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シノブは土がない所でも育つ強さから、「耐え忍ぶ」植物として、古来から愛されています。多年草のシダ植物の一種で、日本中で見ることができます。太い毛の生えた根を伸ばし、樹の幹や岩などに張り付くように生長し、細かいレースのような三角形の葉を出します。また、秋には紅葉し、冬は落葉します。そんなシノブの育て方を見ていきましょう。
シノブは日本全国に分布しているように、暑さにも寒さにも強い植物です。
直射日光は好まず、耐陰性があるので、明るい日陰となる屋外か、窓越しの室内などが適しています。また、窓がある浴室などでもよく育ちます。
マイナス5℃くらいまでは耐えられる耐寒性があるので、庭の半日陰などにも向いています。
シノブは多湿を好みます。土ではなく、苔玉や水苔で育てることも多いですが、苔は蒸発しやすいため水切れを起こしやすくなります。根が乾いていたら、たっぷりと水やりをしましょう。
夏場には、葉水も必要になります。霧吹きなどを使って、葉っぱにたっぷりと水をかけてあげると、シノブのみずみずしさが増します。
シノブは肥料をそれほど必要としません。株分けをしたり、新芽が出る成長期には、必要に応じて葉面散布肥料を与え手も良いかもしれません。
シノブは土ではなく水苔などで育てます。自生しているシノブも土で育つというよりは、木や岩などに這うように伸びています。苔玉とふさふさとした葉のコントラストが美しいので、水苔で苔玉に仕立てるのも人気です。
もし土を使う場合には、水はけのよい山野草用の用土を使いましょう。
シノブを苔玉などにした場合、植え替えをする必要はありません。
シノブは猫柳のような産毛の生えた根を伸ばします。根っこが伸びすぎたら、根っこをほぐして株分けすることもできます。ほぐした根っこに着いた古い苔を剥がし、新しい水苔で巻いて植え替えます。たっぷりと水をあげて、乾燥を防ぎます。
シノブは根っこの株分けで増やせますが、挿し木でも増やせます。
①茎の部分を10㎝ほどカットして、差し芽とします。
②肥料を足していない土か、水苔に挿します。
③茎から、根が出てくるまで、乾燥しないよう注しながら水やりをします。根が出てきたら、植え替えてられます。
シノブは、常緑のトキワシノブと違って、冬には落葉します。紅葉してから落葉するので、枯れた葉は取り除きます。
猫の手とも呼ばれる根っこは、葉が散った後も楽しめます。冬場は、根が乾燥していたら水やりをするぐらいにします。春先には、また新芽が出てきます。
シノブは、病害虫が付きにくく、育てやすい植物です。
万が一、カイガラムシやアブラムシなどが付いた場合には、すぐに取り除きます。虫が付いた葉は、切除してしまいましょう。それでも、虫が付く場合には、食器用洗剤を薄めて噴霧したり、虫よけ薬を噴霧します。
シノブを含むシダ類は、以下のような花言葉を持っています。
シダは、胞子で増えますが、ヨーロッパでは、その胞子を食べたり身に着けたりすると、不思議な力を持つという伝説があります。夏至の夜に、シダに手を触れずに胞子を集め、身に着けると他の人から見えなくなる魔力を持つことになるとか。
ボヘミアなどでは、夏至の夜にシダの花が咲くという言い伝えがありました。地中に花開く黄金の花を見つけて山に登ると、黄金を見つけることができるという伝説があり、この話に基づいた花言葉があります。
イギリスやフランスで通用している花言葉です。由来ははっきりしませんが、常に緑の葉を繁らせる姿に由来するのかもしれません。
良い意味の花言葉だけではありません。こちらも、胞子を身に着けると体が見えなくなるという言い伝えに基づくものですが、はっきりしないという意味合いで使われているようです。
フランスでは昔、シダをサナダムシの駆除薬として使っていたとか。医学的な価値がある植物としての価値が認められているようです。
シノブは、乾燥に気をつければ、育てやすい植物です。多湿を好むので、窓があるバスルームなどのグリーンとしても使えます。根っこは猫の手のようで、苔玉に仕立てることもでき、秋には紅葉し、季節感がありつつも一年を通して独特の風合いを楽しめます。
※トップ画像はユニコーンさん@GreenSnap
GreenSnap編集部