まだ右も左もわからなかった超初心者のころ、農薬の撒きすぎで花壇が大変なことになりました。地植えしていた大切なヒューケラをコガネムシにくいころされましてね……ついカッとなったんですわ……。
それ以来「なるべく農薬に頼らないでガーデニングをしていきたいな」と思うようになりまして。とはいえ「……でもあんまりお金もかけたくないなw」とも思っています。そんなわけでたどり着いたのが手作り忌避剤、通称【地獄スプレー】です。SDGsなる概念の要件を満たしていると思うので、こちらでご紹介します。ただ、地獄スプレーは基本的に初夏に一年ぶんまとめて仕込んでいます。去年の仕込みではそれほど細かい撮影はおこなっていませんでした。コンテスト開催期間の都合上、トピックごとに適切な画像を用意することができませんでしたが、その点は何卒ご了承ください。
ドクダミの花咲く季節は心がウキウキします!
何故って、地獄スプレーの材料のひとつだからです。別名 十薬 とも言われるそうですね。こういう、排気ガスとか農薬の影響を受けてなさそうな場所に生えているのを見るとめちゃくちゃ欲しくなります。
薬効が最も尖っているのは花が咲くころだそうです。ですから、初夏に一年ぶんまとめて仕込むルーチンにするのが合理的と言えそうです。
ドクダミについては、不確定情報ながら、ヨトウムシ忌避が期待できる……のかもしれないです。(興味がある方は“ドクダミマルチ”とか“ドクダミ ヨトウムシ”とかで調べてみてください)
まあ、それより、どちらかといえば抗菌抗カビ、“十薬”としての未知の効果のほうを期待して私は地獄スプレーに突っ込んでいます。と言っても、乾燥させたら酸化しちゃって抗菌効果はなくなるよ。という文言も見たので、これまたそういう効果があればいいな。程度ですけれど。
全編通して言えることですが、こういう効果があるかもしれないし無いかもしれない、あったらいいな、エビデンスは無いんだけどなんかそんな気がする。仮にそういう効果があるのだとしてもこのやり方でその効果を適切に引き出せるかどうかはわからない。全部そんな感じです。薬事法に引っ掛かるようなことを無責任に書き並べるわけにもいきませんし、そもそもがド素人の手探りです。毎度フワッとした文章になることはあらかじめご了承ください。
関係ないんですけど、ドクダミの花言葉は“白い追憶”ですって。何それ乙女すぎない? こんな強烈な個性の持ち主なのに??
(ドクダミ「解せぬ」)
地獄スプレーの仕込み
これしか無いんかい! な画像で本当にごめんなさい。コンテスト基準の〔画像6枚以上〕の条件のためには、こんなのも引っ張り出してくるしかありませんでした(爆)。
余力があれば、今年の仕込み(初夏に実施予定です)の際にちゃんと丁寧な工程ごとの写真を撮ってリメイクします……。
とりあえず、当家ではこんな感じで仕込みました。100均で買ったビンに各材料を詰めていき、最後に竹酢液をめいっぱい注いで漬け込むだけのものです。1ヶ月ほど経過したら使用できます。水で稀釈してお使いください。
(最初から稀釈した水で漬けると、ニンニクや唐辛子の成分がきちんと抽出されないばかりか、変質や腐敗の原因にもなりますのでご注意ください)
蚊除け等の目的で人体にスプレーしたり、お風呂に入れたりするのでしたらもっと細かく色々気を遣ったほうがよさそうですけど、観賞用の草花に噴霧する目的でしたらこんな感じにざっくりやっても大丈夫だと思います。
(※家庭菜園など、口に入れる植物への使用は当家では想定していません。そういう用途でのご利用をお考えでしたら、ご自身でお調べのうえ、自己責任でお願いいたします)
各材料をどんなふうに漬けたかもご紹介しておきます。別にこれが正解ということではないと思いますので、参考程度に、やりやすい方法でどうぞ。
各材料についての詳細や期待できる効果などは、“自然農薬”とか“手作り虫除けスプレー”もしくは、“○○(材料名) 忌避 効果”などの検索ワードでお調べください。
【ニンニク】
皮をむいて包丁の腹で押して潰しました。すりおろしたほうが、もしかしたら効果は高いのかもしれません。
【唐辛子】
中までしっかり漬かるように、適当にハサミでバラバラにしました。サイトによっては種をよけなさいと書いているものもありましたが、あとで邪魔になるからという理由だけのようでしたので、私は種も全てまとめてお茶パックに入れて漬けました。ファイトケミカルスか何か、植物の未知の効果が引き出せたらいいなぁとかそんな気持ちです。ときどきビンを振ったりするので、中身が出てこないようにお茶パックは二重にしておくといいと思います。
【ドクダミ】
軽く洗って土を落とし、葉っぱだけ切り取って入れました。人肌につけたり、食べる作物に噴霧することは想定していないので、わりとおおざっぱな始末です。葉っぱだけにしたのも、あまり大きなビンではないので、茎とか全て漬け込むと思ったより入らないから。というだけの理由です。より抽出しやすいように葉の部分にもハサミを入れた……かもしれません(覚えてないw)。
どの部分をどう漬け込むのがいちばんいいのか、知っている方がいらっしゃいましたら是非ご教示ください。
【竹酢液】
ガーデニングど素人だったころに、しつこいうどんこ病で大変な目に遭ったことがあります。この経験から、殺菌力に優れているに越したことはないだろうということで、私は竹酢液を愛用していますが、趣味のガーデニング程度であれば木酢液でも充分らしいです。竹酢液(木酢液)は品質ピンキリだそうで、あまり安すぎるものはよくないという情報も見かけるのでお気をつけください。私が愛用しているものも、だいぶ廉価の部類だと思います。
漬け込む液は木酢液でもいいし、焼酎や食酢などでもいいらしいです。ただし、食酢の場合は、あまり調味料などが入っているとそちらに害虫が誘引される懸念があるようです。
それ以外にも、使い残しの生姜なども入れたような記憶があります。オリジナルで自分のガーデンに合った材料や分量での配合をいろいろ試して、自分だけの秘伝のレシピができると楽しいと思います。
仕込んでみるとこんな感じです。
コーヒー飲みながら優雅に激烈な臭気の地獄液を仕込んでいるという変な画像です(爆)。
保存は冷暗所でいいと思いますが、他のご家族等が間違えて開けたりしないように充分ご注意ください。開けた途端に壮絶なニオイがしますので、誤飲とかは……する、のかなぁ……? という気はしますけれど。臭さにビックリして落としてぶちまけられたりしたらそれは悲惨なことになると思います。(うわぁ想像もしたくないw)
こんな感じで一年ぶんまとめて作りました。漬け込んで1ヶ月くらい経過したら使用できます。適宜、水で薄めてご使用ください。
希釈倍率は、竹酢液や木酢液で仕込んでいらっしゃるのであれば、そこに書かれている稀釈倍率準拠でいいと思います。
ちなみに私は、水1リットルに対し原液1.3cc程度、およそ770倍で使用しています。去年の春ごろはもっと濃い倍率でやっていました。330倍くらいでも特に植物に悪影響はなかったと記憶していますが、このあたりは自己責任で少しずつお試しください。
ちなみに、一坪の花壇&戸建の駐車スペースに大量に並べられた鉢植え、の防除に使うぶんにはこれはちょっと多すぎる仕込みのようです(笑)。たぶんビン3本用意しておけば、一年くらい充分まかなえそうな気がします。
(※ただし、焼酎や食酢で仕込んだ場合は希釈倍率が違ってくる可能性があります)
あると助かる便利グッズ·その1
ちなみにこのビン、
ダイソーの【ハンドルキーパー900】というシリーズらしいですが、同じくダイソーで購入可能な【ステンレス製深型茶こし】の65mm(2.6in)がピッタリはまります。いちいちこんなかさばるものを持ち歩いて漬け込みの中身がいろいろゴチャゴチャ入っているものをスポイトとかシリンジで吸い取って稀釈して……とかやるのは面倒すぎるので、茶こしをセットした状態で小さいビンに使いたいぶんだけ取り分けておくといいと思います。
ただし、茶こしをはめたままだと栓の締まりが弱くなる気がするので、取り分けが終わったら茶こしは外してしっかり蓋を締めることをオススメします。漏れたら大変なことになりますのでねwww
あると助かる便利グッズ·その2
少しのお花しか育てていらっしゃらないのであれば、手動のハンドスプレーでも構わないと思いますが、あると絶対的に便利なのはこちらの噴霧器です。
水で稀釈した地獄液を、葉裏から何からビッシャビシャのボットボトになるまでスプレーするわけですので、手動だとやってられなくなります。腱鞘炎もコワイですし。
こちらの噴霧器なら、水と地獄液を入れてシャカシャカ振ったあとはひたすら加圧ノズルをキュポキュポやってからスイッチオンで一気にブッシャーできます。ノズルが長いものだと、葉裏や奥のほうなど、手の届きにくいところまでカバーできるので便利ですよ。
あると助かる便利グッズ·その3
地獄スプレーは害虫忌避と植物活性を目的としたものです。新しく寄りつきそうな虫たちを回れ右させることはできても、もう既にターゲットロックオンして繁栄してしまっているものを殺傷することはできません。そんなこと言ってももうヨトウムシパラダイスだよどうしよう! という方にはこちら、ニームオイルをオススメします。効能効果についてはGoogle先生やカーメン君などにお訊ねください。ちょっとゾクゾクしちゃいます(ぉぃ)。
ぶっちゃけて言えばかなり高価ではありますので、地獄スプレーである程度の忌避防除ができると考えて、規定よりかなり薄い稀釈でチビチビご利用になるのがメンタルとお財布に優しいと思います(笑)。とりあえず私は、規定500倍のところを2000倍で使っています。地獄スプレーとの併用であれば、予防目的ならそれで充分と思います。今後、根性の据わった害虫めが確認できましたらば、そのときは少し濃度を上げて対応しようと考えています。
使ってみた感想
※オリカナ家で1年間いろんな植物に使ってみて、の個人的感想です。効能効果を保証するものではありません。
【前提】水1リットルに対して地獄液原液1.3ccとニームオイル0.5ccを混ぜて作った地獄スプレーを、5日~10日(平均は1週間)に一度のペースで使っています。ニームオイルを入れる場合はよく振って使ってください。冬場はお昼ごろにやるのがいいと思いますが、それ以外の時期は夕方噴霧推奨です。暑い季節の葉焼けにはご注意ください。雨のあとは噴霧しなおしたほうがいいですし、近日中に雨が降るとかでしたら適宜展着剤などもご利用ください。
●アブラムシ、ハダニ、激減しました。
●うどんこ病、灰色かび病、かなり抑えられてそうな気がします。ただし、ダリアなど「うどんこ病に弱いです」などと注意喚起がされるような植物には油断すると発生します。植物の負担にならない濃度でこまめに散布するか、農薬の適宜使用をご検討ください。
●一昨年は相当困らされたオンブバッタが、去年はほとんど発生しませんでした。レアポケモン並みに見つけると何だか嬉しくなるレベルでした。(は?)
●ナメクジは、梅雨時よっぽどジメジメしているときに少し発生しましたが(去年は地獄スプレーを噴霧しても噴霧してもすぐに雨が流してしまいましたからね……)テデトールとの併用でほとんど蝕害は出なかったように思います。
❲※2021/04/11追記 去年は地獄スプレー希釈倍率かなり濃いめ……たしか330倍かそんくらい……で、ニーム無しでもかなりナメクジを抑えこめていましたけど、今年はその半分、770倍での散布で4月からナメクジ被害が目立つように思います。散布直後の植物も美味しそうにむしゃむしゃしているので、こりゃダメだ() ということで、明日から濃度を上げたいと思います。とりあえず500倍でどうかな。みなさまのお宅でも、環境や状況に応じて柔軟に対応してください❳
❲※2021/04/20追記 あれからしばらく、ジゴスプ500~400倍希釈+ニームオイル0.5ccをほぼ毎日散布してみましたけれど、残念ながらわりと普通にムシャられています。グギギ。どこもかしこも食べちらかされ放題! というわけではなさそうですが。うち、農薬ほとんど撒かないでやってるから、今年はちょっとナメクジに舐められてそうですね。ナメクジなだけに。やかましいわ。
特に蝕害が出ているのはペチュニア、ついで一部のビオラ寄せ植えです。それ以外はあまり見られません。
ペチュニアについては正直アタマ抱えてますけど……さすがナス科、野菜の親戚みたいなもんだからナメクジにもさぞや美味しいのかな……ビオラのほうは、どこの寄せ植えにも発生している、というわけではなく、どうもネメシアと寄せ植えしているところが被害が大きいようです。ネメシア、甘い香りがしますからねぇ……。
せっせとテデトールすることでだいぶ被害が抑えられてはいますけれど、見るのも触るのも存在されるのも嫌!! という方におかれましては、素直に農薬を使うといいかと思います。もしくは、植物に影響が出ないかよくよく観察しつつジゴスプの濃度を上げていくか、コストかかってもいいならニームオイルをケチらずにメーカー規定どおりの濃度で添加すること、ですかね。もう少しうちでもがんばってみます。❳
●カイガラムシはほとんど見られませんでした。(もともとカイガラムシに狙われやすい樹木類がうちにはほとんど無いというのも一因だとは思います)
採種目的で枯れそうになっても放置していた紫蘇には、晩年けっこう発生しましたが、もともと紫蘇は虫がつきやすい植物なのと、食べることを想定しているので観賞用植物ほど容赦なくスプレーしてはいなかったので、そのせいもあると思います。
●コバエは、残念ながらわりとよく発生します。ただしこれは、私が有機肥料を好んで使うことに主な原因があると思います。地獄スプレーをコバエに直接噴霧してみたらちゃんと?悶絶していたので、それなりの忌避効果はあると思います。何故コバエが発生するのか、その原因を調べて、そちらへの対策と同時に地獄スプレーを使うようにすればちゃんと成果は出ると思います。
●パンジービオラの天敵ツマグロヒョウモンについては、去年そのころは少し濃いめの稀釈(330倍くらい?)で噴霧していたのですが、ニームが無くても発生を抑え込めていたように思います。ただしこちらは、去年の春はまだ普通にオルトランを定期散布していたころでもあるので、それの効果の可能性も考えられます。
ちなみに、蝶々や蜂などはわりと平気で飛んできているので、地獄スプレーをブン撒くことによる虫媒効果への悪影響の懸念は低いと思います。去年はパンジービオラの種が千個以上採れました(爆)。
●ガーデニング作業中にジョウロにアシナガバチが陣取って困ったことがあるのですが、距離をとって地獄スプレーを噴霧したところ、少ししてから目や体に異変を感じたのか、動揺した様子で飛び去っていきました。木酢液や竹酢液の焦げ臭いニオイを蜂は嫌うようです。
※ただし、スズメバチなどの攻撃的な蜂や、集団あるいは巣などに地獄スプレーを打つのは危険ですので絶対におやめください。
※前述のとおり、植物への噴霧については、ニオイが薄れてからは蜂も平気で飛び回るようになります。殺傷目的ではなく、あくまでも人間と蜂との適正な距離感を保つための一補助としてご利用ください。
●ヨトウムシについては、流石にあやつらは根性が違う。という感じで、高濃度地獄スプレーやオルトランでも完全に抑えきることはできませんでした。これ以上は植物への悪影響が懸念されたため、むやみに高濃度稀釈をするのはやめて、途中からニームオイルを添加するようにしました。発生をゼロにはできなかったと思いますが、夜間パトロールに出なくてもそれほど目立つ被害は出ませんでした。個人的には、夜間パトロールの必要性がなくなるのであれば高価なニームオイルを添加するのは充分費用に見合うリターンがあると感じています。
●ヒヨドリは、まったく来ません。ときどき鳴き声はしますし、自然が多い田舎なので存在はしているはずなのですが。
ご近所にも実がなる樹木を植えてらっしゃる方はあまり見かけませんので、うちのモリモリビオラなんて綺麗に盛りつけられたサラダボウルみたいなもんでしょうにね。たぶん激マズドレッシングのせいだと思います(笑)。地獄スプレー噴霧してたら電線のほうでギャーギャー文句言ってますよwwww
●夕方に散布作業をおこなうようにすると、蚊に刺されにくくなる、気がします。まあ、確実な保証はいたしかねますので、基本的な蚊よけ対策のほうもきちんとおこなってくださいね。
●番外編扱いになるかもですが、ゼニゴケやコガネムシの発生も相当減りました。ただしこちらは、土壌に竹酢液1000倍稀釈を定期的に灌水しているほうの効果である可能性が高いと思います。
●唯一?のデメリットは、たぶんお察しいただけていると思いますが、手や衣服がむちゃくちゃ臭くなることですwwwww
もっとも、〈吸わない人にとってのタバコ臭〉よりははるかにマシだと思いますけれどね(※個人の感想です)。気になる方は手袋やガーデンエプロンなどをご利用ください。小さいお子さんやペットのいる方、お近くで洗濯物を干している場合などは風向きなどに充分ご注意ください。
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全体とおして、現在は植えつけ時のみオルトランを使っていますが、その後はおかわりオルトランを使うことはほとんどありませんけれど、気になるほどの害虫被害は当家では出ていません。以前まとめ買いしたオルトランのストックを使いきったら、完全無農薬でどこまで頑張れるかという視点で続報があげられたらいいなと思います。(オルトラン無しでも大丈夫という成果があげられたら、オルトランぶんの出費がそっくり浮くので、ニームオイルを買うにあたっての敷居がグッと下がると思います)
繰り返しになりますが、「自己流で1年やってみたけどうちでは大丈夫でしたよ」という以上の保証は何もありません。真似をなさるのであればあくまで自己責任でお願いします。
でも、もしご自身でもやってみたい方いらっしゃいましたら、投稿の際は【地獄スプレー】タグをご利用ください。オリカナが見に行ってニヤニヤするかもしれませんw
それでは皆さま、よい地獄スプレーライフを!
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
ウチにはドクダミコーナーがあり😅暖かくなるとわんさか生えてくるし、唐辛子🌶も去年自分で作って乾燥させた物が沢山あるのでちょうどいい‼️
ドクダミが生えてきたら作ってみよう🤔