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美しい螺旋を描く茎が特徴のラセンイは、漢字表記すると文字通り「螺旋藺」。畳表に用いられるイグサは基本的に直線状の細い茎とは全く異なる面白い造形から、観賞用として流通しています。
今回はそんなラセンイについて、育て方を中心に簡単にご紹介します。
ラセンイは基本的に日当たりのいい場所を好みます。ただし、多少の日陰でも問題ぐらいの耐陰性を持っているので、半日陰でも十分育つことができます。したがってカーテン越しの日光があたるだけの室内での管理も可能です。
真夏の直射日光は避けてください。
ラセンイは本来ならば、田んぼの稲のように、湿り気のある場所で育つ植物のため、水切れのない状態を維持してあげる必要があります。
したがって置き場所を睡蓮鉢にするのも可能です。ただしあまり深くに沈めると、枯れる可能性があるので、土の表面と水面の差は5〜6センチになるよう心がけてください。
普通の培養土で育てることも可能ですが、常に湿っている環境を維持してあげましょう。屋外管理をするならば、徐々に日の強さになれるように調節してあげてください。
ラセンイは通常稲と同様の育て方に適していることもあり、乾燥は大の苦手です。したがって、夏場は毎日のペースで鉢が乾く前に水を与えてください。もしくは水を張った睡蓮鉢に入れて育てるのもいいでしょう。
ただしラセンイは水辺の植物であって、水中の植物ではないので、深く植え付けすぎないように気を付けてください。
なお地植えの場合も乾かないようにすればいいので、植え付け位置の浅さは関係ありません。
秋〜春の間は、夏と異なり暑さで乾燥する心配も少ないので、土の表面が乾き次第水を与えるようにしましょう。ただ常に湿るように意識しておくのは、夏と同様です。
ラセンイは耐陰性、耐暑性、耐寒性ともに強く、乾燥以外には基本的に強い性質のため、肥料は特別必要ありません。ただし肥料を与えてあげれば、色艶がよくなります。
肥料を与える適期としては生育期に当たる秋〜春です。真冬は避けて下さい。
与える肥料の種類や分量は、緩効性の固形肥料ならば2ヶ月に1回、液体肥料にするならば濃度を薄めたものを1ヶ月に1回の頻度で与えるとちょうどよいでしょう。
ラセンイは粘度のある重めの土を好みます。したがって鉢植えで育てる際には、市販の花や野菜の培養土ではなく、ケト土や田土を利用するといいでしょう。
ケト土とは、川や池に堆積した植物が泥状になった土で肥料分をかなり多く含んでいます。水持ちがよく水はけが悪いのが特徴で、基本的には花鉢や観葉植物に用いられることの少ない用土です。
ラセンイの植え替え時期は、茎が枯れて新しい茎が出てくるまでの期間に当たる8月〜9月頃が適期です。株が大きくなった段階で植え替えを行い、もし増やしたいのならば株分けを行うといいでしょう。
ラセンイの増やし方は、植え替えのときに行う「株分け」という方法です。適期は8〜9月になります。
もしも株分けをし忘れても大丈夫です。花が咲き終わると夏に葉が枯れてしまうので、完全に育てられてなくなったように見えますが、根が生きているので9月〜10月のうちには地下茎から茎を伸ばして成長してくれます。その植え替えの際に、株分けを行いましょう。
ラセンイは比較的丈夫な植物ではありますが、春から秋にかけてアブラムシやハダニ等の害虫が発生する可能性があります。見つけた際には必ず駆除するようにしましょう。
アブラムシとハダニの駆除は、薬品での駆除も可能ですが、布巾で拭き取るほか、牛乳1・水1の割合で混ぜた液体を植物にかけるだけでもいいでしょう。ちなみにその液体の散布は、夏場での使用は進められないほか、散布後はしっかりと拭き取ってあげる必要があります。
なお、乾燥を防ぐように心がけることも害虫を未然に防ぐ方法にもなります。
ラセンイの耐寒温度は0℃となっています。暑さだけでなく寒さへの耐性も強いので、霜にさえ当てなければ、問題なく冬越ししてくれるでしょう。
ラセンイには特別な花言葉は付けられていません。ただ仲間であるイグサの花言葉は「従順」です。
通常のイグサとは全く異なるくねくねとした茎をもつラセンイについて、今回は育て方を中心に簡単にご紹介しました。
生長しても高さが40センチ以下ということもあって、置き場所にもあまり悩まずに済む点が最大の魅力ともいえるでしょう。
イグサのように畳表として利用することができる形状ではありませんが、そのたくましさと面白い形状から観賞用として広く愛されるようになっています。
また、ラセンイの形状と色味は、洋風だけでなく、和風のインテリアとしても用いる事ができるので大変便利な植物といえるでしょう。
GreenSnap編集部