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ハマナス(別名:玫瑰)は、バラ科バラ属に属する落葉低木です。寒さに強く、潮風にも強いことから、海岸近くの公園などでよく見かけます。白い花や食べられる赤い実がなるのも特徴です。また、バラ科のハマナスには鋭いトゲがあり、庭に植えれば、防犯対策にも一役買ってくれるでしょう。そんな、鑑賞だけでなく防犯対策にもなる実用的なハマナスの育て方をご紹介します。
ハマナスを栽培するにあたっては、日当たりと風通しが重要です。ハマナスは高温多湿は苦手ですので、ほかの植物も含め、密集している場所や、夏の西日が当たる場所は避けましょう。
ハマナスを地植えにする場合は、基本的には水やりの必要はありません。自然の降雨に任せます。長い間雨が降らず、乾燥が続くときのみ、水やりをすれば十分でしょう。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら水やりをします。
ハマナスには、寒肥として1~3月に、お礼肥として7月~8月にそれぞれ、緩効性の化成肥料を株元に与えましょう。
寒肥の役割は春を迎え成長が始まる前の準備として、お礼肥には花が咲き終わったあとのメンテナンスとしての役割があります。
ハマナスの栽培で最も重要なのは水はけといっても過言ではありません。
ハマナスを育てるときは、水はけのよい用土をつくりましょう。地植えの場合は、掘り起こした土に砂、腐葉土、堆肥を混ぜて使いましょう。鉢植えの場合は、赤玉土7に腐葉土3の用土に堆肥を少量加えます。
ハマナスは根がよく広がるので、地植えする場合は深めに穴を掘ることがポイントです。掘り起こした土に、砂、腐葉土、堆肥を混ぜて水はけをよくしましょう。
鉢植えの場合は、大きめの鉢に植え付けましょう。
鉢植えの場合、根まわりが早いので注意して観察しましょう。根がまわったら、ワンサイズ大きい鉢に植え替えます。また、植え替えの際に、枝を半分程の長さに切り詰めてあげましょう。
ハマナスの増やし方は、「種まき」や「挿し木」などがあります。
ハマナスの種まきのポイントは、種を乾燥させないことです。果実から種を取り出したら、すぐに用土を入れたポットに種まきしましょう。ハマナスの種は寒い冬を越えないと発芽しないため、発芽は翌年の春になります。
4月以降に若い枝を切り、挿し木にしましょう。発根促進剤につけてから挿し木にした方が、発根する確率が上がります。
うどんこ病:葉や茎などに白い粉をまぶしたようにカビが生える病気。
さび病:葉に黄、茶褐色、黒などの斑紋を生じ、やがて落葉する。
黒星病:葉や枝に褐色、黒褐色などの斑紋を生じ、やがて落葉する。
ほかへの感染を防ぐため、病気にかかった部位は早めに取り除き、薬剤を散布しましょう。予防するには、定期的に薬剤を散布します。
ハダニ:葉の裏に寄生して、汁液を吸います。汁液を吸われた部分は白い点になり、点の数が増えると、白くかすれたように見え、やがて落葉してしまうので注意が必要です。早めに殺虫剤を散布して駆除しましょう。
アブラムシ:新芽や葉の裏に寄生して、汁液を吸います。繁殖力がすさまじいので、放っておくと植物が発育不良に陥るため注意が必要です。また、病気を媒介する間接的な被害もあります。早めに殺虫剤を散布して駆除しましょう。
シンクイムシ:メイガの幼虫で、主に果実を食害します。見つけたら捕殺すると共に、食害された果実を取り除きましょう。害虫を予防するには、定期的に殺虫剤を散布しましょう。
ハマナスは、1月~2月頃に剪定してあげると良いでしょう。花つきが悪くなった古い枝を剪定し、若い枝だけ残します。若い枝には、たくさんの花が咲くため、若い枝に栄養を集中させることと、風通しをよくすることが目的です。
ハマナスの花の開花時期は5月~8月頃に咲きます。一重や八重咲きのもの、花色は大きな赤やピンク、または白い花を咲かせます。ただし、1つ1つの花の命は短く、1日で散ってしまいます。
花が終わった8月~10月には、食べられる赤い実を付けます。
ハマナスの花言葉には、「悲しくそして美しく」「あなたの魅力に惹かれます」などの意味があります。
花の寿命が短いながらも次から次へと咲く姿や、海岸に自生するハマナスの美しい花が、青い海に映える様から、この花言葉の由来になったといわれています。
ハマナスの実が名前の由来になっているという説が有力です。実の形がナシに似ていることからハマナシと呼ばれ、ハマナシが訛ってハマナスになったといわれているのです。
ハマナスの育て方や増やし方などについてご紹介しました。1つ1つの花の命は短いものの、次から次へと花が咲き、長い間美しい花が楽しめるハマナス。さらに果実は、ジャムや果実酒などにして食べることができるのです。
また、ハマナスは、バラ科の植物なので、鋭いトゲがあり、庭に植えれば、防犯対策にも一役買ってくれることでしょう。
しかも、寒さにも強いので、日本の広い範囲で育てることができます。美しい花が楽しめ、しかも実用的で丈夫なハマナス、あなたも育ててみませんか?
※トップ画像はsawaさん@GreenSnap
GreenSnap編集部