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ビカクシダという別名でも呼ばれているコウモリランは、丈夫で、葉も不思議なフォルムをしていることから、インテリアとしての存在を充分に発揮してくれる観葉植物です。
ここでは、そんなコウモリランの育て方や、植え替え、水やりのコツ、肥料の与え方、苔玉にする方法などについてご紹介していきます。
コウモリランが自生しているのは、アフリカやマダガスカルなどの熱帯地域です。そのためコウモリランは日光を好み、日陰などの日が当たらない場所で管理すると、葉っぱの色が黄色く変色してしまうことがあります。
ただし直射日光にには弱く、夏の強い日射しに長時間あたっていると葉焼けを起こしてしまうこともあります。夏の時期だけは、日陰か室内に取り込んで、カーテンなどを使って光の調節をしてあげてください。
コウモリランは10度以上の場所で育てるのがポイントとなっているので、基本的には室内でも屋外でも育てることができます。気温が5度以上であれば、冬を越すこともできます。
夏は日射しが強いので、コウモリランに直射日光があたらないように注意しましょう。それ以外の季節では、日の当たる日向に置いて管理しても大丈夫です。
室内で育てる場合の置き場所は窓際にして、カーテンで日光の調節ができるようにしましょう。冬になると窓際は気温がさがってくるので、冬だけは窓際から離れた場所で育ててください。
コウモリランは高温多湿の環境を好む植物です。そのため、水苔やチップが乾いてきたときに、水やりをするようにしましょう。霧吹きを使って、葉っぱと植え込みの両方に水をあげてください。
2〜3日水やりをしていなくとも、十分元気に育ってくれるので、水苔やチップが乾いていないときに、水をあげるのはやめましょう。水の与えすぎによって、コウモリランが枯れてしまうことがあります。
鉢植えでコウモリランを育てているときは、水を上からかけてあげるのではなく、鉢を深めの受け皿にいれて、その受け皿に水を溜め、鉢の下側から水を吸わせるようにしてあげてください。
数分で水を吸い上げてしまうので、水を吸い上げなくなるまで水を与えて、残ってしまった水はすぐに捨てましょう。
ほかにも、インテリアにするために、木の板に着生されているコウモリランを育てるときは、その板ごと水を張った洗面器に浸けておきます。その後10分ほどで水が染み込みます。
冬場は、ほかの季節ほど水やりをする必要がありません。乾かし気味に育てていれば、寒さに強くなってくれるので、冬を越しやすくなります。
コウモリランの生育期である春から秋にかけての時期は、2〜3ヶ月に1度、緩効性化成肥料を与えます。これにより、コウモリランの葉っぱの付け根の部分にある外套葉(茶色の葉っぱの下の水苔)にゆっくりと効いてきます。
肥料を与えることで、コウモリランの株を元気に、大きくすることができますが、肥料を与えすぎてしまうことは枯れる原因になるので気をつけましょう。
コウモリランを鉢植えで育てる場合には、ピートモスが8、パーライトが1、軽石の小粒が1の割合で混ぜ合わせた配合土を使いましょう。ほかの配合では、ピートモスが7、パーライトが2、軽石の小粒が1のものがあります。
コウモリランは水はけの土を好むため、保水性の高い水苔をいちばん使うのが良いです。ヘゴ板やハンギングで室内に飾りたい場合には、水苔を使って、コウモリランを着生させましょう。
コウモリランの植え付けに適している時期は、5月の中旬から9月の中旬となっています。
鉢植えに植えつける場合は、苗の根っこの部分についている土をもみほぐしてから取り除いておきます。水苔を丸めて苔玉にして、根っこの部分を苔玉で覆います。そこをさらに水苔で周りを覆っていきます。
鉢の底に軽石や発泡スチロールを敷いて、苗を植えていきます。鉢ごと水の中に沈めてから、水苔に水を吸わせ、水を完全に吸ったら半日陰の場所に置いて管理してください。
ヘゴ板に着生させる場合は、ヘゴ板にワイヤーを通すための穴を数か所空けておきます。水苔玉と根っこがへばりついている苗をヘゴ板に乗せてから、ワイヤーかシュロ縄を使ってコウモリランを固定させます。
鉢植え同様に、ヘゴ板ごと水の中に沈めてから水を吸わせてから、半日陰の場所に置いておきます。
コウモリランがよっぽど大きくならない限りは、植え替える必要はありません。株が大きくなりすぎたときには、5月から8月の間に、2、3年に1度の回数で植え替えをします。
植え替えの方法は植え付けと同じになっています。植え替えの時に胞子葉が枯れていたら、すぐに取り除いてください。葉っぱの表面に産毛のようなものがついているときは、触って取らないように気をつけましょう。それを取ってしまうと、種子がつかなくなってしまいます。
コウモリランの増やし方には、「株分け」や「胞子」といった方法があります。どちらも植え付けや植え替えの時期と、同じころにするのが適期となっています。
大きくなってしまった親株のコウモリランを株分けするには、外套葉の下の部分からでてきている子株を切り取っていきます。子株には胞子葉が3枚ほどついている状態で切り取るのがポイントです。
切り取った子株をヘゴ板や鉢に植えつけて、1ヶ月の間は明るい日陰に置いて管理しておきます。
胞子での増やし方は、葉っぱの裏についている胞子をスプーンで削り取り、湿った土を敷いている深い受け皿の中に胞子を蒔きます。
常に土を湿らせておくため、ラップなどで蓋をしておきます。常に20度くらいの気温をたもち、明るい日陰で管理してください。表面の土が乾いてきそうだあと思った場合は、霧吹きをして湿らせてあげてください。
しばらくするとコウモリランの芽が出てくるので、それをインテリアとして使用することができるようになります。
コウモリランがかかりやすい病気では、春から秋にかけて、高温多湿の環境で葉っぱに発生しやすい炭そ病というものがあります。
炭そ病は黒褐色の斑点が葉っぱに出て、徐々に範囲が広がっていき、葉っぱに穴が開いてしまったり、枯れてしまったりして、植物を弱らせていく病気です。炭そ病が発病した葉っぱを見つけた時は、すぐにその葉っぱを取り除いて、薬剤を散布しましょう。
気を付ける害虫では、カイガラムシがあります。どんな植物にも寄生して、年間を通して葉っぱを食害していくので注意が必要です。
発生しやすくなるのはコウモリランの生育期でもある5月から7月にかけての間で、カイガラムシを放っておくと、カイガラムシの排泄物によってすす病という病気が誘発されてしまうので、見つけたときは早めに駆除してください。
幼虫の場合は殺虫剤で駆除できますが、成虫になってしまうと薬剤が効かなくなるので、ブラシなどでこすり落としましょう。
コウモリランは、10度以上の温度を保って育てることがポイントとなっています。熱帯で育つ植物なので、最低でも5度以上の気温がある環境が好ましいです。
氷点下にならないかぎりは冬を越すことはできますが、より安全に冬を越したいという場合は、暖かい部屋に置いて管理しておきましょう。夏場の高温を好むので、夏には風通しが良く、直射日光があたらない場所で管理してあげてください。
コウモリランの花言葉は「信頼」、「助け合う」、「魔法」などです。
独特でユニークな形の葉っぱをしているコウモリランは、熱帯地域で育ったことから、水やりも少なめで済み、丈夫なため、初心者でも簡単に育てる事ができるようになっています。
ハンギングや板に着生させて育てることもできるため、インテリアの一つとして取り入れることもできます。
リラックス効果もあるコウモリランを、ぜひ家に飾ってみてください。
※トップ画像はRisaさん@GreenSnap
GreenSnap編集部