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サヤを切ると、断面が四角なことが名前の由来になった四角豆は、熱帯アジア原産のマメ科シカクマメ属の多年草です。かわいい花はもちろん、葉、サヤ、種子、塊根など全ての部分が食べられるとされていますが、日本では、サヤのみ食べるのが一般的です。また、ツル性の植物なので、伸びたツルを誘引して、緑のカーテンとしても人気があります。
今回は、そんな実用性が高い四角豆の育て方をご紹介します。
四角豆は、日当たりと風通し、水はけのよい場所での栽培が適しています。また、ツル性の植物で2~3m程度伸びるので、ツルを誘引するスペースを考えて場所選びしましょう。緑のカーテンとして利用したい場合には尚更です。
さらに、植え付ける段階では、連作障害にも注意が必要です。前年マメ科の植物を栽培した場所は避けましょう。
マメ科が連作を嫌うのは、土中の微生物が偏るためです。有機栽培している方は特に多様な微生物を増やすよう試みてください。
四角豆は種まきから約1週間ほどで発芽します。発芽適温は25~30℃となっているので、暖かくなってからの栽培が適しています。
ポットまき、直まきの方法は、1箇所に3,4粒を深さ1cmにまきます。種まきの間隔は50cm以上を確保してあげましょう。
苗から育てる場合、5月中旬~6月中旬頃に植え付けます。地植えにする場合は、植え付けの2週間前までに、苦土石灰を混ぜて用土を中和させておき、植え付けの株間を50㎝ほど取りましょう。
プランターに植え付ける場合は、65㎝幅のサイズ、深さは深型のプランターで2株が目安です。
発芽の適温は30~35℃。この温度を保てないと発芽しない可能性があります。なかなか芽が出ない場合には温度の問題が多いです。
場所にゆとりがあるようなら、60cmほどの株間を取ると大きく育ちます。風通しもよくなるので、ウドンコ病など、湿気で誘発される病気予防にも有効です。
プランター栽培をしている場合、本葉が2〜3枚になったら間引きをします。
生育の良い苗を1本残して、ほかは全て間引いてしまいましょう。苗がまだ小さいときに間引いてしまうと途中で枯れてしまったりするので、タイミングは大事です。
発芽したら間引きしますが、生育を見て2本残すとよいでしょう。
四角豆を育てるときは、水持ちも水はけもよい用土が適しているため、赤玉土に腐葉土、堆肥、バーミキュライトを加えた用土を用いましょう。
植え付けの2週間前までに、苦土石灰を混ぜて用土を中和させておきます。
マメ科の植物は、肥沃な用土で育てていれば追肥の必要はありません。ただし、四角豆はマメ科の植物の中でも肥料を必要とする類の植物です。
そのため、四角豆の花が咲きだしたら、生育の様子を見ながら化成肥料を追肥しましょう。ただし、窒素が多いと実付きが悪くなるので注意してください。
四角豆はマメ科なので、自分で窒素固定する能力があります。基本的に施肥の必要はないと考えてよいでしょう。もし与える場合は、「リン酸(花や実をつける栄養)」メインにします。
四角豆は乾燥に弱いので、土の表面が乾いたら、たっぷり水やりをします。鉢植えの場合は、鉢の底から水が出てくるくらい水やりをしましょう。
四角豆を増やすときは、8~10月頃収穫したサヤから種をとり、日陰干しして4月中旬~5月中旬まで保管して置いたものを使います。
4月中旬~5月中旬になったら、育苗ポットに種まきし、苗を育てましょう。
四角豆の収穫時期は8~10月頃で、開花2週間程度が収穫のタイミングです。サヤの長さが10~12cmになり、やわらかくなったら収穫します。
ヘタの部分をハサミで切って収穫しましょう。株が茂ってくると、実がどんどんなります。収穫が遅れると実が硬くなってしまうので、早めに収穫しておきましょう。
四角豆は乾燥に弱いので、ワラを敷き乾燥を防ぎましょう。また、夏場の水切れには気をつけてください。
四角豆はツル性の植物なので、ネット、支柱を立ててツルを誘引します。ツルが伸び放題になると、ツル同士が絡まって茂り、風通しが悪くなってしまうのと強風の影響を受けやすくなってしまいますので、ツルの誘引が重要です。
必要に応じてツルを整理しましょう。
うどんこ病や灰色カビ病などに注意が必要です。どちらもカビによる病気です。腐ったり、枯れた部分は取り除き、薬剤を散布して対処しますが、予防するには、風通しをよくして蒸れないようにすることと、窒素過多にならないように肥料管理します。
アブラムシやハダニなどに注意が必要です。どちらも葉裏に寄生して汁液を吸います。生育不良に陥る直接被害と病気を媒介する間接被害がありますので、見つけたら、なるべく早く殺虫剤を散布して駆除しましょう。
四角豆の育て方をご紹介しました。四角豆の楽しみはたくさんあります。伸びたツルは、夏場に緑のカーテンとして活躍しますし、薄い青紫色の花が咲きかわいいです。収穫したサヤや塊根などは、おいしく食べられます。
楽しみが多い四角豆をぜひ育ててみてくださいね!
七尾びび
GreenSnap編集部