このお稽古は5月のものです。寒暖の差があっても春のはずむ力や心がこの時期の花々にはあります。さあ、今回はどう表現しますか?
新人Heidi(ハイジ)さんの作品
ワンちゃんで可愛らしく、こんな器でもいいんですか?と恐る恐る持ってきました。
アドバイス:
大丈夫です。水が入るなら花器になります。差し口が大きく花留めが無いと、生けにくい為、お花屋さんではオアシスを使用しますが、私のクラスでは使いません。代わりに剣山を入れて立たせたいものは立てますが、それ以外は花材を選ぶことによって、花留めの役目をしてもらいます。花材を全体的に低くすることで、重心を低く収めることができます。入れた花材はそのままですが、手直しで全ての花材の長さを10センチほど短くしました。テマリソウがワンちゃんの近くになり可愛く仕上がりました。
Linda(リンダさん)の作品
なかなか自分では使いこなせないと、三ヶ月型でピンクの花の絵柄付き花瓶を使いました。
アドバイス:
絵柄、図柄が入っている花器は使うのが難しいと思われがちですが。1色絵柄と似通った色を花材に選ぶと、落ち着きが出ます。三日月型のオープニング部分もお花を入れてしまうとほとんど見えないので変形花器の印象は薄れます。手直しにピンクのカーネーションを手前に入れ、器との融和を図りました。
Penni(ペニー)さんの作品
ガラスの浅いお皿に剣山を使用しました。全体的に茎が長く直立した感じになり、器が小さくみえました。
アドバイス:
高さを出すと花が重く見えるので低く生けるよう指導しました。
茎を5-10センチカットして生け直しました。またグリーンがかなり大きく長く、左右に伸びていたので、それぞれ違う素材に入れ替え、短く整え、分量を減らし軽やかにしました。
Anita(アニータ)さんの作品
銅製のマグを使いました。何がユニークかというと、記念に自分の名前を彫って贈られたそうですが、よく見ると名前のスペルが違ったそうです。自分だけが見るたびに笑えるマグとのことです。
アドバイス:
器が重く見えないように、濃い色よりも淡い色の花を使うよう指導しました。
また初めにグリーンにシダを使っていましたが、濃い緑が重くなるので、アスパラガスファーンに入れ替えました。
また奥ゆきを出すため、後方に黄色のピンクッションを入れました。
Valerie(バレリー)さんの作品
私のコレクションから、カタツムリのようなぐるぐる花瓶を選びました。
アドバイス:
最初はバラとカーネーション、ミニバラ、ワックスフラワーでまとめていましたが、面白味に欠けるので、高さを出すデルフィニューム、生き物感をだす、2本のヘメロカリスの細葉を入れて遊んでみました。
生き物感というか、動きを出すという感じです。
Mary(メアリー)さんの作品
ティーポットを使いました。アンティークの食器をたくさん持っているメアリーさんならではのチョイス。大きめの白いティーポットはアンティークです。
アドバイス:
中に剣山を入れて花を立てていますが、私個人的には剣山を入れない自然な立て方の方が好きです。
黄色のピンクッションがやや短すぎました。またカーネーションはもっと入れてリュームを出した方が、いい気がします。
剣山に挿しているために、マートルのグリーンが突っ立って見えるのが残念です。
つまりティーポットのときは、剣山無しで生けてくださいということです。
Ruth(ルース)さんの作品
ユニークというほどの面白さはありませんが、色合いは比較的珍しく、縁には金色が付いているので、ちょっと使いにくいそうです。
アドバイス:
やや小さめの器なので、ルースさんがやりたかった形に決まりませんでした。
極楽鳥花のシャープなラインと、イヌツゲのカーブを対比させたかったようです。
そのテーマに沿って直せば、ワックスフラワーを抜き、アルストロメリアも一つにすればすっきりと仕上がりますが、そうするとあまりにも仕上がった作品の色が地味すぎるので、ここではもりもりでもよしとしました。
Donna(ダナ)さんの作品
私のコレクションから
ユニークな厚みのないヴィンテージ花器を選びました。
アドバイス:
この器には極楽鳥花はやや大きすぎる気がします。器との調和に欠けてしまった感が否めません。
後ろに入れたカーネーションを手前に持って来た方が、色のメリハリがついた気がします。ただダナさんはクジャクアスターがかわいいので、緑の器と対比させたかったようです。そこを強調するならアスターは左右に広げて長めにした方が、器とは調和したと思います。
Danise(デニース)さんの作品
こちらはビンテージのティーポットを使用しています。バラだけで生けると言いましたが、ピンクッションが花材にあるのをみて、急遽デザイン変更、剣山を使いかなり茎が長い状態で仕上げていました。
アドバイス:
剣山はない方がいいですよ、というアドバイスを聞き入れ、花材が収まりやすい長さにしていくことにより、自然に仕上がりました。ユーカリがいいアクセントになっています。
Cherry(チェリー)さんの作品
遠距離レッスン別の州にいますが、毎週、テーマに沿って頑張ってお花を毎週生けて写真を送ってくれます。
面白い器がないので、面白く生けるというのが宿題でした。
アドバイス:
花束になっているものを購入し、そのまま生けました、いう感じがします。手元にあるもの全てを使う必要はありません。アレンジは二つくらい作れるほど、十分にあります。剣山の足元の短いお花はとても上手に生けています。
では、実際どうすればここでは面白くなったのか?
例えばバラとカーネーションを抜いてしまい、後ろの黄色いアルストロメリアを短くします。そうするとストロベリーキャンドルが目立つようになり、ユニークなアレンジに。または、バラとストロベリーキャンドル、そしてグリーンの葉だけでシンプルに生けてもよかったかもしれません。
まとめ
花器がユニークでも花器だけが目立ってはいけません。器として使うのですから、花材との調和を保ちながら使いましょう。
ヒント
1、図柄があるなら、そこから1色選び花材と同色にする。
2、形がユニークなら花を見せたい場所に低く持ってくる。
3、調和できずお手上げなら、花器をうまく葉っぱや花で隠してしまう。
最後はやはり自分が納得できるものに仕上げましょう。
久しぶりのみどりのまとめでした🙏最後まで見ていただきありがとうございました。
筆頭のハイジさんの🐶花器に思わず笑みが🤭🤭🤭
「恐る恐る持ってきた」に笑ってしまいましたけど、可愛い!ワンコ好きにはたまらないですね。
どの作品の花器も難しい&使いにくそうですが、作品はそれを感じさせないくらいお花が生きていて✨
なるほどな~と思いました。
私も使っていない難物花器と久々に対峙してみたくなりました。