エキゾチックな姿と、コウモリに似たユニークな葉の形が特徴のビカクシダ。ビカクシダは樹木や岩などに付着して成長する植物なので、板付をして飾るのがおすすめです。
この記事では、ビカクシダの板付のやり方について、画像つきで詳しくご紹介していきます。お手入れ方法も一緒にご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ビカクシダ(コウモリラン)は板付すると元気に育つ!
そもそも板付とは、植物を鉢ではなく板につけて育てることです。ビカクシダの板付は、板に水苔などを張り付けて、そこにワイヤーでビカクシダを固定する形でできています。
ビカクシダは樹木や岩に張り付いて自生するシダと同じ特徴があるので、じつは鉢植えで育てるよりも板付した方が自生環境に近くなるので、大きく成長してくれますよ。
ビカクシダ(コウモリラン)の板付はいつつくる?
ビカクシダの板付をつくる時期は、4〜9月のビカクシダの生長期である暖かい時期に行うのがおすすめです。冬の寒い時期には休眠しており、負担がかかるので避けましょう。
ビカクシダ(コウモリラン)の板付に必要なもの
ビカクシダの板付をつくるときは、下記のものを用意しましょう。
- 板付用の専用板
- 水苔
- ネジ
- 園芸用ネット
- 園芸用ワイヤー
- 透明テグス
- 麻紐(水苔が細かい場合、あると便利)
- ハサミ
- 板の両端を渡せるトレーや支え
ネットや園芸店では、あらかじめ穴があいた板付用の専用板も用意されていますので、初心者はそちらを購入するのがおすすめです。
もし普通の板でいちから作るなら、インパクトドライバーとドリルビットも用意しておきましょう。
また、加湿を嫌うビカクシダの場合、水苔だけでは根腐れすることがあるので、ベラボン・洋ラン用バークも用意しておくといいです。
ビカクシダ(コウモリラン)の板付の方法
- 植え込み材(水苔など)の下準備
水苔は乾燥した状態で売られているので、水に浸けて戻しましょう。ボウルに水を入れ、水苔を浸します。AAA以下の品質グレードが低い水苔の場合、枯れ枝が混ざっていることもあるので、取り除いておきましょう。
不純物を取り除いたら、熱湯に浸すと殺菌ができるのでおすすめです。熱湯に浸す場合は、しっかり冷ましてから板付作業をしてください。
水苔のほか、ベラボンや洋ラン用バークを使う場合も、あらかじめ水に浸しておきましょう。
- 板にネジを打つ
板の上にビカクシダを置いて板付したい位置を決め、水苔を張る範囲に円を書いて印をつけておきましょう。
次に円の上下1cmの位置にネジを打っておきます。ネジは全て打たず、5mmほど出しておいてください。
- 板に通気穴をあける
水苔を張る範囲に数カ所ほど通気性を上げるたも穴をあけます。とくに加湿が苦手なビカクシダの場合は、大きめの穴をあけるか、たくさん穴を開けておくといいです。
今回は加湿が苦手なエレファントティスというビカクシダを板付するので、写真のように多めに穴をあけています。
- 板に固定用ワイヤーを通す
穴が大きい場合は、園芸用ネットを板に被せておくと水苔が抜け落ちません。園芸用ネットは板の面からワイヤーを通して裏でねじって止めます。
ビカクシダ固定用のワイヤーは、板の裏からワイヤーを通して、上下のネジより10cm長くなるよう、余裕をもって長めに切っておきます。
ビカクシダ固定用のワイヤーを通す穴は、円の中央めの左右の位置にあいている穴を選ぶといいです。
- ビカクシダの下準備
板付したいビカクシダが苔玉になっている場合は、紐を解いて水苔を優しく取り除いていきます。ビカクシダの根はとても細く水苔と区別がつきづらいので、わからないときは古くなってる水苔だけを取り除きましょう。
鉢植えになっていたビカクシダの場合は、水で優しく流して土を落としておいてください。
- 板に植え込み材を敷く
先ほどの板の円で印をつけた部分に、水苔を敷いてドーム状に盛ります。
加湿を嫌うビカクシダの場合は、薄く敷いた水苔の上にベラボンと洋ラン用バークを混ぜたものを盛り、円周りに水苔で土手をつくって半円上にしておきます。
- 植え込み材にビカクシダをおく
植え込み材がドーム状に盛れたら、中央を軽くくぼませてビカクシダをおき、さらにきれいなドーム状になるように、水苔を足していきましょう。
このとき大切なのは、ビカクシダの成長点が上にくる向きでおくことです。成長点の見分け方は、この記事の後項でご紹介しています。
- ビカクシダ固定用ワイヤーを巻く
ビカクシダ固定用ワイヤーを、ビカクシダの葉の裏、もしくは茶色い貯水葉の上から抑えるようにして左右に交差させたら、さらに上下に交差させて、ネジ付近に伸ばしておきましょう。
固定用ワイヤーは上下ともネジに1〜2回巻いて、ずれないようにしておきましょう。あとでテグス固定用に使うので、切らずに残しておきます。
- 水苔にテグスを巻く
まずは下のネジにテグスの端を結びつけます。あとでテグスの終わりの端と結ぶので、最初に結んだ端が短くなりすぎないよう、5cmくらい余裕をもっておいてください。
水苔のふちを意識しながら、テグスを半周させて、上のネジに一周させましょう。水苔が落ちないよう、きつめに巻くのがコツです。
上のネジにテグスを巻いたら、後戻りして水苔ドームの中央部分を通りながら下のネジに一周させ、ふたたび上のネジにかかるように上の画像のルートを参考にテグスを巻いていきましょう。
- テグスを最初の端と結ぶ
仕上げに、2周ほどテグスを水苔ドームに巻いたら、最初に残しておいたテグスの端と結びます。
次にビカクシダ固定用のワイヤーを、テグスを押さえるようにネジに何周か巻いて、水苔の端にさして隠しておきます。
- ビカクシダの板付完成!
軽く板を振って、水苔が落ちなければ完成です。グレードが低い水苔は落ちやすいので、テグスと同じ方法で太めの麻紐で巻いてあげるといいですよ。
ビカクシダ(コウモリラン)の板付のポイント
成長点を上にして取り付ける
ビカクシダを板付するときは、成長点が上にくる向きで取り付けると、美しい株姿で伸びていきます。
成長点とは、植物がそこから生長していく、細胞分裂が行われる部分のことです。
ビカクシダの成長点は葉の根本にある繊毛におおわれてモフモフとしている芽の部分です。ほかの葉より小さく白っぽいので、簡単に見分けることができます。
ビカクシダはこの成長点から貯水葉や胞子葉を伸ばしていきますが、古い葉より上に新しい葉を出せないとねじれたような形になり、貯水葉もきれいに出ないので、成長点が上にくる向きで板付することが大切です。
ワイヤーやテグスに葉を巻き込まない
ビカクシダを板付するときは、ワイヤーやテグスに、緑色の胞子葉を巻き込まないよう注意しましょう。貯水葉は多少巻き込んでもいいですが、その際は葉に食い込まないよう、少し優しく巻いてください。
水苔の部分を巻くときは、あとで落ちないようにきつめに巻くのがコツです。
ビカクシダ(コウモリラン)を板付後のお手入れ
板付ビカクシダの水やり
板付ビカクシダの水やりは、一旦壁から板を下ろし、屋外や濡れても良い場所で水やりを行いましょう。水が切れたら壁に戻します。水がびちゃびちゃの状態で壁に戻すと、カビが生える原因にもなってしまうので注意が必要です。
板付ビカクシダの肥料
板付ビカクシダの肥料は、液体肥料を水に数滴、適量混ぜて、水やりを同じ方法で与えます。肥料を与える時期は4〜9月中。ビカクシダの様子を見ながら2週間に1回ほどの頻度で与えましょう。
ビカクシダ(コウモリラン)の板付を壁掛けして飾ろう!
取っ手をつけて吊るす
板に取っ手をつけ、壁やカーテンレールに吊るすと素敵ですよ。
網目ワイヤーボードにひっかける
網目のワイヤーボードにひっかけて飾ると、たくさん吊り下げることができるのでおすすめです。
ビカクシダ(コウモリラン)を板付してみよう
ビカクシダの板付は難しい作業のように思いますが、案外簡単です。水ゴケや板などの材料を購入する必要はありますが、材料もホームセンターや園芸店で手軽に購入できるので、ぜひ挑戦してみましょう。板付は、鉢植えとは違った角度で植物を観察できるのでおすすめの飾り方ですよ。
この記事を書いた人
GreenSnap編集部
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