warning
error
success
information
アガベとは、南アメリカ北部や北アメリカ南部、中央アメリカを原産地とするリュウゼツラン科のリュウゼツラン属に分類される多年草の多肉植物の名前です。暑さや寒さにも強いのが特徴です。
そんなアガベの育て方について次から詳しく解説します。
アガベは夏型多肉植物といって、20〜35度ほどの気温でよく成長する植物です。反対に秋から翌春までの間、とくに気温10度以下になると休眠するので、水やりや肥料はやめて管理するのが育て方のポイントです。
ちなみに、アガベは品種によっては1〜2mにも大きくなり、大株になるほど寒さに強くなるので、地植えでも冬越しできます。
アガベは日当たりと風通しのいい場所に置いてあげると、元気に成長します。
一方で夏場の湿気や雨を嫌うので、過湿や長期間雨ざらしにならないよう当たらないように気をつけてください。場合によっては根っこや葉が腐って最後には枯れてしまいます。鉢で管理しているものは暴風雨や台風のときは室内にとりこんでください。
また、寒さには強い性質を持っているとはいえ、戸外で越冬させるためには、0〜3℃の気温が必要となります。とくに3〜5号株は寒さにあまり耐性がないので、冬場に氷点下を下回る気温となる地域で育てる場合には、やはり室内へ移動して管理してあげる方が安全です。
アガベの夏の水やりは、土が乾いたらそれからさらに数日程度経ってから水やりしましょう。水やりするときは、鉢底部分から水が流れ出てくるくらいまでたっぷりと水をやるのがポイントです。
アガベの肉厚の葉の部分には水分を溜め込める機能が備わっていて、高温や乾燥には元々強いという特徴を持っています。乾燥気味に育てるので、夏の水やりは控えめでOKです。
水やりの回数が多すぎると、根腐れや株が弱る原因となるので、くれぐれも注意するようにして下さい。
また、水やりの時に受け皿に水が溜まってしまっていると、根っこにカビが生えてきやすくなる原因となるため、そのままにせず必ずチェックして捨てるようにしましょう。
大鉢でアガベを育てている場合は、毎回移動させるのは大変なので、受け皿に溜まった水は乾いた雑巾やスポンジ等で給水して外へ捨てる方法もおすすめです。
アガベの冬の水やりは、断水するか、月1〜2回を目安に与えましょう。アガベは10月下旬〜3月中旬頃の間は生育が止まり、休眠状態になっているので、気温の低下とともに水やり頻度を落としてください。
休眠期でもあり、気温の低いこの時期に水やりをし過ぎてしまうと、根腐れしてしまうことがありますので、十分に注意してください。過湿や多湿の環境には弱い性質を持っているからです。
また、冬の水やりは水温にも注意してください。水道水では冷たすぎるので15〜20度ほどの水温になるように調節してできるだけ太陽の出ている時間帯から水やりしましょう。
アガベに肥料を与える時期は、生育期にあたる春〜秋である4〜10月です。この期間には、緩効性の肥料を2ヶ月に1回を目安に与えるようにしてあげて下さい。
もしくは即効性のある液体肥料でもOKです。その場合には、10日に1回を目安として与えるようにしましょう。
ただし、多肥にはしないようにしましょう。多肉植物は元々あまり肥料を必要とせず、肥料が多すぎてしまうと、肥料焼けを起こして大切な根っこ部分が傷んでしまうからです。
アガベを育てるときは、水はけの良い土を選ぶことが重要です。保水力が高くいつまでも水分が蒸発しにくいジメジメとした土では、アガベにとっては加湿状態になり、生育し辛い環境となってしまいます。
初心者は園芸店などで売られている、多肉植物専用の培養土を利用すると簡単で便利です。
もし一から自分でつくりたい場合は、「赤玉土小粒5:軽石小粒4:腐葉土1」の割合で配合して土をつくると良いでしょう。
もしアガベを地植えで育てたいのなら、庭土に4割腐葉土を混ぜ、日向土か軽石小粒を1〜2割加えてください。
地植えで育てる場合は、その場所に水溜りができていたり土に苔が生えているような場所は少し根鉢を高めにして植える(高植え)にするなどの工夫も必要になります。
アガベの植え替え時期は、霜が完全に降りなくなった4〜5月頃が適期となっています。長年狭い鉢植えで育てていると、水分や養分をうまく吸収することができなくなり、生育不良に陥り、そのうちに鉢全体に根が回ってきてしまいます。そのため、2年に1回を目安にして植え替えを行うようにしましょう。
アガベは下の方から順に葉っぱが枯れるので、枯れてしまった葉は手で左右に揺り動かしながら抜き取りましょう。
このときに、害虫がいないか、葉の表だけではなく裏側まで観察するようにしておくと良いでしょう。
また、子株ができた場合は、植え替えのときに株分けをします。その他、アガベを増やす場合には「胴切り」や「芯止め」などの方法があります。
親株から子株を外す場合は自然に取れる。もしくは少し力を入れると外れる場合もあります。自然に取れない場合はまだ子株が育っていないケースが多いので付けたまま植え付けましょう。
アガベの増やし方は、「株分け」と「種まき」という方法が一般的です。
株分けを行うのに最適な時期は、植え替えと同じ4〜5月頃、遅くとも夏前までとなります。親株から子株が出ているのを見つけたら、植え替えを行うのと同時に株分けをしてしまいます。
アガベの株元からでている子株を、園芸用のハサミを使って、ていねいに切り取って親株から分離します。このとき、子株には必ず根っこが付いた状態になるように分けるようにしましょう。根っこのないものはNGです。
そして、親株から外した子株のサイズに合った鉢を選んで植え付けるようにします。植え付けを行ったあとの水やりは、しばらくは控えましょう。
また、種まきについては、粒子ができるだけ細かい土がおすすめです。そこに均一に種を蒔きます。そして発芽するまでは、乾燥した状態を避けてください。発芽した後は、風通しが良い場所に置いてあげます。
アガベの種まき時期は、5月以降が適期となっています。
アガベは品種によりますが、好光性の種子が多く種まき後の覆土はごく薄くするのが一般的です。
アガベには、アザミウマやカイガラムシという害虫がつくことが知られています。アザミウマは夏場の高温時に特に発生しやすく、カイガラムシは季節を問わず一年を通して発生しやすいです。
白くて小さな綿のように見えるものの中には、カイガラムシの幼虫が入っています。放っておくと、アガベを食べてしまって白っぽい小さな凹みを残します。また成虫になると、株元の根の付け根部分について、根から大事な栄養分や樹液を吸い取ってしまい弱らせてしまいます。
幼虫のときは殺虫剤を噴霧して退治し、成虫のときは歯ブラシを使ってこすり落とすか、もしくは薬剤を用いて駆除します。
またアガベが発生しやすい病気には、「さび病」や「黒星病」があります。さび病は秋〜冬の時期にかけて、黒星病は春〜夏の時期によく発生します。どちらも見つけ次第、病斑部分をナイフなどを使って丁寧に切除しましょう。
今回は、初心者にも丈夫で育てやすいアガベという多肉植物の育て方についてご紹介してきました。
様々な品種があり、品種によっては希少価値も高く、ロゼット状に伸びる肉厚の葉や葉色も美しく観葉植物としても楽しめます。
その他にも斑が入る品種などもあり、それぞれに魅力があり、大きく育てると存在感も抜群です。
室内のインテリアとしてぜひ一度アガベを育ててみてはいかがですか?
松原真理子
GreenSnap編集部