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センペルビウムはとても耐寒性の高い多肉植物です。葉はロゼット状で、株からランナー(匍匐茎)が伸びて群生します。冬には赤黒く紅葉し始め、春には固有の色に染まります。40もの原種があり、品種によって様々な発色、生育の過程が楽しめます。
そんなセンペルビウムの育て方を説明します。
センペルビウムは日当たりのよい環境で育てましょう。センペルビウムの生育期は春と秋なので、その時期は率先して日に当てるようにします。
しかし、センペルビウムは高温多湿に弱く、夏は長時間日光の下に置いておくと鉢内が蒸れてしまう恐れがあります。なので、夏の鉢内が高温になる可能性があるときは、ベランダ等明るく風通しのよい日陰に移動させます。
こうすることで鉢内の湿度を下げ、乾燥した状態を保つことができます。
センペルビウムは多湿による根腐れで枯れる可能性が非常に高いので、特に日本の夏季(梅雨等)はしっかりと土を乾燥させておきます。
センペルビウムにちゃんと日光を当てないで育てると、葉っぱがだらんと垂れたり、株が地面に這いつくばり葉色が悪くなる等元気のない姿になってしまいます。
センペルビウムを室内で育てることは原則として不向きなので、元気な姿を保持する為に日光を当てることはとても大ことです。
センペルビウムは、肥料や化学物質等の多く含まれた薬剤を使用しなくても、自然の力で元気に成長します。
夏の暑さも冬の寒さにも強いですから、夏季の高温多湿にだけ気を配ってしっかりと日光浴させてあげて下さい。
高温多湿に弱く、日光に当てることで元気になるので、風通しが良く日当たりの良い場所に置くといいでしょう。
明るい日陰でも充分に育ちますが、できるだけ日光に当ててあげると元気に育ちます。
また、年中屋外で育てることが可能ですが、高温多湿を避ける為に梅雨等の長雨に晒すことは避けましょう。
乾燥には強いので、常に風が通り湿度の低いカラッとした環境づくりが大切です。
庭等に地植えする場合は、水はけのよい土を使用します。
耐寒性が高いですので、冬は霜や雪を被っても枯れることはなく、屋外に置いていて大丈夫です。正確にはー5℃までは耐えることができます。
夏はセンペルビウムの休眠期にあたりますので、水やりは控えめにします。
頻度としては表土が乾いて2、3日経過してから、たくさん水をあげます。必要最低限の水で十分成長します。葉に元気がなくなったときに水をあげる感覚でも問題ありません。
センペルビウムは水をあげ続けて保水することより、断水して乾燥させる方が耐性がありますので、高温多湿に陥りやすい夏は、水をあげないことが何より重要となってきます。
冬も同じく休眠期にあたりますので、基本的に水やりは控えます。
夏は多湿になりやすく気候的に乾燥しにくいので日頃から断水を心がけますが、冬は乾燥しているので夏ほど水を避けなくてもいいです。
また、センペルビウムは耐寒性が高いので、雪や霜が降りても平気です。常に鉢内を湿らせたりしなければ簡単に枯れることはないので、夏と同じく適度に土を乾かしつつ、水をあげます。
センペルビウムの生育期である春と秋に緩効性肥料を少し加えるか、液体肥料を薄めて使ってもいいですが基本的に肥料は必要ではありません。液体肥料を加える場合は、月1回程度で十分です。
ただし、肥料をあげないと枯れるということはなく、日光と適度な水分を確保できていれば早急に必要なものではありません。
肥料には大きく分けて「緩効性」と「遅効性」と「速効性」とがありますが、センペルビウムに使われる「緩効性肥料」は効果が長くじっくりと続くもので、「遅効性肥料」は作物に作用するまで長い時間がかかります。
その多くが有機物であることが多いです。それに対して「速効性肥料」は水に良く溶けて、更に効果がすぐに現われるものであり遅効性肥料の様な有機物ではなく化学物質等の無機物を使用した物が多いです。
センペルビウムは日光や適切な温度管理によって、適切に成長しますのでこうした化合物を多く含んだ栄養剤を与えることは好ましくありません。
センペルビウムを育てるときは、水はけのよい土を選びます。多肉植物専用の土を使うか、「赤玉土3・鹿沼土3・ココピート2・川砂2」の割合で配合すると良いです。
用土に関しても絶対に水はけのよいものでなくても、育ちますが水はけのよい土が用意できるならそれが最適です。
市販の多肉植物専用の土や花、野菜の土の中で水はけのよい土の成分には、くん炭、バーミキュライト、パーライト、軽石小粒等が含まれています。中でもくん炭は水はけのほか、保水性や通気性を高める効果があり、およそ680倍の水を吸いこむ働きがあります。
表面には空気が通る穴があり、通気性にも優れ水はけを良くする作用があります。これらの成分によって土の持つ性質も変わってくるので、市販のものを買う際にも土の成分を知っておくと更に良いでしょう。
市販の土と混ぜる鹿沼土は、水はけの良い酸性の土を指します。鹿沼土は肥料分がほぼ無く、雑菌が少ない上にさし木に利用されます。そして、土の乾燥具合が一目で分かるので、水やりのタイミング等を把握しやすいです。
しかし、鹿沼土は園芸の経験が十分でなければ中々手が出ない土です。基本的には市販で販売されている培養土で十分です。
また、原種のセンペルビウムであれば種まきで増やしていくことができます。種まきに適した時期は同じく生育期の春と秋が望ましいです。
植え付けするときは、水はけの良い土に、株分けした株を挿していきます。
植え替えは頻繁でなくても構いません。土に元気がなくなってきたら行います。タイミングとしては2、3年に1回。春と秋の生育期ならばいつでも良いですが、育成期の手前か初め頃が良いでしょう。
センペルビウムの増やし方は、主に「株分け」か「挿し木」で行います。
株分けは、群生して増えた株を使います。土が乾いている時に株分けを行うのが良いです。梅雨入りまでの春が株分けの最適な期間です。根が出た子株を切り分けて、新しい土に植えます。株分けを行う際は、茎をカットします。
鉢から抜いて土を取ると、根茎がありますのでこれを切ります。根っこが付いている部分に分けて切っていきます。それからしばらく乾燥させてから土に植えます。
ランナー(茎)でも株分けをする場合子株が増えていきますので、これもまた先端を切り落します。切り落としたランナーは新しい土に植えて、水は数日放置して後たくさん与えます。
子株を外す場合の株分けは、株を鉢からそっと取り出して崩さないように分けます。整理した根っこは古いものと新しいものと分けて、新しいものは残しておきましょう。そうして分けたあとに土を足し、しばらく株を放置したあとに水をたっぷり与えます。
株分けしたあとの株は風通しが良く、日の当たる日陰で管理します。
挿し芽(挿し木)をする際は成長期である春か秋がおすすめです。伸びたランナー(茎)の先にできた子株を切り落とした芽からさし芽をします。種蒔を行う際も、成長期の春と秋に行います。
注意したい病害虫はカイガラムシ、アブラムシ、ハダニ等が該当します。花芽や新芽等の繊細な部分はダメージを受けやすいので、センペルビウムがまだ若い頃はこうした病害虫が付いていないか注意してあげる必要があります。
カイガラムシは幼虫の段階であれば農薬や殺虫剤が良く効きますので、早い段階で予防しておくと安心です。薬剤で駆除できなかった場合は、歯ブラシ等でこすり落とします。
また、テントウムシや寄生蜂はアブラムシやカイガラムシを一掃してくれますので、植物の負担を軽くするにはこういった手段を取るのも良いでしょう。
成虫になってしまった病害虫は農薬等が効かない場合があります。その際は歯ブラシ等を使って擦り落としていきます。
葉っぱが白っぽくなった場合は、ハダニが原因であることが考えられます。ハダニは葉の裏や表面から植物の汁を吸います。そうすると、その部分の葉緑素が抜けることで発生します。
落ちなかったハダニは擦って落とすか農薬を使用します。
センペルビウムは、基本的に屋外で管理します。日光で健やかに成長し、高山の冷えた場所に生息する多肉植物なので、耐寒性もあり丈夫です。
冬の雪や霜にも負けませんが、高温多湿に弱いので梅雨時や夏は特に鉢内を常温に保ち、風通しのよい場所で管理しましょう。
温度の管理をしっかりしておけば、日差しや冷え込みで簡単に枯れることは滅多にないので、センペルビウムの弱い所をしっかり把握しておくことが大ことです。
夏の暑さと冬の寒さの両方に耐え、品種によって様々な表情を見せてくれるセンペルビウムの育て方についてご紹介しました。
GreenSnap編集部