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洋ランの仲間であるデンドロビウムにはいくつもの種類や品種がありますが、中でもデンドロビウム・キンギアナムは小さい花を沢山咲かせます。洋ランは胡蝶蘭のように大輪の花を挿せるイメージがありますが、小さな花も可愛らしいですね。
ここでは、デンドロビウム・キンギアナムの特徴や栽培方法、病害虫などについて詳しく解説していきます!
デンドロビウム・キンギアナムは、オーストラリアに生息するラン科の多年草植物です。
2~5月頃にかけてピンク色や白色など数多くの小花を沢山咲かせ、強い香りがします。大型になるスペシオサム(大明セッコク)などもこの近縁種で、一般的にキンギアナムと言われている物はこのスペシオサムとの交配やさらに次世代の交配が多く、キンギアナム系(※以降キンギアナム)と呼ばれています。
「ピンク・ロック・リリー」という異名を持ち、根元は太いですが上に向かって細くなり葉を固いバルブの上につけて生長するユニークな姿が特徴です。
キンギアナムは、日当たりと風通しのよい環境でよく育ちます。日当たりが悪い場所に置くと、花つきが悪くなります。デンドロビウムの中でも寒さには強い方ですが、霜が降りる前には室内に移動させてレースのカーテン越しの窓際で育てるとよいです。
デンドロビウム・キンギアナムは、生長期である春から秋にかけて多めに水やりします。涼しくなる秋から冬の時期は、乾燥気味に育ててください。
デンドロビウム・キンギアナムの栽培では、水はけのよいバークや水苔などを使用するといいです。土は一般的に使用しないため、注意しましょう。
キンギアナムは肥料が少なくても育ちますが、5月頃に固形肥料を1回、もしくは4月から7月に2000倍程度に薄めた液肥を10日に1回のペースで与えましょう。それ以外の時期は、肥料を与える必要はありません。
デンドロビウム・キンギアナムの植え替えは2年に1回のペースで、花が咲いた後に行うのが最適です。
デンドロビウム・キンギアナムを植え替えたら、肥料は約2週間~1か月後を目安に与えます。
デンドロビウム・キンギアナムは株分けで増やせますが、株の頂点に「高芽(たかめ)」と呼ばれる新芽が出てきた場合は、次の方法で増やしてみましょう。
高芽は小さなバルブに生長するため、根が伸びてきたら指で摘み取ります。その後、水ゴケなどを追加して小さな鉢に植えつけてください。
デンドロビウム・キンギアナムは病気や害虫の被害は少ない方ですが、灰色かび病や炭そ病などの病気にかかることがあります。炭そ病はカビが原因の病気で、放置しておくとどんどん感染していきます。多湿である梅雨に感染しやすいので、株全体に感染したら株ごと処分する必要があります。
灰色かび病はもカビによって感染する病気で、4~11月頃にかけて発生しやすいです。枯れ葉や花がらなどによって増殖するため、感染した部分はすぐに取り除きましょう。
そのほか、デンドロビウム・キンギアナムはアブラムシやカイガラムシなどの害虫が発生することがあります。カイガラムシは小型の害虫で葉などを吸汁し、排泄物もそのまま放置しておくと病気の原因になるため、見つけたら捕殺しましょう。
アブラムシはウイルスを媒介するため、そのままにしておくと病気にかかってしまうこともあります。一度発生すると駆除することも大変なので、見つけ次第殺虫剤などで退治しましょう。
可愛らしい花姿のデンドロビウム・キンギアナムは、今回紹介したように手入れもそこまで難しくありませんね。花色も豊富で室内でも栽培できるので、ちょっとしたインテリアとしても最適です。
デンドロビウムにはいくつもの種類がありますが、デンドロビウム・キンギアナムの見た目は他のデンドロビウムと異なります。今までデンドロビウムを育てていた方でも、雰囲気を変えてみたいようであれば、デンドロビウム・キンギアナムはおすすめです。
ご興味があれば、ぜひご自宅でデンドロビウム・キンギアナムを育ててみましょう!
河村賢治
GreenSnap編集部