warning
error
success
information
サラダにも使える、さわやかな甘みが特徴の果実をつけるペピーノ。ペピーノとは、スペイン語でキュウリのことです。南米のアンデス高地に自生しており、ナス科に分類されています。ペピーノは1980年ごろに日本に導入されました。日本でも人気が高まりつつあるペピーノですが、特にニュージーランドでは広く親しまれている野菜(果実)です。
丈夫で育てやすく、栽培が比較的簡単な植物なので、興味をもった人はぜひペピーノを育ててみましょう!今回は、ペピーノの育て方のコツや収穫方法・食べ方などをご紹介していきます。
ペピーノの栽培は、春~秋の時期は日当たりのよい屋外で管理します。
ペピーノはアンデス高地に自生している植物なので、高温に弱い性質を持ちます。真夏は風通しのよい半日陰など涼しい場所に移動してあげてください。生育適温は18~20℃ですが、25℃を超えると花粉ができず実が付かなくなる習性があります。
涼しい環境で旺盛に生育するペピーノですが、霜にも弱いです。冬場は最低気温が5℃を下回らないようにしてください。最低気温が10℃を下回ったら、室内で管理するようにしましょう。
ペピーノは乾燥を嫌う植物です。春~秋の時期にかけては、水を切らさないようにしましょう。ただし、果実肥大期に水やりをやや控えめにすると、果実の糖度が増します。極端な乾燥には気を付けてください。
ペピーノの栽培では、12月から1月ごろに油かすなどの有機質配合肥料を施します。そののち、3月に化成肥料を適量与えますが、チッソを大量に与えると収穫量と品質が低下してしまいます。肥料の配合成分には気を付けましょう。
ペピーノの栽培には、有機質が豊富に含まれた、肥沃で水はけのよい用土が向いています。市販の野菜用培養土を用いるとよいでしょう。土を自作する場合、赤玉土小粒7:腐葉土3とします。
ペピーノを育てる際は、アブラムシ・ハダニ・オンシツコナジラミなどの害虫に注意しましょう。オンシツコナジラミの駆除には薬剤「スミチオン」の散布が効果的ですよ。害虫予防に葉水を与えてもよいでしょう。
ペピーノの植え付け・植え替え時期は、早春の3月頃が適期です。暖かくなってから植えると着果率が下がるので注意が必要です。
ペピーノが深く広く根をはるため、深さのある鉢を選びます。8~10号鉢がよいでしょう。用土が常に過湿状態にあるのを嫌うので、鉢底の石は多めに入れるのをおすすめします。
ペピーノを含むナス科の植物は、毎年同じ土地で育てていると連作障害が起こります。冬越しした株は、新しい土と鉢に植え替えるようにしましょう。
ペピーノは、初夏に実付きの苗が出回ります。初心者は、それを入手して植え付けてもよいでしょう。葉の緑色が濃く、間延びしていない健康そうな株を選びましょう。
ペピーノの増やし方は、「挿し木」や「種まき」です。
ペピーノの挿し木は、4月から5月、9月から10月が適期です。
枝を5~7㎝に切って清潔な用土に挿してください。用土はバーミキュライトなどがよいです。用土は日陰で乾かないように注意して管理します。1カ月ほどで発根したら植え替えましょう。挿し木から半年ほどで開花・結実します。
ペピーノの種は発芽率があまりよくありませんが、種まきで増やすこともできます。
完熟した果実から種が採取できます。種は充分に乾燥させ、種まき用培養土にまいて覆土してください。土が乾燥しないように管理し、発芽したら鉢上げしましょう。
ペピーノの果実は、直径10~15㎝ほどのコロンとした卵型です。追熟させたものは、カットして生食できます。
メロンと洋ナシを合わせたようなさっぱりとした甘みがあります。未熟果は野菜としてサラダなどに、完熟果は生食で甘みを楽しむことができますよ。
品種によって、糖度が高いもの、ジャムなど加工用に向くものなどさまざまです。そのなかでも特に「ゴールドナンバーワン」という品種は、糖度が高く甘い果実が楽しめますよ。ぜひ、お好みのペピーノを見つけてみてくださいね。
ペピーノの実を保存したい場合、10~12℃で貯蔵すれば長持ちします。果実の表面に縞模様が出る品種の場合、縞模様が薄くなってくると食べごろが過ぎたサイン。このころになるとエグミが増します。
ペピーノの実の収穫時期は、7月から8月頃です。実が淡緑色から黄色になったら収穫し、2~3日追熟させてください。
追熟させて少し柔らかくなったペピーノの実は、生で食べられます。未熟で糖度の低いものは、キュウリのようにサラダなどで食べることもできますよ。
ペピーノを栽培するときは以下の点に気を付けましょう。
ペピーノは常緑多年草ですので、果実の収穫が終わった12月から1月ごろに剪定してあげましょう。
主枝を切り戻して脇芽を育て、2~3本仕立てにするとよいです。ペピーノは脇芽がたくさん出やすいので、定期的に伸びた部分を整枝するか摘み取ってください。あまりにも放っておくと、実が付きづらくなるので注意が必要です。
ペピーノは両性花で自家受粉しますが、結実率が低いです。そのため、4月から6月に人工授粉を行います。満開時がベストタイミングです。毛筆などを使って、花を優しくなでて人工授粉してください。
果実は1つの果房に3個ずつ、大きなものを残してほかの実は摘果します。
ペピーノの品種で代表的なものをご紹介します。
「ゴールドナンバーワン」は、早生種で実付きが良く、果実の糖度の高さが特徴です。甘い果実を楽しみたい人におすすめです。矮性種「ミスキ」は、家庭でも育てやすいコンパクトな品種。ニュージーランドで親しまれている品種です。「エルカミノ」は、紫色の斑が目立つ先のとがった形の果実が特徴。ミスキと同じく、ニュージーランドで一般的な品種ですよ。
熟した度合いで、果実としても野菜としても楽しめるペピーノの実。涼しい気候でよく生長する植物なので、気温さえ気を付ければ比較的簡単に育てられますよ。
ペピーノはさまざまな品種が出回っているので、ぜひ栽培にチャレンジしてみてください。
※トップ画像はmomoranさん@GreenSnap
GreenSnap編集部