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モッコウバラ(木香薔薇)は、中国南部原産のつる性常緑低木でトゲのないバラの品種です。害虫がつきやすいイメージがあるバラですが、モッコウバラは比較的害虫にも強く、初心者にも育てやすい品種といえます。
ここでは、そんなモッコウバラの育て方をご紹介します。
モッコウバラは開花時期の4〜5月頃になると、2~3cm程度の、淡黄色もしくは白色で、芳香のある花を咲かせます。
常緑で、小さい花が山盛りに咲き誇り、お庭を一気に華やかにしてくれるため、垣根の部分に誘引して楽しむ方法も人気があります。
モッコウバラは、苗から育てるのが一般的です。秋頃になると、園芸店にモッコウバラの苗が出回り始めるので、そのタイミングで購入すると良いでしょう。
なお苗を選ぶときは、株元の方まで均等に葉がついていて、葉につやのあるものを選ぶようにしましょう。落葉していたり、枝が折れていたりするものは、なるべく避けてください。
また、花を咲かせるまでに時間をかけたくないという方は、枝先に花芽がついているものを選むことをおすすめします。
初心者の方は、春先に出回る苗の方が新葉も花芽もついているので、その時期に購入するのもいいでしょう。
モッコウバラは強くて育てやすいので、高温多湿な場所や半日陰でも育ちます。ただし、日当たりのよい場所で育てるほうが、花つきはよくなります。一方、寒さには弱いため、寒冷地での栽培には向きません。
また、地植えにする場合は、うしろにフェンスなどのモッコウバラのシュート(茎と花のあいだのつる)を誘引できるものを立て、場所を広くとります。鉢植えにする場合は、株より二回り以上大きい鉢と水はけのよい土を用意します。
モッコウバラの苗の植え付け時期は、少し暖かくなってくる3月、または夏を終えて気温が下がる10〜11月の頃です。
植え付けするときは、風通しがよく、日当たりのよい場所を選びましょう。なお、うしろにフェンスやアーチなど、つるを誘引できるものを立て、広い場所で育ててやると元気に成長します。
気温が下がる時期の目安として、周囲のほとんどの人が長袖になってきたな…というところを基準にしてみるとわかりやすいですよ。
モッコウバラを地植えする場合は、植え付けの2週間前に土を掘り起こし、堆肥、油かす、鶏糞、骨粉などを土とよく混ぜ込んでおきましょう。この肥料に根がつかないように土を10cmほどかぶせ、植え付けます。
モッコウバラを鉢植えする場合は、株の2回り以上大きい鉢を用意し、バラ用の培養土や赤玉土小粒と培養土など、水はけと保水力のバランスがとれた土に植え付けます。
なお前述の通り、モッコウバラはつる性で成長が早く広い場所を要するため、ベランダでの栽培には向いていません。
モッコウバラを育てるときは、基本的に乾いたらたっぷりと水をあげます。
地植えにした場合は、雨が普通に降っていれば、特に水やりをしなくても大丈夫です。高温乾燥の続く真夏は早朝と夕方、日が暮れてから、たっぷりとあげましょう。
鉢植えの場合は、土が乾いたら鉢底穴から水が出てくるまで、たっぷりとあげます。メリハリをつけた水やりが植物を強く育てます。
モッコウバラは多肥を嫌います。肥料をやりすぎると、花つきが悪くなるといわれています。花が終わった頃から9月頃まで、月に2回ほど油かすや固形肥料をやります。化成肥料、バラ用の肥料も適しています。
モッコウバラを鉢植えで育てている場合は、ある程度大きく成長し、根が鉢下から出てきたら、植え替えをしましょう。
モッコウバラの植え替え時期は10〜11月が適期です。ただし、真夏と真冬以外を避ければ、それほど時期にこだわることもありません。
植え替え方法は、以下の通りです。
植え替え後は特に、普段の管理に比べてもお水を欲しがることがあります。普段よりも少し水やりの頻度について注意が必要です。
モッコウバラの増やし方は、「挿し木」が一般的です。挿し木に適した時期は6月ごろの花が終わったタイミングを目安にしましょう。
挿し木をしたモッコウバラはそのまま明るい日陰に置いて、土が乾ききる前に水やりをして育てましょう。乾燥させないことが発根させるコツです。
30〜50日もするとしっかりと発根するので、挿し木を軽く揺らして根付いてるのが確認できたら、土が乾いてから水やりするよう頻度を落としてください。そのまま育てて秋か春に鉢上げ、もしくは植え付けをしましょう。
モッコウバラは比較的虫がつきにくく、病気にも強いです。ただし、まれにアブラムシ、ハダニ、イラガの幼虫がつくことがあります。
風通しが悪くなると発生し、見つけにくくなり大量発生してしまうので、適度に剪定することをおすすめします。最近はニームなどの植物オイルやお酢からできている忌避剤が売られていますので、害虫予防に散布しておくことで、害虫の発生を防ぐことができます。
モッコウバラの剪定時期は、花が咲き終わってすぐ~7月までの夏と、12~1月の冬の年2回です。
モッコウバラはつるが暴れやすいため、ワイヤーや麻紐を使ってフェンスや支柱にツルを巻きつけ、誘引してあげると良いでしょう。詳しくは下記の記事を参考にしてみてください。
モッコウバラは育てやすく、お手入れも簡単なので初心者の方にもおすすめの園芸植物です。玄関先やお庭を華やかにしたい、常緑の植物で目隠しをしたい、手軽にバラの花を楽しみたい、といった方は育ててみてはいかがでしょうか。
だいたい育て方を覚えたら、挿し木をして効率よくお庭を飾っていくのも楽しいですよ。ぜひ挑戦してみてくださいね。
モッコウバラは成長が早い植物です。お庭に植え付けする場合には、植え付けする場所をよく見極めて、長く楽しんでください。
松原真理子
GreenSnap編集部