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一般的にいわれるデンドロビウム(デンドロビューム)とは、ノビル系、セッコク系のデンドロビウムのことを指すのが一般的です。デンドロビウムは寒さにも強く温室などを使わなくても育てられる花です。
この記事では、そんなデンドロビウム(ノビル系・セッコク系)の育て方について、置き場所や水やり、植え替えのポイントなどをご紹介します。
デンドロビウムの育て方のポイントは、気温に合わせた水やり頻度と、初冬の寒さに当てることです。
デンドロビウムは他のラン科植物よりも耐寒性が高くて丈夫で、栽培難易度も高くはありません。
気温に合わせた管理をすることで美しい花を咲かせられるようになるので、こまめに手入れをしていきましょう。
デンドロビウムを育てる場所は、基本的に直射日光を避けた日当たりがいい場所です。
最低気温が10℃を下回らなくなったら、屋外に出しても大丈夫です。しかし、いきなり直射に日光のしっかり当たる場所に出してしまうと葉焼けしてしまうので、遮光ネットなどをかけてください。
屋外の気候になれたら、徐々に遮光率を下げて明るくしていきましょう。光線の当たる量が少ないと、花の付きが悪くなるので、木の下などは避けた方がいいです。
生育期には水を欲しがりますので、雨が当たる場所でも大丈夫です。台風などで塩分を含んだ雨が降り続いた後には、しっかりと水やりをして、塩分を流すことも必要です。
梅雨明けからお彼岸くらいまでは日差しが強くなるので、頻繁に水やりができない場合は遮光率を高くしてください。日光に当たり過ぎると葉焼けしてしまうので、地面や壁の照り返しに気をつけて、台などに乗せて育てるといいですよ。
デンドロビウムはある程度耐寒性があるので、11月下旬〜12月上旬ぐらいまで、屋外に置いて大丈夫です。というのも、デンドロビウムは寒さにあたることで花芽がつきやすくなるため、気温6〜8℃の環境に10日程度置く必要があります。
しっかり寒さに当てたら、春になるまでレースのカーテン越しの屋内に置いて育てましょう。
デンドロビウムは春から夏にかけの水やりは、土や植え込み材が乾いたのを確認してから、株元にたっぷりと与えます。
なお、デンドロビウムは過湿を嫌うので、ずっと土や植え込み材が湿りっぱなしという状態は根腐れの原因になるので絶対に避けてください。乾湿の差が大切です。
とはいえ、気温が上がるにつれて生育期を迎えるので、水の吸い込みも早くなります。夏時期に水切れするとすぐに弱るので、朝や夕方にしっかり水やりをしましょう。
そのほか、春・夏の水やりでは、葉の隙間に水が溜まりっぱなしにならないようにすることと、受け皿に溜まった水は捨てるということを気をつけてください。
デンドロビウムの秋から冬にかけての水やりは控えめにします。10月以降は休眠期に入るので、だんだんと頻度を落として、最終的には1ヶ月に2回くらいの水やりペースを目安にしましょう。
乾いたら水やりというのが基本ですが、夏は乾いたらすぐ、冬はしっかり乾いてから与えるようにしましょう。
デンドロビウムに肥料を与える時期は4〜7月までです。8月以降に肥料を与えると花芽がつきにくくなるだけでなく、高めが出る原因ともなるので注意しましょう。
与える肥料は、洋ラン用の緩効性肥料(固形)か液体肥料がおすすめです。固形肥料なら4~6月に1~2回与えます。液体肥料なら10日から2週間に1回、1000〜2000倍に希釈して与えましょう。
デンドロビウムの花が咲き終わったら、花がら摘みをしましょう。デンドロビウムの開花時期は3〜5月ですが、冬ごろから出回る開花株は1〜2月ごろに咲き終わります。
花がら摘みをするタイミングは、花びらが薄くなって表面に脈のような線がうっすら浮いてきたころです。デンドロビウムはうまく管理すれば1ヶ月程度咲き続けますが、自然に落ちるまで待つとカビから病気にかかる可能性があるので気をつけましょう。
花がらを摘むときは、花びらの付け根を人差し指と中指で挟み込んで摘み取るようにします。このとき大切なのは、花茎は消毒したはさみで切り取ることです。花が咲いたバルブはその後も成長に必要になるので、花が終わってからも2〜3年残しておきましょう。
デンドロビウムの植え替え時期は、気温が上がってくる4月から5月までの間が最適です。花が咲き終わったころが目安となります。
植え替えの頻度については2〜3年に1回程度です。とはいえ、植え込み材が傷んでいたり、鉢の中に根がいっぱいに回っているのであれば植え替えましょう。
デンドロビウムは着生ランのひとつなので、一般的な草花用の培養土ではなく、水苔やベラボン、ラン用バーク、ラン用培養土(ミックスコンポスト)などの植え込み材に植え替えます。
主流なのは水苔のみで植える方法ですが、水苔は保水性が高いので通気性のいい素焼き鉢と合わせるようにしましょう。
水苔以外ではラン用の培養土で植える方法もあります。これはラン用のバークや赤玉土、軽石などが最適な比率でミックスされている培養土で、保水性・排水性・通気性などのバランスがデンドロビウム向きです。水苔以外のコンポストで植える場合はプラスチックや陶器の鉢で植えるようにしましょう。
今回はラン用培養土を使った植え替え方法をご紹介します。水苔のみの植え替え方法が知りたい方は、同じ着生ランの植え替え記事を参考にしてみてくださいね。
デンドロビウムの増やし方は、高芽をつかった株分けが簡単です。とくに発根している高芽なら着生させるだけなので、初心者でもできますよ。
発根している高めをひとまとめにして、新しい水苔などの植え込み材に植えてもいいですし、水苔に包みながら板付や流木に着生させることもできます。
板に着生させる時に水苔が多いと板に根が張るまでに時間がかかりますので少なめにしましょう。
ちなみに上の写真では水苔の量がやや多いです。水苔が多いと活着に時間がかかるので、これよりもう少し少なくして挑戦してみてください。
デンドロビウムは病害虫に強いといわれています。水や肥料のやりすぎ、高い湿度、風通しの悪いところに置くなどに注意すれば、デンドロビウムの生長を害する病気になる可能性は低くなります。
ただ虫については、若い芽や花芽を好むナメクジが付くことがありますので、駆除剤などを撒いて対応しましょう。
洋ランの一種でありながら、家庭でも育てやすいデンドロビウム。鉢と植え付け材の相性や肥料を与えるタイミングなど気をつけるポイントを踏まえれば、きれいな花を咲かせられそうです。ぜひデンドロビウムを育ててみませんか?
GreenSnap編集部