数年前に枯らしてしまったアデニウムの幼苗のリベンジがしたい！ そんな気軽な気持ちで遊びに行った園芸店での衝撃の出会いと初めて尽くしの仕立て直しの記録。

『こんなことがあっていいのだろうか…』

数年前に3月の寒の戻りで枯らしてしまった小さなアデニウム。

「いつかまた育てて今度こそは花がみたいな〜」と軽い気持ちで訪れた大きな園芸店のSALE棚の中央に鎮座していたのが、このめちゃくちゃ立派なアデニウム　アラビカムでした。

樹齢10年は間違いなく超えてそうなでっぷり太った立派なアデニウムがまさかの半額セール(￥13.200-→￥6.600-)になっていることがにわかには信じられず、気が付けば

「こんなことがあって良いのだろうか………」

と神妙な独り言をもらしていました。

コーデックスの中では育てやすく、毎年綺麗な花が咲くという砂漠の薔薇。

30分ほど鉢を持ったまま株の健康状態を吟味し、そして買うかどうか右往左往しながら散々悩み、
今度こそ立派にしてやるぞと決意して購入することに。

もちろんこんなデッカイのを買うつもりなんて無かったから

力技でバイクに積んで連れ帰ってきましたよ
(しかも雨の中)

傷んでいた枝の剪定

全体図その1

その2

枝数も勢いもなかなかのものだと思うけどほとんどの枝先に枯れ込みが。

恐らく店頭で陳列されている間に何かしらのストレスを受けたか、何かしらとぶつかったかでもしたのかなといった印象。

店頭で観察していた時から、剪定して癒合剤で保護してあげれば元気に復活すると踏んでトップジンMペーストと共に買ってきました。

その3　俯瞰図

それぞれの枝は太く力強く第一印象はとにかく格好いい。

しかしこれからの樹形の作りこみを考えるともう少し細かい枝が欲しいのと、全体的になんか枝が前に向き過ぎかな？という気もする。
(多分照明が一方向から当たっていたせい？)

今年の春はとにかく葉を出させて体力を付けてもらって、生育期の勢い次第ではバッサリ強剪定して新枝を増やしていくのも楽しそうです。

剪定

消毒したよく切れるナイフで一思いにスパッと。

やはり傷んでいたのは枝先だけのようで、切断面は綺麗な状態でした。良かった。。

傷んで枯れていた部位(結果10本あった)を全て切り落とし、樹液が乾くまでティッシュを当てておきます。

なんか絆創膏みたい

乾くのを待つ間に枯れ枝の観察をしましょう。

切り落とした枝を全て半分に割ってこの枝たちに何が起こったのかをじっくりと観察。

やはりと言うか、腐ってジュクジュクしていたり維管束まで真っ黒になっているものはひとつもなく、どうやら枝先の葉の付け根から枯れが進行していった模様。


2月でもこのアデニウム本体の幹はパッツパツに張っていて樹皮が縦に割れている部分も見えているので、素人の憶測だけど休眠導入時期の水加減が原因なのではないかな…？と感じました。


腐りが入ってなさそうで本当に良かった！

断面の樹液が止まったらトップジンMペースト(癒合剤)を塗り塗り。

トップジンMペーストは植物の傷口の組織回復を促進し、病原菌の侵入、枯れ込みを防止する優秀な薬剤です。

選定作業には必須と言ってもいいと思う。

身体測定＆雑記

今後の生育の参考になるかなーと一応計測

樹高…約23cm

直径…約10cm

それにしてもこの株、枝や幹だけじゃなくて根も凄い。

根張りがしっかりしているのはもちろんなのだけどそれぞれの根が太く荒く走っていて、生産者さんが毎年丁寧に育てていたんだろうなと想像出来る。

植え替えの度に根もいじらないとなかなか良い根張りにはならないと盆栽を齧っていた時に知りました。　

今度植え替えする時にはもう少し根を露出して植え込んでみてもいいかな。

特にこの右下の根。めちゃくちゃ格好よくて前景候補にはこれを活かしたい………と思うんだけど、上の方からひょろっと出てる気根がなんかへその緒みたいに見えるな。。


ん〜〜〜、、成長期になって気根が延びるかどうかまだ分からんからとりあえず様子見で。。




－以下雑記の雑記－


改めて観察すればするほど、この立派な株が6.600円で手に入ったことが未だに信じられない。よく残っててくれた！


塊根植物をよく知らないお客さんからしたら、葉もない、花もない、ただの枯れかけの落葉樹がなんか置いてあるな…って感じだったのかもなぁ。

きっと入荷したての全盛期の頃は立派に可愛い葉や花を沢山付けて売り場で存在感を示していたことでしょう。


まーー、うちに来たからにはのんびりしてってくれ。
とりあえず春までは室内で断水するぞ。