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涼しげで人気な観葉植物アジアンタム。巷では育てるのが難しいともいわれていますが、実際はどうなのでしょうか。
この記事では、難しいといわれるアジアンタムの育て方について、水やり頻度や置き場所、土など、栽培のポイントを詳しくご紹介します。
よくアジアンタムは育てるのが難しいという意見を耳にしますが、それは乾燥を好む観葉植物(パキラやガジュマル)と同じ育て方をしているためです。
アジアンタムは湿潤を好むシダ植物の仲間なので、近年人気の観葉植物とは少し違う育て方で育てないと枯れることがあります。
とはいえ、だからといって栽培が難しいというわけではありません。水やりの頻度や置き場所などに気をつけてれば簡単に育てられますよ。元気に美しく育てるためにもこれから紹介する各項目を守って育てましょう。
アジアンタムは湿潤な環境を好む一方で、乾燥や直射日光・強い日差しに弱く、醍醐味である美しい発色の葉が葉焼けしやすい植物です。そのため1年を通して直射日光は避けるようにしてください。
季節別の適した置き場所は次の通りです。
ただし耐寒温度は5℃ほどなので、冬の夜間は室内の暖かい場所に移動させるといいです。夏や冬はエアコンの風が直接あたる場所は避けてください。
アジアンタムは日陰にはやや強い耐陰性がある観葉植物です。明るい日陰程度の場所でも育ちますが、日光不足になると葉の色が薄くなったり、徒長して葉の茂りが薄い軟弱な株になりやすいです。
それでも日当たりの悪い室内に置く場合は、1週間のうち4〜5時間ほど、直射日光を避けた日当たりのいい場所で日光浴させましょう。
アジアンタムは湿潤な環境を好みます。トレードマークの薄いさわやかな葉は保水力がないため水切れを起こしやすく、乾燥すると葉の部分が丸まってやがてチリチリになります。チリチリに枯れた部分は元には戻らなくなるので注意しましょう。
アジアンタムを育てる上で、水やりが一番大切なポイントであり、栽培が難しいとも言われる由縁です。乾燥を好む観葉植物よりも水やり頻度が多めに育てましょう。
アジアンタムは気温が15℃以上になると生育が活発になり、4〜9月ごろの春から夏までは生育期を迎えます。
この時期は土の表面が湿っている半乾き状態のうちに、鉢底から溢れるくらいたっぷりと水やりをしましょう。夏場はとても乾燥が進みやすいため、朝と夕方の1日2回は、最低でも水やりを行うようにしましょう。
ただし、梅雨時期など曇天や雨の日が続く場合は晴れた日に比べて蒸散力が下がり水を吸収しにくくなるため水やりは少し控え目にします。
もしテラコッタや素焼きの鉢に入れて育てる場合は、非常に乾燥しやすいため、水切れを絶対に起こさないように、水やりにはとくに気を配りましょう。とはいえ、水のやり過ぎも根腐れの原因になりますので、通常の水やりと葉水とで、水分と湿度のバランスを取ることが重要です。
1週間程度の旅行で不在になる場合には、水やりをしっかりとしてから、麩船に水を張ったお風呂場に置いておくようにし、湿度の高い環境をつくっておくようにすればOKです。
気温が15℃以下の秋〜冬の寒い時期は、春~秋の生育期に比べて水やりの回数は少なくてOKです。
しかしアジアンタムは乾燥を嫌う性質があるので、土の表面が乾いている場合には、十分な水やりを行うようにしてください。
1週間程度不在になる場合には、室内の暖かな場所で水やりをしてから、透明ビニール袋を上から優しく被せておきましょう。
葉水(霧水)で水やりするとなおよし!
また、アジアンタムを室内で育てている場合は、一年を通じて、霧吹きで葉水を与えてあげるようにすると葉の乾燥を抑えられます。
とくに水やりが遅れて葉先が丸まっているような状態は、チリチリに枯れる一歩手前の状態です。効率よく葉に水分を行き渡らせるためにも葉水をしましょう。
葉水をするときは、鉢ごとビニール袋にいれて霧吹きで水を吹きかけたあと、ビニール袋の口を閉じて、半日ほど日陰に置いておきましょう。そうすると丸まった葉が復活するはずです。
アジアンタムは4月に緩効性化成肥料を適量与えるか、4月〜9月の間、液体肥料を1週間に1回、水やりの代わりに与えてください。
肥料を与えることで、よく葉が茂るようになったり、葉の発色もよくなりますが、基本的には肥料なしでも育ちます。
さらに茂らそうとして濃いタイプの肥料を与えたり、頻度や量を多くするのは根が傷む原因となりうるので避けましょう。また、寒い冬場の時期は休眠期に入るので、肥料はとくに必要ありません。
アジアンタムの栽培に適した用土は、水はけがいい土です。湿潤を好むからといって、水はけが悪い土で育てるのはやめましょう。
市販で売られている観葉植物用培養土がおすすめですが、草花用培養土を使いたいときは川砂を2割ほど混ぜて使うといいでしょう。
アジアンタムの植え替えは5〜9月の間に行いましょう。この時期はアジアンタムの生育期にあたるので、植え替えのダメージからの回復も早いです。
なお、アジアンタムは1年に1回の頻度で植え替えをしましょう。植え替えが遅れると根詰まりして水を吸収できなくなり枯れてしまいます。
また、秋〜冬の時期の休眠期に植え替えをすると、植え替えでうけたダメージから回復せずに枯れてしまったり、そもそも根付かずに枯れてしまうこともあるので気をつけてください。
アジアンタムがチリチリに枯れてしまった場合や、新芽がでずに古い葉だけが残って株がスカスカになっている状態のときは、植え替えと同時に切り戻し剪定をしてあげるといいです。
詳しい方法はこちらの記事をチェックしてみてください。
アジアンタムの増やし方は、一般的には「株分け」で簡単に増やすことが可能です。なおアジアンタムはシダ植物のため、自然界では種子ではなく胞子で増えていきます。人工的に胞子から増やすのは難しいですが、挑戦してみるのも面白いかもしれません。
株分けに最適な時期は5~8月頃です。寒い冬の時期までに根っこを張らせるためには、遅くとも9月までに行うのが良いでしょう。大きく生育した株は、植え替えと同時期にするといいです。
ナイフなどを使って株元に切れ目を入れてから、手でそれを2~4株程度に割きます。発芽するまでは乾燥しないように日陰の環境下で管理をし、発芽したら、通常通りの管理に戻します。
アジアンタムを胞子から増やす場合は、秋頃採取できる粉状の胞子を水で湿らせた水苔に付着させて、長期間湿らせた状態の中で管理してください。
蓋ができる瓶にいれて霧吹きをして育てるといいです。
元の株のような観葉植物として楽しむには数年かかることもありますが、しばらくは苔テラリウムのような風情で楽しむことができますよ。
アジアンタムは土を使わないで育てる水耕栽培や、ハイドロカルチャーでも育てることができます。
アジアンタムは細い根がいくつも伸びていく植物なので、できれば水耕栽培で育てる場合はスポンジなどを支えにしたり、ハイドロカルチャーなら粒が小さいものを用意するといいでしょう。
土栽培から水耕栽培に植え替えるときは、バケツに水を張って土を全てきれいに落としてください。根を半分ほど切り落として植え替えましょう。
このとき容器の底一面が隠れる程度、根腐れ防止材のゼオライトを入れておくと、根腐れしにくくなります。
植え替えた直後は明るい日陰のほどの場所で管理してください。また根を切ったことで水を吸う力が弱まっているので、葉の表裏にいきわたるようたくさん葉水をしてあげるといいです。
水は毎日交換してください。水の量は根が4分の1〜5分の1ほど浸かる程度です。とくに夏場は菌が湧きやすいので気をつけましょう。
肥料は液体肥料を適量水に混ぜて使います。通年暖かい場所で育てるのであれば1週間に1回ほどは与えましょう。冬場寒くなるのであれば肥料は控えてください。
害虫としては、湿度の高い環境を好むアジアンタムですので、ナメクジやカタツムリがよく付きます。
新芽が狙われやすいので発見次第、箸でつまんで捕獲します。誘殺剤などを利用して駆除してもOKです。
ここで注意してほしいのが、葉の裏のブツブツは胞子の袋で、虫の卵ではありませんので間違ってバッサリ切らないようにして下さい。
今回は、観賞用や室内のインテリアとしても素敵なアジアンタムの育て方についてご紹介してきました。
ポイントに注意すれば比較的育てやすく、美しいグリーンの葉をたくさん茂らせて私達の目を楽しませて癒してくれます。
この記事を参考にぜひあなたも一度アジアンタムを育ててみてくださいね。
榊原斗武
GreenSnap編集部