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青色やピンク色などの花を次々に咲かせる朝顔は、夏の代表的な植物ですね。小学生のときに朝顔を育てた経験がある方も多いと思います。きれいな朝顔ですが、朝顔には毒があることをご存じでしょうか?朝顔は子どもから大人まで触れる機会があるので、毒があると心配ですよね。
ここでは、朝顔の毒の部分やその成分、症状や対処方法などについて詳しく解説してきます!ご自宅で朝顔を育てている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
初心者の方でも育てやすい朝顔ですが、じつは種に毒が含まれています。朝顔の小さな黒い種を触るだけであれば毒の危険性はありませんが、朝顔の毒は黒い種を割った白色の部分に含まれているため、朝顔の種を割ることは避けるようにしてください。
それでは、朝顔の毒の成分について詳しくみていきましょう!
朝顔の種を見たことがある方も多いと思いますが、朝顔の種は三角の形をしていて小さくて黒いです。その朝顔の種を割ると更に白色の種が入っていて、そこに含まれている「ファルビチン」が毒の成分です。ファルビチンは峻下(しゅんげ)剤と呼ばれ、少量でも強い作用がある植物性の下剤で即効性があります。
朝顔は平安時代に中国から渡来してきましたが、その目的は観賞用ではなく生薬としてでした。生薬の名前は「牽牛子(けんごし)」で、種の主成分であるファルビチンを白い粉末状にして下剤として使用されていました。ただし、牽牛子の作用は強力なので多量すると副作用があり、単独で用いることはあまりないようです。ファルビチンは、生薬として使用しても強い作用であることが分かりますね。
朝顔の種に含まれるファルビチンについては分かりましたが、実際にどのような毒の症状があるか気になりますよね。
朝顔の種を誤食してしまうと、強い下痢や嘔吐、腹痛などの症状を引き起こすことが確認されています。毒の成分であるファルビチンが体内に入り加水分解されることでアルカリ塩に変化し、大腸を縮小させて下痢が引き起こされます。
その他には、神経症状や血圧低下など症状が起きる可能性もあります。朝顔の種は子どもが触れる機会もあることが多いので、誤って口に入れないように十分注意しましょう。
朝顔の種を誤って口に入れてしまったときですが、種をそのまま飲み込んだようであれば症状が出ない場合もあります。症状が数日間現れなければ、便としてそのまま排出されます。
朝顔の種を噛み砕いた場合は下痢などの症状が出てしまうため、すぐに病院へ連れて行きましょう。
ここまで朝顔の種の毒について紹介してきましたが、種以外の部分にも毒がないか気になりますよね。朝顔にはいくつか種類があり、毒がある部分も種類によって異なります。
朝顔の代表的な種類であるヒルガオ科の日本朝顔と西洋朝顔の場合は、毒がある部分は種のみです。これらの種類の種を誤食することで下痢などの症状を引き起こし、特に西洋朝顔の種は神経症状を起こすこともあります。
一方で、ナス科の朝鮮朝顔には種だけでなく、花や葉、根などの部分に毒があります。「アルカロイド」と呼ばれる強い毒で、触るとかぶれてしまうため間違っても素手で触ることのないようにしてください。
朝鮮朝顔という名前に馴染がない方もいらっしゃると思いますが、多くは「ダチュラ」や「マンダラゲ」などという名前で流通しています。見た目も日本朝顔や西洋朝顔とは葉の形や大きさが異なるので、見分けも付きやすいです。
朝鮮朝顔は株全体に毒があるので、誤食すると頭痛や喉の渇き、呼吸停止などの症状が現れて数時間~数日間続くことが多くあります。朝鮮朝顔は生薬植物なので昔から薬として使われてきましたが、現在では毒草として認知されることが多いです。
朝鮮朝顔の根をゴボウと間違えて口に入れてしまうケースも多いようなので、家庭菜園されている方は特に間違えないようにしましょう。
今回は、朝顔の毒の部分や毒の成分、そして症状や対策方法などについて紹介してきました。朝顔の毒に驚かれている方も多いのではないでしょうか。ただし、日本朝顔や西洋朝顔は種以外に毒はないので、朝顔の種を口に入れなければ問題ありません。朝鮮朝顔は全体に毒があるので、誤食だけでなく育てるときも素手で触らないようにすることが大切です。
ご自宅のお庭などで朝顔を栽培されている方は多いと思いますが、種の扱いには十分注意して育てましょう!
GreenSnap編集部