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ツメレンゲは日本の在来種で、元々日当たりの良い岩場や崖に自生しています。株をどんどん増やすため、人間の生活圏でみかけるかもしれません。そんなツメレンゲは発芽してから開花までに約3年かかる多年草で、一度開花して結実してしまうと枯れてしまうという特徴があります。今回は、そんなツメレンゲの育て方について紹介します。
ツメレンゲは、日当たりがよく風通しのよい場所においてあげましょう。ただし、高温多湿には弱いです。夏場などの直射日光の厳しい時期は、半日向で管理してあげます。強い直射日光を浴びると、葉焼けしてしまうので注意が必要です。
ツメレンゲは日当たりだけでなく、風通しもよい場所を好みます。乾燥した場所や寒い場所でも適応できます。ただし、高温であったり多湿の場所に弱いため、ジメジメと湿った場所に置いて管理するのは避けてください。
ツメレンゲはある程度過酷な環境でも耐えれるため、1〜2日の間の雨水であればかかっても問題ありません。とはいえ、ずっと放置しておいて大丈夫というわけではありません。
ツメレンゲは夏の炎天下では、生長を止めて休眠状態に入っています。見た目は青々として元気であっても、水をやりすぎると根から栄養を吸収しきれずに腐ってしまう恐れがあります。そのため、夏はやや乾燥気味に管理し、過度な水やりには注意しましょう。
一方で、生長期の春・秋は土が乾いているのを確認したら、水を底穴から流れ出るぐらいに与えます。過湿には弱いので、毎日のように頻繁に行う必要はありませんし、あげ過ぎはよくありません。
冬は気温の低下とともに、ツメレンゲの休眠状態に入ります。そのため、やや乾き気味に管理してあげます。
表面の地上部分は脱水して枯れ始めますが、根の部分は生きているため春になると復活します。乾燥には強いので、冬はあまり水を上げる必要はありません。
ツメレンゲは肥料を施さなくても十分生長できますが、多少あれば生長の手助けとなって、秋に綺麗な紅葉がしやすくなります。春から秋にかけて液体肥料を薄めて施してあげるか、春に緩効性の固形肥料を少量あげる程度で大丈夫です。
あまり過度に上げすぎると、ツメレンゲが大きく生長しすぎるので、見栄え良く生長させたい場合は注意が必要です。
ツメレンゲは多湿に弱いため、水はけが良い土で育ててあげると良いでしょう。一般的に売られている山野草用の土で問題ありません。培養土の場合は水持ちが良すぎて多湿になってしまい、根腐れしてしまいますので注意が必要です。
また、一般的に売られている多肉植物用の土を使った場合は、肥料分が多すぎてしまい、ツメレンゲが大きく成長してしまいます。もし見栄えのよい小ぶりで可愛らしいツメレンゲを育成したい場合には、多肉植物用の土など栄養価の高いものは避けましょう。
自分で土を配合する場合には、赤玉土(小粒)、鹿沼土(小粒)、ピートモス、川砂、燻炭をそれぞれ1ずつの割合で混ぜ合わせた土を使用するのが望ましいです。
ツメレンゲの植え替え時期は、生長期を迎えた直後が理想です。そのためツメレンゲの植え替えをする場合は、春もしく秋の暖かいうちにするのが適期となります。
春に植え替えをする場合は、根をなるべく1cm以下になるように切りそろえて、切り口を乾かしてから別の土へ植え替えします。そうすることで、より元気な株に育ちます。
植え替えは鉢が根詰まりするようになったら行うため、目安として1〜2年以上に1回してあげるのが理想的です。ただし、休眠期になる夏・冬に植え替えをしてしまうと、表面部だけではなく、しっかりとした株まで枯れてしまうので、その時期に行うのはできるだけ避けましょう。
ツメレンゲの増やし方は「株分け」や「葉挿し」といった方法があります。
ツメレンゲは、一度花が開花してしまうと親株が枯れてしまいます。そのままにしておくと、地下茎でつながっている周囲の子株も一緒に枯れてしまうので、株分けを行うことでこれを防ぐ対策にもなります。
株分けのとき、蕾の部分を切り取ってしまうことがなお良いです。
葉挿しの場合はあまり成功確率が高くないため、おすすめはできません。
株分けの適期とされているのは生育中の春(3〜5月)もしくは秋(9〜10月)です。繁殖力自体は非常に高いため、殖やすことはそれほどむずかしくはありません。
ツメレンゲにつきやすい害虫として、ワタムシ、ヤトウムシ、アブラムシ、カイガラムシといった小さめの虫が挙げられます。これらの虫は非常に小さいため、見落としがちになりやすいです。
季節の変わり目に浸透移行性のある殺虫剤をまいておくことで、これらの害虫を予防・駆除することができます。
また、ツメレンゲは風通しの悪い場所に置いておくと、根腐れを起こしてしまいます。カビ類が発生して侵食されてしまいますので、注意が必要です。
直射日光を浴びることもツメレンゲにとってはよろしくありません。葉焼けの原因となってしまいますので、日陰に置くことで回避しましょう。
乾燥地帯の岩場や崖に自生していたツメレンゲは、多肉植物としては寒さについては耐性が強く、冬場に外で管理していても大丈夫です。日光が不足すると、生育がよくなく見た目の悪いものになってしまいます。しっかりと陽に当てることが重要です。
しかし、湿度と高温には弱いため、夏場や日差しの強い時期には直射日光を避けるように管理する必要があります。
ツメレンゲの持つ花言葉は、「幸福」「誠実」です。
ツメレンゲは一度咲いてしまうと枯れてしまう儚げな植物ですが、寒さや乾燥に強く、苗は繁殖しやすいといったパワフルな一面もあります。
多年草であるため、毎年花が見られるという訳ではありませんが、四季折々の姿を観賞できます。手間がかからないという点では、難易度も高くないため、是非一度育ててみてください。
GreenSnap編集部