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八ヶ岳南麓の一覧
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komichi
3月なのに… 霧氷が美しい❄️
49
komichi
八ヶ岳南麓は、晴天率80%以上☀️ 雪が降り続くことはないのですが、土が凍る〜😱 ガーデニングが出来ません😅
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komichi
我が庭から 八ヶ岳ブルー
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一筆狼
小藜。以前はアカザ科だったが、いまは被子植物のAPG分類体系でヒユ科になった。 若葉の表面の色によって、アカザ、シロザに分けられ、丈は1mを越す。それより小さいことからコアカザと命名された。古い渡来種のアカザはアカアサ(赤麻)、アカクサ(赤草)、アカナ(赤菜)などから転訛した説と、新葉の基部が赤く、仏が座す赤い台座からという説がある。かつては炊き込みご飯やおしたしとして食べられていたようだ。コアカザの葉は、鋸歯の三角状の卵形。 夏に淡緑色の花弁のない花を穂状につける。写真は、葉がきれいに紅葉し、濃紅色の果実がついている。霜が降り、裸木や枯れ草に覆われてきたなかで、あざやかな草紅葉となって目を引く。つかのまの天下を取って、コアカザは消えてゆく。里山のセンチメンタル・ジャーニーである。
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一筆狼
蘿藦。(長文) 中国名の当て字。別名、鏡芋。花は個性的な美しさ。ガガイモのイモは地下の根芋ではなく、ツノ型の実(袋果/たいか)をイモに見立てていると山渓社の「野草の名前」にある。一見すると、オクラに似ている。この写真の脇にうす茶色になった実があったので開けてみると、舟形。そのなかに種子と絹糸のような白毛(ガガイモは実のなかにあるので種髪。タンポポは冠毛。)がびっしり詰め込まれて光り、鏡のように見える。これが鏡芋の由来。 種は薄っぺらで軽い。ふわっと広がる綿毛によって遠くまで運ばれていく。これが70年代に流布した都市伝説にもなった「ケセランパセラン」の正体とも言われている。 この生き物のような綿毛をつかまえると幸せになる言われている。それがガガイモだとネタばらしされると、あの作曲家の山本直純が存命なら、ガガガと大笑いするだろう。ちょっと古すぎた。 青い実は天ぷらにして食べられるようだ。また、ガガイモのユニークな受粉システムの論文も散見でき、研究対象にしてもなかなか興味が尽きないらしい。太陽光発電のフェンスに巻きついていたが、再生可能エネルギーに目を付けたガガイモの生存戦略は目ざとい。
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一筆狼
山茱萸の実。(長文) ミズキ科の落葉小高木。中国名が山茱萸。別名は、早春に葉より先に黄いろい散形花序の小花を咲かすことから、ハルコガネバナ(春黄金花)。秋につける赤い実からアキサンゴ(秋珊瑚)の別名もある。 赤い実は、果実のように見えるが、偽果である。雌しべの子房がふくらんだものが果実。花を支えている花柄の先端を花托(かたく)と言い、そこがふくらんで実になったものが、偽果。 みかんや桃などは食べているところが果実で、偽果はリンゴやイチゴなど。こちらは食べている果肉は花托なのである。リンゴは芯が果実、イチゴは表面のつぶつぶが果実。相当、紛らわしい。 ということで、サンシュユの実も、花托が果実に見えるだけで種子部分が果実ということになる。 この実は渋くて生食に向かないとあるが、渋いなりに食べることはできる。ちょっと味見したところ、いやな渋味ではなかったけれど、吐き出した。一般的には生薬にしたり、焼酎に漬けたりして、アンチエイジングや滋養強壮に広く使われているようだ。 さて目を付けているサンシュユの木が、山道沿いに数本。いま真っ赤な実が鈴なりである。頻尿にも効くとあり、通るたび鼻先のニンジン状態。悩ましい深秋となった。
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一筆狼
青桐の実。中国の表記は梧桐。(長文) 中国原産の落葉高木。樹皮が緑色で、桐の葉に似ているところから命名されたようだが、葉はさほど似てないし、桐の仲間でもない。幹でも光合成を行うので、緑色になっている。このアオギリの幹は白樺、ヒメシャラと合わせて、「三大美幹木」に称せられているほど。 本来は亜熱帯、熱帯で自生している。耐寒性があるため、東北の南部あたりまでの広範な植栽域。広く街路樹や公園などに植えられていて、街路樹だと強剪定されてしまい、実を見ることがほとんどできないようだ。その代わり公園では実が見られる。樹形が平凡なのが、人気薄。写真のアオギリは地元の薬草園で見つけた。標高1000mでもよく育って、逞しい大木。 花は初夏に大形の円錐花序となるが、まだ見ていない。実はどさっと付くので目立つ。実の初めは豆科のサヤのように見え、成長すると皮が5片に裂けて舟形の葉のようになり、その縁に1〜5個の丸い種子がくっついている。舟に乗ったような種子が落ちるとき、くるくるまわり、「種を乗せた空飛ぶボート」と呼ばれていると種苗会社にいた人のサイトにあった。また、この実はカフェインを含むので、戦時中は焙煎してコーヒーの代用にもなったらしい。 アオギリは伝説上の鳳凰の栖(すみか)と言われ、中国では柩に最もふさわしい樹木となっているとか。あの世に鳳凰が連れて行ってくれるのかも。しばらくアオギリの追っかけをやってみようと思う。
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一筆狼
山芍薬の実。 「姫のご乱心」と目を覆いたくなるようなヤマシャクヤクの秋のお姿。地元の薬草園の林床で自生している山芍薬が、まさかの豹変。春に咲くヤマシャクヤクの花は、近寄りがたい気品にあふれて、白く清楚なのに、この毒々しい赤と黒。何があったの?と、聞きたくなるではないか。 熱で溶かした蝋細工にも見える。雌しべが三裂して弾けた実がひとつに固まっているようだ。黒い実が結実した種子で、赤い実は結実していない。黒い実を植えると、花が咲くまで6年くらい掛かるらしい。苦労して育てて、こんな突飛なカオスを産み出すとは。予想もできない、驚愕の結末。 美しい植物にも狂気がある、ってか。(つい馴れない言い方)
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一筆狼
薮豆。(長文)里山の道沿い、草藪に咲く。一年草なのに、花には三種あり、地上に開放花(普通に開いた花)と閉鎖花(写真の花)。地中にも閉鎖花をつける。地中の花は、受粉しない単為生殖で実をつける。万一、地上の花が刈りとられたり、受粉しなかったりしたときのための予備の生存戦略らしい。 写真の赤紫色のめくれたような1枚の花が旗弁(きべん)といわれ、これが虫を誘う。薄い桃色の2枚の翼弁が覆っていて、その下に舟の形の白い舟弁(竜骨弁とも)が2枚。そのなかに蕊がある。虫は旗弁の根元にもぐり、蜜を探り、翼弁を足場にし、舟弁を押し下げると開いて虫に花粉をつける仕組みのようだ。 写真にも小さな莢(さや)が写っているが、花が終わるとすぐ実をつける。 か弱きものは、二重、三重に絶滅リスクに対応している好例。というのも、地球上の生物は99.9%絶滅しているからだ。現在、1種類しか生き残っていないサピエンスも、いずれ絶滅するかもしれない。 ヤブマメに学ぼう。
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一筆狼
丸葉縷紅。熱帯アメリカ原産。江戸時代に観賞用に帰化した。星形の朱赤色の花が咲くルコウソウに似ているが、切れ込みの多い葉(縷とは細い葉を指す)ではなく、丸い葉を持つ侵略的外来種。ヒルガオ科ルコウソウ属だったが、いまはサツマイモ属になった。 ルコウソウの花は星形と書かれているが、マルバルコウは五角形とそっけない。可愛らしさは残っていても、やはり微妙に悪役の顔になってきたのだろう。 日当たりのいい荒れ地や野原に生育し、土壌環境に対する適応力が並外れて高い。一株当たり数千個の種子をばらまき、大豆畑やトウモロコシ畑に入り込み、減収の脅威を与えている。蔓性だが、巻きつくものがないと地面を這っている。 マルバルコウには罪がないけれど、可愛いと思う心に容赦なく蔓延る、と忘れないでおこう。
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一筆狼
烏の胡麻。(長文)昔のシナノキ科からアオイ科に変わっている。(1990年代に、DNA解析から新しく構築された被子植物のAPG体系による。) ごく普通に山道で見られるとある通り、雑草に混じっているのを道沿いの林縁で初めて見つけた。ところが、そうそう道端には見かけないともある。葉っぱの下に隠れるように葉腋から伸びた黄色の花が咲くので、目立たない。 花弁の下部に短くよれたような雄しべがあり、突き出ているのは「仮雄しべ」である。この仮雄しべのなかに雌しべがある。雌しべの花柱の基部には子房がついているので、ここで見分けることができる。 夜には葉っぱが折れ曲がるようになり、就眠運動をしているようだ。また、葉や茎には星状に生えた毛があるようだが、よく確認しなかった。 われわれが食べる「胡麻の実」に比べて形は似ているが、カラスノゴマの実は小さい。人に比べてカラスの大きさというサイズ感を表すためにカラスを付けていると山渓の「野草の名前」にはある。だが、カラスの食べる胡麻に例えた説を採っているものが多い。 人間の大きさと比べるのは、あまりにおおざっぱ過ぎる感じがする。食えない実、くらいの感覚でカラスをつけ、それより小さいのをスズメにしたのが妥当ではなかろうか。(カラスウリとスズメウリの関係など)雑草ひとつにも多くの人知が寄せ集まっていることに改めて気付く。
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一筆狼
黄花秋桐。(少し長文)知らないうちに庭に咲いていた。いまどきまだ鎌で草刈りをしているが、山野草を切らないためで、仕方ない。それにしても節穴の目でこの花に気付いていなかった。 樹木の桐の花に似ているのが、シソ科アキギリ属のアキギリで、青紫色の花。関東では見られないアキギリにそっくりで淡黄色の花をつけるのが、同属のこのキバナアキギリ。 かなり厖大な種があるシソ科のなかでこの花とシナノアキギリとツルオドリコソウだけが黄色で珍しいらしい。 おもしろい仕掛けのある唇形花である。上唇から紅紫色の雌しべの花柱が長く飛び出している。下唇は三裂して垂れている。写真でも花筒の奥に紫の「偽の雄しべ(仮雄しべ)」が小さく見えているが、虫がそこを押すと、テコの原理で隠れた本物の雄しべの花粉が虫の背中につくようになっている。 花には蜜腺がなく、密を吸わせることなく、他のキバナアキギリの雌しべに受粉させる狡猾な花なのである。 こうした進化の歴史を獲得したことに、いまさらながら驚くばかりである。
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一筆狼
四手沙参。四手(シデ)はしめ縄や玉串につけるひらひらした白い紙のこと。 シデが付く植物は、春に咲くシデコブシ(四手辛夷)の花やクマシデ(熊四手)の雌花穂がある。シデコブシが、このシデシャジンよりもシデのイメージに最も近いと思う。 青紫色の花弁は五つに深裂して、クネクネしているのが四手っぽいと言えば言える。線形の花びらは、バラバラに付いているように見えるが、基部はくっついている合弁花。 シャジンは根がツリガネニンジンに似ているところから、名付けられたようだ。ツリガネニンジンの別名が、シャジンである。 特長的な点は、ツリガネニンジンと同じく柱頭が長く突き出ているが、雄性期には雌しべの先は紫色を帯び、閉じている。雌性期に柱頭は三裂するようだ。写真で見ると、三裂の柱頭もあり、閉じた柱頭もある。雄性期から雌性期への移行期なのだろうか。 キキョウ科シデシャジン属には北半球に40種もあるようだが、日本にはこの1種だけとか。林縁の山道で見つけたが、なにやら希少種な感じがして、急にありがたく思えてきた。
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一筆狼
紅葉笠。(少し長文)東北ではシドケと言われ、秋田では若芽の頃には「山菜の王様」とも称せられているようだ。 多くの図鑑には葉が開く前に傘が折り畳まれている様子から紅葉「傘」説を採っている。山渓社の『野草の名前』によると、日照笠や笠地蔵など頭にかぶる菅笠(すげがさ)からモミジガサの漢字表記になったことを根拠に紅葉「笠」。平凡社の『大辞典』も同様の典拠らしい。江戸時代、「傘」は主に雨傘を指すので、「笠」が正しいようだが、似た同属のヤブレガサは、「破れ傘」。統一したほうがよさそうだが、あまりつっこまないことにする。 葉の形はモミジに似ていて、上部は葉も小さく、下部は葉が大きく、深裂しており、葉柄が長い。花は筒状花で、小花の花冠は五裂し、花柱の先はふたつに分かれ、反り返っている。小さなカモメに見える、ここが見どころ。 地元の薬用植物園の林床に群れて自生していた。葉の存在感に比べて花があまりに地味であるが、拡大するとそれなりの個性がある。 こういうアンバランスに親近感を抱くのは、生まれながら備わっている生得的ではなくて、厳しい競争や環境から獲得した後天的なものだからかもしれない。
27
一筆狼
シラヤマギク(白山菊)。(超長文)いつもまぎらわしいヤマシロギク(山白菊)との違いに悩まされていたので、いまわかっている範囲ではっきりさせたい。 八ヶ岳あたりでは、7月半ば頃からユウガギク(柚香菊)が咲き、次に8月半ばからシラヤマギク、秋の終わり頃にヤマシロギクやノコンギク(野紺菊)が咲く。 シラヤマギクの頭花の白い舌状花は8枚〜6枚くらいで、まばらな感じ。花びらの間に隙間がある。(ユウガギクと比べると一目瞭然)一見、貧相な花姿と見られるが、素朴な印象と思いたい。下部の葉は大きな卵心形で、葉柄に翼がついている。葉の縁は歯牙縁(歯が並んだような縁)。上部の葉はだんだん小さくなり葉柄も短い。葉はざらつく。茎は赤味を帯びて、高さは1〜1.5mと高い。 シロヨメナ(白嫁菜)の別名をヤマシロギクとする説が多いが、学会ではイナカギク(田舎菊)の別名がヤマシロギクとされているとあったのを採用した。白い舌状花は11〜15枚と多い。葉は長楕円の披針形で互生。葉裏に3脈と葉柄がありここで見分けられるとあるが、それほど顕著でないらしい。高さは50cm程度で、小ぶりである。 要は花期の違い。花びらの枚数。頭花までの高さ。葉の形で決めることになる。それほど野菊としては似ている。野菊で済ませてしまいたい気持ちは山々であるが、小さな差異に喜びを感じる狭量な人種なのだろう。 庭にはまだユウガギクが咲き誇り、咲き始めのシラヤマギクが同時に妍(けん)を競い、ノコンギクがいま一輪だけお構いなしに咲いた。花期ひとつでも、実際には混ざり合う。一筋縄ではいかないのが、自然の多様性である。
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一筆狼
ナス科のイヌホウズキの食用品種。ギニアの原産。 食用にならず役に立たないイヌホオズキと違って、ガーデンハックルベリーは、食用になり、黒紫色の実をつける。ただし、完熟していない実、萼、葉、茎には、ソラニンという神経に作用する毒性があり、食べると成人の安静時脈拍数(50〜70回/毎分)が100回を超える状態の頻脈(ひんみゃく)や頭痛を起こす。ジャガイモの芽やイヌホオズキにも含まれている毒性と同じ。大量に摂取すると危険である。完熟の判定もむずかしく、食品安全委員会から注意喚起されているとか。 ともあれ、生の熟した実はさほどおいしいものではなく、ブルーベリーの4倍以上のビタミンAを含んでいるようで、きちんとしたジャム用の処理をすれば利用価値があることになる。 雑木林の林縁で見つけたのだが、どこからエスケープしたのか。野鳥の糞だろうか。イヌホオズキの雄シベは黄色だが、ガーデンハックルベリーは褐色だったので、気付いた。草勢も強いらしく目立ち、いつも通る道での発見もまた楽しい。
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一筆狼
ヘクソカズラの虫こぶ。ヘクソカズラツボミマルフシは、ヘクソカズラツボミタマバエが寄生したもの。 葉をつぶすと強い悪臭のあるヘクソカズラに、よりによって寄生するとは。まさに「蓼食う虫も好き好き」を地でゆく。 虫こぶは、名前のように蕾の基部が球形状にふくらんでいるところからの命名。虫こぶは学術的に言うと虫癭(ちゅうえい)で、昆虫の寄生などによって植物の組織が異常に発育して瘤状にふくらんだもの。 ヘクソカズラの虫こぶもよく見ると愛嬌があるが、そのなかに10匹くらい幼虫が入っていることがあり、ぞっとする。 虫こぶの命名法は、原則的に(寄生植物名/ヘクソカズラ)+(形成される部分/ツボミ)+(形態的特長/マル)+フシ(虫こぶのこと)で命名されるため、必然的に長くなる。植物の世界も虫こぶまで興味を持つと、迷宮に入ってしまうので、このくらいとする。
20
一筆狼
蠅毒草。別名、ハエトリソウとも。 主に殺虫成分が含まれた根を煮詰めて、ハエ取り紙にしたことから名付けられた。昔は田舎の家の台所や魚屋などには必ず細長い油紙がぶらさがっていた。何日かすると、裏表にハエがびっしりくっついていた。宮本武蔵が飛んでいるハエを箸で捕まえる芸当も親近感があったのは、それだけハエには悩まされていたのだ。 食卓では、祖母がウチワを振ってハエを追ったり、ハエたたきでたたき殺したりしていた。もちろんたいてい逃げられたものだ。灰黒色の家バエはまだしも、金バエはトイレにいたから、目の仇にしていた。 いまならハエが止まった食品は、だれも食べないかもしれないが、昔はハエが止まるくらいだからおいしいと、かまわず食べていた時代がある。 林縁にハエドクソウはひっそりと咲いて、蠅を懐かしんでいるのかもしれない。
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一筆狼
節黒仙翁。(少し長文) 庭に生えているフシグロセンノウが咲き始めた。梅雨も明けないうちに、秋が来た。 園芸種系の人は「育てる」ことが楽しみのようで、いわばペットを慈しむような気持ちだろうと推測する。庭や室内が主たるテリトリーである。 対して、山野草系の人は「出逢い」を求めることが楽しみで、一期一会を大切にするように思う。里山や山野がテリトリーになる。どこかに出掛けることが前提である。 子供の頃はサボテンを育てていた多肉人種だったが、山に登り始めて、そこに広がる背景とあいまって見る山野草に転向した。どういう心境からそうなったかは自分でも不可解。 フシグロセンノウは、林内に生えているれっきとした山野草なのに、めずらしく園芸種のような朱赤色の花をつける。山中から移植しても手塩に掛けることもなく、ほったらかし。それでも決まった季節にひょっこり仙女のように咲く。すると、園芸種系の人のように慈しむ気持ちが芽生える。 同時に、檻に入れた野生動物の悲哀をこの山野草にも感じる。やっぱり大自然に戻そうかと、無邪気に咲いた花に山野草系の心が痛む。
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一筆狼
合歓の木。落葉高木。夜になると葉をたたんで垂れ下がり眠る。この就眠運動をすることに名は由来する。合歓は、歓びが合わさる祝賀の木という中国名。 夕方から咲く花の美しさは群を抜く。ブラシ状の淡紅色の花糸は雄しべで、花粉をつくる黄色い葯(やく)がついている。よく見ると、雄しべより長い白い糸があり、これが雌しべである。白い花弁は雄しべの根元にあり、小さい。そのため虫を呼ぶのは花びらではなく、雄しべの役目。 明るいところが好きな陽樹。荒れ地に最初に侵入する先駆種(パイオニア種)でもある。先駆種は、種子が小さく数が多い、成長は速いが、寿命が短いなどが特長。 山麓のほとんどのネムノキの花は、落ちていたが、小川のそばに一本だけ見つけた。河原にこの木が多いのは、花が終わって実る豆果を川に流して、遠くまで種を運んでもらうためだとか。 ネムノキというと思い出すのは、ねむの木学園を設立し、半生を肢体不自由児の福祉施設に身を投じた宮城まり子女史。先般亡くなられたが、一度だけ縁があってお会いしたことがある。ネムノキの花のような人に、合掌。
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一筆狼
河原松葉。花が白いのがカワラマツバで、その後、黄色い花はキバナカワラマツバと名付けられたようだ。だが、カワラマツバは、学名ではキバナカワラマツバの一品種となっている。 河原によく生え、輪生する細葉が松葉に似ているからという命名は、あまりに安易。それだけ軽く見られたようで、カワラマツバからすると納得できないだろう。 生息地も実際は河原より、日当たりがよく、乾いている草地であれば、路傍などどこでも見かける在来種。 墓場のそばで見かけたせいか、三途の河原ならカワラマツバが似合うと思う。あの世でこの花に逢えたら、前世で見たことを三途の河の渡し舟の番人、奪衣婆(だつえば)に伝えよう。舟賃の六文銭をサービスしてくれるかもしれない。
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一筆狼
眩草。クサエンジュ(草槐)とも。根を噛むとクラクラするほど苦いことから、クララ草と呼ばれていたのが、つづまってクララになった。と、どの図鑑やネットにも書いてある。一見、外来種のような名だが、歴とした在来種。アルプスのハイジもびっくりであろう。 信玄棒道へ行く明るい山道沿いで見つけた。日当たりのよい山野に生育するマメ科クララ属の多年草。淡黄色の蝶形花が総状花序になって下から咲き上がる。 全草有毒で、根の毒性が強いようだ。漢方では、苦参(くじん)と呼ばれ、健胃、利尿、解熱作用などの薬効がある。平安時代から茎の繊維を和紙にしていたらしく、現存していないので幻の和紙となっている。 それにしても平安時代に「この草の根はクラクラする」なんて擬態語を使っていたのだろうか。いつ頃から可愛い「クララ」になったかは残念ながら見つけられなかった。
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一筆狼
洋種朝鮮朝顔。まだ実がなっていないので、いまは同定できないが、暫定的にこの名にした。近縁種に、トゲナシ(棘無)洋種朝鮮朝顔があり、どちらかである。同定のポイントは、球形果実にトゲがあるかないかで見分ける。実がなる秋にはっきりさせることにしよう。(20日後、確認したら、果実に長いトゲがあった。ヨウシュチョウセンアサガオで同定。) ナス科チョウセンアサガオ属。熱帯アメリカ原産で、朝鮮渡来ではなく、外来種ということで付けたようだ。もともとこの花は温暖な地域に野生化しているが、標高約900mの山野を整地したところで、かなりの数がまばらに生えているのを見つけた。 第一印象はちょっと異様な光景がした。葉は不規則で大きな鋸歯状のとがりがある。茎は暗紫色を帯びている。花は漏斗状で、先が五裂し白っぽく、基部は淡い紫色。夕方咲いて、翌日しぼむ。たまたま今朝、小雨が降っていた時間なので、夕方と間違えて咲いたのだろう。 江戸時代、華岡青洲がチョウセンアサガオを主として麻酔薬をつくったとあり、役に立つ毒草ではあるようだ。どこか不気味な感じは、やはり殺気があるからかもしれない。
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一筆狼
蝦夷鈴蘭。アオスズラン(青鈴蘭)とも。 エゾスズランはラン科カキラン属。春先に咲くかわいい花のスズランは、スズラン亜科スズラン属で、別種。ちなみにカキランはエゾスズランと似ているが、園芸種の趣きがあり、橙色の花で目立つ。 標高1000mの里山の林縁で初めて見つけた。エビネにも似ていたが、エゾスズランと「ぷりぷりむら」さんに教えていただいた。 茎が直立し、薄ピンク色の花は地味ながら、品があった。普通は緑色の花らしいが、調べたらピンクも散見できた。 唇弁が袋状で、内側が暗褐色なので、同定した。 小さな北海道を感じたが、全国の亜高山帯の高木林で見られるそうだ。
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