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瑠璃の冬の物語の一覧

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so.ra
【瑠璃の冬の物語】   ~エピローグ~ 私は帰る 長い旅路を 散り散りになった 心の欠片を 拾い集めて 懐かしいふるさとへ 空に春を告げる春雷 雨がときを告げて 枯れた大地を起こしていく 長い眠りから解き放たれて うずくまっていた体を 空へ伸ばす ほとばしる いのちの力を込めて 弾けるように芽吹く 全ては自分に帰る旅 さぁ 新しい始まりのとき 生きている喜びに包まれて 歩きだそう 🌸東京 雨 10℃ 強い雨と春雷が轟いています。 今日、3月13日は魚座の新月。 浄化の新月だそうです。 激しい雨も雷も、浄化の一翼を担っているかのようですね。 地球の、シアノバクテリアから始まった40億年のいのちの旅。体にミトコンドリアを持つことや、植物が酸素を作ってくれること、そんないのちの旅の動画見て素敵な余韻が残りました。全てのいのちの中に、40億年の歴史が入っている。私たちは周りを素晴らしいいのちの世界に囲まれて、支えあっているんだなって、いのちの総てを尊いなって思いました❤️よろしければ、動画のサイトは↓から https://youtu.be/u8-Vzpx26b0 今日もよい日に💕 写真は過去pic から 🌸よろしかったら、物語を【瑠璃の物語】【瑠璃の冬の物語】の下のタグからご覧下さい。
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so.ra
【瑠璃の冬の物語】その27 弥彦は、瑠璃が突然いなくなってから、毎朝村外れの鎮守の社に、瑠璃の無事を祈って詣っていた。 その朝も、幼い健をつれて参拝に行こうとすると、向こうから歩いてくる人の姿があった。 裸足だが、女の姿だった。背格好は瑠璃のようにも見える。もしや、幻を見ているのか、そう思って目を凝らすと、なんと!それは、紛れもない愛する瑠璃の姿だった。 弥彦は胸が高鳴った。 瑠璃は、鎮守の森の社の向こうから、手を降ってかけてくる親子連れの姿を見た。小さな子供の手をひいて、自分に手をふっている。 まさか!まさか! あぁ、一日も忘れたことはない、弥彦の姿、あの幼い子供は健の姿!無事でいた、大きくなって!瑠璃も駆け出した。 昇り始めた朝日さす丘を、弥彦と瑠璃が互いにかけよった。 「どうして、あなたはここに?」 二人の口から、同じ言葉か飛び出した。 同じときに同じ場所で再び巡りあう、そして何よりも生きていた、その奇跡に、再会に、二人は続く言葉もなく、ただ互いを見つめそして抱き締めた。 あとからあとから、とめどなく溢れる涙。互いの名を呼びあいながら、二人は再開を喜びあうのだった。 手を繋いで丘の道を家に帰って行く、瑠璃と弥彦。三人を祝うかのように、丘のわきには花が咲き乱れ、山鳥が朝の歌を賑やかにさえずっている。緑が増した草原を、光を受けてキラキラと光りながら風がわたっていく。 どんなときも幸せを信じて生きるんだぞ、いつか聞いた父さまの声が、ふと風にのって聞こえたように思った。 そして、母さんよかったね! そんな太一の明るい声も聞こえたような気がした。 「そうね、父さん、太一。 いろんなことがあったけど、全ては私に戻る道だったわ」 瑠璃はそっと呟くと、小さな健の手を握り弥彦と顔を見合わせて、微笑むのだった。 終わり❤️ 花は、庭に咲き始めた沈丁花です。とても優しい香りが漂っています。一番に春を知らせて、幸せな気持ちにしてくれる花😊 瑠璃を花に例えるなら、きっとこんな物静かだけれど香り高い花なのかなって思い、物語の最後の一枚に選びました。 瑠璃の冬の物語を、お読みくださってありがとうございました。『冬』をテーマに人の心の醜い部分、苦しく辛い人生も、あえて書いてきました。 波乱の人生を歩んできた瑠璃の生きざまが、読んでくださった皆様のどこかでお力になれていたら嬉しいです。 人生の冬の物語への挑戦に、私も心が折れそうになりながら、皆様の言葉やいいねに支えられて、最後まで書くことができました。ありがとうございました💞 3月11日の震災から10年、苦しみと悲しみを越えて、私たちみんなでひとつになってこれからの日本を作っていくだって、思いを新たにしました。たくさんの実りをもたらす木もはじめは一粒の種。どんな一歩も大切な一歩、みんなと歩む道を大切に生きたいと思いました❤️(祈り)
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so.ra
【瑠璃の冬の物語】その26 僕のいた世界から母さんの世界が見えた。母さんがとても辛い想いをしているときに、母さんを助けることができなくて僕は本当に辛かった。 あの崖から母さんが落ちるときに、僕の代わりに龍神が母さんを抱き止めて助けてくれた。 母さんを助けてあの不思議な世界に連れていってくれたのは、龍神なんだよ。 この世界にはたくさんの時空があって、それが交わる瞬間がある。その時母さんのもとに行って助けることができる。僕は、ずっとその時を待っていたんだ。そして、やっと今日、母さんのもとに来ることができたんだ。 ねぇ、母さん。 母さんは、あの穏やかな世界にずっといることもできたんだ。でも、愛する人と生きるために、辛くて苦しいことも多いけど、もう一度この世界で生きることを決めたね。 僕は、神様と出会ったときに、神様の元で使命を果たして、時が来たら母さんや父さんの元に帰ることを願った。そして、今日その時が来た。 神様は、僕にこの世界へ帰ることも、神様の世界に留まることも、選んで良いんだと言ってくれた。そして僕は、母さんが選んだように、この先の道を選んだんだ。 今も母さんや父さんを心から愛している。みんなと一緒に野山をかけて生きていた世界に帰りたいとも思う。でも、今は、それ以上に僕でなくてはできないことをやりとげたい気持ちなんだ。母さん、僕は神さまの世界に戻るよ。 母さん、心から大好きだよ。 そして、父さんに会えないのは、とっても残念だ。でも、もうすぐ時空が交わる時間が過ぎてしまう。僕は、あの鳥に乗って、神さまの世界に帰らなくちゃならない。ほら、鳥が迎えに来てくれたよ。 太一がそう話す空に目を向けると、満月の下を、真っ白な鳥が彼方から飛んで来るのが見えた。 太一はもう一度強く瑠璃を抱き締めると、立ち上がった。 月明かりに照らされるその逞しく立派な姿を見上げて、瑠璃も静かに立ち上がった。 「母さん、僕は母さんのもとに生まれて幸せな人生だった。この世界で過ごした時間も、辛いことも苦しいことも、みんな大切なものだった。ありがとう母さん。僕たちはきっとまた会えるよ。見えないけれど、どこにいても絆はちゃんと繋がってるからね。どうぞ父さんや僕の弟と幸せに生きて下さいね」   そういうと、太一は白い鳥の背中にひらりと飛び乗り、「母さん、元気でねー!」と大きく手を降りながら空の彼方に去っていった。 太一に助け出されて過ごした時間は、わずかな時間だった。けれど、それは瑠璃にとって時が止まったような永遠とも思える時間だった。喜びも愛も悲しみも感謝も。。たくさんの言葉にならない想いが胸に溢れて、瑠璃はただその想いを愛おしく太一の言葉をかみしめ涙を流した。 「ありがとう太一。元気でねー!」瑠璃の声が白い鳥の姿を追いかけて山々にこだまする。 鳥に乗って太一が飛び去った空に、瑠璃はいつまでもいつまでも手を降り続けていた。 やがて月は少しずつ白み、山の稜線から一筋の光がさしてきた。その光を受けて、瑠璃の握った手のひらから、縄が砂のように溶けてさらさらと落ちていった。 瑠璃は深く息を吐き、そして空を見上げて息を吸い込むと、懐かしい我が家をめざして歩き始めた。 続く 🌸よろしかったら、物語を【瑠璃の物語】【瑠璃の冬の物語】の下のタグからご覧下さいね。
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so.ra
【瑠璃の冬の物語】その24 来る日も来る日も、終わりのない辛い毎日に、いっそ死んでしまいたい、そう思うこともあった。けれど、いつか父さんや母さんの所に戻りたい。そう考えて僕は頑張ったんだよ。 そのうちに、僕は不思議な力が身についたんだ。心で鳥と話ができるようになったんだ。 瑠璃は、もう泣いていなかった。自分の生きた日々よりはるかに苦しい時を乗り越えてきた太一の言葉を、一言も聞き漏らすまいと、体いっぱいに耳をすまして聞いていた。 鳥たちも僕と同じように苦しんでいた。そして、せめて大空を見たいと思っていた。その、悲鳴のような想いを毎日聞いているうちに、僕はいつか鳥たちとここを抜け出そうと考えるようになっていったんだ。 母さん、自由ってなんだろうね。目に見えるものが全てじゃないし、見えないものの方が、とても大切だったりするんだってその時に思ったんだ。どんなに辛いときも、心を縛られずに自由にいるのはどうしたらいいのか、そんなことを考えもしたんだよ。 そして、人だけが想いを持ってる訳じゃないってことも初めてわかったんだよ。心で繋がってみて、人も鳥も植物も、みんな自由な意思をもって同じ時を生きてるんだって、わかるようになったんだ。 そして、そんなある日、旅先で神社に立ち寄ったんだ。 続く 🌸よろしかったら、物語の一話【瑠璃の物語】二話【瑠璃の冬の物語】は下のタグからご覧下さいね。
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【瑠璃の冬の物語】その23 太一が思い出すように、遠くを見つめながら話を始めた。 あの日、いつものように、山に遊びにいったんだ。村外れの鎮守の森に行って、小鳥やウサギを追いかけて遊んでいたんだ。そしたら見慣れない男たちが来て、僕を捕まえると縛りあげて連れられていったんだ。 僕が連れられて行ったのは、旅の見せ物の一座で、僕は猛獣使いを仕込まれたんだ。泣いたり嫌だというと、鞭で打たれたりおりに閉じ込められたりしたから、生きるために必死で何でも覚えた。 父さんや母さんのもとに帰りたい、神様助けてって毎日祈っていたけど、助けは来なかった。火のなかをくぐる芸当や剣を操って踊ることも教えられた。僕くらいの子がたくさんいたけど、死んでしまった子もいたよ。僕はひたすら生きて、父さんや母さんの所へ帰ることだけを考えて生きぬいてきたんだよ。 太一の話を聞いて、瑠璃はわなわなと震えた。 「なんてひどいことを」さっきまでの喜びは消えてしまい、怒りが胸にこみ上げた。 大丈夫だよ。頷くと、太一は続けた。 僕は、辛いときに小鳥の声を真似て口笛を吹いてたんだ。それは、昔母さんから教わったね。そして、僕が小鳥を呼んだりできることに座長が気がついて、僕に鳥を操って芸をさせることをするように命令したんだ。僕は小さかったけど、翼を広げれば僕の体よりも大きな鷹や鷲に芸をさせたんだ。炎の輪をくぐらせたり、剣を持って踊って綱から飛び降りて鳥の背に乗ったり。やることは死と隣り合わせの芸だったけど、僕は覚えてやり抜いた。そして、そのうちに、僕の芸は一座の看板になって、たくさんのお客さんが来るようになったんだよ。」 続く 🌸よろしかったら、物語の一話【瑠璃の物語】二話【瑠璃の冬の物語】は下のタグからご覧下さいね。
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【瑠璃の冬の物語】その22 太一と瑠璃を乗せた鳥は、やがて大地へ降り立った。二人を下ろすと、再び鳥は大空へと飛び去った。 まぶしい太陽の光と思っていたのは、空にかかる月の光。長い間の地下の生活で、瑠璃の目には月の光もまぶし過ぎるほどだった。 「昼間かと思っていたら、夜だったのね。ここはどこなの?」 瑠璃は辺りを見回しながら太一に尋ねた。 「僕たちが住んでいた家の先にある鎮守の森の奥だよ。母さん、もう一度母さんに会えて、本当に良かった。生きていてくれて良かった」 太一が声をつまらせていった。 「今も信じられないわ。これは夢じゃないわよね。あなたがこんなに立派に成長して、私の前に帰ってきた。そしてあんなに大きな鳥を操って助けに来てくれるなんて。」 今にも消えてしまうのではないか、そんな想いを抱きながら、瑠璃は目に一杯に涙を浮かべながら、太一の肩に恐る恐る手を伸ばした。 「もっと早く迎えに来れたら良かったんだけど、どうしても時を待たなくてはならなかったんだ。」 肩においた瑠璃の手に手を重ねて、太一は瑠璃を抱き締めた。「かあさん、痩せたね。とても苦労したんだね」 瑠璃を見つめる太一の目からも涙が止めどなくこぼれた。 「あなたがいなくなってから、毎日毎日、山のなかを探し回ったけど、あなたは煙のように消えてしまった。とても悲しくて辛い気持ちで毎日を過ごしていたのよ。あれから、あなたのことを一日も忘れたことはなかった。 あなたにいったい何があったの。」 とても信じてもらえないかもしれないけど、僕は不思議な体験をしたんだ。 空にかかる満月をあおぎながら、太一が話を始めた。 続く 🌸よろしかったら、物語の一話【瑠璃の物語】二話【瑠璃の冬の物語】は下のタグからご覧下さいね。
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so.ra
【瑠璃の冬の物語】その20 瑠璃はチャンスを逃さないように、毎日日が昇ると一番大きな木に登っては、鳥がやってこないかと天を仰いで過ごしていた。 そんなある日、瑠璃は夢を見た。一羽の真っ白な鳥に少年が乗って空高くから飛んでくる。その少年が自分に手をふっているのである。 瑠璃は思わず飛び起きた。そして、隣を見ると男と女も起きて、瑠璃に頷くのだった。 「あなたも夢を見たのね。たぶん私たちも同じ夢を見たわ。きっと、時が来たのよ。さぁ、あの木の所に行ってみましょう」 瑠璃は心臓が高鳴った。二人と共に、縄を持ち急いで木に向かっていくと、夢に見た通りに、はるかな光のさす高い天井の向こうから、真っ白な大きな鳥が飛んで降りて来た。そして、何とその背中には、一人の少年が乗っており、自分に手を降っているではないか。 「母さ~ん!僕だよ、太一だよ。迎えに来たよー!」 あぁ、それは生き別れた愛しい我が子、太一の成長した姿だった。太一は器用に白い鳥を操り木の近くまでやって来た。 「ここが精一杯だ。母さん、飛び移れるか?」 太一が叫んだ。 涙が溢れそうになる瑠璃は唇をきつく噛み締めた。 そして、石つぶてをつけた縄を、鳥の足もとをめがけて投げ、縄は見事に命中した。縄の端を自分の腹にくくると、瑠璃は縄を伝って登っていった。その縄の端を太一も引き寄せ、見事に瑠璃が鳥の背中につくや、鳥は光のさす天井へと飛び立った。 鷹よりもはるかに大きなその鳥の起こす風でたくさんの葉が枝から吹雪のように舞い落ちた。 瑠璃は太一に抱えられ、眼下に目をやると、二人が大きく手を降って瑠璃を見送ってくれていた。 「有り難うー!」 涙声の瑠璃の声が洞窟にこだました。 やがて、天井の光に吸い込まれるように、白い鳥の姿と共に、瑠璃の姿は二人の視界から消えた。 「幸せにねー!」 後を追うように、女の声が洞窟にこだました。 鳥が飛び立ったあとも、光の乱舞のようにきらめきながら虹色の葉が舞い落ちてくる。それは美しい光景だった。 男と女は長い間瑠璃の去った彼方を祈るように見送っていた。 続く 🌸よろしかったら、物語の一話【瑠璃の物語】二話【瑠璃の冬の物語】は下のタグからご覧下さいね。
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so.ra
【瑠璃の冬の物語】その18 2人に連れられていった場所は、洞窟の天井から光がさして、その下に生い茂る木々が虹色に輝いている場所だった。光のさす中央に大きな木が繁り、その枝には見たことのない虹色に輝く実が実っていた。 荘厳な美しさに見とれる瑠璃に、2人は木を囲むように座ると、瑠璃にも座るように促した。 「ここにたどりついたときに、私たちは食べるものもなくて、あちこちを探して洞窟をさ迷ったのよ。その時に、この美しい場所を見つけたの。もしかして、外に通じる道がないかって探したけど、この場所だけ天井が割れて光がさしていたの。でも、あまりにも天井までが高くって外に出るのは無理だって、諦めたの」 そして、男が口を開いた。 「私たちは、もう最後と覚悟を決めて、死ぬならここで死のうと。そして、命の最後に美しい景色を見せてくれたことに感謝して、この木を囲んで感謝の祈りを捧げようと考えたんです。どのくらい時間がたったのかわからなかったが、私たちは死なずにただ時が過ぎて、ある日美しい月の光がさした日に、この木に、虹色の実がなったんです。その実を食べて私たちは、生きてきた。なんのために命を繋ぐか、私たちもわからない。ただ、愛と感謝をこの木に祈ると木が幸せそうに見えてね、ここで瞑想をして、祈りを捧げることを日課にしてるんですよ」 瑠璃も2人と共に静かに座って時を過ごした。 木々の上に見える天井は果てしなく高く、瑠璃にもとても登れないと思えだが、女がこんなことを言った。 「実はあなたが流れ着く前の日に、ここで瞑想をしていると不思議な夢を見たのよ。それは、真っ白な大きな鳥に捕まってこの木から空に登っていく人の姿なの。あなたも同じ風景を見たのよね」 男に同意を求めると男も静かに頷いた。 「この木の葉はとても丈夫なの。私たちはこの葉の繊維で織った服を着ているの。また見たことはないけれど、あの夢に出てきた大きな鳥がもしも、飛んできたらあなたは、その鳥に捕まって、あのわずかな隙間から、もとの世界に帰っていけるんじゃないかしら」 あの木に鳥が、外の世界から飛んでくる。それは奇跡に近いことだろうと瑠璃も思った。だけど、瑠璃はどうしてももう一度愛する家族に会いたいと思った。そして、2人の夢の話を信じて、その時にかけてみようと考えた。 「可能性があるなら、試してみたいと思います。木の葉から繊細を作る方法を教えてください」 女に頼むと、その日から瑠璃は、木の葉を繊維にして縄をない、木に素早く登り、石つぶてを投げてものをとらえる練習を始めた。 どれ程の時が流れたのか、瑠璃の作った綱は長くしなやかに山になり、木には素早く登り、石つぶては小さなものも捕らえることができるようになった。瑠璃は、故郷の山で真似ていた鳥の鳴き声を真似た口笛を木のふもとで吹きながら、どうぞ迎えにきてくださいと祈るのだった。 続く 🌸よろしかったら、物語の一話【瑠璃の物語】二話【瑠璃の冬の物語】は下のタグからご覧下さいね。
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【瑠璃の冬の物語】その17 女は瑠璃の話を聞き終わると、優しい笑顔で尋ねた。 「いろいろ経験したのね。それで、あなたは、その人生が好きかしら?」 思いがけない質問に、しばらく瑠璃は考えた。 辛いことも、苦しいことの多い人生だった。人の心のエゴや裏切りや、底無しの泥沼のような心もたくさん見てきた。でも、母さまの愛で生まれ、父さまに愛されて育ってきた。野山の美しい自然のなかで生きる素晴らしさも知った。愛する弥彦と出会い、可愛い子供ももうけた。 幸せだけとは言えない人生だけど、なかった方がいい人生だったろうか? 「もっと楽に幸せに生きられたら…とは思います。でも、両親や大切な弥彦さんや子供とのであいが、この人生の中にしかないのなら、私は自分の人生が好きです」 「ここは時間が止まったような不思議なところ。食べるものに不自由することもないし、老いることも病気も心配もなくて、ただ静かに時が流れていく毎日。私たちは、ここでなにかを産み出すことも、新しい経験をすることもない代わりに、穏やかに自分の時間を過ごすことができるわ。あなたがずっとここに留まりたければ、いつまでもいていいのよ。」 女の言葉で、瑠璃は自分がどう生きたいのか考えた。 「もしも、ここに弥彦さんがいたら、一緒にここで暮らしたいと考えるかもしれません。でも、可愛い子が成長をせずずっと赤ん坊のままなのは、きっと辛いと思います。やっぱり、私はもとの世界で、弥彦さんや子供と一緒に生きていきたいと思います」 瑠璃の言葉に、女は頷くと傍らにいる男と一緒に立ち上がって、瑠璃を手招いた。 「あなたは、そう答えるんじゃないかって思っていたわ。あなたに、お見せしたいものがあるのよ。一緒に来てくれるかしら」 瑠璃は二人のあとについて、流れのわきの洞窟の中へと入っていった。 続く 🌸よろしかったら、物語の一話【瑠璃の物語】二話【瑠璃の冬の物語】は下のタグからご覧下さいね。
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【瑠璃の冬の物語】その16 女のくれた実は、故郷の山で食べたの野イチゴや桑の実のような味がした。 そして、不思議なことに実を食べるほどに、苦しかったことも辛かったことも、みんな体の中から消えていくような軽やかな気持ちになっていった。 幼い日の父の姿、野に咲くタンポポやれんげの花。忘れていた風景が甦り瑠璃は目を閉じた。 胸の奥から懐かしい温かな思いが次々と込み上げて、閉じたまぶたから涙がポロポロとこぼれ落ちた。       その姿を見て女が、どうしたのかと尋ねた。 「ずっと忘れていた、父様との懐かしい幸せの風景を思い出したんです。忘れてはいけない大切な思い出なのに、歯を食い縛るように生きていて、大切な記憶があったことさえも忘れてました。不思議です。この実を食べたら、体が軽くなって、心の中に幸せな気持ちが次々に浮かんでくるんです。」 そうなのと、女は笑っていった。 「この実は不思議な実なの。体に力をくれるだけじゃなくて、心にも力をくれるから、きっとあなたは懐かしい大切な思い出を思い出せたのね。 生きている時間は不思議なものなの。今、あなたはずっと幼い子供の頃の思い出を昨日のことのように感じているでしょう。 すべては一瞬の中の出来事のようなもの。過去も未来も今も同じようにあるんだって。ここにきて、それをとても強く感じたのよ。 あなたが思うどんなときも、心に呼び出して今起きていることのように感じられるのよ。本当は人は自由な心で、幸せを自分の心の中から呼び出して使えるのに、その事を忘れてしまって、悲しみや苦しみに心を縛られてしまって、それはとても残念なことよね。 あなたが幸せを感じた時間を、楽しんでみたらいいわ。そして、良かったらあなたの話をお聞かせくださいね」   少しずつ元気を取り戻して、瑠璃は今までの境遇を、ポツリポツリと話し出した。  続く 🌸よろしかったら、物語の一話【瑠璃の物語】二話【瑠璃の冬の物語】は下のタグからご覧下さいね。
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【瑠璃の冬の物語】その15 体を撫でる暖かな手は、記憶の彼方の母の姿を思わせた。 ぼんやりした意識のなかで、誰かの呼び掛ける声を聞いたような気がした。 夢の中で、故郷の野山を父様と歩いている幼い自分がいた。 父様の手をしっかりと握って、 それは優しく温かく大きな安心と繋がっている感触だった。 すべては夢だったのだろうか 「父様」 そう、声にした自分の声で、瑠璃は目を覚ました。 「起きたようだね。気分はどうだい」 2人の男女が、瑠璃を見つめていた。髪は銀色で、真っ白な肌、七色の光を放つ不思議な服を着ていた。 「ここは天国?」 あたりの不思議な光景に、瑠璃が訪ねると、女が笑っていった 「いいえ、ここはこの世よ。 あなたは川の流れに運ばれて、ここへきたのよ。」 男性が続けた 「あなたはずいぶん長いこと眠っていたから、もう、目を覚まさないのかも知れないと、心配していたところだったんですよ」 二人は顔を見合わせて微笑んだ。 あたりを不思議そうに見回す瑠璃に、女がいった。 「不思議なところでしょう?私たちも流されて、ここにたどり着いたのよ。あなたは、あの洞窟の向こうから流れてきたのよ」 そこには大きな鍾乳洞のトンネルがあり、この中から流れ出た水が、瑠璃のいる広場のような場所の脇を、勢いよく流れていた。 天井が数ヶ所抜けていて、その広場になったところへ、筋になって光が降り注いでいた。 なんて綺麗な光、そう思って眺める瑠璃に、男が話しかけた。 「綺麗な光でしょう。ここは、あの水の流れが作ったんじゃないかと思うんですが、私たちもあの流れの来る先も、ここから流れていく先も、知らないんですよ。 だけど、天井から降り注ぐあの光のお陰で、地底のここにもわずかに植物が育って、私たちの命を繋いでくれてるんです」 そういわれて、あたりを見回すと、そのあたりだけ緑の草木が繁り、見たことのない花も咲いていた。 「長いこと眠っていたから、おなかがすいたでしょう。これはとても栄養のある木の実なの。良かったら食べてみない」 女がくれたのは、始めてみる木の実だった。 続く 🌸よろしかったら、物語の一話【瑠璃の物語】二話【瑠璃の冬の物語】は下のタグからご覧下さいね。
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【瑠璃の冬の物語】その13 瑠璃の居なくなった夜、その夜も瑠璃が来るだろうとそわそわと待っていた権蔵は、夜遅くなっても瑠璃が来ないのを不思議に思い梅に訪ねた。 「どうしたんだろう。珍しいこともあるもんだ。赤ん坊が乳が欲しくて泣くだろうに、今夜はどうして来ないんだろう」 「知るもんかね。きっと、腹でもこわして寝込んでるんじゃないかい。病気なんぞうつされたら大変だよ。くわばらくわばら。」 「そうか、来ないんなら仕方ない。ふん、つまらん。寝るとするか」 権蔵はそういうなり、ごろんと布団に入ってしまった。 邪魔な瑠璃が居なくなって、権蔵が以前のように優しくなるかと思ったのに、素っ気なく振る舞う様子に、梅は宛が外れて面白くなかった。 「なんだい。瑠璃さん瑠璃さんって。瑠璃さんはもう、来やしないよ」そう、小さな声で言うと、梅も寝床についた。 翌朝、権蔵は村人の話で、瑠璃が谷底に落ちたらしいことを知った。 1日2日と日がたっていくにつれ、権蔵は心にぽっかり穴が開いたように感じるのを、不思議に感じていた。そのうちに、そんな心を慰めるように、権蔵は酒を飲むようになり、野良にも出ないで昼間から酒を飲んでは暴れて梅を殴りつけるようになった。田畑は荒れて財産も底をつき、二人はしだいに食べることもままならなくなっていった。 そんなある日、酔っぱらった権蔵が始末を怠った囲炉裏から火がでて、たちまち炎は家中に燃え広がった。 夜の暗闇に権蔵の家から火の手が上がるのを見つけた村人もいたが、日頃皆を虐げていた権蔵らを助けるものもなく、たちまち広がった炎に巻かれて、翌朝には家は跡形もなく焼け落ちた。 そして、たくさんの想いの標のように、 焼け跡に一本の木が残った。 悲しみや苦しみも  風が吹き   雨が降り    光に溶けて     消えていく 冬が来て  枯れ葉が落ちるたびに   その葉に預けられた想いは    鮮やかに染まって     大地に落ちて      命に還っていく そうしてふたたび春は巡り  硬いつぼみから   若葉が顔を出す    時を待つ     幼子よ      愛しい幼子よ 冬を越えて生きる  お前の命を光が包む   たくましく育て    お前の枝を雨がぬぐう     元気に育て      お前の枝に鳥が唄う       愛されて        愛に包まれて生きよ               続く 🌸よろしかったら、物語の一話【瑠璃の物語】二話【瑠璃の冬の物語】は下のタグからご覧下さいね。
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【瑠璃の冬の物語】その11 目覚めたら瑠璃がいなくなっていた。弥彦は、野良に出ているかと瑠璃を待ったが、昼時になっても瑠璃が戻らず胸騒ぎがして、子供を背負ってあたりを探した。 泣き声をあげる赤子を背負って、必死の形相で瑠璃を探す弥彦の姿に、村人が声をかけ、村中総出で瑠璃を探した。 探しても探しても瑠璃は見つからず、弥彦は梅にも瑠璃を見なかったかと訪ねた。「今日は見かけないね」と言ったきり、梅は戸を閉めてしまった。 そうして日がくれる頃、村人が、崖の縁に瑠璃の草履らしいものがあると、弥彦のもとにかけてきた。 慌ててかけていってみると、そこには確かに瑠璃の草履が、崖に向かってきちんと揃えて脱いであった。 「命を断ったかのう。」 村人の一人が口にした。 「瑠璃さんは、辛い毎日を過ごしておいでじゃったから」権蔵の仕打ちを知っている村人らは、瑠璃が絶望して崖から飛び降りたのだろうと考えたのだった。ナンマンタブ、ナンマンダブと崖に向かって拝む者もいた。 村人らは、弥彦の肩を慰めるように叩くと、一人二人と村へと帰っていった。 一人残った弥彦は、瑠璃の草履を胸に泣き崩れた。 『瑠璃よおー!瑠璃よおー!』 谷底に向かって弥彦の叫ぶ声と、火のついたように泣く赤ん坊の声が、カラカラと落ち葉を舞いあげる風に乗って、闇を切り裂くように、谷にこだました。 夜も更けて、泣き疲れて静かになった赤ん坊を背負って、弥彦はやっと立ち上がった。 「お前のほうが何倍も辛い思いをしていたのに、俺は自分の辛さで心が一杯で、お前に優しい言葉のひとつもかけてやれなんだ。瑠璃、すまない。 お前が自分を犠牲にしてまで命を助けたこの子だが、この先どうやって育てたらいいんだ」 止めどなく落ちる涙を拳でぬぐいながら、弥彦は夜道を戻っていった。 いっそこの子と物を食べずに死んでしまおう、そんな思いを抱きながら家につくと、弥彦は崩れるように床に入ったのだった。 続く 🍂西沢渓谷 🌸よろしかったら、物語の一話【瑠璃の物語】二話【瑠璃の冬の物語】は下のタグからご覧下さいね。
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【瑠璃の冬の物語】その10 父が亡くなって、ひっそりとした家のなかだったが、赤ん坊も元気に育ち、瑠璃と弥彦との会話も少しずつ増えていった。もう少しで乳をもらいに行くのも終わり、そんな思いが二人の気持ちを明るくしていた。 そんなある日、乳をもらいに言った日に、珍しく梅が瑠璃に優しく話しかけてきた。 「瑠璃さん、あんたの乳が出ないのは、栄養が足りないからだろう。実は私が知ってる秘密の薬草があるんだよ。家のものだけの秘密だから、今まで言えなかったけど、この頃はあんたの子もたくさん乳を飲むようになって、わたしの子の分の乳も足りなくてね。そろそろあんたも自分の乳で子供を養えたらいい頃さ。」 「そうだったんですね。そんなことも知らずにすっかり甘えておりました。その薬草はどこにあるか教えていただけないでしょうか」瑠璃が訪ねた。 「特別に連れてってやるよ。だけど、絶対に人には言わないことだよ。弥彦さんにもだよ。何せ秘密の薬草だからね。」 瑠璃が承知すると、明日の朝早く、日の出前にかごを持っておいでと話がまとまり、まだ寝ている弥彦と赤ん坊をおいて、瑠璃はそっと家を出た。 梅さんの家につくと、外で待っていた梅さんが瑠璃の姿を見るなり、話もせずに足早に進んでいく。そのあとを駆けるように追いかけ、やがて村外れの崖の縁に出た。 そこは、深い沢の上の切り立った崖で、めったに人も訪れないところだった。その場所につくと、やっと梅が口を開いてこういった。 「この崖を少し降りた所に、薬草が生えているんたよ。ほら見てごらん、少しだけ葉っぱが見えるだろう。」 そういわれて恐る恐る覗いてみたが、それらしい葉っぱは見えなかった。 「あぁ、瑠璃さん、無理しちゃ危ないよ。ここに蔦を持って来たから、私が支えてるから、身軽なあんたが降りてって、あの薬草を二人分取ってきてくれないかね。私はこの通り太ってて、とても無理なんだよ」 この数日の雨で水かさが増した水音が谷底からゴーゴーと響いていた。冷たい風が吹き上げて、瑠璃も身震いするような、険しい崖だった。けれど、子供の乳の世話になった梅のためにも、子供のためにも薬草を取ってこようと、意を決して瑠璃は頷いた。 「いいわ。梅さん。私が降りて二人分の薬草をとってくるわね。どうぞしっかり蔦を支えていてね」 そういうと、瑠璃は草履を脱いで、梅の持つ蔦の端を腰に結んで、岩につかまりながら谷底に降りていった。 険しい崖をかなり降りてみたけれど、梅の言う薬草も見当たらず、瑠璃は梅に向かって声をあげた 「梅さん、薬草が見つからないわ。もう少し下の方かしら?」 すると、突然梅が笑い出してこう言った。 「嘘だよ。薬草なんて、真っ赤な嘘さ。あんたが邪魔だったんだよ。ここでおさらばさ!」 そう言うと、持っていた蔦を手離した。 瑠璃はたちまち崖を落ちたが、途中に生えていた小さな木にやっと片手で捕まった。 「梅さん!後生だから助けて!お願い、あなたに何かしたのなら償いをするから、どうぞ助けて!」瑠璃は崖の上の梅に叫んだ。 「あんたにわかるもんかね。あんたが来るようになってから、権蔵さんは私を蔑むような目で見るようになったのさ。それなのに、あんたが来る時間になるとそわそわして、身づくろいしだすんだ。口を開けばあんたの話ばかりさ。私が乳をやってる間あんたが権蔵さんに抱かれてる。毎日、私がどんな思いでいたかわかるかい。それなのに憎いあんたの子に、毎日毎日乳をやる私の苦しみがあんたにわかるかい。 あんたが来なけりゃ、私は幸せだったんだ!あんたなんか、死んじまえばいいんだー!!」 梅の叫びとともに、大きな岩が瑠璃の上に降ってきた。 その一つが瑠璃の頭にあたり、岩と一緒に、瑠璃は激しい谷の流れに落ちていった。 続く 🌸よろしかったら、物語の一話【瑠璃の物語】二話【瑠璃の冬の物語】は下のタグからご覧下さいね。
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【瑠璃の冬の物語】その9 「お前の母さんが亡くなって、私は生きる希望を失ってしまった。脱け殻のような心というのを、生まれて初めて感じたんだよ。あの時、お前がいなかったら、私は死を選んでいたかもしれない」 傍らにいる瑠璃の頭に手をおいて、父様は続けた。 「母様が死んだことを知らないお前が、私に笑いかける。ちいさな手で私の指を握ってくる。お前のしぐさの一つ一つが、私の消えそうな心に灯りを灯してくれたんだよ。。。お前がいたから生きてこれた。  お前が成長し、すくすくと育つのをみることが、どんなに幸せだったことか。。お前にいつも笑顔でいてほしい。そのためなら、私はとんなことでもしよう、そんな想いで育ててきたんだよ。  だから、お前が赤子の乳のために身を犠牲にする心も痛いほどわかる。だが、私はお前に幸せに生きてほしいのだ。今もお前の幸せが私の生きる希望だから、お前が耐えて生きる姿を見るのが、不憫でならないのだ。無念でならないのだ。」 父様は目に涙を光らせていたが、やがて握った片手を瑠璃の前に差し出した。 「瑠璃や、お前にあげたいものがある。手を出してごらん」 瑠璃が父様の握った手の下に両手を差し出すと、父様は手を開いた。 「何も見えぬだろう。だがな、今お前に父様と母様の二人分の愛を渡したぞ。その事を忘れぬように生きるんだよ。人は、この世でたくさんの魂の修行をして、魂を磨いていく。この先もお前に辛く苦しい試練が訪れるかもしれん。だがな、どんな時も、自分が幸せになることを信じ続けるんだぞ。私と母さんの二人の愛が、生きていくお前を包み、お前を守っておる、その事を忘れずに生きていくんだよ。」 瑠璃は手のひら見つめて、ポロポロとあとからあとから涙がこぼれ落ちた。日頃は無口な父様がくれた愛の言葉。父様と母様の話、父様の深い愛を知って、幸せが心の奥に染みていくようだった。 「父様、有り難うございます。私、今日のことを決して忘れません。どんなときも、幸せを信じて生きていきます。」 瑠璃の言葉に父様は優しく微笑むと、目を閉じた。 そして、その日から数日した 風の激しい日に、父様は旅立っていった。 続く 🌸今日の花 ギンヨウアカシア 🌸よろしかったら、物語の一話【瑠璃の物語】二話【瑠璃の冬の物語】は下のタグからご覧下さいね。
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【瑠璃の冬の物語】その8 私と母さんとは、幼馴染みだったんだよ。山にいったり、川にいったり、村の子達といろんな遊びをしたもんだ。 だが、わしらの村にも、今のような飢饉がやって来たんじゃ。たくさんの村人が次々になくなって、食いぶちを減らすために、女の子は売られていったりもしたんだよ。 母さんの家も大所帯で、大変だったから、ある日母さんを売ろうと親たちが話してるのを聞いてしまったんだ。母さんは腹を決めて、それなら最後の別れをしようと、私のところに来たんだよ。私は、どうしても母さんを助けたくて、二人で村を出ようと決めたんだ。 最初は、私の身を案じて、自分が犠牲になれば全てがうまくいくと、母さんは反対したんだが説得して、その夜二人で村を出たんだ。 私らを探しにきた追っ手に何度も捕まりそうになりながら、逃げ延びたんだよ。 不思議なことがたくさんあった。ひょっこり山に現れた洞窟に偶然隠れることができたり、落ち葉で埋もれた大きな穴にすっぽり落ちて、追っ手から逃れたこともあった。私らは観音様が守ってくれたんだと信じて、感謝を祈ったものだ。 そして、お前を育てたあの山奥にたどり着いたんだよ。 人も入らないような山奥だったが、私らには、安心できる最高の場所だった。私は竹細工を作りまたぎの仕事をし、母さんは薬草を摘んで薬を作り細々と暮らしておった。お前を生んで母さんはまもなくになくなってしまったが、最後の時にこう言ったんだよ。」 「私は、あの時身を犠牲にして、家族を助けようと思ってたの。きっとわずかなお金でも、飢えをしのいで家族は生き延びられるからって。でも、私を売った父や母の心に消えない悲しみが残こしてしまうわね。本当に正しい道なんてわからないけど、私は、自分の幸せな時間を生きられたことに、本当に感謝してるのよ。救いだしてもらって、こんな幸せを貰えて、生まれてきた甲斐があったって。 瑠璃が大きくなって、もしも、私と同じような悩みを持つかもしれないわ。そのときはどうぞ伝えてください。  誰かのために犠牲になって生きることは、とても尊いわ。でも、あなたも世界にたった一人の、大切な命なんだとこの子に伝えてね。母さんは自分の幸せの道を選んで、とても幸せだったと、どうぞ伝えてくださいね。」 そう言い残して、母さんはまもなく旅だったんだよ。 父さまは、何かを思い出すように、しばらく口を閉ざして、障子からさしてくる光を懐かしそうに眺めていた。 続く 🌸よろしかったら、物語の一話【瑠璃の物語】二話【瑠璃の冬の物語】は下のタグからご覧下さいね。
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【瑠璃の冬の物語】その7 瑠璃の父さまは、この頃は寝付いていた。食料が足りなくて、日に日に体が弱っていた。 その日は、弥彦が町へと出掛けていった。久しぶりに陽がでて暖かい日だったので、瑠璃は父様の体を拭いた。 「お前には苦労をかけるのう。乳が出ないことで、お前がどれ程苦しい想いをしているか、知っていながら力になれずにすまんな。」 「そんなことはないわ、父様。どんな辛いときも、父様がわかってくれる、その事に支えられて私は生きてこれたもの」 囲炉裏の脇に落ちていた、一枚の葉を手にすると父様は続けた 「葉には、光があたる表、影になる裏がある。人の世の出来事は表と裏が訪れて、定まらぬもの。だかな、枯れた葉を見れば表も裏も同じ色。幸せも不幸も全ては一つなんだよ。どんなことがあろうともお前はお前、全てがお前に戻る旅なのだよ。いつかお前にもわかるだろう。 梅さんから乳をもらうことが、どれ程辛いことか。権蔵のする仕打ちに、わしとて怒りが込み上げる。そして、お前にも可愛い赤子にも、なにもしてやれない弥彦さんも、お前を愛するゆえに悩みは深かろう。」   「父様、私は辛くて、申し訳なくて、弥彦さんの顔をみることができません。とても前のように笑顔になることなど。。」 瑠璃がはらはらと、涙をこぼしていった。そして、父様の目にも光るものがあった。 「わしはもう長くない。お前も薄々は気づいておろう。別れは辛いものじゃ。だかな、お前は強く生きなければならんぞ。」 「人を恨み、人生を恨み、神のなされることを恨み、恨むことも怒りに心をいっぱいにすることも簡単じゃ。怒りを心に住まわせれば、やがては怒りに心を食われてしまう。怒りで命の時を過ごすのも、赤子の可愛いしぐさで笑顔で過ごすのも、お前の一日なんだよ。いいか、瑠璃や。乳をもらわねば死んでしまったかもしれない赤子を助けられたこと、今はその事だけを思ってすごすんだよ。  お前は、優しいから、みんな一人で背負って口を閉ざして我慢しておる。だが、辛い気持ちをみんな心に溜め込んでおれば、弥彦さんも溜め込んでいなくてはならのだ。お前の心の準備ができたら、辛い気持ちを弥彦さんにも伝えてはどうかと思うのじゃよ」 「父様、本当にそうかもしれないわ。だけど、今は口を開いたら、自分が壊れてしまいそうで、まだ話すことは難しそう。でも、私どこかで助けてくれない弥彦さんのことも、恨んでいたのかもしれないわ。」 「無理に心を封じ込めることはないんだよ。辛い気持ちも苦しい気持ちも、お前を守る大切な気持ちじゃ。だけど、その気持ちに溺れては生涯光は見えぬのじゃ。  蓮の花は、泥のなかでなくては育たぬが、その泥の中からまっすぐに茎を伸ばして美しい花を咲かせる。お前も泥にまみれず花を咲かせる蓮のように生きよ、瑠璃。辛いときは、今は泥のなかと、心に思っていつかお前の花を咲かせることだけを思うのだよ。」 「お前に話したことはなかったが、私とお前の母さんは、家族も財産も、何もかも捨ててこの里へ来た。そして、お前を授かった」 続く 🌸蓮 過去pic から 🌸よろしかったら、物語の一話【瑠璃の物語】二話【瑠璃の冬の物語】は下のタグからご覧下さいね。
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【瑠璃の冬の物語】その6 その年はいつにもまして厳しい寒さだった。山々に鳥の声もなく、山に住む動物たちは、ウサギやリスやムササビまで、ひっそりと姿を隠しているようだった。 冬の間、弥彦は、わらじやむしろを作ってはわずかな収入にした。 瑠璃は、野山を巡って食料になるものを探す一方、父さまや野山の生き物たちから教わった薬草を探し、薬を作って食べ物にかえて生活の足しにしていた。 その頃は、ひもじさのあまりに手あたり次第口にして腹をこわしては、瑠璃のもとへ薬を求めて来る村人があとをたたなかった。 「すまないねぇ、あんたには食べ物を分けてもらった上に、こうして体まで治してもらって。あんただってひもじい思いをしてるだろうに。本当に感謝しているよ。だけど、今はお礼に渡せるものもなくて」 瑠璃の薬は町で売ればお金になるものだったが、貧しく困っている村人にお互い様と、二束三文で薬を分けてあげたのだった。 そうして日がくれて、瑠璃が乳を貰いに健(たけ)を抱いて梅の家に向かうと、弥彦はたいそう不機嫌になった。 それでも、梅に乳を貰うようになって、痩せてはいたが少しずつ育った健が、時折笑うようになって、みんなの心を和ませてくれるのだった。 続く 🌸よろしかったら、物語の一話【瑠璃の物語】二話【瑠璃の冬の物語】は下のタグからご覧下さいね。
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【瑠璃の冬の物語】その5 手の切れるような冷たい川の水で、洗濯をしながら、瑠璃は幼い頃父から聞いた言葉を思い出す。   「あの石をみてごらん。小さな石が水に押されて流されていく。もとはといえば大きな岩だったものが、砕けてぶつかってだんだん小さくなって、それから砂粒になって、土に帰っていく。人も岩も植物も、みんな形あるものは土に帰っていくんだよ。 だかな、その間にたくさん旅をする。ぶつかって割れて砕けて、でも、そうして磨かれてこんな綺麗な石になるんだよ。 お前もきっと、ままならない世の中に、ぶつかって傷つくことがあるだろう。いっそのこと、命すら捨ててしまいたくなることもあるかもしれない。 だが、考えごらん、森の動物も鳥たちも、草や木でさえ命を捨てようなんて考えたりはしない。命は授けられている借り物。命は自分のものだなんて、考えてるのは人間くらいなんだよ。小さなお前にはまだ難しかろうが、みんな今ある命をただ一生懸命生きているんだ。そして、苦しみのなかから磨かれて、美しく輝いていくんだよ。」 そう言って、父さまが水のなかから拾い上げた石は、翡翠色のそれは美しい石だった。 「綺麗な石ねぇ」 それは、金色、銀色に輝く模様のあるとても綺麗な石だった。 うっとりと眺める瑠璃に、父さまは石を渡してこう言った。 「この石はお前が持っていなさい。辛く苦しいことがあったら、今日の話を思い出すんだよ。どんなときも、自分の信じる心のままに生きていけば、いつかお前もお前らしい輝きを放つようになるからの」 瑠璃は胸に下げたお守りの袋から石をとりだして握りしめた。 「そうよ。私がちゃんと生きてあの子もみんなも守らなくちゃ。今は辛くても、もう少しの辛抱だわ。きっと乗り越えて見せる」 たくさんの洗濯を抱えて、瑠璃は家路急いでいく。 続く 🌸よろしかったら、物語の一話【瑠璃の物語】二話【瑠璃の冬の物語】は下のタグからご覧下さいね。
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【瑠璃の冬の物語】その4 権蔵の家についた瑠璃は、何とか赤ん坊に乳を分けてもらえないかと、一生懸命頼んだ。 けれども、瑠璃の抱く赤ん坊をちらっと見るなり、梅は背中を向けた。 『こっちも自分の子どもに乳をやるだけで精一杯なのに、何であんたの子にまで乳をやらなきゃならないの。とっととお帰り』 権蔵はいろりにあたりながら、知らん顔で、にやにやと二人のやり取りを楽しんでる風だった。 『本当にその通りです。ただでお願いしようなど、思ってません。』 瑠璃は懐から観音様を取りだして、包みを開きながら必死に頼んだ。『これは代々伝わるうちの家宝の観音様です。これがお礼の品です。どうぞお乳を分けてください』 梅は、金の観音様の像を見るなり、瑠璃の手から奪い取るようにして手にとると『なんだい、それならそうと早く言えばいいものを。そりゃあ、私も鬼じゃないからね。少しぐらいなら、分けてやらんでもないよ』 その時、ふたりのやり取りを聞いていた権蔵が、ここぞとばかり口を開いた。 『おい待て!それだけで、乳をもらえると思ってもらっては困るな。こいつがあんたの赤ん坊に乳を飲ませてる間、お前は俺に抱かれるんだ。それが嫌なら、諦めて帰りな』 突然の権蔵の言葉に、瑠璃も梅も、驚いて権蔵の顔を見た。 権蔵は、前々から色白で姿の美しい瑠璃を何とかして手に入れたいと願っていた。子供の命を救うために、家宝まで手放そうと必死な瑠璃を見て、一か八か賭けよ、と企みを口にしたのだ。 瑠璃は唇を噛み締めて、震えていたがやがて、絞り出すようにかすれる声で言った。 『わかりました。よろしくお願いします』 いつも、瑠璃を苦々しく思っていた梅は、『あっはっはっは。ほんとかい。落ちぶれたもんだね、瑠璃さん』と高笑いして、瑠璃の抱いていた子を引ったくるようにして連れていった。 梅が去った部屋で、瑠璃は獣のように権蔵に抱かれたのだった。 やがて、梅が子供を連れて部屋に戻り、子供を受けとると、瑠璃はかすれる声で、『有り難うございました』と、お辞儀をすると、胸元をあわせてかけるように外に飛び出した。 子供を背負って夜道を歩く、瑠璃の頬を涙が止めどなく流れてくる。赤ん坊はなんにも知らず、背中でお乳をもらって、すやすやと気持ち良さそうに寝息をたてていた。 風の冷たい12月だったが、瑠璃は川縁に降りると着物を脱ぎ、脱いだ着物に赤ん坊をくるみ、所々氷がはって手の切れるような川の水で体を洗うのだった。 瑠璃がすっかり冷えた体をさすりながら家に帰ると、心配した弥彦と瑠璃の父さまが寝ずに待っていた。 『どうだ、無事に乳はもらえることになったか』 父さまが言った。 抱いていた赤ん坊を受けとると、弥彦が言った。 『すやすや気持ちよさげに寝ているなぁ。良かったなぁ、梅さんに乳を貰えたんだね。ご苦労様だったね。』そう言って瑠璃に笑顔を向けた。 青ざめた顔をしていた瑠璃は、やむなく家宝の観音様を渡したことを話した。そして、しばらく躊躇ったあと、権蔵に抱かれたことを話した。 『なんてやつだ!鬼のような所業を!!』 父さまは握りこぶしをわなわなと震わせながら言った。 弥彦の顔からは笑いが消え、一言も語らずにふいと立ち上がるとそのまま布団に入ってしまった。 家の戸をガタガタと鳴らして風が吹いていく。遠くでピューピューと風が唸る。 3人はそれぞれの胸のうちに、込み上げる思いで眠れずに風の音を聞きながら一夜を過ごしたのだった。 続く 🌸よろしかったら、物語の一話【瑠璃の物語】二話【瑠璃の冬の物語】は下のタグからご覧下さいね。
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【瑠璃の冬の物語】その3 弥彦が重い口を開いた。 「この子がこのまま乳を飲めなければ、死んでしまうだろう。私の弟の権蔵のところにも、同じくらいに子供を授かった。嫁の梅さんは体格も良くて、乳の出も良いと聞いた。 今時分、自分の子を育てるだけでも精一杯だと言われるかも知れないが、頼ってみてはどうだろう」 「でも、村人がお金を積んで食べ物を分けてくれと頼んでも、追い払ってしまうと聞きました。とても、黙ってお乳を分けてくれるとは思えないわ。」 家にはもう、金目のものはなにもなく、二人は再び黙りこんでしまった。 その時、瑠璃の父さまが仏壇の奥から、丁寧に布にくるんだものを持ってきた。 「これは我が家の家宝。代々続く我が家の守りの観音様じゃ。小さいが金でできている。命には変えられぬ、これを持って頼んでおいで」 父さまが持ってきたのは、家を離れるときにそれに気づいた母様が、守りにとそっと持たせてくれた大切な観音様だった。朝夕に父が祈りを捧げ話しかけているのを、瑠璃は幼い頃から見てきた、父様にとっては大切な大切な観音様なのだ。 「父さま、それは父さまが大切にしている家宝の観音様。とてもそんな大切なものは。。」 「守りの神仏像であれ、金銀財宝であれ、命より尊いものはないんじゃよ。お前たちがそう考えて、たくさんの村人に施して、今は自分達の命すら危うくなっておる。神様は、どこにいなさらろうときっと見ていて守ってくだろう。母さまとて、きっと同じことを言うだろう。さぁ、ぐずぐずせずに行っておいで」 弥彦や父に背中を押されて、瑠璃は赤ん坊を背負うと、家宝の観音様を懐に権蔵の家へと向かっていった。 背中では泣きつかれた赤ん坊が、すやすやと眠っていた。 空には明るく月が出て、瑠璃を励ますように夜道を照らした。 「お月様、お梅さんとて大変なところ。だけど、何としてもこの子の命を助けたい。どうぞ、お乳をもらえますように。」 続く 🌸東京 晴れ 18℃ 🌸よろしかったら、物語の一話【瑠璃の物語】二話【瑠璃の冬の物語】は下のタグからご覧下さいね。
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【瑠璃の冬の物語】その1 結婚して若者と暮らす日々は、穏やかで幸せな毎日だった。 夫の名前は弥彦と言った。 弥彦は早くに父と母を亡くしていたので、瑠璃の父を本当の父のように慕い大切に尽くしてくれた。そして、めぐった春に、二人は可愛い男の子を授かった。 『なんとも可愛い子だのう。眼は父親に似て凛々しいこと。口元はお前に似て優しいのう。この子は、優しくて賢い子に育つじゃろうて』 二人が野良で働くあいだ、瑠璃の父が赤ん坊の世話をしてくれた。 二人の子は、太一と名づけられ、みんなに大切に護られ愛されて、すくすくと育っていった 。そして、働き者の弥彦と瑠璃は一層家業に精をだし、家業はますます栄えていった。 すくすくと元気に育った太一は3歳になり、野良で働く両親についていっては、野山で泥だらけになって遊び、昼時になるとかけて戻ってくるのだった。 「父さん!母さん!ほらみて、今日もすごいものを見つけたよ!」 その手に木の実や蟹や昆虫などを握って、得意顔に見せに来る息子の姿を、微笑ましく見つめ、手を休めて野良に腰を下ろし、3人で弁当を広げる一時。瑠璃にとって想像もしなかった幸せな毎日だった。 そんな、ある日のこと、太一が二人の前から、突然姿を消した。 その日もよく晴れて、両親と野良に出た太一は遊びに飛び出していった。 やがて昼になってもいつものように太一が戻らず、二人はまもなく腹をすかせて帰るだろうと、一時帰りを待った。しかし、待てども太一は戻らず、二人慌てて辺りを探した。懸命に探しても、誰に聞いても、隠されてしまったように、突然太一の姿は見えなくなってしまったのだった。 やがて夜になり、松明を灯し、村人にも協力を頼んで、寝ずに探したが見つからなかった。 次の日からは、瑠璃と弥彦の二人で来る日も来る日も太一を探した。尾根を登り、谷底に降りて、必死で探したが、来ていた着物の切れはしすらも見つからなかった。そんな様子を見て、村の人たちは、神隠しにあったと噂するのだった。 瑠璃はあまりの悲しみに泣き暮らし、痩せ細っていった。 続く 🌸東京 晴れ 13℃ いつも、投稿を見てくださって有り難うございます🙇💝 【瑠璃の冬の物語】を始めます。瑠璃の出生の秘密も明らかになっていきます。どんな時もくじけないで立ち向かっていく瑠璃を応援してくださいね😊♡ 前作のあらすじは、11/17の 【瑠璃の秋の物語】~sora   の投稿を見てください😊 (念のため、下にも 🏷️タグ: 『瑠璃の秋の物語~sora 』を着けました。)10話ありますが、一日で書き上げたので、雑になってて反省です💦 今回は、少し時間をかけて書こうかなと思ってます(#^.^#) 🌸よろしかったら、物語の一話【瑠璃の物語】二話【瑠璃の冬の物語】は下のタグからご覧下さいね。
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