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チューリップの花が終わったら、翌年の花を咲かせるためにも掘り上げて保存するのが基本ですが、じつはちょっとしたポイントをおさえれば植えっぱなしでも翌年咲いたり増やすことができます。
この記事では、チューリップの球根の掘り上げ方・球根の保存方法、植えっぱなしにする場合の管理方法や増やし方についてご紹介します。
チューリップは花が終わったら、球根は植えっぱなしにせず、掘り上げて保存すると、翌年も開花しやすくなります。
チューリップは日本の蒸し暑い夏が苦手で、植えっぱなしにしていると土の中で弱ったり、雨で腐ることがあります。そうなると翌年の花を咲かせる体力がなくなってしまうため、花後に掘り上げて保存します。
とはいえ、球根を植えっぱなしにしていても、じつは管理のポイントさえ抑えれば、翌年花を咲かせる可能性もあるので、記事の後半でご紹介しますね。
チューリップの花が終わったら、まずは葉っぱと茎を残して、早めに花がらを摘み取りましょう。摘み取るのは花びらの生え際から上の部分です。
なお花がら摘みをするときは、次の3点に注意しましょう。
花が終わっても花がらを取らないでいると種ができ、球根に栄養分が行き渡らなくなってしまい、翌年咲くための子球が太らなくなるため、早めに摘み取りましょう。
チューリップの球根を掘り上げる時期は、チューリップの葉が茶色く枯れてたころをサインにしてください。品種や地域にもよりますが、チューリップの花が終わってだいたい1ヶ月〜2ヶ月ほどが目安です。
心配であれば試しに1株掘ってみて、球根の表皮が茶色くなり始めていれば大丈夫です。
チューリップの球根の掘り上げ方は、地植えなら葉から20cm以上離れた位置にスコップを20〜30cmの深さまでさして、テコの原理で掘り上げます。鉢植えならそのまま鉢を倒して取り出しましょう。
球根を掘り上げたら、球根まわりについた土をあらかた落として、半日ほど天日干ししましょう。水で洗い流すのは、球根が腐る原因になるので控えてください。
球根を持って、根や茎葉をひねるようにすると、簡単に外れます。
なお、チューリップの球根を保存するときは、ウイルスなどの病気感染を防ぐために、ハサミやナイフなどを使わず、手袋や軍手などをはめて作業しましょう。
大きい球根から子球ができているときは、手で引き剥がして分球します。らっきょうサイズの子球では花を咲かせるエネルギーが足りないので、はぶいておきましょう。
小さい子球は処分してもいいですが、他の球根とは分けて植えて葉だけしげらせておくと、球根が太ってさらに翌年用の開花球根として使えます。
チューリップの薄皮は、次の根や茎が生えてくるときに邪魔になるので、簡単に剥がれる部分だけむきます。無理にむくと球根が傷つくので気をつけましょう。
分球して整理した球根は、ネットなどにいれて風通しのいい日陰で乾燥させましょう。このとき、必ず雨が当たらないような場所を選んでください。一緒に乾燥剤をいれておくのもおすすめです。
チューリップの球根は、次回の植え付け時期にあたる10〜11月まで、そのまま日陰で保管しておいてください。
掘り上げた球根を植えるときは、ベンレート水和剤やオーソサイド水和剤などの消毒液に15分ほどつけて殺菌しておくと安心です。
チューリップは一定の寒さに当てることで開花しますが、この性質を利用し、10〜11月に冷蔵庫で保存することで、冬咲きのチューリップが楽しめます。
冷蔵処理をするときは球根を紙袋にいれて冷蔵庫に入れ、2〜3週間0〜5℃ほどの温度で管理してください。
チューリップの球根は植えっぱなしのままでも、うまく管理すれば翌年も咲くことがあります。とくに原種チューリップはもともとの性質が強いので、植えっぱなしのままでも咲きやすいです。
チューリップの球根を植えっぱなしにして、翌年も咲かせるには、球根を温めすぎないこと・水を与えないことが大切。
まず、鉢植えなら明るい日陰の雨が当たらない軒下に移動してください。このとき一回り大きい鉢にいれて隙間を土で埋める二重鉢にしておくと地温上昇を抑えられます。
地植えの場合は、腐葉土やバークチップなどでマルチングして、地温上昇を抑えましょう。できれば雨除けをしておくと腐りにくくなります。
ただし花が以前よりも小さくなったり、葉っぱだけしか生えない株がいくつかできてしまい花数が減る可能性があるので要注意。基本的には掘り上げて保存しておくのがおすすめです。
チューリップの球根の増やし方のコツは、いかに球根を太らせて栄養を蓄えさせるかです。
そもそもチューリップは、球根に開花させるエネルギーが溜まっています。この球根は母球として開花中からしぼんでいき、そのかわりに新しい子球をつくりだして翌シーズンに向けて栄養を蓄え、増えていきます。
つまり、球根の分球をうながして、よく太った子球をにするには、開花してからのお手入れが大切。ということで、次の4つのポイントを覚えておきましょう。
とくに、花後は水やりを忘れがちになります。花が終わったあとも葉っぱと茎は光合成し、球根に栄養を蓄え続けているので、葉っぱが枯れるまでは引き続き水やりを続けましょう。
チューリップは一手間くわえれば、毎年そのかわいいお花を楽しめます。何年もチューリップと付き合っていると、何世代ものチューリップを育て支えているようで、咲いたときの感動もひとしおですよね。
植えっぱなしでも翌年咲かせる方法はありますが、たくさん充実した花を咲かせたい場合は、球根を掘り上げて保存しておくのがおすすめです。みなさんもチューリップの球根を掘り上げて、来年も楽しんでみてください♫
松原真理子
GreenSnap編集部