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水仙は秋植え春咲き球根のひとつです。日本では平安時代に中国から伝わった水仙が野生化した日本水仙がなじみ深いですが、もともとは地中海沿岸部に自生する植物で、最近ではいろいろな花姿の水仙を花壇に植えて楽しむことが増えてきました。
そこで今回は、なかでもとくに西洋系の水仙の育て方について、球根の植え方や植える時期など詳しくご紹介していきます。
水仙は秋植え春咲き球根で、暑さには弱く寒さに強い性質があります。むしろ寒さにしっかりと当てることで春に花が咲くようになるので、基本的には屋外で地植えか鉢植えにして育てましょう。
水仙の種類は1万を超えるほどありますが、日本水仙と西洋系水仙では、球根を植える時期や開花時期が異るので注意しましょう。日本水仙の詳しい育て方についてはこちらの記事でご紹介しているので、ご参考ください。
植え方と水やりが間違っていなければ、水仙は2月~4月頃に開花時期を迎えます(日本水仙は12〜2月)。
ほかの春の花よりも一足早く春を告げる花として、花壇で凛と咲いてくれるのが水仙の魅力です。花からはほのかな甘い香りも楽しめますよ。花が咲かない場合はこちらの記事を参考にしてみてくださいね。
なお、水仙には食べると死に至る危険性もある有毒成分が含まれています。育てて花を楽しむ分には問題ありませんが、ペットや小さなお子様がいるご家庭では取り扱いに注意しましょう。
水仙の球根を植え付けする時期は10月〜11月が適期です。
気温が15度以下になる日が続くようになったら植え付けします。ただし、植え付けが遅くなると地温が下がりすぎて発根しにくくなるので、遅くとも気温が10度を下回る前までに植え付けましょう。
ちなみにニホンスイセンは8月に植え付けします。
水仙の球根を植える場所は、直射日光を避けた日当たりのいい場所を選びましょう。日当たりの加減で花が咲くかどうかが決まるので、栽培期間中(秋の植え付けから春の開花まで)、太陽が季節で移動しても日光の当たり続ける場所に植えてください。
ただし夏の間は植えっぱなしにする場合、地温が上昇しすぎる場所は良くありません。落葉樹の足元であれば冬はよく日があたり、夏場は日陰になるのでおすすめです。
また、水仙は太陽の方向に花が向く性質があるので、水仙を配置する方向を考えておきましょう。
なお、水仙は茎が弱いので風に当たると簡単に折れてしまいます。強い風が当たらない場所に植えるか茎が伸びてきたら暴風ネットなどで対策をしながら育てるといいです。
水仙の栽培に適した土は、排水性、通気性が良く、水持ちもある程度あるとキレイに咲きますが、もともと強健な植物なのであまり土質は選びません。
鉢植えで育てるなら、市販の草花用培養土が便利です。心配であれば川砂などを1割ほど足してもいいでしょう。ちなみに、水仙を育てるときの鉢は通気性のいい素焼き鉢やテラコッタなどがおすすめです。
地植えで育てるなら、植え付け1週間前までに腐葉土を庭土の2〜3割、緩効性化成肥料を規定量混ぜて、よくすき込んでおきましょう。水仙は根が深くまで張るので、深さ50cmほどまで掘っておくとよいです。
鉢の大きさに対する球根の数は、6号サイズで大球球根が5〜6つほどを目安にしましょう。
水仙に限らず、秋植え球根のほとんどは開花の直前まで芽を出しません。水仙の場合、芽が出るまで3〜4ヶ月ほどかかるので、品種にもよりますがだいたい翌年の2〜3月ごろにならないと芽が出ません。
芽が出ないからといって水やりが不要なわけではありませんし、日陰に置いてもいけません。また、とくに地植えの水仙の場合は、どこに植えたか忘れがちになってしまうので、名札を立てておいたり、目印になるようにビオラやパンジーなどを植えておくのもおすすめです。
鉢植えの水仙なら土が乾いているのを確認してから水を与えます。冬はしっかりめに水やりを行いましょう。
地植えの水仙ならば基本的に水やりの必要はありません。ただし10日以上晴れが続いて土が乾燥しきっていれば、その後の天気予報も確認しつつ水やりをしてください。
また、冬の時期の水やりは午前中に行うようにしてください。夕方以降に与えると夜間に水が凍って球根を傷めてしまう原因になります。また、寒さで霜柱もできやすくなるので注意しましょう。
春すぎになると水仙の花は枯れていきますが、夏になって葉っぱが枯れるまでは水やりはやめずに管理しましょう。
とくに鉢植えの水仙はこの時期から土が乾きやすくなるので注意してください。地植えの場合も同じく乾燥しやすくなるので、葉が枯れるまでは冬を同じように晴れが続いたときだけ水やりするペースで管理します。
葉が枯れたあとは休眠期に入るので、夏以降の水やりは鉢植え、地植えともに完全に控えます。その後植えっぱなしにしたのなら気温が15度以下になり始めた時期から水やりを再開させましょう。
肥料を与えると球根が太くなり花が咲きやすくなりますが、水仙は肥料を施さなくても元気に育ちます。肥料を多く与えすぎると、病気になる可能性が高くなるので慎重に与えましょう。
肥料は晩冬になって芽が出たら、10〜15日に1回程度の頻度で、液体肥料を水やりのかわりに与えましょう。
液体肥料は窒素が控えめでリン酸が多く含まれているものを使用するといいです。製品表示を見てみて、N:P:K=6:10:5ほどのものを用意するようにしましょう。
基本的に水仙は3〜4年は植えっぱなしで育ちます。ですがそのまま植え続けていると増え過ぎてしまったり、花姿が乱れがちになってしまうので、地植えでも3〜4年に1回は植え替えをしたほうがいいです。
鉢植えの場合は、地植えよりも密植にして植えることが多いので、球根がゆったりと休めるように毎年植え替えるのがおすすめです。
水仙の植え替え時期の目安は葉がすべて枯れたらです。7月に球根を掘り起こしたら分球して整理し、正しい保管方法で秋まで保存、そして10〜11月に再び植え付けします。
水仙は、主に「分球(株分け)」を行うことで増やすことができます。
7月頃の休眠期に、球根を掘り起こしてあげましょう。その球根には、子株が多数ついているので、分球しておきます。
分球には、「自然分球」と「切断分球」と「鱗片挿し」の3つの方法があります。特に水仙は、自然分球での増やし方が主流です。
自然分球では、子の球根をていねいに手で割ります。大きくて重みのある子球は、掘り起こした年に植え付けるようにしましょう。小さくて軽い子球は1年間保存し、翌年に植え付けるようにすると増やしやすいです。
水仙は比較的病害虫に強い植物ですが、まれにウイルス病を引き起こしやすいとされています。ウイルス病とは、葉が奇形したり斑点のようなものが葉につく病気です。ウイルス病にかかってしまうと、治すことができないのが厄介です。
主な原因はアブラムシの媒介によって引き起こされるので、アブラムシの駆除と防除の療法に取り組んでおきましょう。
中国で仙人と例えられるなど、幸運を象徴する水仙の育て方についてご紹介しました。
初心者でも簡単に育てることができ、寒々しい冬から春頃までの間、美しい花を咲かせる植物です。ぜひ、おうちのお庭で水仙を育ててみてください。
松原真理子
GreenSnap編集部