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太陽の光を浴びてぐんぐん育つカボチャ(南瓜)は、夏野菜の代表的存在です。βカロテンやビタミン類、食物繊維が豊富に含まれている緑黄色野菜で、抗酸化作用や腸内環境改善に効果が期待されています。
ここではそんなカボチャの育て方を、畑栽培、プランター栽培別に詳しくご紹介します。
カボチャの栽培難易度はそれほど高くなく、日当たりさえよければじつは意外と簡単に家庭菜園で収穫まで楽しめます。
栽培期間は種まきからなら3ヶ月半、苗からなら2ヶ月ほどで収穫できます。
できれば畑での栽培が好ましいですが、大きなプランターと支柱を準備すれば、プランターで栽培することもできますよ。
まずは簡単に、カボチャの育て方の手順をご紹介しておきましょう。
こうして並べると、難しそうに思えるかもしれませんが、一つ一つの作業は簡単なので挑戦してみてくださいね。
栽培されているカボチャは大きく「日本カボチャ」と「西洋カボチャ」に分けられます。
どちらかというと西洋カボチャの方が育てやすく食味もよいです。おすすめの品種としては、一般的にスーパーでよくみられる定番の「えびす」や、ミニサイズの「坊ちゃん」などがあるので、こちらの記事を参考に選んでみてください。
カボチャの種まき時期は、3月中旬~4月です。発芽温度は西洋カボチャでおよそ20度、日本カボチャでおよそ25度以上であることが目安となるので、栽培地域によって変えましょう。
もちろん育てる場所に直まきすることもできますが、ポットで育苗してから植え付ける方法のほうが温度管理もしやすいのでおすすめです。
カボチャの苗を植える時期は、4月中旬〜5月です。
生育温度は20度ほどなので、暑すぎず寒すぎない気温になったら植えましょう。寒冷地であれば6月中、温暖地であれば4月〜5月中旬と、栽培地域に合わせて調整するといいです。
なお、種まきから育てる場合は、育苗に1ヶ月ほどかかるので3月ごろから栽培を始めましょう。
カボチャは日当たりの良い場所を好みます。直射日光にも強いので、1日のうち6時間以上は日が当たる場所で育てましょう。
なおカボチャはツル性の野菜のため、栽培していくと地面に沿ってツルが広がるので、畑や庭などで地植えにして育てる場合は、広いスペースを確保しておく必要があります。
もし広い栽培面積が確保できない場合は、ミニカボチャというカボチャの種類を選ぶのも一つの手です。ミニカボチャはツルを支柱で誘引して宙づりにし、立体栽培(空中栽培)ができるので狭い場所での栽培も可能です。
プランターで栽培する場合は、プランターの深さが30cm以上あるものを選ぶといいでしょう。フェンスの近くで育てるなど、つるを誘引して、空中栽培できるような場所を選んでください。
カボチャの植え付けをする2週間以上前から、土づくりをしておきましょう。
畑に地植えする場合は、植え付けの2週間前には、畑に苦土石灰を1㎡あたり100gまいて耕しておいて寝かせます。
植え付け1週間前になったら、畑に堆肥を1㎡あたり2kg、化成肥料を1㎡あたり100g混ぜてよく耕しておきましょう。
カボチャの栽培には火山灰土(黒土)はあまり適していません。カボチャは排水性のよい砂質土壌を好みます。
プランターでカボチャを栽培するなら、市販の野菜用培養土がおすすめです。
もし自分で配合する場合、〔赤玉土(小粒)5:腐葉土3:バーミキュライト1〕ほどの割合で混ぜておきましょう。
さらに用土10Lあたり10gの苦土石灰、15〜20gの化成肥料を加えて、1週間なじませてから使います。
畑栽培の場合、土づくりが済んだら、畝をつくります。
支柱を立てない放任栽培・地這い栽培なら、畝幅は2mほどです。支柱を立てる立体栽培・空中栽培なら70~80cmほどでいいでしょう。
カボチャは湿度に弱いので、畝の高さは15cmほどにして排水性が上がるようにします。
畝の準備ができたら、株間70cmほど開けて、根鉢の肩と地面の高さが揃うようにやや浅植えで植えていきます。
プランター栽培の場合、容量が20ℓ以上のものを使うようにしましょう。また、深く根を張る性質があるので、プランターの深さが30cmほどあるとよいです。
苗の植え方は下記のとおりです。
カボチャは基本的に乾燥気味に育てます。畑でカボチャを栽培するときは、特に水やりは必要なく、基本的に降水のみで問題ありません。
水のやりすぎは多湿を招き、病害虫の発生につながるので、注意してください。
ただし1週間以上雨がふらずに乾燥しているようであれば、たっぷりと水やりをしてあげてください。
プランターでカボチャを栽培する場合は、表土が完全に乾いたら水をあげるようにしてください。
カボチャは根が強く、自分で水を探して地中に伸びていくため、定植したカボチャへの水やりは植え付け時のみで、あとは必要ありません。
梅雨の時期などは多湿になりやすいので、表土の様子をみながら水やりしましょう。
カボチャの肥料は収穫までに追肥を6月中旬~7月中旬頃に1回、7月上旬~下旬ごろにもう1回と、計2回おこないます。
また、カボチャは肥料に含まれる窒素分が多いとツルボケしやすいので、リン酸やカリウムの比率が高い肥料や、市販のサツマイモ用肥料などがおすすめです。
1回目の追肥は、6月中旬~7月中旬頃に行います。ツルが50cmくらいに伸びたころを目安にしましょう。
はじめに畝の脇に溝を掘ります。マルチシートが張ってある場合は、持ち上げて畝の肩を掘ってください。掘った溝に1㎡あたり20~30gの化成肥料をまきます。
その後に土を寄せて肥料を埋め、マルチシートを張っている場合は元に戻します。
2回目の追肥は、7月上旬~下旬に行います。果実がテニスボール位の大きさになった時が目安です。伸びたツルの先端周辺に1㎡あたり20~30gの追肥を均一にまきましょう。
その後、軽く土を寄せて肥料を混ぜます。動かしたツルは畝の外にまっすぐ伸びるように戻してください。
カボチャは放っておくとどんどんとツルが伸びていくので、より質の良い収穫を目指すためにも、整枝や摘心などの剪定作業が必要です。
剪定作業をする前に下記のようなツルの部位を把握しておきましょう。
また、カボチャは大きく西洋カボチャ、日本カボチャに分類されますが、それぞれで整枝・誘引のやり方も少し違うので分けてご紹介します。
西洋カボチャの場合、親ヅルによく実がつくので、「親ヅル+小ヅル1本仕立て(主枝仕立て)」がおすすめです。
6月中旬〜下旬になり、十分にツルが伸びた状態になったら、子ヅルと親ヅルを1本ずつにしましょう。ヅルから分岐する勢いのいい小ヅルを1本だけ残し、余分な子ヅルは全て摘み取ってください。
その後は余分なツルが伸びたら早いうちに摘み取ってください。子ヅルの節からは孫ヅルが伸びてくるので、これも全て取り除きましょう。
日本カボチャの場合、子ヅルに実をつけやすいので、「親ヅル+小ヅル3〜4本仕立て(側枝仕立て)」がおすすめです。
6月中旬〜下旬になり、親ヅルに葉が4〜5枚ついたら4枚目の葉の上で摘心しましょう。子ヅルがそれぞれ50cm以上に伸びたら、勢いがよく太い小ヅルを3〜4本残して左右に伸ばすようにしていきます。
その後が小ヅルからよく孫ヅルが伸びてくるので、実がつくまでは適宜取り除きましょう。
カボチャの整枝・摘心と同時に、支柱立てをするか敷きわらをしておきましょう。
カボチャはツルを地面に這わしていくと、泥はねによって病害虫の被害に遭い、高確率で栽培に失敗します。そのため立体栽培(空中栽培)にするか敷きわらをしいて放任栽培(地這い栽培)するか、いづれかの方法で対策しておきましょう。
どちらかというと、主枝仕立ての西洋カボチャのほうが立体栽培向きで、日本カボチャのような側枝仕立ての場合は放任栽培向きです。
いづれの方法も、葉が重ならないように誘引させます。放任栽培の場合は畝の端まで伸びたら折り返しましょう。Uピンなどを挿して固定させておくといいです。
株元の近くにできるカボチャは味が悪く生育も悪いので、1〜8節目までの花はすべて摘み取りましょう(摘花)。
9節目以降の花には人工授粉して着果させます。一般的には9〜13節目の果実がより美味しく生育も良いとされていますが、14節目以降も花があるのであれば受粉させておくといいでしょう。
カボチャは自力では結実しにくいので、人工的に受粉させる必要があります。カボチャの人工授粉は、6月中旬〜7月中旬の花が咲いた頃に行いましょう。
カボチャを人工授粉させるには、雄花と雌花の見分けが大事となります。花のつけ根が膨らんでいないのが雄花で、膨らんでいるのが雌花です。
カボチャの果実が大きくなったら、満遍なく日が当たるように玉を回したり、トレーを敷いてあげるといいです。収穫は8月頃になりますが、収穫目安や収穫方法、追熟方法についてはこちらの記事でご紹介しています。
大きさや重さを競うカボチャコンテストやハロウィーンなど、イベントの主役にもなるカボチャ。
今回はそんなカボチャの育て方を場所、種まきから植え方、水やり、肥料、整枝・摘心などのやり方ついて紹介しました。
みなさんもぜひカボチャの栽培にチャレンジして、たった一粒の種から5~6個も収穫できる喜びを味わってみてくださいね。
七尾びび
GreenSnap編集部