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ラナンキュラスは、中近東からヨーロッパの南東部を原産地としており、色数がとっても豊富でお庭をカラフルに彩るのに最適な草花です。
今回は、春の鉢花として大人気のラナンキュラスの育て方についてご紹介します。
ラナンキュラスは秋植え春咲き球根のひとつで、開花時期は3〜5月、春に見頃を迎える花です。ラナンキュラスの花は薄い花びらを何重にも重ねた豪華な見た目と、ピンクや黄色、赤や白など花色が豊富で、ガーデニングでも切り花としても人気です。
草丈は30〜50cmほどで、花の大きさは直径7〜10cmほどなので、春の花壇や寄せ植えの主役になる存在です。
ラナンキュラスの育て方で大切なのは、よく日光に当てること、冬の寒さ対策をすること、鉢植えの場合は根詰まりを防ぐことです。
栽培は難しくはありませんが、球根から育てると開花まで半年ほどかかるので難易度としては普通です。初心者の方は苗から育てるとすぐに美しい花を咲かせられますよ。
ラナンキュラスを鉢植えに植える場合は、市販の草花用培養土、もしくは球根用培養土を用意しましょう。
自分で配合するなら、赤玉土小粒6:腐葉土3:川砂1の割合で混ぜて、適量の緩効性肥料を加えてください。
また、土のほかにも鉢やプランターを用意しておきましょう。鉢の大きさの目安は1球あたり5号鉢が必要です。
ラナンキュラスを地植えで育てる場合は酸性土壌を嫌うので、植え付け2週間前から土壌の酸度調整をしっかりしておきましょう。
花壇1㎡あたり100gほどの苦土石灰をまいて、よく庭土を混ぜておきます。その1週間後、堆肥を1㎡あたり2〜3kg加えてよく混ぜ、さらに1週間後に植え付けします。
ラナンキュラスの植え付け時期は、11〜12月頃が目安です。
ラナンキュラスの球根が出回る時期は10月ごろですが、10月だとまだ地温が高すぎたり、秋の長雨の影響で土が湿りすぎている場合があるので、11月ごろまで待ちましょう。
市販されているラナンキュラスの球根は乾燥させてあるため、これをそのまま植えて育てると、水やりをしたときに急激に水を吸って腐ることがあるので気をつけましょう。
これを避けるためにも、ラナンキュラスの球根は植える前に吸水処理をする必要があります。
吸水処理の方法は、湿らせた水苔を入れた袋に球根を入れるか、少し濡らしたキッチンペーパーにくるんで袋に入れ、一週間ほど冷蔵庫にいれるだけです。湿らせた砂のところでも良いです。
球根をもどす作業を行なう際も、水に球根を浸すような戻し方をすると腐ってしまうので、少量の水分をゆっくりを吸わせることを意識して下さい。
ラナンキュラスの苗を植える時期は3月ごろが適期ですが、霜が降りる時期を除けば1〜4月の間で植え付け可能です。
ラナンキュラスの苗の販売時期は1〜3月ごろです。苗を選ぶときは葉の色が濃く、病班がないものを選びましょう。すでにつぼみがたくさんついている苗を選ぶといいです。つぼみがなければ、葉の枚数が多い苗を選ぶようにしましょう。
苗はポリポットという容器にはいっていることがほとんどですが、ポリポットのままでは根詰まりしてしまうので育てられません。必ず鉢か花壇に植え付けしましょう。
ラナンキュラスを育てるときは、しっかりと日に当ててあげましょう。また、寒冷な地域で室内で育てる場合も窓際の日の当たる場所でしっかりと日に当ててあげます。
直射日光に当ててしまうと葉などが傷んでしまう恐れがあるので、夏場の直射日光はできるだけ避けて日当たりを確保した場所でラナンキュラスを育てましょう。
鉢植えのラナンキュラに水やりをするときは、土の表面を触って土が乾いていたら、鉢の底から染み出すくらいたっぷりと与えるのが基本です。
もともとラナンキュラスは多湿を嫌う一方で、乾燥させるとすぐに葉に元気がなくなり、しおれてしまいます。乾燥させすぎても水やりをしすぎてもいけないので、塩梅が大切です。
球根や苗を植える時期である秋から春先にかけては、目安として1週間に1〜2回くらいでかまいません。朝の気温が高くなってきた時間に水やりすることが大切です。
花が咲いている春から初夏にかけては、気温も上がり乾燥しやすくなるので、土の渇き具合を見て頻度を上げましょう。開花時期の水やりは花に水がかからないように注意してください。
夏以降の暑い時期や、梅雨時期などは水やりをしすぎると根が蒸されて根腐れを起こしてしまう原因になります。朝早い時間帯か夕方の時間帯に水やりしましょう。
地植えのラナンキュラスは、球根から育てた場合は芽が出てくるまでは、土が乾燥していれば水やりをします。苗から育てた場合は、1週間は土が乾燥しないように水やりをしましょう。
いずれの場合も、地植えで育てるのなら根付いた後の水やりは必要ありません。
ただし、冬場は雨も減るので土が乾燥しすぎることがあります。葉が少し萎れてきたら水切れしているサインなので、その後の天気予報に雨がないことを確認したら、たっぷりと水やりをしましょう。
ラナンキュラスを育てるときは、鉢植えと地植えのどちらの場合も、球根や苗を植え付ける前に、土に元肥として緩行性の化成肥料を与えておきましょう。
その後追肥は芽が出てから花が咲き3月の末頃まで、10日から2週間に1回を目安に、液体肥料を薄めて与えます。
追肥は葉が枯れる前までに少なくしておくと球根が腐りにくくなります。とはいえ、肥料を切らしてしまうと花が小さく育つので、できるだけ肥料は切らさないように定期的に与えます。
ラナンキュラスの花を咲かせるには、寒さ対策は大切です。耐寒性は比較的高いといえども、ラナンキュラスは霜が降りるほどの寒さは苦手とします。
とくに地植え球根から育てる場合、関東の霜がしっかり降りる場所や、寒冷地だと寒さにやられて咲かなくなることがあります。
そのため、寒冷地で育てる場合、花壇などの地植えで咲かせたいときはマルチングを十分にするか、最初は球根を鉢植えで育てて、発芽した苗の状態で植える方が安心です。
また、鉢植えの場合も、凍結や霜に当たる可能性があるのであれば、北風に当たらないような場所に移動させたり、場合によってはビニールを張ったりマルチングをして寒さ対策に努めてください。
ちなみに、春先から草丈が高くなり、葉数も増えますが蒸れてしまわないように風通しを良くしましょう。開花の時期はできるだけ雨の当たりにくい場所に置くことで花を長く楽しむことができます。
花が終わったら、早めに花茎ごと切り取っておきましょう。その後は茎と葉だけが残りますが、花がなくても球根にエネルギーを貯めるのに必要なので、自然と枯れるまでは切らずにとっておきましょう。
ラナンキュラスは植えっぱなしでも、鉢植えにしている場合は、水やりを涼しい時間帯にしたり、雨が当たらない場所で育てられれば翌年開花させることも可能です。
ただし、地植えのラナンキュラスは植えっぱなし・ほったらかしにしていると土中で腐って咲かないことも多いので、球根を掘り上げて管理するのがおすすめです。
ただし、夏の間は地上部が枯れてしまい水やり加減が難しくなるため、基本的には一度掘り上げて、秋にまた植え付けるほうが確実。
ラナンキュラスの球根を掘り上げる時期は、花が終わって地上の葉や茎が黄色く枯れ始めた5月ごろです。
ラナンキュラスの増やし方は「分球」という、大きくなった球根を分ける方法が一般的です。分球を行なう時期は5月から6月が理想的です。
ラナンキュラスの花が終わったあと、球根を掘り上げ、洗って分球し、日陰で陰干しします。球根の根本に白い短毛が生えていますが、ラナンキュラスはここから目を出すため分球する際はそれぞれにこの部分がつくようにして分けましょう。
これらの保管しておいた球根は、10月頃に植え付けを行います。なお、植え付け方法は前述の通りです。
実は、ラナンキュラスは種からも増やすことができるのです。タネを撒く時期は10月頃で、発芽温度は15℃が目安です。
2週間から3週間ほど時間をかけて発芽しますが、それまで乾かさないようにしましょう。20℃を超えるとほとんど発芽しないので、気温にも注意してタネ撒きを行いましょう。
春頃になるとアブラムシが発生しやすくなります。アブラムシは茎や葉につき、栄養分を吸い取ってしまうので、薬剤などを散布して駆除します。
また、薬剤を使用しないアブラムシの駆除の仕方としては、テープや歯ブラシを使って地道に取る方法や、石鹸水を作りスプレーボトルに入れて吹きかけることで、石鹸水が乾燥する時にアブラムシを窒息させる方法があります。
この石鹸水を使用しての駆除の方法は、吹きかけた後、3時間程放置させて綺麗に洗い流すことです。ほかにも薄めたビールを吹きかけておくことで、ビールに酔わせ葉から退散させるという方法もあります。牛乳スプレーもおすすめです。
多湿な環境が続くと、灰色カビ病にもかかりやすいです。また、開花期に株の上に落ちた花がらから発病することもあるので、株の上は落ちた葉や花がらをこまめに取り除いて、常に綺麗な状態を心がけておきましょう。
また、生育期に葉にモザイクのような色の濃淡が見られたら、株がウイルス病に侵されている場合があります。ほかの株への伝染を避けるために、おかしいと感じた株は掘り起こさずに土ごと廃棄しましょう。
今回は何枚も重なる花びらがとても可愛らしいラナンキュラスについてご紹介しました。
少し育てるのにコツが必要な草花なので、初心者の人は苗から育て始めることをおすすめします。ラナンキュラスの育て方に慣れてきたら球根から挑戦してみましょう。
藤原正昭
GreenSnap編集部