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フサスグリ(房酸塊)は赤い果実をつける落葉低木です。
分類:ユキノシタ目スグリ科スグリ属
学名:Ribes rubrum
和名:セイヨウスグリ
別名:アカスグリ/アカフサスグリ/シロスグリ/グロゼイユ
英名:レッドカラント/レッドカーラント
原産地:ヨーロッパ
フサスグリには赤系統の実をつけるアカスグリと、白系統の実をつけるシロスグリがありますが、フサスグリという名称は一般的にはアカスグリに使われています。黒い実をつけるクロスグリ(カシス/ブラックカランと)はクロフサスグリとも呼ばれますが、フサスグリとは別の種類です。
成木のフサスグリの樹高は1~1.5mほどです。開花期の4~5月には淡い黄色の花が咲き、1本の木のみで自然受粉により結実します。6~7月に収穫期を迎える直径1cm程の果実は観賞用としても楽しめるほか、食用としても使われます。そのままでは酸味が強く、生食としては好みが分かれるところです。原産地のヨーロッパでは特にジャムなどの加工品の材料として栽培されています。
フサスグリは耐寒性が強いのですが耐暑性が弱いので、暖地や温暖地よりも冷涼地(寒冷地・寒地)での栽培が適しています。日光に当たらないと結実しませんが、一日中日なたになるような場所よりも半日陰の方が適しています。特に暖地の場合は午後の強い日差しが当たらない、風通しの良い場所で育ててください。
鉢植えのフサスグリの場合、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。夏の水やりは蒸れを防ぐために夕方に行いましょう。地植えのフサスグリへの水やりは植え付け時のみで十分ですが、夏の日照りが続くようなら行ってください。
植え付け時の元肥として、フサスグリの用土には腐葉土と有機質肥料を混ぜ込んでおきましょう。追肥は開花前の2~3月と、収穫後の9~10月に有機質肥料か即効性化成肥料を施します。
フサスグリの用土は水持ちと水はけの良いものが適しています。重すぎず軽すぎずの市販の培養土で十分ですが、品質に差があるの選ぶ際は注意してください。
フサスグリは日当たりと風通しの悪い環境で育てるとカイガラムシが発生することがあります。カイガラムシに樹液を吸われると株が弱るだけでなく、その排泄物が病気を発症する原因にもなります。
国内だけで約400種類が確認されているカイガラムシはカメムシの仲間で、貝殻と言う名のように硬いものから柔らかいものまでさまざまです。体長は1~3mm程で、白や黒などそれぞれに色が違います。カイガラムシ用の薬剤で駆除できる種類もあれば、殻が硬くて効果がない種類もあります。薬剤が効かない場合は歯ブラシで取り去るか、割りばしなどでそぎ落とすなどの方法で物理的に駆除してください。
植え付けの適期は12~2月、フサスグリの葉が落ちた後に行います。元肥として用土に腐葉土と有機質肥料を混ぜ込み、植え付け後には水をたっぷり与えてください。
植え替えの適期も12~2月です。鉢植えのフサスグリの根詰まりを防ぐためにも2年に1度はひとまわり大きい鉢に植え替えましょう。
株分けと挿し木で増やします。株分けは植え替えと同時に行いましょう。挿し木は梅雨どきの6月頃が適期です。その年に伸びた枝を切り、切り口を1時間ほど水に浸けてから挿し木用の土に挿します。
剪定の適期は12~2月の落葉後です。果実を収穫した枝を切り、新枝に引き継ぎます。収穫した枝から新枝が伸びている場合は残しても構いませんが、枝が込み入るようなら剪定しましょう。
フサスグリの植え付け後、20~30cmのところで主枝を切りブッシュ仕立てにするのがおすすめです。毎年株元に近い部分から出た新しい枝を剪定して丈夫な3~4本を残すことを繰り返しブッシュ状に仕立てましょう。
フサスグリの花言葉は「目新しい」「新しい経験」「珍しさ」「予想を裏切る」「あなたの不機嫌は私を苦しめる」です。これらの花言葉はフサスグリの赤い実が予想を裏切る酸っぱさであることに由来します。
フサスグリは7月7日と7月15日の誕生花でもあります。フサスグリの開花期は6~7月なので、この時期にフサスグリを贈るのもおすすめです。
※トップ画像は TerukoーAndohさん@GreenSnap
GreenSnap編集部