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光沢する赤いハートの形をした葉(仏炎苞)がかわいいアンスリウムは、南国風で存在感もあるため、人気の観葉植物です。今回はそんなアンスリウムの育て方を中心にご紹介します。
アンスリウムの育て方は、「栽培温度」と「水やり加減」が大切です。
アンスリウムは寒さに弱いため、最低でも10℃以上の温度を保てる場所で育ててあげましょう。
また、定期的な水やりのほか、葉水をするのもおすすめです。季節に関係なく葉水することで、潤い豊かなツヤのある葉を保ってくれます。
冬場は気温の下がる夜には葉水が残らないようにできるだけ午前中にやっておくのがよいです。
アンスリウムは強い直射日光や西日に弱い性質を持ちます。そのため、明るい半日陰になるような室内で育ててあげることが大切です。
レース越しに光が入る日当たりのいい部屋が最適です。白熱光や蛍光灯など、室内の人工の光であっても育ちますが、だんだん株に元気がなくなります。
日光が不足すると、葉はしおれ、花を咲かせなくなるので、光が差し込まない部屋ならば、一日の内に4時間程度は外に出して光を浴びさせましょう。日光浴は午前中に済ませることをおすすめします。
また、葉の水分蒸発を防ぐためにも、直にエアコンの温かい風が当たらない場所に置きましょう。
アンスリウムは、地植えすると根腐れがおこりやすく、枯れる可能性が高くなるため、あまり好ましくありません。
どうしても地植えしたい方は、明るい日陰になる場所や、木陰のふもとに、アンスリウムに適した用土で満たした鉢ごと植える方法を試してみてください。
ただし、アンスリウムは耐寒性がないため、10℃以上の温度が必要となります。少し肌寒くなってきたら鉢ごと掘り起こし、室内へ移動させましょう。
一般的に市販されている観葉植物の培養土を用います。水はけがよく、保湿のあるものを選びましょう。
アンスリウムは高温多湿の環境を好みます。ただし、土が常に湿っていると根腐れがおこりやすくなり、カビなどの雑菌も繁殖しやすくなるので注意してください。
初夏の5月頃から夏にかけては特に水を必要とするので、土が乾いたらたっぷり水を与えます。乾燥が激しい日があれば、霧吹きで葉も濡らしてあげるといいでしょう。水が切れることのないよう、注意して水やりを行ってください。
また、保水力の高い用土を使用している場合は、表面の乾き具合よりも、「指で直接触ってみて内部が湿っているかどうか」で判断し水をあげてください。
冬場の水やりとして、乾燥気味に保つことを心がけましょう。土が乾いてから、数日間置いて水やりします。
多く水を与えなくても、この時期に入ればアンスリウムの生長がゆっくりになるので、あまり水を吸水しません。用土が多湿になると、根腐れするので控えましょう。
開花する春から秋にかけて、緩効性の固形の化成肥料を与えましょう。
アンスリウムは室内で育てる鉢植えがほとんど主流になりますので、速効性の化成肥料は控えた方が得策です。鉢植えの場合は、速効性の肥料だときつすぎて、根を傷める原因になります。少しずつ養分の溶け出す緩効性のものがベストです。
アンスリウムを植え付けてから2年以上経っていたら、植え替えしましょう。植え替え時期は、日本では6〜7月下旬頃までが適期です。
ただし、根詰まりを起こしていたり、植物が弱っていたら、2年待たずともすぐに植え替えてください。
根詰まりを起こしてしまうと、葉っぱが枯れ、株が弱まる原因となります。
植え替えるときは、一回り大きな鉢、アンスリウムに適した用土を用意し、土をほぐすようにして株を取り出して、黒ずんだ根を剪定しましょう。
新しい鉢に3分の1ほど用土を足したら、取り出した株を入れ、上から優しく土をかぶせていきます。このとき、肥料を少量混ぜ込んでおいてもよいでしょう。鉢の縁下5cmほどまで土を満たしたら、完了です。
土が馴染むまでは、水やりは控えてください。
冬場に植替えをせざるを得ない場合は植替え直後はビニール袋等を被せて全体を密閉しておくと湿度が保ちやすく新しい根が動きやすいです。
アンスリウムの開花時期は、5~10月頃です。
アンスリウムの赤く色づいた部分は花に思われがちですが、仏炎苞と呼ばれる苞であり、花とは全く異なります。
アンスリウムの花は、ハートの仏炎苞から突起した、黄色い部分です。正式には肉穂花序(にくすいかじょ)と呼ばれ、棒状の尾のような形になっています。
アンスリウムの根はぐんぐん成長し、地上部にも出てきます(これを気根といいます)。気根がたくさん出てくると、株のバランスが悪くなってしまうので、適宜剪定をしましょう。
剪定時期は、アンスリウムの成長期にあたる春〜夏頃が適期です。
剪定方法は以下の通りです。
混み合った茎を、元の方から剪定します。
株から芽が出ている場合は、芽が残る位置で剪定します。
茶色い葉柄の近くには芽が出ていることがあるため、芽を切らないように注意してください。
傷んだ葉があれば、1mmほど茶色い部分を残して剪定します。枯れた部分を残さないと、そこから乾燥が広がり、葉が小さくなってしまうので注意してください。
半分以上枯れている葉や先終わった花は、まるごと取り除きましょう。
混み合っていた株もすっきりします。
アンスリウムはもともと熱帯地方に多く分布するため、育成温度は15℃〜30℃とされます。そのため、冬でも最低10℃以上は必要です。冬越しさせるには、温かい室温と適度な湿気がある環境を整えます。
アンスリウムは「株分け」や「取り木」「挿し木」という方法で、増やすことができます。
株分け時期は、植え替えのときにまとめて行うことで、手間が省けます。大きく育ちすぎた元株から子株を切り取り、新しい用土に植え替えたら育っていきます。
取り木とは植物の茎や枝や幹から、新しい根を発生させる方法です。
まず、茎の表面を3cmほど剥きます。その部分に水苔を巻きつけます。水をあたえると、数日して切り取った茎の部分から根が生えてきます。根がちょうどいい大きさまで生えてきたら、根の生えた下の茎の部分を切り離して、新しい鉢に植え替えます。
挿し木の時期は、株分けと同じく生育期の5〜7月頃が適期です。挿し木方法は以下の通りです。
剪定のときに切り取った株を使うとよいでしょう。
気根が出ていると、土に挿したときに根付きやすいです。
土を足し、水切れに注意して管理しましょう。
アンスリウムには、特にこれといったかかりやすい病気はありません。ただし、ハダニ、カイガラムシといった害虫には注意が必要になります。
日光不足でもないのに、葉が部分的に茶色く変色していたり、葉緑体が少ない白い箇所があると、その部分にハダニやカイガラムシがくっついている場合があります。被害を抑えるために、見つけ次第駆除しましょう。
ハダニはクラフトテープやセロテープなどの粘着力が弱いもので、ペタペタとひっつけていきます。まだ発生して間もない時期ならば、薬を使わずにこの方法で駆除できます。
カイガラムシは硬い甲羅をもった生態なので、薬剤をまいたところで、中々駆除しにくいです。使わなくなった歯ブラシなどでこすると落ちやすいので、力を加えずに表面から剃り落としてください。
情熱が込められた美しい色をした、アンスリウムの魅力と育て方を紹介しました。
インテリアのアクセントに、赤を取り込んでみると部屋の様子も違ってきます。
冬の寒い時期に気をつけて育てると、周年は花を咲かせるので、ぜひとも毎日のお手入れをかかさずにしてください。
榊原斗武
GreenSnap編集部