漠然とした日常の機微の中に存在しているのでしょう。
物語の始まりは、約4〜5年前に粘土で不機嫌なお爺さんの頭部を作ろうとしていた時のことです。そのお爺さんの頭部にエルフの耳を付けてみると、なんと不機嫌なお爺さんが妖精に変身してしまったのです。そこで、この妖精お爺さんに名前を付けてみると、最初はこの妖精お爺さんを主人公にした物語が湧いてきました。また、大好きな本を絡めて魔法の本の話をしようと漠然と考えていましたが、以前から「植物と妖精」をテーマに絵を描いていたので、これらのアイデアを少しずつ纏めてみる作業を始めました。その頃、ニコラス・カルペパーの本に出会い、カルペパーも物語に参加させることにしました。物語も、筆に任せて推敲をせずに、思いつくままに書いています。話が進むにつれて、主人公を具体的に絵に描き、場面をイメージしていくことが重要です。物語の進行は、行き当たりばったりで、あまり事前に先を決めていません。物語が主体ではなく、挿絵の制作が主体です。当然、時代背景や諸々の諸事項を調べることもありますが、それも楽しい時間です。
最初に手を出したのが、「プリニウス博物誌」です。これは、約2000年前のローマで書かれた百科全書で、当時の知識の解釈が興味深いものです。その後、ギリシャのテオ・フラスト(紀元前約300年頃)の「植物誌」に出会い、ありがたいことに日本語訳があることを知りました。このような経緯から、物語の太海に揺られながら、大海原に出る小舟に乗っているような気分で、物語が形成されています。
花満載の小舟に揺れながらドワーフワールドに夢が広がり楽しいですね( ◜‿◝ )♡