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チューリップといえば、秋に球根を植えて春に咲く花として、小さな子供からお年寄りまで、知らない人はいないほどポピュラーな花ですよね。
鉢植えにしたり花壇に地植えして育てられますが、正しい球根の植え方や植える時期を守らないと失敗してしまうこともあります。
そこで今回は、春にキレイな花を咲かせるための正しいチューリップの育て方について、わかりやすくご紹介します。
チューリップの育て方のポイントは、寒さに一定期間当てたあとに、暖かさを感じさせることです。この温度差によって花が咲くので、秋に植えてから冬の間は戸外に置き、花が開くまでは寒さにあてましょう。
また、チューリップは球根植物なので、花が終わったら掘り上げて球根を保管しておくと、毎年開花を楽しむことができますよ。
チューリップの球根を植える時期は10月下旬〜11月頃です。
ただし地域によってはこの時期になっても寒過ぎたり暑過ぎたりすることもあるでしょう。そういうときはちょうどまわりの木々が紅葉する時期が植えどきです。
とはいえ、この時期を逃してしまっても霜が降りていなければ、12月頃までは植えることができます。
逆に、まだ気温が20℃以上ある暖かい時期に植えると、根っこが育たないうえに病気になりやすくなってしまうので注意しましょう。
チューリップが立派に美しい花を咲かせるかどうかは、球根選びにかかっています。最初の球根選びの良し悪しによってそのあとのチューリップの生育に大きな違いが出てくるので、植える品種が決まったら、下記を参考に健康な球根を入手しましょう。
基本的にチューリップは、直射日光を避けた日当たりのいい場所で育てましょう。
植え付けから1〜2ヶ月は寒さにあて、そのあと室内の日当たりのよい窓辺に置いておくと、早めに花を咲かせられますよ。また、花が咲いたあとは、半日陰に移すと花持ちがよくなります。
▼チューリップが好む「寒さ」とは?
チューリップは寒さに当たると花が咲く性質をもちますが、適度なのは5〜9℃ほどの気温です。それ以下になると弱るので、霜の降りるような寒冷地域では、ビニールで覆うなどの霜対策をしておきましょう。
天候によって鉢の場所を移動させて調整ができると便利なので、初心者の方は「鉢植え」がおすすめです。
チューリップの球根は玉ねぎのような形をしていて、尖った部分から新芽が伸び、丸いおしり部分から根っこが出ます。
もし、根っこが出てくる丸いおしりの部分に茶色い薄皮がついたままになっているようなら、根っこが出るときに邪魔になるので、傷をつけないように注意しながら剥いてあげましょう。
また、中には皮が剥けにくい球根もありますが、そういったときは無理に剥がさずにそのまま植えても大丈夫です。発根の邪魔にならない場所についている薄皮も剥かずに植えて問題ありません。
チューリップの球根を植えるときは、尖った方が上向きになるように植えます。
また球根は真上から見ると栗のように平らになっている面と、膨らんでいる面があるのがわかりますよね。チューリップの葉が出る方向は決まっていて、だいたい平らの面から葉が伸びていくので、面の向きをそろえて植えると、葉の向きがきれいにそろってより美しく見えますよ。
鉢植えやプランターでチューリップを育てる場合は、どのサイズの容器に対して球根をいくつ植えるかによって、花が咲いたときの見た目がかなり変わります。
本来は球根を植えるときに球根同士の距離を離したほうが、翌年の開花に向けてエネルギーを蓄えやすくなるのですが、1回限りの開花と割り切るなら密植したほうが美しく見えますよ。
4号鉢 | 5号鉢 | 8号鉢 | 650mmプランター | |
密植する | 5〜6球 | 7〜8球 | 20球 | 20〜25球 |
密植しない | 1球 | 3球 | 8〜10球 | 10球 |
鉢植えやプランターにチューリップを植える場合は、市販の草花用培養土がおすすめです。最近ではチューリップ専用の培養土も市販で出回っているので、そちらを使うのもいいでしょう。
チューリップを花壇に地植えするときは、球根を植える2週間以上前から土づくりを始めましょう。チューリップは弱アルカリ性の土壌酸度を好む植物ですが、日本の土壌の多くは弱酸性に傾いているので調整します。
そのため、ておきます。そのあとはから植え付けに使いましょう。
球根同士の間隔については、球根1個分ほどに密植させた方が華やかになりますが、翌年また開花する確率は低くなります。翌年も花を楽しみたい場合は、最低でも球根2個分、余裕をもって3個分の間隔をあけて植えると安心です。
また開花までどこに植えたかわかりやすくするためにも、ネームプレートを挿しておくのもおすすめです。
チューリップは、朝のうちに鉢土が乾いていることを確認して、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをしましょう。水やりをするときは、一気に流れ出てしまうような与え方をするのではなく、水を十分吸収できるように、ゆっくりと与えます。
土が乾かないうちに水やりをしすぎると、球根が腐ってしまうので注意してください。その一方で冬場に一度でも乾燥させすぎると花が咲かなくなる可能性があるので、鉢土の具合を見ながら適度に水やりすることが大切です。
とくにチューリップの球根を植え付けてから2週間程度の、根っこが出るまでの間は鉢土が乾き切る前、表土が乾いてから水やりする程度で構いません。
庭にチューリップを地植えした場合は、球根を植え付けるときにたっぷりと水を与えますが、その後はとくに水やりの必要はなく、自然の雨の恵みに任せておけば大丈夫です。
ただし、15日以上雨が降らずに土が乾燥するようなら水やりをしてあげてください。
チューリップは、肥料を与えなくても花を咲かせられますが、球根を植え付ける際に、元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。
市販の培養土なら元から肥料が配合されているので追加で入れる必要はありませんが、自分で配合する場合や地植えする場合は必要になるのでこの記事の土づくりの項目をチェックしてみてください。
チューリップへの追肥として使うのは、液肥がおすすめです。芽が出てから花が咲くまでの間に、液肥を10日に1回、水やりの代わりに与えると効果的です。
チューリップは他の花と一緒に植えることで、鉢植え・プランターでよりキレイに咲かせることができます。
一般的なチューリップはほかの花と比べて草丈が高いので、チューリップの球根を中心に植えて、その周りを囲うように草丈の低い草花を周りに植えてあげるといいです。
これをガーデニング用語でダブルデッカー、トリプルデッカーというのですが、草丈が2段階、3段階あるものを組み合わせると美しい寄せ植えができますよ。
相性のいい花や寄せ植えのコツはこちらの記事を参考にしてください。
チューリップは品種によって草丈がまったく異なります。矮性種だと草丈20cm、一般種だと30〜40cm、高性種だと50〜60cmほどです。
花壇や寄せ植えで育てるときは草丈を考慮して品種選びをすることも大切。とくに冬春に人気のパンジーやアリッサムは草丈が低いので、草丈が高いチューリップを無造作に植えると隠れてしまうこともあります。他の花との組み合わせも考えながらチューリップの品種を選んでおくといいです。
チューリップを鉢植えで育てるときは、とくに球根の向き次第で見え方が変わるので、好みに合わせて植えるといいですよ。
球根の向きを放射状に並べると、鉢から葉がこぼれるようにボリューミーで豪華な咲きっぷりが楽しめます。
球根の向きを一方向にそろえて並べると、葉の流れもそろって整列したような美しくスタイリッシュな花姿が楽しめます。
じつはチューリップは春に咲くイメージがあるかもしれませんが、種類によっては12月から咲くものもあります。これは寒さに一定期間当たることで開花するチューリップの習性を利用して、人工的に冷蔵処理したアイスチューリップというものです。
そのほかにも品種によっては開花時期が下記のようになっているので、咲かせたい時期によって品種を選ぶようするといいですよ。
開花時期が違うチューリップを複数植えれば、リレー栽培といって数ヶ月にわたってチューリップの開花を楽しめますよ。最近ではリレーチューリップなどの商品名で球根がセット販売されていることもありるので、それを買ってみるのもおすすめです。
チューリップを翌年も咲かせるためには、花がら摘みをして、地上の葉っぱが枯れたら球根を掘り上げて保存しておくことが大切です。
とはいえ、地植えであればそのまま植えっぱなしでも花が咲く可能性があります。また生命力の強い原種チューリップはむしろ植えっぱなしにしたほうが良く増えて咲きます。
球根の掘り上げ方、保存方法はこちらの記事を参考にしてください。
チューリップは、芽が伸びはじめたころからアブラムシが付きやすくなるので注意が必要です。アブラムシは、モザイク病を引き起こす原因にもなりますので、殺菌殺虫剤をまいて未然に防ぎましょう。
もしアブラムシが付いてしまった場合は、増える前にすぐに駆除します。殺虫剤で駆除するほか、テープで貼り付けて取る方法などもありますので試してみてください。
とくに雨が多いと発生しやすい病気が「褐色斑点病」です。灰色かび病ともいいます。褐色斑点病は、葉や茎に小さなくぼんだ斑点ができて拡大していきます。花びらにも小さな丸い斑点ができ、そのうちそれが大きくなってカスリのようになります。
このほかにもチューリップがかかりやすい病気はいくつかありますが、病気になった株は治りません。他の株にも影響を与えてしまうため、残念ですが球根ごと取り除いて処分してください。
また、球根を植える前に水に溶かしたベンレートなどに浸けて消毒をしておくと、病気を予防する効果が期待できます。また、芽が出てからは定期的に葉っぱに消毒剤を散布することで、病気を予防できます。
チューリップといえば、春の花壇に咲いている花の定番で、誰もが知っているポピュラーな花ですよね。チューリップは、最初の球根選びさえ間違わなければ、比較的簡単に育てられるので、初心者の方にも向いています。
チューリップを失敗なく美しく咲かせるのに確実な方法は、信頼できる種苗メーカーで、大きくてきれいな球根を買って植えることです。春には、立派な美しいチューリップの花をお楽しみくださいね。
TowA
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ネガティヴママさん
ゆうゆう
ひままりん
GreenSnap編集部