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花持ちがいいことから切り花、ドライフラワーとして重宝されるポピュラーな花・スターチス(学名リモニウム)。ところがスターチスは苗での流通は少なく、種で一から育てるのが主流となっています。
今回はそんなスターチスについて、育て方を中心に簡単にご紹介します。
スターチスの花を長く楽しむためには、冬の間の管理が重要となります。
気温15℃以下の環境に30日以上おくこと必要があるため、室内で鉢花として栽培する場合は、暖房の効いた部屋から離れた場所にするといいでしょう。
詳しい冬越し方法は、後ほど記述しています。
スターチスは水はけがよく肥沃な、酸性でない土壌を好みます。柔らかい土壌であれば、地中深くまで根を張ることができるため、一層大きくたくさんの花をつけて育ってくれます。
地植えの場合は、事前に庭土1リットルあたり2グラムほど苦土石灰を混ぜておくといいでしょう。鉢植えの場合は市販の草花用培養土で問題ありません。
また、スターチスは耐寒性はややありますが、耐暑性はかなり低いため、日当たりだけでなく、風通しのいい場所で育てることも大切です。
また、初夏や夏の雨に晒してはいけません。雨にあたり続けると病気になりやすくなるので、積極的に雨の入らないよう屋根のある通気のいい場所を探して置いてあげましょう。
スターチスの種まき時期は春まきなら4〜5月頃、秋まきなら9〜10月頃(発芽気温は15〜20℃)です。
種をばらまきにし、指で2〜3mmほど沈むように押し込み、上からうすく土を被せて手で軽く抑えつけます。種まき後は、種が流れないように注意しながら、たっぷり水やりしてください。
気温条件を満たせば、種まきから4〜10日ほどで発芽します。
スターチスは世界中の沿岸や、砂漠、荒れ地で育つ植物を原産地としていることからも分かるように、日当たりのいい場所を好みます。
ただし、高温多湿は苦手なので、夏場の直射日光は避けてください。
スターチスは過湿を嫌います。水を与えるときも、基本は土の表面が乾いてから与える程度にとどめましょう。
過剰に与えると、茎が徒長してしまうので気を付けてください。特に、3〜4月あたりの蕾が付く時期は、乾かし気味を意識してください。真夏の高温多湿のときを除いて、乾燥しすぎない程度に水をしっかり与えてください。
地植えの場合には、特に水やりはしなくても問題ありません。
スターチスには、肥料はあまり必要ありません。
強いていうならば、植え付けの際に緩効性の粒状肥料(チッ素10・リン酸10・カリ10の割合など)を用土に混ぜ込んでおきましょう。
そして追肥として、3月頃に液体肥料等を施してください。特に生育に問題がなく、元気にぐんぐん育っているのならば、多肥は好まないので、追肥は必要ないでしょう。
与える肥料については、特にチッ素分の多い肥料を与えてしまうと、葉だけが茂って花つきが悪くなります。茎も過剰に伸び、草姿が倒れやすくなるため、肥料を与えすぎには注意してください。
鉢植えならば10〜11月と3〜5月に、地植えならば10〜11月のみでいいです。
前項でも触れた通り、スターチスはある程度寒さに当たることで丈夫に育ちます。
30日ほど気温15℃以下の環境におきたいため、11月頃までは屋外での管理がおすすめです。
スターチスの耐寒温度は4〜5℃ですので、それ以降は霜にあたると葉が赤くなったり傷んだりして枯れてしまうので、霜の当たらない場所を探すか、霜よけをしてください。
特に、秋まきで冬越しする場合は、寒さに極端に弱いので日当たりのいい室内での管理をおすすめします。地植えの場合には、冬は敷きワラをかぶせて防寒してください。
冬の間の水やり頻度は控えめにし、乾燥気味に管理します。
スターチスには、一年草タイプと宿根草タイプがあります。一年草タイプのスターチスならば植え替えは必要ありません。
宿年草タイプのスターチスならば、本格的な寒さが来る前の10月〜11月頃に、一回り大きな鉢へ新しい土とともに植え替えてあげましょう。もし遅れた場合には、春までポットやフレームの中で育ててあげ、寒さが和らぐ3、4月に植え替えてあげましょう。
植え替えの際には根を切らないように注意してください。
スターチスの種類や品種によって、咲かせる花は異なります。
リモニウム・シヌアツム’ソビア’混合ならば、濃淡の桃色の花弁と淡青色の萼を付けている加色混合の花です。宿根スターチス’ブルー・ファンタジア’ならば、四季咲きの花といったように異なります。
スターチスの増やし方で一般的なのは「種まき」です。
種まき時期の9月〜10月の間に、細粒のバーミキュライトを覆土に用いてください。種が少し見えるくらいに薄く覆ってください。
種は、毛に包まれているのをそのまま蒔いても発芽しにくいため、種と砂をしっかりと混ぜて揉むことで毛を切り取るようにしましょう。市販の種の中には、クリーンシードと呼ばれるすでに毛を取り除いたものもあります。
種まきの際の用土は赤玉土を使い、発芽するまでは乾かさないようにしておきましょう。
発芽をしたら、一度小さなビニール鉢に仮植えを行い、本葉が5枚ほど生えたらプランターに植えてください。地植えの場合には、春になって暖かくなるのを待ちましょう。
スターチスがかかる可能性のある病気は、「灰色カビ病」と「立枯病」です。9月〜7月の間に、過湿、根詰まり、肥料切れなどで下の方にある葉が枯れてしまった場合に、発生しやすくなります。水はけと風通しをよくし、枯れ葉を逐一取り除くといいでしょう。
気をつけるべき害虫はアブラムシですが、風通しを良くすることで防げます。もし見つけた場合には、即座に潰すか、牛乳1・水1の割合で混ぜた液体をかけてアブラムシを窒息死させ、植物から拭き取るといいでしょう。
今回はスターチスについて、育て方を中心に簡単にご紹介しました。
特に北欧風をはじめとする洋風の空間にピッタリな植物で、基本切り花として使われますが、アレンジでも十分使えるでしょう。
苗での流通が少ないがために、咲くまで花色がわからないからこそ、アレンジが難しいだけです。
興味のある方はぜひ一度育ててみるといいでしょう。
GreenSnap編集部