
実際に桜の花言葉には怖い意味はありません。
しかしながら、桜の花言葉は怖い・悲しいというイメージを持っている方も少なくないのは事実です。そこで、桜が怖いといわれるようになった由来をいくつかご紹介します。
桜は花木のなかでもとくにたくさんの花をつけ、花びらが一枚一枚散っていきます。桜吹雪という言葉もあるほど、桜の花は散ることに対して他の花よりも注目されますよね。
散るという言葉は「敗れる」「離れる」といった意味で使われることもあり、花がよく散るという桜の特徴から儚い、悲しい、怖いイメージを持つようになったとも考えられます。
昔から桜は死者の鎮魂や慰霊樹としてよく植えられてきた背景があります。そのため桜に霊的なイメージを持たれることが多くなり、怖いと感じる人が増えたようです。
実際に桜の寿命は100年を越すものもあるほど長いのですが、古くから日本では、桜は寿命が短くて縁起が悪いとされていました。
これは古事記に記された桜を生んだ女神、木花咲耶姫(コノハナノサクヤヒメ)が短命だったために生まれた俗説です。
日本各地で桜が親しまれるようになったのは鎌倉・室町自体の戦乱の世でした。そのため寿命が短い桜は縁起が悪いとされてきた歴史的背景があり、今でも桜に怖い・不吉なイメージを持つ人が多いようです。
「私を忘れないで」という花言葉は、慎ましさを感じる一方で、強い未練にも似た気持ちが見え隠れするため重いと感じる人も多いようです。そしてそれが転じて怖いイメージに繋がったと考えられます。
桜といってイメージされるのはソメイヨシノですが、じつは日本には原種とそれをもとにした派生種が100種類。さらに品種改良された桜を合わせると600種類以上あると言われています。
桜全般の花言葉以外にも、有名な品種にはそれぞれ花言葉がついているので、ひとつずつご紹介します。
桜の名前をタップ(クリック)すると、それぞれ特徴や開花時期をまとめた記事にジャンプできます。
ソメイヨシノ(染井吉野) | 「純潔」「優れた美人」 |
ヤマザクラ(山桜) | 「あなたに微笑む」「淡白」 |
フユザクラ(冬桜) | 「冷静」 |
シダレザクラ(枝垂れ桜) | 「優美」「ごまかし」 |
ヤエザクラ(八重桜) | 「豊かな教養」「おしとやか」 |
カワヅザクラ(河津桜) | 「思いを託します」「純潔」 |
エドヒガン(江戸彼岸) | 「心の平安」 |
オオシマザクラ(大島桜) | 「心の美しさ」「純潔」 |
カンヒザクラ(寒緋桜) | 「高尚」「心の美」「愛国心」「優れた美人」 |
じつは桜はバラ科サクラ属の植物です。
バラというと幾重にも重なった華やかでトゲのある姿で、桜とは似ても似つかないように思われますよね。ですが、バラの原種であるノイバラを思い浮かべてみると、5枚の花びらに切り込みがはいった桜に似た花姿をしています。(上写真はノイバラ)
桜によく似た梅や桃の花も、このバラ科の植物です。見分け方はこちらの記事を参考にしてくださいね。
桜の別名は、咲いて散るその儚さや美しさからつけられた名前が多く、下記のような別名があります。別名のほうが桜の儚さと美しさを直感的に感じられるのではないでしょうか。
桜の歴史は、最古の書物である古事記に記されたところから始まります。記録として残るのは古事記が書かれた712年ですが、弥生時代にはその荘厳な花姿から神聖な樹木として扱われていたという説もあるようです。
古事記の中には、日本神話に出てくる女神である木花咲耶姫(コノハナノサクヤビメ)が、富士山の上空から花の種をまいて、そこから桜が生まれたと記されています。ちなみに、桜の名前の由来にはこの女神の名前からとったとされる説もあります。
奈良時代から始まった花見文化の中で、桜はだんだんと人気を博してもともと人気だった梅を上回り、平安時代には花見といえば桜という文化が根付いたとされています。
鎌倉時代には地方でも花見が楽しまれるようになり、安土桃山時代には、豊臣秀吉が1594年に「吉野の花見」という5日間にもわたる盛大な花見を開きました。この花見には地方から名将や大名が5000人集ったとされており、大阪から1000本もの桜を運んで植えたとされています。
江戸時代には徳川吉宗によって、浅草や飛鳥山に進んで桜の植樹が行われました。もとは隅田川などの氾濫対策のひとつでしたが、これによって庶民の間にも桜の花見文化が広まるようになり、現代の春の行事として続いてきました。
江戸時代末期に自然交配によってソメイヨシノが生まれ、接ぎ木で増やしやすかったことから、日本全国に普及していきました。
今でも桜がいっせいに咲いて桜前線として開花を追えるのは、日本に植えられた桜の80%がソメイヨシノだからなんですよ。
桜は、風水学的には水毒(すいどく)を洗い流してくれる作用があり、これにより恋愛運がUPするといわれています。
特にお花見は、彼氏や結婚相手が欲しい独身女性にとっては、運気を上げる効果が非常に大きいと考えらえています。しかし、黒い洋服を着てのお花見は逆効果となるそうなので、注意が必要です。
日本人なら桜にはなんとなく特別な感情を持ってしまいますよね。古くから愛されてきた歴史ある花なので、見ていると穏やかになりますね。
春にはお花見で賑わうため場所取りはしっかりして、日本の愛する花「桜」を楽しみましょう。
GreenSnap編集部