warning
error
success
information
モクレン(マグノリア)は大振りで鮮やかな紫色の花と、甘く上品な香りが特徴的な花木です。暑さにも寒さにも強く育てやすいので、庭木として人気があります。そこで今回は、モクレンの育て方についてご紹介します。
モクレンは日がよく当たり風通しのよい場所での栽培が適しています。4〜5m程度の高さに育つ中高木なため、基本的には地植えが向いていますが、鉢植えにしてコンパクトに育てることも可能です。
また、生育が旺盛で横に枝を張って成長していくので、地植えの場合は直径3mぐらい確保できる広いスペースが必要です。狭い場所に植えると、成木になったときに剪定の手間がかかります。
鉢植えで育てる場合は、鉢を地面に直接置いていると根が鉢からはみ出して、地面に根づいてしまうことがあります。そのため、鉢を台の上に置くなどして地面から離して栽培しましょう。
地植えの場合は、植え付けてから根が張るまでは水やりをします。その後は日照りが続いた場合は水やりが必要ですが、それ以外は基本的に降雨だけで大丈夫です。
鉢植えの場合は、土の表面が乾燥していたら水やりをします。
地植えの場合は、春の活動期に栄養を届けられるよう、寒肥として2月に油かすや堆肥などの有機肥料を施します。そして9月に油かすと骨粉を混ぜた肥料を追肥します。なお、若木の場合は成長期の5月にも、9月の追肥と同様の有機肥料を与えましょう。
鉢植えの場合は3月〜6月の間、月1回ずつ油かすと骨粉を混ぜた肥料を施します。
モクレンは、水はけがよく肥沃な土を好みます。
地植えには、腐葉土を3割ぐらい混ぜた土が適しています。鉢植えには、赤玉土8:腐葉土2の割合の土を使います。
モクレンの苗木の植え付けは1月〜3月頃が適期です。
地植えの場合は穴を50cm程度掘り、腐葉土を混ぜた土を穴に半分ほど入れ、そこに苗木を置きます。そして残りの土をかぶせ入れ、支柱をして固定します。苗木がぐらぐらしていると根がつきにくくなるので注意しましょう。
鉢植えの場合は水はけをよくするために、鉢底に鉢底石を1/4ほど入れます。そして苗木と土を入れて支柱で苗木を固定します。
地植えの場合は、植え替えの必要はありません。モクレンの根は粗いので、成木になってから植え替えるのは困難です。よって、しっかりと場所を考えてから植え付けをする必要があります。
鉢植えの場合は2〜3年に一度、ひと回り大きい鉢に植え替えて根づまりを防ぎます。植え替えは4月下旬〜5月上旬が適期です。根を傷つけないよう軽く土を落として植え替えます。
モクレンは、「種まき」と「芽接ぎ(そぎ芽接ぎ)」により増やすことができます。また、挿し木により増やす方法もありますが、発根しづらいのでおすすめではありません。
種まきは9月〜10月が適期です。種は実から取り出し、重ならないようにして赤土玉にまきます。そして種が隠れる程度に土をかぶせ、水やりをしっかり行っていきます。発芽後、葉が2〜3枚ついたら、2〜3号鉢に1本ずつ移植しましょう。苗が成長したら地植え、もしくは鉢植えにします。
芽接ぎとは親木から葉芽を削り取り、切り込みを入れた台木(芽接ぎをする木)に削り取った葉芽(穂木)を差し込み、穂木と台木を結束させて接ぐ方法です。
台木には、モクレンの仲間である「コブシ」の苗木などを使い、8月下旬〜9月上旬に行うのが適しています。芽接ぎのやり方は以下のとおりです。
1〜3週間後、葉柄が黄色くなって落ちたら、芽接ぎは成功しています。春までそのままの状態にし、3月の中旬頃に芽接ぎの上部を切り取れば苗木の完成です。
モクレンは病害虫による被害が少ない花木ですが、カイガラムシやカミキリムシが寄生することがあります。
カイガラムシは花や葉、枝を吸汁し生育に悪影響を及ぼす害虫です。寄生すると葉を変色させる「すす病」や、枝を枯らす「こうやく病」を引き起こします。
カイガラムシがついていたらブラシで擦り落とす、もしくは薬剤の散布による駆除が必要です。幼虫は薬剤で退治できますが、成虫は薬剤があまり効かないこともあるので、月に2〜3回散布するようにしましょう。カイガラムシは、風通しが悪いとつきやすくなるので、剪定などをして風通しをよくすることが大切です。
カミキリムシは幹の中を食害します。それにより幹を弱らせるだけでなく、葉も枯らしてしまいます。見つけ次第、薬剤を散布して駆除しましょう。
また、カミキリムシの最盛期である6月〜7月頃は忌避効果のある薬剤を散布して、カミキリムシを寄せつけないようにすることも大切です。樹勢が弱いと寄生されやすいので、肥料を施して樹勢を強化しておきましょう。
モクレンの剪定は11月〜2月が適しています。ただし、花芽と葉芽の見分けがつかない場合は、花後の5月〜6月上旬頃に剪定しても問題ありません。
枯れ枝や混み合っている枝、長く伸びすぎている枝は根元から切り落とします。短い枝の先に花芽ができるので、短めの枝は剪定しないようにしてください。
鉢植えの場合は特に、花後に花がらを取り除くと見た目をきれいに保てます。また、株元付近の枝は不要なので、切り落としましょう。
モクレンは病害虫による被害が少ない花木ですが、カイガラムシやカミキリムシが寄生することがあります。
カイガラムシは花や葉、枝を吸汁し生育に悪影響を及ぼす害虫です。寄生すると葉を変色させる「すす病」や、枝を枯らす「こうやく病」を引き起こします。
カイガラムシがついていたらブラシで擦り落とす、もしくは薬剤の散布による駆除が必要です。幼虫は薬剤で退治できますが、成虫は薬剤があまり効かないこともあるので、月に2〜3回散布するようにしましょう。カイガラムシは、風通しが悪いとつきやすくなるので、剪定などをして風通しをよくすることが大切です。
カミキリムシは幹の中を食害します。それにより幹を弱らせるだけでなく、葉も枯らしてしまいます。見つけ次第、薬剤を散布して駆除しましょう。
また、カミキリムシの最盛期である6月〜7月頃は忌避効果のある薬剤を散布して、カミキリムシを寄せつけないようにすることも大切です。樹勢が弱いと寄生されやすいので、肥料を施して樹勢を強化しておきましょう。
モクレンの花言葉は「持続性」、「自然への愛」、「威厳」、「崇高」などがあります。
存在感のある大きな花を咲かせるモクレンは、非常に華やかで見る人の心に残る美しさを持っています。また、芳香を楽しめる点もモクレンならではの魅力です。樹勢を健全に保ては病害虫の被害を受けにくいので、初心者でも育てやすいと言えるでしょう。ぜひモクレンの栽培にチャレンジしてみてください。
※トップ画像は栗 かのこさん@GreenSnap
GreenSnap編集部