warning
error
success
information
ハオルチアは近年人気を高めており、とくにオブツーサという品種は、その肉厚なぷっくりとした葉と、葉先の宝石のような透明感が美しいと話題です。春秋型の多肉植物で中級者向けですが、室内でしっかり管理すれば問題なく育てることができます。今回は、そんな人々を魅了する美しきハオルチアの育て方についてご紹介します。
ハオルチアの育て方のポイントは、水やりを乾燥気味にすることと、日当たりのいい場所におくことです。
こうすることで、オブツーサなどの軟葉系ハオルチアは、より透明感がましてキラキラと輝きますよ。
ちなみに、ハオルチアの品種は葉が硬くて細くシャープな形状の硬葉系と、葉が肉厚で柔らかく透明感のある軟葉系の2種類に大きく分けられます。いろんな品種を育ててみるのも楽しいですよ。
ハオルチアを育てる場所は、年間を通して、直射日光を避けた日当たりと風通しのいい場所に置くのが基本です。
ハオルチアの栽培適温は15〜20℃なので、鉢植えにして室内で育てるのがおすすめです。ときおり鉢の角度を回して、全体に日光が満遍なく当たるようにしてあげると、葉形が美しく育ちます。
屋外で育てる場合は寒さが苦手なので季節によって置き場所を変えてください。
育成期の春と秋は、風邪通しのよい日なたに置いてください。冬明けのときには、いきなり日向ではなく戸外の日陰で2週間、半日陰で2週間、日向、といった具合に徐々に慣らしていきましょう。この時期でも日差しがきつい日は半日陰を選ぶようにしてください。
それ以外の季節は休眠期に当たります。真夏の直射日光をあてると弱ってしまうので、夏は風通しのよい半日陰で管理しましょう。冬の置き場所については、後半で解説します。
ハオルチアの水やりは、土が完全に乾いてから置いた後、鉢底からたっぷりと流れ出るまで水やりするのが基本です。
とくにオブツーサなどの軟葉系の品種は、葉に水をたくさん溜めており、水をやりすぎるとすぐに根腐れしてしまうので注意しましょう。
春と秋のハオルチアへの水やりのコツは、土が完全に乾いてから、しっかりと水をあげることです。水のあげすぎは禁物なので、完全に乾燥した鉢の重さを覚えてタイミングを計るといいでしょう
それ以外の季節や春秋でも気温が15℃を下まわる時期は、少し水やりを控えてください。
ハオルチアに水やりするときは、必ず株元の土に水を注ぎましょう。
ハオルチアのような多肉植物は、葉の間に水が溜まりやすいです。葉に水をあげてしまうと、隙間に残った水分が蒸発しきれずに、腐って病気の元になったり、虫眼鏡と同じ要領で葉焼けがおきます。
もし葉に水が入ってしまった場合は、ブロアーなどで吹き飛ばしましょう。
ハオルチアの肥料は、育成期の春と秋に与えるようにしましょう。2週間に1回程度、規定量に薄めた液体肥料を水のかわりにあげてください。やりすぎは根腐れの原因になるので注意しましょう。
ハオルチアの耐寒は5℃程度なので、冬は室内にいれて暖房の風が当たらない場所で管理してください。
また、冬はハオルチアは休眠期にあたります。この時期は水を吸う力がなくなっていくので、水やり頻度は春秋よりも控えてください。真冬は断水すると、むしろ耐寒性があがるとされています。
ただし、常に冷暖房が効いている室内で栽培しているのであれば、断水させる必要はないでしょう。
ハオルチアの植え替えの適期は、春か秋の育成期に入ってすぐです。2〜3年に一度、定期的に植え替えをすることで、健康が保たれます。
ハオルチアを植え替える土は、市販の多肉植物用の培養土を用意してください。
草花用や観葉植物用の培養土では、排水性が足らずにハオルチアが根腐れする可能性があります。必ず多肉植物用と表記してある培養土を選びましょう。
そのほか、植え替えをするときは、下記のものを用意しておきましょう。
ハオルチアの増やし方は「株分け」か「葉挿し」です。とくにハオルチアは上に伸びるのではなく子株をつけて横に伸びていくので、株分けが簡単ですよ。
どちらの増やし方も、植え替え時期と同じく春か秋の気温20℃前後の時期に作業しましょう。植え替えと一緒にやると、親株もスッキリとした見た目に仕立て直せます。
ここからは伸びすぎたハオルチア・オブツーサを例に、株分けと葉挿しのやり方をご紹介します。
大きく伸びたハオルチアを元の鉢から抜き取ります。水やりは数日前から控えて土を乾燥させておくと、根への刺激が少なくなります。
あらかた根のまわりについた土を落として、根をかるくほぐしながら、親株と子株との分け目を探ります。手でやさしく掴んで引き離して分けましょう。
株分けした子株は、根が長すぎる場合は、清潔なハサミで短く切り詰めてください。
子株の大きさに合わせた容器に、新しい多肉植物用の培養土をいれて、子株を植えていきます。
これで株分け完成です。株分けしたら1週間後から水やりを再開しましょう。
葉挿しをする場合は、葉を指でつまんで左右に振りながら、根本からもぎ取るようにします。途中で切れたものからは芽が出ないので注意しましょう。
全ての葉から増えるわけではないので、いくつかもぎ取っておくといいです。
適当な容器に多肉植物用培養土をいれて、土の上に葉を並べていきます。このとき、切り口が完全に土に埋まってしまうと腐るので、ほんの少し土に触れるか触れないか程度に角度をつけて並べましょう。
葉挿し後は、晴れが3日以上続くようなタイミングでたっぷり与えますが、基本的にはかなり乾燥気味に育てましょう。
育成期には、ハオルチアも花芽をにょきにょきと上げます。そのまま咲かせても問題ないですが、開花前に切る場合が多いです。好みではありますが、花自体が地味なわりに、ハオルチアにかかる負担が大きいので、健康な育成のために花茎切りをする方が多いです。
ハオルチアが病気にかかる心配はほとんどいりません。しかし、まれにカイガラムシ、アブラムシなどの害虫被害に合ってしまうので気をつけましょう。見つけたら薬剤をつかうか、直接取り除くなどして駆除してください。
ハオルチアはオークションで100万円という、植物にしては高額で取引される品種もある、人気の多肉植物です。水やりの加減や置き場所の管理に気をつけて育てて、ぜひおうちで美しいフォルムを楽しんでください。
松原真理子
GreenSnap編集部