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開店祝いや移転祝いなど、ギフトとしてお祝いごとに贈られる胡蝶蘭。もらったはいいものの、どこに置けばいいか、どんな手入れをすればいいか困ることもありますよね。
そこでこの記事では、初心者にもわかるように胡蝶蘭の育て方を詳しく見ていきます。水やり頻度、置き場所、お手入れの方法についてご紹介しているのでぜひ参考にしてください。
お祝いでもらった胡蝶蘭のラッピングをそのままにしておくと、蒸れや傷みの原因となります。花を長持ちさせるためにも、もらった胡蝶蘭はできるだけ早くラッピングを外しましょう。
花が終わったあとは、化粧鉢に寄せ植えしたままではなく、一つずつ分けて栽培した方が管理がしやすいです。
また、胡蝶蘭の育て方のポイントは、「水やり頻度」と、「生育気温・湿度」です。
これらさえ抑えておけば、初心者の方でも、お祝いごとなどでもらった胡蝶蘭の花を1〜3ヶ月ほど楽しむことができます。また、一度花が終わった胡蝶蘭を2度咲きさせることもむずかしくありませんよ。
胡蝶蘭は基本的に「直射日光の当たらない明るい場所(気温18〜25℃)」かつ「風通しの良い場所」に置いて育てます。
夏はレースカーテン越しの窓際に置いて、窓を開けるかエアコンで温度を下げましょう。夏以外の時期は午前中にのみ日光が当たるような半日陰の窓際に置くといいでしょう。
また、胡蝶蘭は多湿も好むため、エアコンの風が直接当たるような場所は避けてください。
胡蝶蘭はもともとアジアの熱帯地域のジャングルに自生する着生ランの一種であるため、高温多湿の環境を好みます。
本来は「湿度60〜80%」ほどの環境が適していますが、水やり頻度で調整できるので、おうちで育てる場合はそこまで神経質になる必要はありません。
気温18〜25℃の環境を維持できる5〜9月頃に限っては、胡蝶蘭を屋外に置いておくこともできます。ただし、その場合は直射日光が長時間当たらないよう、遮光ネットなどを活用してください。
胡蝶蘭を元気に長く育てるには「水やり」が最も大切な作業になります。花を長持ちさせるためにも、以下3つの水やりポイントをを押さえておきましょう。
多くのプレゼント用の胡蝶蘭は、一つの贈答鉢の中に、水苔で根をつつんだ透明ポットが3〜5株セットになって入っています。
すべての株に水が届くようにするためにも、贈答鉢全体に水やりをするのではなく、内側に入った透明ポット一つひとつの水苔に、まんべんなくたっぷりと水をあげます。
また冬は、濡れた状態で夜になると植え込み材が冷えて株に負担がかかるため、午前中に水やりをしてあげるといいでしょう。
なお、水やりのあとに受け皿にたまった水は必ず捨ててください。
大きさ | 水の量(目安) |
3号(6cm) | 100〜150㎖ |
3.5〜4号(10〜12cm) | 200㎖ |
※水苔ではなく、バークチップで包まれている場合もあります。
ぬるま湯を与える必要はありません。冬の水やりは、水温は重要ではなく、夜に冷え込むまでに湿っている状態になっていること(濡れているのではなく湿っている程度)の方が重要ですので、午前中に終わらせるようにしましょう。
胡蝶蘭へ水やりするタイミングは、基本的には「水苔の表面が乾いてから」です。水苔が湿っているうちは、水やりをする必要はありません。
また、季節や株の状態によっても水やり頻度を変えてあげるといいでしょう。冬については胡蝶蘭の休眠期に当たるため、「水苔全体が乾いてから」でも問題ありません。
季節 | 頻度目安 | 水やりの時間帯 |
春 | 1〜2週間に1回 | 日中 |
夏 | 3日〜1週間に1回 | 夕方 |
秋 | 1〜2週間に1回 | 午前中 |
冬 | 2週間〜1ヶ月に1回 | 午前中 |
暖房などによって、冬でも室温15℃以上を常に保てる場合は、水やり頻度を無理に減らさなくても大丈夫です。春や秋と同じく、1〜2週間に1回程度を目安に水やりしましょう。
また、室内が乾燥している場合は、週1程度の間隔で葉に霧吹きをしておくと乾燥を防ぐことができますよ。
初心者の方は、市販の洋ラン専用の液体肥料を使うのがおすすめですが、花用なら何でも問題ありません。活力剤のようなアンプルタイプではない、液体肥料を使うのがおすすめです。
4月下旬〜10月上旬頃かつ花がついていない間にのみ、10日に1回ほどの頻度で、液肥を規定量よりも薄めに希釈して与えます。
胡蝶蘭は一度花が終わっても、きちんと管理を続ければ、数十年もの間くり返し花を咲かせることができます。
そのためには、花が半分以上咲き終わりはじめたら、花がついていた茎の2〜3節ほどを残して切り落とします。詳しい方法については、こちらの記事を参考にしてください。
また、水苔などの植え込み材が傷んできた場合、株が弱っている場合は、植え替えもしてあげるといいでしょう。
植え替えには「水苔」を使う方法と「バークチップ」を使う方法の2パターンがあります。それぞれの詳しい方法については、こちらの記事を参考にしてください。
胡蝶蘭は着生ランなので、流木やコルクに植え替えて着生させれば、吊るして飾ることもできます。いろんな楽しみ方ができるのも魅力のひとつなので、花が終わったからといって捨てずに、お手入れをして長く楽しんでくださいね。
胡蝶蘭の花が早く枯れてしまうのは、ほとんどが水やりのしすぎによる「根腐れ」、もしくは乾燥しすぎによる「シケ」が原因です。
ポットの上にのせてある飾りの水苔ではなく、その下の株元にある水苔が乾燥したかを確認しながら水やりをすることで予防につながります。
茎の下の方にある古い葉っぱが黄色くなっている場合は、病気ではなく寿命です。
茎の上の方についている新しい葉っぱが変色している場合は、「立ち枯れ病」の可能性があります。風通しの良い場所で育ててあげることで予防できます。
茶色い斑点が徐々に腐ってきている場合は、「軟腐病」の可能性があります。
これに感染すると栄養分の通り道が塞がれ、全体が枯れてしまいます。こちらも風通しの良い場所で育ててあげることで予防できます。変色した葉や病気になった箇所は、その都度切り落としておきましょう。
胡蝶蘭の増やし方は、「株分け」が一般的です。難易度はやや高めですが、ポイントさえ押さえておけば、むずかしすぎることはありません。
株分けに適した時期は、4〜6月頃です(ただし、室温を常に20℃以上に保てる場合は通年可)。
胡蝶蘭を株分けするには、「①高芽を分ける方法」と「②子株を分ける方法」の2つのパターンがあります。高芽の株分けについては、根が数本出て植えられる長さになってからおこないます。
次にそれぞれの手順について説明します。
親株から約4cmほどを残して、高芽を切り取ります。
水苔で覆うカットした高芽を水苔で巻きます(巻く量は植えこむ鉢の直径より少し多め)。
親指の腹で押し込むと簡単にできます。
子株の葉っぱが2〜3枚になったら、親株ごと鉢から抜き取ります。
株についている苔を取り除きます。
傷んでいる根や子株を、ていねいに根本から切り落とします。
なるべく根を傷つけないようにして水苔を巻きます(巻く量は植えこむ鉢の直径より少し多め)。
親指の腹で押し込むと簡単にできます。
今回は、胡蝶蘭を育てる上で初心者が押さえておきたい、置き場所と水やりについて詳しくご紹介しました。水やり頻度や量、正しい与え方を守ることに注意して、胡蝶蘭を長く育ててくださいね。
河村賢治
GreenSnap編集部