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庭木として人気のシマトネリコは、生長が早く大木になりますが、剪定である程度大きさをコントロールできるので観葉植物としても親しまれています。今回は、そんなシマトネリコの育て方や栽培のコツ、手入れの方法などについて詳しくご紹介します。
シマトネリコは、初夏に白い花を咲かせたり、斑入り品種もあるなど観賞用として楽しめる要素がたくさんある樹木なので、ぜひチェックしてみてください。
シマトネリコは、亜熱帯から熱帯地域にかけて自生している半常緑の高木です。密に茂った小ぶりで光沢のある葉が、繊細で涼しげな印象を与えます。原産地は沖縄などの温暖な地域ですが、比較的寒さに強いため、関東より西の地域なら、庭木や街路樹としても楽しめます。
シマトネリコは、庭のシンボルツリーとして利用できる大きく立派な株から、デスク上に置いて楽しめるコンパクトなミニ観葉まで、さまざまなサイズの株が販売されています。
ミニ観葉なら、ハイドロカルチャーや水挿しで育てることもできます。利用用途によって、ぴったりのサイズの株を選んでみましょう。また、アブラムシなどの害虫が付いていたり、葉が黄色くなって弱っている株は避けたほうがよいです。
シマトネリコは室内のほか、関東より西の暖地であれば屋外でも育てることができます。半常緑樹ですが、室内管理や暖地で育てる場合は冬場もあまり葉を落とさないので、一年中緑を楽しめます。
シマトネリコは暑さに強く、日当たりのよい場所を好みますが、明るい半日陰でも育ちます。一方、寒さにはあまり強くないので、戸外で育てるなら暖地が向いています。気温が-5℃を下回ると、枯れてしまうこともあるので注意してくださいね。
シマトネリコを観葉植物として室内で管理する場合、冬場はガラス越しの日光が当たる場所、春秋の生育期には直射日光が当たる場所、夏はレースカーテン越しの日光が当たる場所に置いてあげましょう。
シマトネリコは乾燥が苦手なので、水やりには気をつけましょう。
シマトネリコは葉が多く生長が早いので、水をよく吸収します。植え付けて2年未満の株は、鉢植え・地植えともに表土が乾いたらたっぷりと水を与えます。植え付け後2年が経過した地植えの株には、よほど乾燥が続かない限り水やりしなくて大丈夫です。
鉢植えの場合、春から秋の生育期には土が乾く前に、冬は土が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。
シマトネリコは、肥料がなくても育ちますが、大きく元気な株に育てたい場合、以下の要領で肥料を与えてください。
地植えでは、元肥として2月ごろに有機質肥料を株元に埋めこんであげましょう。鉢植えの株には、4月から10月までの間、緩効性の化成肥料を2カ月に1回ほど施します。
シマトネリコの植え付け時期は、3月中旬から4月頃が適期です。
シマトネリコの栽培には、水はけと水もちのよい肥沃な用土が向いています。鉢植えの場合、市販の観葉植物用土が便利です。
地植えも鉢植えも、植え付ける際に用土に元肥を施すと、株が元気に育ちます。有機質肥料か緩効性化成肥料がよいでしょう。
シマトネリコは生長が早く根詰まりしやすい植物ですので、鉢植えの場合は1年~2年に1回、一回り大きな鉢に植え替えるようにします。
鉢植えで根詰まりしてしまった株を植え替える場合、鉢から抜き取った株の根から竹串などを使って古い土をある程度落とし、古い根や傷んだ根を切り取ってあげます。その後、一回り大きな鉢に植え替えるとよいでしょう。
シマトネリコは、株立ち・単幹どちらの株も出回っています。樹形の好みや植え付ける場所を考えて選んでみてください。一般的には、株立ちのほうが人気があり価格も高い傾向にあります。
シマトネリコは根元が何本かの幹に分岐した株立ちか、1本の幹を育てる単幹のどちらかの樹形に仕立てることができます。
株立ちは、一本一本の幹が細めで生長が比較的緩やかなのが特徴。全体の枝葉が多いので存在感があります。雑木のようなナチュラルな雰囲気があり、庭のシンボルツリーとして人気の樹形です。
ただし、株立ちが大きくなると、幹の数が多いぶん幅をとることになります。そのため、スペースには余裕をもって育てるか、定期的に剪定してサイズ調整しましょう。
単幹の場合、栄養が1株に集中するため大きく強く生長するのが特徴です。生長スピードも早く、幹の上方の枝葉がよく茂ります。単幹に仕立てたシマトネリコは、街路樹として用いられることが多いです。
環境によってはかなり大きくなってしまう場合もあるので、植え付けは広い場所を選ぶようにしましょう。
シマトネリコの増やし方は、「挿し木」が一般的です。挿し木の適期は5月から10月中旬であれば真夏や梅雨時期をのぞいていつでも大丈夫なので、剪定がてら一緒に挑戦してみましょう。
シマトネリコじゃ生育旺盛で枝が伸びるスピードも早く、放っておくとすぐに大きくなる植物です。
枝が伸び、葉が茂りすぎてしまうと、シマトネリコの特徴である涼しげな雰囲気が失われてしまうこともあります。大きくなりすぎたと感じたり、姿形が乱れてしまった場合は剪定します。
剪定時期は3月か9月頃が適期ですが、真冬以外は随時枝を切り戻してもよいです。太い枝を切った場合は、切り口に雑菌が入るのを防ぐ役目の癒合剤を塗りましょう。なお、剪定には剪定ばさみを使用してください。
シマトネリコは病害虫の被害は少ないほうですが、風通しの悪い環境で管理するとアブラムシやカイガラムシが発生することがあります。アブラムシやカイガラムシの排泄物は、すす病も誘発するので注意が必要です。
予防のために風通しを良くするか、発生したら薬剤を散布して速やかに駆除しましょう。こうした害虫は、新芽や若い枝、日照不足で弱った株に付きやすくなります。
シマトネリコは、開花時期の5月から6月に白い花を咲かせます。枝先に密生して円錐状に小さな花が咲きますよ。なお、花を楽しみたい場合は、花期直前の剪定は避けましょう。
また、開花後は細長く垂れ下がった形の実を付けます。この実から落ちた種が、実生として育っていきます。
シマトネリコの花言葉は、「偉大」「荘厳」です。
シマトネリコには、葉に斑が入った品種があります。よりナチュラルで軽やかな雰囲気が出て、観葉植物として楽しむのもおすすめです。
シマトネリコ(タイワンシオジ)は、庭木としても観葉植物、木材としても幅広く楽しめる樹木です。シマトネリコの木材は弾力性があるので、野球のバットやテニスのラケットの材料になることもあります。
株立ちか単幹かで印象や楽しみ方も変わるので、ぜひいろいろな仕立て方にチャレンジしてみてください。
※トップ画像はTakaakiさん@GreenSnap
GreenSnap編集部