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庭木は庭づくりの基礎となる、大切な要素です。地にしっかりと根をはる樹木は、草花のように、簡単には植え替えできないので、樹種やレイアウトはよく考えて選びましょう。
今回は、おすすめの庭木の種類や、庭木を選ぶときのポイントをご紹介します。
庭木とは読んで字のごとく、庭にある木のこと全般を指しています。ただ、庭にある木といえども、じつはさまざまな役割をもっている場合をもっているんですよ。
このような庭木があると庭の雰囲気はガラッと変わります。いろんな庭木を組み合わせて庭づくりを楽しむのもおすすめです。
また、樹木は地植えする場合、根づいたら簡単には動かすことができないので、どんな種類の木がいいのか、どんな特徴の木を選ぶべきか慎重に考えていきましょう!
庭木を選ぶときは目的をはっきりさせておきましょう。
たとえば、庭木を目隠し用で植えたいというときは、葉が一年中ついている常緑樹を選んだり、イングリッシュガーデンを楽しみたいというときは、花が咲く低木を選ぶといった考え方もあります。
目的に合った庭木を選ぶためには、次のような樹木の3つの特性を理解しておくこと
が大切です。
常緑樹 | 一年中緑色の葉をつけ、一斉に落葉しない樹木。目隠し効果は高いが、一年中少しずつ葉を落とすのでこまめな手入れが必要。 |
落葉樹 | 秋に紅葉し冬になると落葉する樹木。目隠し効果はないが、季節の変化を楽しめたり、夏は日除けに、冬は日向をつくるといった使い方もできる。 |
一本立ち | 地際から一本の幹を伸ばして、幹上部から枝分かれさせて伸びる樹形。上へと伸びやすいのでよく目立ってシンボルツリーにもおすすめ。 |
株立ち | 地際から複数の幹を伸ばして、根元から枝分かれして伸びる樹形。横へと広がって伸び、管理しやすい高さで目隠し効果にもなる。 |
小低木 | 樹高が1mほどにしかならない樹木。もともと高くならないため管理しやすいが、目隠し効果は薄い。 |
低木 | 樹高が1m〜1.5mほどに伸びる樹木。成長スピードは高木より遅いので、庭木にしても手入れがしやすく、生け垣にもおすすめ。 |
小高木 | 樹高が2m以上〜8m以下に伸びる樹木。成長スピードが早いが、定期的に剪定をして育てると、しっかりとした太い幹の株姿を楽しめる。 |
高木 | 樹高が8m以上に伸びる樹木。成長スピードがもっとも早く、幹も太くなりやすい。 |
庭木を選ぶときは、庭のデザインやレイアウトを事前に考えておきましょう。
たとえば、アプローチや通路などの生活動線の近くに植えるなら、通路の邪魔にならない樹木を選ぶようにするといいです。また、窓の近くに植えるなら、四季の変化を楽しめたり、日当たりを調整してくれる落葉樹を選ぶのもおすすめです。
ナチュラルでおしゃれな庭づくりをしたいなら、自然な佇まいの株立ちの樹木を植えたり、シンボルツリーを目立たせたいなら、低い樹高の庭木を合わせるなど、庭づくりの雰囲気に合わせた樹種を配置しましょう。
【一本立ち/小高木:2〜7m/開花期:5〜6月】
オリーブは、深緑色のくすんだような色の葉をつける樹木です。葉裏はシルバーがかっていて風に揺れるととても綺麗です。
繊細な雰囲気は、ナチュラルガーデンなどにもおすすめで、おしゃれな庭木として人気です。初夏には細かい白い花を咲かせ、芳香も楽しめます。
【一本立ち/小高木:2〜7m/開花期:品種によって異なる】
コニファーとは、主にヨーロッパに自生する針葉樹の総称です。園芸用にたくさんの品種が輸入されており、とくに人気なのは「ゴールドクレスト」や「ブルーアイズ」などです。庭木はもちろん、生け垣などにもおすすめです。
【一本立ち/小高木:3〜7m/開花期:6〜7月/結実期:10〜11月】
ソヨゴは濃い緑色の葉が美しく、雌株は秋頃にぶら下がる赤い実には、サクランボのようなかわいらしさがあり、庭木として人気の樹木です。樹形が自然にまとまりやすいので、剪定も難しくありません。
【一本立ち/高木:12〜30m/開花期:4〜5月/結実期:10月】
ユーカリはオーストラリアを代表とする樹木で、現地のような暖かい気温下では、品種にもよりますが、50mを超える大木に育ちます。高性なので、定期的な剪定が必要ですが、しっかりと幹も太っていくので、存在感のある庭木となります。
【株立ち/高木:5〜10m/開花期:5〜7月/結実期:10月】
シマトネリコは沖縄や台湾に自生するトネリコ属の樹木です。美しい小葉が並ぶようにつき、風に揺れると涼しげで、庭木として人気が集まっています。本来は一本立ちですが、庭木としては、株立ちで仕立てられたシマトネリコが、野趣に富んでいておすすめです。
成長が早いので管理の際は注意しましょう。
【一本立ち/小高木:3〜10m/開花期:9〜10月】
キンモクセイは、秋に香り高いオレンジの花をつける樹木です。育てやすく、性質も丈夫なので初心者でも安心して育てられます。
潮風にあたっても枯れないので、沿岸の住まいで庭木として植えるのもおすすめです。放任すると大きくなるので管理の際は注意しましょう。
もっと常緑樹の樹種を知りたい方は>>コチラの記事<<へ
【株立ち/高木:5〜15m/開花期:4〜5月/結実期:9月】
アオダモは、比較的細めの幹をいくつも枝分かれさせて伸ばす、自然な樹形が魅力の樹木です。軽やかな佇まいは、ナチュラルガーデンなどの庭木におすすめで、近年人気が高まっています。春に咲くポンポンのような白い花も、かわいらしく、四季の変化を楽しめます。
【一本立ち/高木:5〜12m/開花期:4〜5月/結実期:9〜10月】
ハナミズキは、春の開花や秋の紅葉が見事な樹木です。育てやすく性質が強いので街路樹にもよく利用されており、庭木にもおすすめです。春の開花で花のように見えるのは、ガクが変化したものです。
花は比較的長く鑑賞できます。
【一本立ち(株立ち)/高木:5〜10m/開花期:4月下旬〜5月/結実期:10月】
ヤマボウシは、初夏に白い花のように見えるガクを展開させ、満開時には株全体が白くなる、存在感のある樹木です。秋には赤い実がつき、食べることもできます。開花や実の収穫が楽しめる庭木として人気です。
【一本立ち・株立ち/高木:3〜4m/開花期:6〜8月/結実期:9〜10月/落葉性】
スモークツリーは初夏になると花径5mmほどの小さな花を沢山咲かせる樹木です。遠目からみると煙くすぶっているように見える花柄をもつことからその名がつきました。
自然に放任すると、樹形が整いにくいので、全体を良く見て剪定を行いましょう。
もっと落葉樹の樹種を知りたい方は>>コチラの記事<<へ
【株立ち/低木:1〜3m/開花期:4月/落葉性】
ドウダンツツジは、春ごろに釣鐘状の花を咲かせる人気の庭木です。開花のみならず見事な紅葉も楽しめるので、四季の変化を楽しめて飽きません。落葉性なので冬に葉を落としますが、刈り込みに強いので生け垣にも使えます。
【一本立ち/低木:1〜3m/開花期:2〜3月/常緑性】
ジンチョウゲはテマリ状に小さな花を密集させて咲く低木です。甘く爽やかな香りが特徴で、2〜3月の開花時期になると香りが増します。耐寒性が高く、関東以西であれば地植えで問題なく育つので、庭木におすすめです。
【株立ち/低木:1〜3m/開花期:6〜7月/落葉性】
梅雨の風物詩であるアジサイは、育てやすくて見事な花を毎年咲かせる庭木の花木として人気です。
アジサイの種類は3000種類以上ともいわれており、縁どるように咲くガクアジサイや、テマリ状に咲くホンアジサイ、西洋の園芸品種ハイドランジアなど、さまざまな花いろや咲き姿が楽しめます。
【株立ち/低木:2〜3m/開花期:8〜10月/結実期:10〜翌2月/落葉性】
芙蓉は夏から秋にかけてピンク色の大輪を咲かせる樹木です。室町時代の画僧である雪舟の作品に数多く描かれており、古くから日本で愛されてきた歴史があります。
もっと低木の樹種を知りたい方は>>コチラの記事<<へ
【株立ち/低木:1m/開花期:6〜7月/結実期:8〜9月/常緑性】
ビヨウヤナギは鮮やかな黄色い花を上向きに咲かせる樹木です。常緑性で優れた環境適応能力を誇ることから、一年通して樹木の足元をカバーしたり、広い面積の植栽帯を埋めるのにも活躍します。
【株立ち/低木:1〜1.5m/開花期:5〜10月/常緑性】
アベリアは近年公園や道路沿いの街路樹として植樹されている樹木です。優れた耐寒性・耐暑性によってもたらされる開花期の長さが最大の特徴で、5〜10月に渡り白色やピンク色の花を観賞できます。
さまざまな品種が出回っていますので品種によって葉のいろや成長の仕方にも差があります。
【株立ち/低木:2〜3m/開花期:5月/結実期:9〜10月/落葉性】
ガマズミは北半球の温帯地域を中心に自生する樹木です。白い花が咲く春・赤い実の成る夏・紅葉する秋と、四季折々の変化を楽しめます。
【株立ち/低木:1〜2m/開花期:3月中旬4月/結実期:5〜6月/落葉性】
ユキヤナギは春先になると白い花を穂状に咲かせる樹木です。公園や花壇にたびたび植えられており、頭を垂れたような姿がひときわ印象に残ります。
【株立ち/低木:1〜3m/開花期:3〜5月/結実期:12〜翌6月/常緑性】
アオキは光沢のある大きな葉をもつ樹木です。耐寒性・耐暑性はもちろん耐陰性にも秀でています。斑入りの品種もあり、寒さの厳しい冬場の庭をカラーリーフと赤い実で彩ってくれます。
もっと目隠し効果のある樹種を知りたい方は>>コチラの記事<<へ
【株立ち/低木:1〜4m/開花期:4〜5月/結実期:10月/常緑性】
シャリンバイは春に白い花を咲かせ、秋には紫色の果実を実らせる樹木です。強健な性質に加え、近年温室効果ガスの吸引効果に注目が集まったことから、大規模交通の走る都市部や団地に植樹されています。
【株立ち/低木:1.5〜2.5m/開花期:2〜4月/結実期:9〜10月/常緑性】
アセビは春の訪れとともに小さな白い花を密集して咲かせる樹木です。馬がアセビを口にすると、有毒成分のアセトポキシンの作用によって千鳥足になってしまうことから馬酔木と名付けられたそうです。
【株立ち/高木:10m/開花期:5〜6月/結実期:10〜12月/常緑性】
イヌツゲは関東以南の比較的暖かい地域を中心に広く分布している常緑性の樹木です。球形仕立てなどの刈り込みにも耐える強健性をもっているため、色々な樹形にして観賞できます。
【一本立ち/低木:1〜3m/開花期:5〜6月/結実期:10〜11月/常緑性】
ギンバイカは花や実、枝に至るまで様々な部位からフルーティーな香りを放つ樹木です。刈り込みへの耐性も高く観賞にピッタリなものの耐寒性には乏しいため、寒冷地では防寒対策を施してあげましょう。
【株立ち/低木:1〜2m/開花期:4〜5月/結実期:10〜11月/落葉性】
メギは春先に黄色い花を咲かせたと思えば秋には紅葉と果実を楽しめる、年間通じて観賞できる樹木です。大胆な刈り込みも可能ですが、枝にある鋭いトゲに注意する必要があります。
【一本立ち/低木:2m/開花期:5〜6月/結実期:9〜10月/落葉性】
サンザシは北半球の温帯を中心に約200種類存在している樹木です。強健な性質のなかでも極めて強い耐寒性を示すため、寒冷なヨーロッパでは街路樹として活躍しています。
もっと生垣になる樹種を知りたい方は>>コチラの記事<<へ
【一本立ち/高木:5〜25m/開花期:4〜5月/結実期:5月/落葉性】
モミジは日本の秋を象徴する樹木の一種です。草木の赤や黄色に変色する様子を表す動詞「もみず」が転じてモミジと呼ばれるようになったとされています。
【株立ち/低木:2〜3m/開花期:6月/結実期:10〜11月/落葉性】
ムラサキシキブは秋の深まりとともに鮮やかな赤紫色の果実をつける樹木です。かつては「ムラサキシキミ(紫重実)」と呼ばれていたものの、平安時代に活躍した作家紫式部になぞらえてムラサキシキブへと変化したと言われています。
【株立ち/中高木:3〜6m/開花期:4〜5月/結実期:9〜10月/常緑性】
トキワマンサクはマンサク科トキワマンサク科に分類される唯一の樹木です。春になると、リボン状の花が卵型の小さな葉とともに風に揺られる様子を観賞できます。
【一本立ち/高木:3〜20m/開花期:3〜4月/落葉性】
サクラは古来より日本人に愛されてきた、春を象徴する樹木です。見た目の美しさだけでなく、個人でも比較的簡単に栽培できる強健さも兼ね備えています。成長が早いので管理の際は注意しましょう。
【株立ち/低木:1〜1.5m/開花期:4〜5月/結実期:9〜10月/落葉性】
コデマリは育てやすさと観賞価値のバランスがとれた樹木です。暖かくなる4月に咲き乱れる白い花は見事で、切り花としても重宝されています。
【株立ち/高木:8〜10m/開花期:3月〜4月/結実期:7〜8月/落葉性】
コブシは日本各地の野山に自生する、サクラとともに春を代表する樹木の一種です。コブシの開花を合図に田植えの準備を始めていたことから、「田植え桜」とも呼ばれています。
【株立ち/低木:1〜2m/開花期:6〜7月/常緑性】
クチナシは香水にも利用されることもある甘い香りを放つ花を咲かせる樹木です。初夏に花を咲かせた後も秋には紅色の果実をつけるため、長期に渡ってクチナシを楽しめます。
【株立ち/低木:2〜3m/開花期:5〜6月/結実期:6〜7月/常緑性】
カルミアは金平糖を思わせる星型の花を数多く咲かせる樹木です。虫の飛来とともに雄しべを飛び出させることで、花粉を虫につける特徴があります。
もともとはアメリカ原産の樹木だったものの、日本からの桜寄贈に対する返礼として贈られた結果、日本に普及しました。
【一本立ち・株立ち/高木:4〜5m/開花期:4月/結実期:10月/落葉性】
モクレン(紫木蓮)は春になると、外側が紅色で内側は白い紅白の花を咲かせます。耐寒性・耐暑性に優れていることから、初心者でも比較的簡単に育てられます。成長が早いので管理の際は注意しましょう。
【一本立ち・株立ち/中高木:10m/開花期:7〜10月/結実期:9〜11月/落葉性】
サルスベリは中国南部を原産とする樹木です。「百日紅」と呼ばれるように、夏の暑く花の少ない時期に長期間に渡って花を観賞できます。
【株立ち/低木:4m/開花期:12〜翌2月/結実期:5〜12月/落葉性】
ロウバイは江戸時代に日本へと持ち込まれた中国原産の樹木です。まるでロウ細工を彷彿とさせる黄色い花からは、石鹸のような清潔感ある香りを漂わせます。
【株立ち/低木:1〜2m/開花期:7〜9月/結実期:9〜10月/落葉性】
ムクゲは初夏から晩夏にかけて長く大輪を咲かせる、夏を代表する樹木の一種です。耐暑性だけでなく越冬可能な耐寒性も兼ね備えているため、翌年の夏も開花を楽しめます。
【株立ち/低木:2〜3m/開花期:3〜4月/結実期:9〜10月/落葉性】
ボケは平安時代には既に中国から渡来していたものの、その後大正時代に至るまで普及しなかった歴史をもつ樹木です。現在は庭木はもちろん、生け垣や切り花など多くの場面で重宝されています。
トゲがあるので植え付ける場所には注意が必要です。
【一本立ち/低木:1〜2m/開花期:4〜5月/落葉性】
ブルーベリーは実を収穫できる庭木としても人気です。初心者の方でも春の白い花と、夏から秋にかけては、実の収穫を楽しむことができる低木です。寒さなどの条件がそろうと秋には真っ赤に紅葉するので、四季の変化を楽しめます。
【株立ち/中高木:1.5m〜/開花期:5〜6月/収穫期:10〜11月/常緑性】
目隠しに適した常緑性の葉をもつフェイジョアは10〜11月に収穫期を迎える果樹です。強健な性質をもつため栽培に手間はかからず、初心者でも簡単に果実にありつけます。
樹形が乱れやすいで実を収穫した後に樹形を整える剪定をしましょう。
【一本立ち/低木:〜2m/開花期:花は咲かない/収穫期:8〜10月/落葉性】
イチジクは低木で育てやすく、甘い濃厚な味わいが楽しめる果樹です。花は果実の中で咲くので開花は楽しめませんが、夏から秋にかけて甘い香りとともに実がなります。
樹形が乱れやすいで実を収穫した後に樹形を整える剪定をしましょう。
【株立ち/高木:15m/開花期:3〜4月/収穫期:6〜7月/常緑性】
”山になる桃”という由来をもつヤマモモは庭木や街路樹としても活躍している樹木です。初夏に実らせる紅色の果実は生食だけでなくジャム加工などにも利用できます。
成長が早いので管理の際は注意しましょう。
もっと果樹の樹種を知りたい方は>>コチラの記事<<へ
今回ご紹介した庭木のおすすめの種類は、どれも基本的に強い性質を持ち、初心者でも育てやすい樹木ばかりです。ぜひ、庭木の特性やレイアウトをよく考えて、ステキな庭づくりを目指してください!
松原真理子
GreenSnap編集部