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エアプランツ(別名:チランジア)は、南アメリカ及び中央アメリカが原産で、南国の雰囲気があるのでトロピカルガーデンにしたい場合にはうってつけの観葉植物です。
ここではそんなエアプランツの育て方について、水やりのコツや枯らさない方法などをご紹介していきます。
エアプランツとはその名の通り、土がなくても育つ植物です。パイナップル科チランジア属の植物の総称で、学名のチランジアとして流通することもあります。
エアプランツは本来、根を他の樹木などに巻きつけて伸びていく着生植物です。そのため、流木に着生させて飾ったり、着生させずともそのまま吊り下げて飾ったりと、インテリアとしてさまざまな飾り方ができるのが魅力です。
エアプランツの育て方は水やりが一番大切なポイントです。エアプランツは空気中の水分を吸収して育つため、水やりが不要と思われることが多いですが、これは間違いなのです。
とくに室内にエアプランツを飾る場合は、水やりは欠かせないお手入れなので、正しい水やり方法とと頻度を覚えて、丁寧に育てましょう。
また、エアプランツがまとう白い繊毛は「トリコーム」といって、水分を空気中から吸収する役割を持った、いわばエアプランツの生命線です。無闇に触れるとトリコームは抜けてしまうので、できるだけ触らないでください。
エアプランツの水やり頻度は、だいたい1週間に1〜2回ほどです。
ただし、気温15度以下の秋冬シーズンは休眠期に入るので、1週間に1回ほどと少し控えめにします。
また、梅雨や夏場などの湿度が高い時期は、空気中から吸収する水分量も増えるので、水やり頻度は控えめにしましょう。
エアプランツへの水やりは、基本的に霧吹きでおこないます。
霧吹きで葉全体に行き渡るように、たっぷりと水分を吹きかけます。そのあとは日当たりのいい場所でよく乾燥させてください。
ちなみにエアプランツは夜に活動するため、霧吹きでの水やりは夕方以降の気孔が空いている時間帯にするのがおすすめです。
エアプランツの葉に生えているトリコームは、空気中の水分を吸収する役割があると先述しましたが、このトリコームの量によって水やりの頻度は変えたほうがいいです。
エアプランツの種類によってはトリコームの量に差があり、一般にトリコームが多い種類を「銀葉種」、少ない種類を「緑葉種」と呼びます。
銀葉種のエアプランツは水分を吸収しやすいので、水やりは控えめ。反対に緑葉種は比較的多めに水やりするといいです。
エアプランツは霧吹きの水やり以外に、ソーキングという方法で水やりすることもできます。
ソーキングとは、水を入れた容器にエアプランツを浸して水やりする方法です。エアプランツ自体が勝手に必要な分だけ水を吸収するので、より過不足なく水分を与えられるというメリットがあります。
ソーキングは4〜10月の生育期の間であれば、月に1回の頻度で行いましょう。なお、11〜3月の休眠期中は、ソーキングを控えてください。また、梅雨などの湿度が高い時期も、ソーキングはしなくて大丈夫です。
ソーキングを行うときは夕方から夜間にかけて。20〜30℃ほどの水温の水をバケツなどにいれ、エアプランツを丸ごと沈めます。
水に浸す時間は4〜6時間程度です。ソーキングが終わったら、逆さに吊るしてよく乾燥させてください。
ソーキングはやり方を間違えるとエアプランツを腐らせることがあります。とくに長時間のソーキングはエアプランツが腐る原因となってしまうので気をつけましょう。
また、トリコームがとくに多い品種は、ソーキングなしでも元気に育つのでやらないほうがいいです。
エアプランツを室内で育てる場合は、水分吸収をうまく行わせるためにも、風通しの良いところ・直射日光を避けた日当たりのいい場所に置きましょう。
できるだけ吊るしたり、壁掛けにして、室内の高い位置に飾るのがおすすめです。低い位置に飾ると、家具などの影響で日陰になったり、風通しが悪い状態になりやすいです。
また、エアプランツはエアコンや暖房の風に当たると、極度な乾燥を引き起こし、枯れることもあるので注意しましょう。
エアプランツを屋外で育てる場合も、直射日光を避けた日当たりのいい場所か、明るい日陰ほどの場所に置きましょう。もちろん風通しのよい場所が最適です。
屋外で育てる場合、夏場の日光に当てると葉焼けすることがあります。夏場は軒下などに移動させると良いでしょう。
なお、エアプランツは一般的に耐寒性が強いですが、あまりにも寒いと成長にも影響を与えかねません。そのため、冬場の気温が5度を下回るようならば温かいところへ移動させましょう。
エアプランツは基本的に肥料を必要としません。
とはいえ、元気がなさそうだなと感じたら、春から秋の生育期の間に、水やり(霧吹き)に液体肥料を適量混ぜて与えるようにしてください。頻度は週に1回程度で十分です。
エアプランツの葉が黒っぽくなったり、不快に感じるような匂いがしたら、株の内部から腐っている可能性があります。
一度腐ってしまうとそのまま枯れてしまう可能性が高いので、腐る前に正しい手入れを覚えて管理しましょう。
ここからはエアプランツが枯れてしまう原因やその対策についてご紹介します。
エアプランツを育てるときは、水を与えすぎてもいけませんし、水をやらなすぎてもいけません。水やりで失敗しないコツを下記にまとめたので、必ず守りましょう。
トリコームはあまりにも強い風が吹くところや、日差しが強いところだと剥がれることがあります。これにより水分吸収などができなくなって枯れることがあるので、風が強すぎるところや日差しが強すぎるところに飾るのは避けましょう。
エアプランツには、カイガラムシが発生することがあります。カイガラムシはその名の通りカイガラを背負ったような白っぽい虫です。葉に白い粒のような斑点がついていたら、カイガラムシが発生している証拠です。
カイガラムシを放って置くと大きくなって退治しにくくなります。また、カイガラムシの排泄物からすす病なども生じます。このため、見つけたらすぐにこそげとったり薬剤を使って対処すると良いでしょう。
また、エアプランツを外で育てていると、ハダニなどの害虫も発生しやすいです。ハダニは乾燥していると発生しやすいので水やりするのを欠かさないようにしましょう。
エアプランツはとくにすす病にかかりやすいです。すす病ははカイガラムシなどの害虫の排泄物によって生じ、発生するとすすのような黒っぽい粉が葉などにつきます。
そのままにしていると枯れてしまうので、薬剤を使って対処してください。
エアプランツは「株分け」して増やすのが基本です。親株が枯れる前に子株ができるので、この子株を採取して株分けします。
詳しいやり方はこちらの記事を参考にしてください。
エアプランツは土が不要なので、そのまま単体でガラスの器などにいれて飾ることもできますが、流木やバークチップなどに着生させておしゃれに飾ることもできます。
着生させる素材は100円ショップなどでも手に入りますし、コルクや軽石などにも着生可能です。
着生させるといっても、素材とエアプランツが固定されればOKなので、基本的には巻きつけるだけです。ワイヤーを隠したい場合は、キリなどの工具で素材に穴をあけて、そこにワイヤーを通して結びつけます。
今回はエアプランツの育て方について詳しく解説しました。エアプランツは比較的育てやすくて園芸入門者にも向いていますが、水やりと置き場所にだけは気をつけておくと良いでしょう。
水やり不要と思われがちですが、とくに室内であれば水やりは必須なので、正しい管理方法で育ててくださいね。
GreenSnap編集部