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八ヶ岳南麓の一覧

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一筆狼
山茱萸の実。(長文) ミズキ科の落葉小高木。中国名が山茱萸。別名は、早春に葉より先に黄いろい散形花序の小花を咲かすことから、ハルコガネバナ(春黄金花)。秋につける赤い実からアキサンゴ(秋珊瑚)の別名もある。 赤い実は、果実のように見えるが、偽果である。雌しべの子房がふくらんだものが果実。花を支えている花柄の先端を花托(かたく)と言い、そこがふくらんで実になったものが、偽果。 みかんや桃などは食べているところが果実で、偽果はリンゴやイチゴなど。こちらは食べている果肉は花托なのである。リンゴは芯が果実、イチゴは表面のつぶつぶが果実。相当、紛らわしい。 ということで、サンシュユの実も、花托が果実に見えるだけで種子部分が果実ということになる。 この実は渋くて生食に向かないとあるが、渋いなりに食べることはできる。ちょっと味見したところ、いやな渋味ではなかったけれど、吐き出した。一般的には生薬にしたり、焼酎に漬けたりして、アンチエイジングや滋養強壮に広く使われているようだ。 さて目を付けているサンシュユの木が、山道沿いに数本。いま真っ赤な実が鈴なりである。頻尿にも効くとあり、通るたび鼻先のニンジン状態。悩ましい深秋となった。
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一筆狼
青桐の実。中国の表記は梧桐。(長文) 中国原産の落葉高木。樹皮が緑色で、桐の葉に似ているところから命名されたようだが、葉はさほど似てないし、桐の仲間でもない。幹でも光合成を行うので、緑色になっている。このアオギリの幹は白樺、ヒメシャラと合わせて、「三大美幹木」に称せられているほど。 本来は亜熱帯、熱帯で自生している。耐寒性があるため、東北の南部あたりまでの広範な植栽域。広く街路樹や公園などに植えられていて、街路樹だと強剪定されてしまい、実を見ることがほとんどできないようだ。その代わり公園では実が見られる。樹形が平凡なのが、人気薄。写真のアオギリは地元の薬草園で見つけた。標高1000mでもよく育って、逞しい大木。 花は初夏に大形の円錐花序となるが、まだ見ていない。実はどさっと付くので目立つ。実の初めは豆科のサヤのように見え、成長すると皮が5片に裂けて舟形の葉のようになり、その縁に1〜5個の丸い種子がくっついている。舟に乗ったような種子が落ちるとき、くるくるまわり、「種を乗せた空飛ぶボート」と呼ばれていると種苗会社にいた人のサイトにあった。また、この実はカフェインを含むので、戦時中は焙煎してコーヒーの代用にもなったらしい。 アオギリは伝説上の鳳凰の栖(すみか)と言われ、中国では柩に最もふさわしい樹木となっているとか。あの世に鳳凰が連れて行ってくれるのかも。しばらくアオギリの追っかけをやってみようと思う。
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一筆狼
烏の胡麻。(長文)昔のシナノキ科からアオイ科に変わっている。(1990年代に、DNA解析から新しく構築された被子植物のAPG体系による。) ごく普通に山道で見られるとある通り、雑草に混じっているのを道沿いの林縁で初めて見つけた。ところが、そうそう道端には見かけないともある。葉っぱの下に隠れるように葉腋から伸びた黄色の花が咲くので、目立たない。 花弁の下部に短くよれたような雄しべがあり、突き出ているのは「仮雄しべ」である。この仮雄しべのなかに雌しべがある。雌しべの花柱の基部には子房がついているので、ここで見分けることができる。 夜には葉っぱが折れ曲がるようになり、就眠運動をしているようだ。また、葉や茎には星状に生えた毛があるようだが、よく確認しなかった。 われわれが食べる「胡麻の実」に比べて形は似ているが、カラスノゴマの実は小さい。人に比べてカラスの大きさというサイズ感を表すためにカラスを付けていると山渓の「野草の名前」にはある。だが、カラスの食べる胡麻に例えた説を採っているものが多い。 人間の大きさと比べるのは、あまりにおおざっぱ過ぎる感じがする。食えない実、くらいの感覚でカラスをつけ、それより小さいのをスズメにしたのが妥当ではなかろうか。(カラスウリとスズメウリの関係など)雑草ひとつにも多くの人知が寄せ集まっていることに改めて気付く。
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一筆狼
シラヤマギク(白山菊)。(超長文)いつもまぎらわしいヤマシロギク(山白菊)との違いに悩まされていたので、いまわかっている範囲ではっきりさせたい。 八ヶ岳あたりでは、7月半ば頃からユウガギク(柚香菊)が咲き、次に8月半ばからシラヤマギク、秋の終わり頃にヤマシロギクやノコンギク(野紺菊)が咲く。 シラヤマギクの頭花の白い舌状花は8枚〜6枚くらいで、まばらな感じ。花びらの間に隙間がある。(ユウガギクと比べると一目瞭然)一見、貧相な花姿と見られるが、素朴な印象と思いたい。下部の葉は大きな卵心形で、葉柄に翼がついている。葉の縁は歯牙縁(歯が並んだような縁)。上部の葉はだんだん小さくなり葉柄も短い。葉はざらつく。茎は赤味を帯びて、高さは1〜1.5mと高い。 シロヨメナ(白嫁菜)の別名をヤマシロギクとする説が多いが、学会ではイナカギク(田舎菊)の別名がヤマシロギクとされているとあったのを採用した。白い舌状花は11〜15枚と多い。葉は長楕円の披針形で互生。葉裏に3脈と葉柄がありここで見分けられるとあるが、それほど顕著でないらしい。高さは50cm程度で、小ぶりである。 要は花期の違い。花びらの枚数。頭花までの高さ。葉の形で決めることになる。それほど野菊としては似ている。野菊で済ませてしまいたい気持ちは山々であるが、小さな差異に喜びを感じる狭量な人種なのだろう。 庭にはまだユウガギクが咲き誇り、咲き始めのシラヤマギクが同時に妍(けん)を競い、ノコンギクがいま一輪だけお構いなしに咲いた。花期ひとつでも、実際には混ざり合う。一筋縄ではいかないのが、自然の多様性である。
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