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オキナワスズメウリ(沖縄スズメウリ)は、その名の通り、日本では沖縄に自生しています。園芸品種で食べることはできません。りウリ科の植物で、真っ赤な果実が特徴です。繁殖力が強く、果実を多く実らせます。沖縄のほか、インドやネパールなどにも自生しており、葉を食用とするところもあるそうです。
そんなオキナワスズメウリの育て方を説明します。
オキナワスズメウリは南国の植物であり、日差しにはたいへん強いです。そのため、日当たりの良い場所で育てましょう。
また、オキナワスズメウリはツタを伸ばしますので、ツタが絡むことのできるネットあるいは支柱を設置して下さい。フェンスを用意してあげると、網にツタがからまっていって、グリーンカーテンができあがります。
オキナワスズメウリは春から夏にかけて生育します。そのため、生育旺盛な夏の間は、土が乾いたらすぐ水をあげて下さい。こうすることで、葉や茎がどんどん成長していき、グリーンカーテンとして活用することができます。
オキナワスズメウリは南国の植物であるかつ、多くの場合は一年草のため、冬には枯れてしまいます。
オキナワスズメウリへは、元肥は与える必要は特にありません。また、元肥以外の肥料も特には必要ありません。
ただし、草の丈が1メートルから1メートル50センチに達したら、米ぬかや骨粉などを配合した、リン酸の多い肥料を与えて下さい。この作業をすることによって、花を咲かせやすくなります。
窒素を含んだ肥料をあまり与えすぎると、植物が花を咲かせるのではなく、葉を育てる方向に力を注いでしまいます。
花や果実の鑑賞、来年以降も種を採取したいなどと考える場合は、オキナワスズメウリへは油かすや魚カス、硫酸アンモニアなどの窒素成分を多量に含んだ肥料はできるだけ控えて下さい。
オキナワスズメウリを育てるときは、水はけの良い草花用培養土を用意して下さい。
オキナワスズメウリの種まき時期は、およそ5月から6月が適期です。種が発芽するには25℃以上の気温が必要です。住んでいる地域や、その年により気候環境・気温は違うと思いますので、十分に暖かくなってから種を撒いて下さい。
また、オキナワスズメウリの発芽は少々ゆっくりです。発芽するまで、土が乾かない程度に適宜水やりして下さい。
土に直に種を撒いた場合は、夜間の間はビニールを被せて、土の温度を保って下さい、ビニールをかぶせることにより、通常よりも3℃から5℃も温度があがります。
これ以外の方法だと、鉢植えのケースでしか使えませんが、保温性に優れている発泡スチロールや段ボールの中に入れるという方法もあります。こうすることで、夜間の土の冷却から守ってくれますよ。
オキナワスズメウリの種が成長して、本葉が4枚から5枚程度の苗になったら、並んだオキナワスズメウリの間隔を40センチから50センチ空けて植え付けて下さい。そして、ツルが伸びてきたら、フェンスやネットにツルを誘導して下さい。
発芽の確率をあげるためには、ぬるま湯に1晩つけてから種をまくか、種をまく前に種の先端の尖っている部分を、紙やすりなどで傷をつけて下さい。
オキナワスズメウリは一年草なので、実がなると枯れてしまいます。なので、葉挿しや株分け、挿し木ができません。実から採取できる種子で増やしましょう。種まき方法は前述のとおりです。
オキナワスズメウリは多果性の植物で、実はたくさんできます。オキナワスズメウリの実は、最初は緑色で、白い点線・ストライプを除いて、だんだんと黄色から赤色に染まってきます。
この赤くなった実は、だんだんとスカスカしはじめ、乾いてきます。梅干しをイメージしていただくと分かりやすいです。中を見ようと開けると、バリバリ音を立てて割れていきます。すると、中から綿毛のような膜に包まれた、種が出てきます。
その膜は種をコーティングして、保護していたものです。まだこのタイミングでは、剥がさないで下さい。膜をそのままにして、膜ごと取り出します。
そこから、種にぴったりまとわりついている綿毛のような膜を、ピンセット等細かいものをつまめるもので剥がしていって下さい。この際に顔を近づけすぎると鼻息で種が飛んでいってしまうので、手を滑らさないようにもして下さい。
そして、コーティングされていたものをキレイにとりのぞくと、中から蚊の頭のようなヘンテコな形をしたオキナワスズメウリの種が出てきます。1つの実から、おおよそ10個の種が入っています。
10個ぜんぶ上記した作業を行い、ネットなどを張り、シンク台などにおとさないようにして、キレイに洗って下さい。洗ったあとは日差しを避けて、涼しい日陰などで乾燥させて下さい。
ワタの膜をきれいに剥がし、ヨゴレも水で落として、乾燥させたオキナワスズメウリの種は、カップなどに入れて保存して下さい。
種の保存場所は、オキナワスズメウリに限ったことではないのですが、過湿と、高温と、さらには日光を避けることのできる環境が理想的です。冷蔵庫の中がおすすめです。これによって、1年しかもたない種も数年ほど保存できるようになります。
冷蔵庫が難しい場合は、比較的温度の変わらない状況を保てる場所に、乾燥剤などと一緒に保存して下さい。この方法でも、種を来年また育てる気なのであれば、むしろ冷蔵庫で保管するよりも望ましい保存環境です。
オキナワスズメウリの実が熟し始めるのは8月の下旬から、9月の初旬にかけてです。ただし、この播種や、植え付けるタイミングが遅いと、11月〜12月頃にやっと果実が赤くなるということもあります。
果実がなった状態でないと熟さないということはなく、収穫して、どこかに吊るすなどして放置していれば、実は赤くなり始めます。
オキナワスズメウリには病気の心配はあまりありません。
害虫については、よくアシビロヘリカメムシというのがつきます。アシビロヘリカメムシは、オキナワスズメウリなどのウリ科植物や柑橘類、マメ科などの果実または種子の汁を吸います。
汁を吸われると果実を修復しようと、果実の奇形化・変形、果肉そのものの潰れ、また繁殖に欠かせない種子が欠損したりします。対策としては、成った果実に果実袋をかぶせることが1番効果的です。
薬剤による駆除方法としては、エトフェンプロックス乳剤や、ペルトメリン乳剤を用いる方法があります。
また、アシビロヘリカメムシが飛翔能力を獲得し、駆除が難しくなる前の段階の幼虫状態時に、割り箸や手袋などで虫を払うのも1つの方法です。
オキナワスズメウリの主な使い方には2つあります。
グリーンカーテンは、ネットにオキナワスズメウリのツタを這わせてつくります。冷却効果・遮光効果が狙えます。
このグリーンカーテンがあることで、冷房費を抑えることができ、見た目も美しくなります。また、日中には新鮮な酸素を建物内に持ち込んでくれます。
オキナワスズメウリの実は、ハロウィンやクリスマスに使うリースの飾り付けにも使えます。オキナワスズメウリの果実は熟すと赤色くなり、ストライプの模様がかわいいため人気があります。
作り方は簡単で、まずリース土台を購入します。オキナワスズメウリはツタが長いので、ハート型でも輪っか型でも大丈夫です。オキナワスズメウリのツルを、果実が前に向くようにして巻きつけて下さい。ツルを刈り取る際には、できるだけ長いほうがいいです。
熟す前の緑色の果実も一緒に巻くと、色にバリエーションが出て美しいです。オキナワスズメウリを、リース土台にいっぱいまきつけた後は、お好みで別の花や、リボンなども飾って下さい。これでリースの完成です。
オキナワスズメウリは暑さには強くても、寒さには弱いです。最低気温が、15度以上の環境を保っていないと、枯れたり、生育がうまくはかどりません。
東北や北海道でオキナワスズメウリを育てる際には、日中は屋外に出して、可能であれば夜間は室内に取り込んで下さい。
最高気温が、何日にも渡って20℃を超えないようであれば、室内栽培に切り替えて下さい。あまり寒い地域ですと、グリーンカーテンに用いるには難しい植物といえます。
オキナワスズメウリの花言葉は「イタズラ好きの」、「イタズラ好き」です。
オキナワスズメウリの果実は熟すと真っ赤になって、誰かが絵の具で書き加えたような、白いストライプが模様として入ります。
リース土台に茎ごとくくりつけて、ハロウィンやクリスマとの彩りとして多く使われています。
同じ沖縄によく生えている植物にツルレイシ(ゴーヤ)がありますが、オキナワスズメウリは「ヤマゴーヤ」の別名でも呼ばれています。
どうやら近縁種のようです。スズメウリやカラスウリ、ウリ科の植物はいろいろありますが、その中でも最も美しいといわれているオキナワスズメウリ。
グリーンカーテンやリース土台に飾り付ける予定のない方であっても、伸びたツルからいっぱい成った鮮やかな縞模様の果実は、観賞用植物としてたいへん優れていますし、種を果実から取り出して、来年また植えるともう1度オキナワスズメウリを楽しむことが出来ます。
収穫した果実を、ご近所さんなどに配ってあげると大変喜ばれると思いますから、これを機に1度オキナワスズメウリを育ててみてはいかがでしょうか。
GreenSnap編集部