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プリムラ(和名:サクラソウ)は、サクラソウ科サクラソウ属の花の一種で、高温多湿に弱いため多年草ですが日本では一年草として扱われることがほとんどです。その品種は全部で500を超えるといわれることもあります。ここでは、そんなプリムラ全般の育て方を詳しくご紹介します。
寒さには耐性があるプリムラですが、寒すぎる環境は禁物です。凍ることと溶けることを繰り返すと茎や花弁、葉の細胞が壊れてしまい、枯れる原因となってしまいます。
プリムラは日光を好むので日中、日が当たりやすい場所を選んで育てましょう。室内で育てる場合は窓際に、屋外で育てる場合は雨風のあたりにくい軒下がおすすめです。
プリムラを植える土は、保水性が高い一方で水はけもよい土を選びます。具体的には保水性のよい小粒の赤玉土をメインに腐葉土などを混ぜたものを用意します。肥料が少ないと葉が黄色に変色してきますので、あらかじめ肥料が含まれた土を購入するのもいいでしょう。
プリムラを種まきで育てる場合は、品種によって種まき時期が異なることを覚えておきましょう。
たとえば「プリムラ・ジュリアン」や「プリムラ・ポリアンサ」は春の時期の5〜6月、遅くとも7月初旬までに種まきをします。温暖な地域なら秋の9〜10月でも可能です。
保水性の高い土を用意し、種どうしが重ならないように撒きましょう。よく発芽させるには水やりを欠かさないことが重要なポイントになります。発芽するまで乾燥させないようにしましょう。
プリムラの苗を購入して育てるときは、まず店頭での選び方が重要になります。光合成をおこなうための葉が多く、葉が濃い緑色をしていて、花が葉のなかに埋もれていない苗が良いでしょう。
葉が多いと、花を多く咲かせるための体力が備わっているということになります。葉の色が濃いと、肥料が十分に与えられている状態である証拠といえます。花が葉の中に埋もれていないと、水がたまりにくく傷みにくい育ち方をしているとみることができます。
苗の植え付け時期も種まきとほぼ同じです。
プリムラを植えたあと後すぐに水やりをするのではなく、植えた鉢の土の表面が乾いてから水を与えます。とはいえ、土が常に湿った状態になるほど頻繁に水やりをすると、根腐れの原因となってしまうので、水やりの頻度には注意が必要です。
水を与える目安は、鉢の土が乾いていたら鉢の底から水があふれるくらい程度です。
また、プリムラは品種によっては花が密集して咲くことがあります。花弁や葉に水がたまったままになると腐る原因にもなりますので、プリムラに水を与えるときは必ず根元、土だけにかけるようにしましょう。
プリムラが肥料不足になると、葉の色が変わってしまいます。栄養不足にならないように秋から春、10月から4月にかけては緩効性の肥料に加え液体肥料も追加で与えます。秋にはプリムラが次々と花を咲かせる時期なので、それだけ肥料が必要になります。
肥料が足りなくなると花が咲かなくなったり、芽が出なくなったりするので、注意が必要です。
プリムラは前述にもある通り、日本の高温多湿の夏を越せない品種が少なくありません。そのため、多年草ながら一年草扱いであることが多いのです。一年で枯れてしまうことがよくあるので、基本的に植えっぱなしにしていても大丈夫です。
ただし、環境によっては夏越しすることもあります。もし夏越しができたら、根を延ばせるスペースを広げてあげるためにも、植え替えをしてあげましょう。
9月の下旬ごろにこれまでプリムラを植えていた鉢よりも一回り大きい鉢を用意し、植え替えてあげます。
植え替えるときは、新しい土を用意します。初めて植えるときと同じように赤玉土と腐葉土を混ぜたもので問題ありません。植え替えたら2週間ほど日陰に置いて、新しい葉が出るのを待ちます。新しい葉が出てくるのを待って、日なたに置くようにしましょう。
プリムラの花を長く楽しむためには、咲き終わった花がらをこまめに摘みとることが必要になります。
ただし、手でプリムラの花がらを摘みとると、ちぎる形になってしまい、花を傷つけることになってしまうので、プリムラの花がらを摘むときには必ずハサミを使いましょう。摘みたい花がらの茎の付け根から剪定するのがポイントです。
プリムラの増やし方は、植え替えのタイミングで「株分け」を行うのが一般的です。
プリムラの株を抜いたら古い土を落とし、ひとつの株はだいたい3つくらいに分けられます。あまり細かく分けすぎず、目安としましょう。株を分けたあとは植え替えと同じ方法で育てます。
プリムラを育てるときに注意したい害虫は、アブラムシやヨトウムシがあります。いずれも暖かくなってくると出てきますので、注意してみてあげましょう。虫がついているのを確認したら、市販の薬剤をプリムラの根元に撒いて対応します。
プリムラに発生しやすい病気には、軟腐病や灰色かび病があります。軟腐病は土と接している葉や茎が急に腐るものです。葉が急にしおれ始めたら土と接している部分の茎や葉をチェックし、腐っているものがあったらすぐに抜くようにします。灰色かび病は高温多湿の状態になると発生しやすいものです。通気性をよくし、枯れた葉や花がらをこまめに摘み取ることで予防できます。
プリムラの手入れのポイントは、ていねいな水やりです。品種によって水やりの方法が少しずつ違うため、品種の特性をよく理解しておく必要があります。
たとえば「プリムラ・ジュリアン」や「プリムラ・ポリアンサ」の鉢植えの場合は、鉢の土表面が乾いたタイミングで土に水をかけるやり方で水やりをします。「プリムラ・マラコイデス」の場合は、土に水を与えるのではなく鉢の受け皿を大きめにしておき、水を入れた受け皿にプリムラを植えた鉢を浸すかたちの水やりの仕方になります。
プリムラを育てるのが初めての場合は、苗などを購入するとき水やりの方法について店員さんに聞いてみるといいでしょう。
プリムラの花の開花時期は、11~4月頃です。ただし、品種や種まき時期にもよります。
開花の季節になると、小さいながらもハリのある花弁を次々咲かせてくれます。花色は紫やピンク、黄色、白色、褐色など、とにかく豊富なのが特徴です。
プリムラはさまざまな色で楽しませてくれる花です。家庭に咲いていたらきっと生活を華やかに彩ってくれるでしょう。ひととき目を楽しませてくれる存在として、プリムラを家庭に迎え入れてみてはいかがでしょうか。
GreenSnap編集部