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岩場などに自生するイワヒバは、盆栽などで人気のあるシダ植物です。ある程度までしか生長しないことや、新緑や紅葉が楽しめること、また長寿であるなどイワヒバは魅力たっぷりです。
そんなイワヒバの育て方から種類、花言葉などをご紹介します。
イワヒバは日光の当たり具合によって葉芸や葉色などに影響を受けてしまうので、日当たりは重要なポイントになります。
特に7〜8月の強い日差しには注意が必要です。日差しの強い場所だと葉焼けを起こしてしまう場合があるので、寒冷紗などで遮光しているのなら二重に張る必要があります。
ただし、あまりに日光を遮ってしまうと今度は葉の青みが増してしまいます。曇天または雨天の日には遮光材料を外すようにしましょう。
また、品種や株の大きさによって、イワヒバが好む日当たり加減は変わってきます。それぞれに合った日当たりを確認しなければなりません。
イワヒバは水分を好みますが、水分が溜まったままの状態を嫌う習性があります。
土が乾いているときに、鉢底から水が流れるまでたっぷりと与えます。このとき株元に水をやるのではなく、葉の上から水をかけるように与えてください。
梅雨明けは特に注意が必要です。湿度が高い上に、梅雨明けの急な強い直射日光を受けると、根腐れが起こりやすくなります。
とはいえ、逆に強い日差しを浴び続けて乾燥してしまうのもよくありません。水やりの際に鉢の周りにも水をまいておくと、乾燥防止になります。
雨などで培養土が潤っている場合は、水やりをする必要はありません。
イワヒバは水を好みますが乾燥に強いので、冬の水やりはあまり必要ありません。
ただし、晴天が続いて培養土が乾いているようなときだけ、鉢の底から水が流れてくるまであげます。冬は冬眠状態になっているので、水をあげても葉はあまり開きません。元気がないと勘違いして、水やりをしすぎないように気をつけましょう。
イワヒバは岩場に自生する植物ですので、肥料をそれほど必要としません。
株がまだ若いときに肥料を与えると、逆に枯れてしまいます。また、イワヒバは生長が非常にゆっくりなので、肥料を与えてもその効果を目にすることは難しいです。
もし肥料を与える場合は、基準希釈量の5〜10倍ほどに薄めた液体肥料を、月に1回程度にするとよいです。1〜2年おきに植え替えている場合は、肥料を与える必要はありません。
肥料をあまり必要としないイワヒバですが、土は非常に重要です。イワヒバが元気に育つかどうかは、その培養土の良否に左右されます。
イワヒバの培養土に必要な条件は、排水性と保水性がよいこと、清潔であること、酸性土であることです。鹿沼土単用の場合はなるべく硬めのものを、また日向土や桐生砂などを2〜3割ほど混ぜたものでもよいでしょう。
清潔な状態が好ましいので、不純物の多い土や古い土は使わないようにします。土は使用する前に日光消毒などを行いましょう。酸性土を保つためにも、1〜2年に一度くらいは植え替えをした方がよいです。
イワヒバの植え替え時期は5〜7月頃が適しています。暖かい地域でしたら9月くらいまでは植え替えをしても大丈夫です。12月〜3月の冬眠期間は必ず避けましょう。
使用していた鉢より一回り大きなものを用意し、鉢底にゴロ石や粗粒磔などを敷きます。その上に指先ほどの大きさの粗粒を入れ、培養土をかぶせます。このときに土はふるって大粒と中粒に分け、粒の大きなものから入れるようにします。
株を中央に置いたら、その周りにも培養土を入れて植え付けます。入れ終わったら、ピンセットなどで培養土を充分にすき込んで完成です。
イワヒバの増やし方は、「挿し芽」が一般的です。挿し芽は5〜6月頃に行いましょう。
親株の葉の一部を切り取り、乾燥しないように早めに挿します。切り取るときは、芽があまり小さくならないようにしましょう。そして水洗いした清潔な培養土を使います。水洗いして乾燥させてから、ふるいにかけて微塵粒子を取り除きます。
それから育苗箱または平鉢に土を敷き、挿し穂を裏返しにして並べます。挿し穂同士はあまりくっつけて置かないようにしましょう。そして上から培養土をふりかけて固定します。日陰に置いて毎日水をやると、一カ月ほどで芽が出てきます。
イワヒバに一番発生の多い病気が「ベト病」です。周りの葉から茶色くなっていき、次々に感染します。見つけたらすぐに薬剤を散布します。
肥料をやり過ぎることが大きな原因ですので、肥料を多めにやる場合は予防に薬剤も散布しておきましょう。
また「ヨトウムシ」という幼虫が葉を侵食することもあります。イワヒバの葉先がわずかに茶色くなっているのを見つけたら、ヨトウムシがいる確率が高いです。
ヨトウムシはイワヒバの葉に似ているため、よく観察することが大事です。見つけたら薬剤を散布します。
イワヒバは、民間療法として強壮や活血、腰痛、利尿などに煎じられることがあります。
イワヒバは冬眠する習性を持っているため、一般的には秋の終わりあたりから水やりをひかえます。冬の間の雪や雨が少ない地域でしたら、特別なにかしなくてもただ自然にまかせるだけで冬を越せることも多いです。
そして暖かくなってくるお彼岸あたりに、冬眠から起こして水をあげます。特に温度は気にせずに、自然に放置しても大丈夫です。
江戸時代から盛んに品種改良が行われてきたイワヒバは、今では200以上の品種を持つとされています。現在でも毎年何種類かの品種が生まれているようです。よく栽培されている品種をいくつか挙げます。
「金華山」は人気の品種の1つです。春には濃い緑色に、夏にかけて徐々に斑が入り、秋になると全体が紅葉します。
「紫金欄」は横に広がった大きな葉が特徴です。新芽の頃になると葉に金色の斑が入り、夏には鮮やかになると共に葉の中心が紫色に変化します。そして秋には葉が赤みを増します。
「御所錦」は、葉の先がだんだんとオレンジ色になる品種です。夏が近づくと葉に白色のぼかしが入り、秋には再びオレンジ色に染まります。
「泰平冠」も人気が高く、丸みのある厚い葉肉が特徴です。春には芽先に金色の斑が現れ、それがだんだんと広がっていきます。秋には金色を残しつつ紅葉した姿を見ることができます。
イワヒバの花言葉には「長寿」「負けない心」「稔り」などの意味があります。
イワヒバは長く生きることから「長寿」という花言葉が生まれたようです。縁起の良い植物なので、高齢者の方のお祝いなどに贈ることも多いです。
また、水が足りていない時に葉を内側に丸めて新芽を守ろうとするため「負けない心」「稔り」という花言葉も生まれました。
盆栽として人気の高いイワヒバは、その花言葉からも年配の方の趣味に合っているようです。
季節ごとに色彩を変えるイワヒバは観賞用としても楽しめ、その花言葉や生長は見る人の心を穏やかにしてくれるのではないでしょうか。
GreenSnap編集部